すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「六人の嘘つきな大学生」が類を見ないほど面白く、朝倉秋成作品の虜になって手に取った本作。
ある日突然、SNSでなりすまし被害に遭い、身に覚えのない冤罪でネット上の「悪者」に仕立て上げられていく主人公。今や誰もが日常的にSNSを使う時代、いつ自分の身に起きてもおかしくないリアルな恐怖に、始終ハラハラしながらページをめくった。
ここまで証拠が揃ってしまったら、もう挽回なんて不可能では…と主人公とともに何度も絶望に叩き落とされる。が、真の凄みはそこからの展開だった。
怒涛の伏線回収とともに明かされる真相。えっ!この人が犯人!?と思いきや、嘘でしょ〜そっち!?と、二転三転する事態に翻弄されっぱなしで、最後まで犯人の目星がまったくつかなかった。
期待を遥かに超える面白さだった。
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Posted by ブクログ
児童文学である。
…児童文…学…?と首を傾げたくなるが、レッキとした児童文学である。だって生々しい描写ないし(そういう問題ではない)。
なんとなーく、刑事のように「薄々怪しい」と思いながら読み進めていき、ことの真相が明かされるのである。
私はただの素人読者に過ぎないが、児童文学という点で感想を述べよう。
小学生や中学生でこの本を読んでたら、きっと価値観がひどく揺さぶられたと思う。
特に、タイトルである「幸せな家族」とは何か?について。
この家は新しい家に引っ越してきて傍から見たらまーそれは仲良い幸せな5人家族に見えるが、実際は父はふんぞり返るし兄はしゃしゃり出るし母はNoといえないし姉はいい子過ぎて心配になるし本当に幸せか?と思ってしまう。
そして次々と家族が死んでいくんだけど、、、
読み終えると、多少の歪みはあるものの別に健全な範囲内ではないか?それぞれのコンプレックスはありそうだけど、家族間で何も無い方がむしろ難しいのではないか。むしろ、観天望気のことは特にそうだけど、嫌いなところはありながらも憎んだりはしてないごく普通の家庭だったのではないか?そして愛してるから、正常に狂ったお母さん。これは泣ける。
今は30代も後半になってそう解釈できる。
でもこれを10代で読んだら幸せな家族ってなんだろうってずっと考えてしまう。その先もずっと。
出会わなくてよかったのかはわからないが、ただ、もしこの本に出会えてたら、私の人生は、もしかしたら変わってたかもしれないと思う。 -
Posted by ブクログ
つい最近、昔からお世話になってる内科の先生とひさびさにお話する機会があった時に「わたしは、壊れたものを直すことしかできないから」と言っていたことを今でも覚えている。気の利いた返しができず、もごもごしていた苦い記憶もおまけで付いているのが少々厄介な点。
その時先生は、新しいものを生み出すような職業を素晴らしいことだとも言っていた。その意見にはまさしく同意するが、それと同時に医療のような、当たり前を創る医者という職業も、同時に尊い存在だと私は思う。
当たり前が続くことの幸せに、取り返しのつかない局面になってやっと気付くような私たちを支えてくださる、そんな尊い職業に就く方々の心の内を知れる貴重な本だと思う。本という、誰でも物語の一人称になれるような媒体だからこそ、読んでほしい作品だ。
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