【感想・ネタバレ】明け方の若者たちのレビュー

あらすじ

2021年12月、北村匠海主演で映画化決定! !
9万部突破の話題作、早くも文庫化。

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間。

明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。
世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。深夜の高円寺の公園と親友だけが、救いだったあの頃。

それでも、振り返れば全てが、美しい。
人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

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Posted by ブクログ

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
なんてドキッとさせられる言葉だろう。
一瞬だけ、一瞬だけ息を止めていた自分がいた。

飲み会で知り合った彼女との、
青春らしい青春の恋愛。
彼女との日々はキラキラしていた。
彼女の好きなものは全部好きになった。
好きになりたかった。
彼女の全てが好きだった。
顔も、後ろ姿も、仕草も匂いも。
連絡が来るだけで嬉しかった。
一緒に過ごしていた日々が楽しかった。

しかし、中盤で彼女の秘密が。

あぁ、″彼女″って私かな。
″僕″ってあの人かな。

重なる部分が多すぎて、辛くなった。
でもあの時、お互いがお互いを必要としていた。
あの人はあの時どう思っていたのかな。
今はどう思っているんだろう。
過去のことをこんなに思い出すとは思わなかった。
それだけ文章が、言葉が、綺麗だった。


主人公と親友との関係もとても良かった。
「こんなハズじゃなかった」
と思うことがあったけど、
しっかり前を向いて、自分を信じて、
自分の人生を楽しもうとしている姿が
とてもかっこよく見えた。

とても素晴らしい作品だった。

2025.12.6(土)

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

20代前半の、甘酸っぱさとほろ苦さが同居した青春がそのまま小説になったような一冊でした。読んでいる間ずっと、「ああ、自分にもこんな時期あったな」と、ページをめくるたび昔の自分に再会するような感覚に襲われます。

ヴィレッジヴァンガードでよく分からない本やお香を衝動買いしたり、深夜の公園で少し背伸びしたような会話をしたり。

あの頃の“自分が特別な物語の中にいる気がしていた”無敵感——今思えば青くてちょっと恥ずかしいのに、なんだかんだ一番楽しかった時期でもあるんですよね。
作中で描かれる「人生のマジックアワー」という言葉が本当に象徴的で、あの一瞬のきらめきは二度と戻ってこないからこそ胸をつかまれます。

エモさ全開の青春小説として、個人的にもすごく刺さった作品です。当時の空気感や匂いまで思い出させてくれるような、“あの頃”に心を連れ戻してくれる一冊でした。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

〜〜〜悔しいっ!
最初、あまりにも主人公の良さが分からず(しょーもない嘘つくところとか本当に嫌い)、こんなん★1つけてやると思ってたのに、浴室のシーンでもう涙止まらなかった。
酷い女だし、残念な男なんだけど、総じて愛しく思えてしまうのはなぜ?尚人、君は別だ、とても偉い、そのまま幸せになれ!

明大前に沖縄料理店があること、知らなかった。今度行かなきゃ。
作中の曲でも覚えながら、しばらく浸りたいなあ

以下記憶に残ってるとこ

尚人が、
人生は打席に多く立ったほうがいい
っていっといて、
打席に立たなきゃいけない。でも人生のキャリアも、大抵は一方通行でできてる。セーブ地点からやり直し、なんてRPGみたいなこと、現実にはできないんだって学んだよ
の下りに結構ぐっと来た
そのに続く、
後悔の二文字が見え隠れしていた
も非常に良い

主人公の小劇場について話してる時の
行った気はするけどどんなんだっけ?
のセリフまじできらい

「なおと靴下に穴空きそう」
で思考の限界と崩壊を表現してるのすげえ

紹介してくれたりょうが読み終えて一番最初に浮かんだ人だったの面白かった

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

カツセさんの言葉選びがすごく好きだ。
恋愛ってこんなはずじゃなかったの連続なのだと思う。上手くいくことより上手くいかないことの方が圧倒的に多い。だからこそ、両想いになり、互いを特別に思い合うことは難しくも尊い。
周りが目に入らないほどその人だけが自分の世界になるような恋愛を人は盲目な恋と呼ぶ。
この世界に自分と相手だけしか存在しないような、誰も介在することのできない恋。
そんな恋愛は、まだ内側が固まっていないのに外側だけが綺麗に焼けたパンケーキのように、外から見た時は美しいのに、一度食べ始めると、生焼けで苦しいことの方が多かったりする。それでも初めて見た時の美しい形を忘れられないから人はそれを食べ続けてしまうのだと思う。いつしかそれは愛ではなく執着へと変わっていることにも気づかずに。
そんな恋愛にも終わりは来るし、人は少しずつ記憶を過去に置いて前に進む。
恋愛は時間が解決するというけれどその通りだと思う。忘れられない忘れられないと叫ぶ私たちだが、心に留まった記憶よりも、いつのまにか忘れてしまった思い出の方がはるかに多いのだ。
 

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何者かになりなったが、選ばれなかった自分。
人の出会いと別れ、社会に揉まれていく現実。
どこかリアルなシーンや登場人物の言葉が
共感や心に残るものが多くとても良い作品でした。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を鑑賞してかなり好きだったので。
社会人への絶望とか、こんなはずじゃなかったとか。
工場のヘルプで指が吹っ飛んじゃう非日常にウキウキしてしまうの不謹慎だけどわかってしまうんだよな。
「もっとクリエイティブに!」みたいなのを懐かしいな〜って思ってる自分はもう大人になっちまったんだな。その意識忘れたくないのにな。
尚人の「失恋の傷は、異性で癒そうとするな、時間で癒せ」がその通り過ぎる。
世の中のすれ違うみんなも同じように感じてるんだろうな。
大人になんてなりたくないね。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

中盤に衝撃の事実が分かったところから辛くてしんどかった。それが良かった。
過剰な自意識と、こんなはずじゃなかった私たちの話。

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2025年02月01日

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5.0/5.0

劇的で刹那的な禁断の恋とこんなはずじゃなかった厳しい現実を描く青春譚。
鈍くキラキラ輝く至高の一冊。

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2025年02月07日

Posted by ブクログ

追体験したかのような、その時々の風景が思い浮かべられた。

恋は盲目であり、強欲であり、純朴である。

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2024年08月25日

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マジックアワー、確かに私にもありました。
尚人と同じく年明けから転職し新天地を迎えます、私。
BUMPとピロウズ、良い曲ですね。

比喩が上手で街の空気、匂いが伝わってきてリアルに読む事が出来た。

同年代の方には是非手に取って欲しい一冊。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社会人1年目になった自分と重なる部分が多くあった。大人になるってどういうことだろう。こんなもんだろうと妥協を重ねて、日々を紡いでいく。こんなんじゃなかったと原点を思い出しても、バッターボックスには立てない。でも立った友人に自分の姿を重ねて考えてしまう。フレーズの一つ一つが、共感でそっと心に留めたくなる。
切なくて法的に認められないとわかっていても主人公の真心に背中を押したいと強く思った。
そしてここまで人に惚れ込めるのは惚れ込む方も、惚れ込まれる方も幸せだろう。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々のエモ系小説。
実は相手既婚者だったんかい!のような読んでてビックリ要素もあったのがよかった。

高円寺に住みたくなるしもっと若い時に読んでたらなお浸れたんだろうな。
今浸れない分大人になったかもな、とは思うけど、この本みたいな青春過ごしておきたかったなーという感情がでかい。
映画も見てみたい

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

「大切な人は、いつも突然いなくなる。でも実は突然でもなんでもなくて、きっと行動や表情には見えない心の機微が積み重なって、突然のように見えているだけなんだ」の言葉、とても刺さりました。自分の経験した突然の別れが思い起こされ、その時の心のかすかな動きは、、、と想像しました。自分の経験と照らし合わせて、感情移入して最後まで読むことができました。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

「明け方の若者たち」
題名通りのお話でした。
最初は恋愛メインなのかな、と思ってたけど、読んでいくうちにみるみる仕事になり。
社会人三年目の私と照らし合わせるどころか、ほとんど今の自分と同じで。リアルすぎて驚きました。
でも、私の抱える悩みや不安は、他の多くの若者も抱えていることを知り、勝手に勇気づけられました。

同期と仕事中愚痴りあって、大将(王将かな?)に飲みに行く2人は、私と私の同期と全く重なってて、そこにも驚きつつも、安堵しました。

カツセさんの文章はすごく情景が細かくて、例えがリアルで、読みやすくて想像しやすかった。どんな例えも痒いところに手が届くような描写で、読んでいて面白かったです。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

何者かになりたかった。なれると思っていた。
そんな葛藤や、人との出会い、別れがこの一冊に詰まっていて、胸が苦しかった。
社会人になりたての頃の自分と重なった。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

自分はまだ社会人ではないが、"僕"の何者にもなれない葛藤がとても共感できた。
何者にでもなれると期待をもつ若者は、まさに自分のように感じた。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく共感、恋愛というよりも社会人になってからの心的描写の部分に。
結局大きな期待を描いて社会人になるものの、その期待に沿った社会人生活を遅れる人なんてほんの一握り。お酒、恋愛、遊びそういうのでごまかして生きていくものなんだと。
恋愛は…既婚者だとわかったら冷めてしまうと思う私には解せない部分も多かったけど、ほんとに理想の人と付き合って、それまで暗かった世界が明るくなっていく感じはわかる。主人公がこの先さらに素敵な人と出会えることを祈って。

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2025年03月22日

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20代前半のなんとも言えない淡い時期をリアルに描いていて、懐かしい気持ちになった。
人としても社会的にも固定されていない、純粋に恋愛できる期間は、貴重だと思う。30代が近づくと、否が応でも現実を意識することになるから。
人生って年齢が上がるに従って、制約が増えて身動きが取れなくなるような気がする。子供の頃は、みんな個性があったのに、徐々に肩書きが増えていき、会社名がついて固定化されていく。
だけど、実は社会人になっても肩書は捨てられるし、自由に生きることはできるのではないか、と思った。
こういう気持ちをリアルに思い出させるのが小説の醍醐味で、すごく良い作品だった。

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2025年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の思い描いていた人生と現実のギャップを突き詰められたストーリーが描かれており
その中で、生活・仕事・恋愛・友人という要素に触れ
読者に対しても自分はどうあるべきだったのか、これからどうするべきなのかを振り返り考えさせてくれる本だった。
”何事も打席に立たないと、何も始まらない”と”数年会ってなかった友人と再開して、まるで昨日のように話ができるのが親友である”という言葉にとても納得して心に刺さった。

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2025年02月15日

Posted by ブクログ

今、24歳の自分が読んですごく響いた。
18歳の自分が読んでてもまた違う感じ方だったろうな。また30歳頃に読み返したいと思う。

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2025年05月09日

購入済み

リアル

入社して新人の自分には共感できる所がたくさんあったり、コロナ禍では出来ない同僚と仕事の愚痴を言う為に居酒屋行くの憧れました。
また沼のように誰かを愛してみたい!!

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2022年01月25日

Posted by ブクログ

思ったよりも、恋愛についての葛藤要素が強かったですが、主人公と友人(尚人)の、20代後半ならでは進路の悩み、先が見えない人生に対する不安感にとても共感しました。

主人公の友人(尚人)の言葉
「23,24歳あたりは、人生のマジックアワーだとおもうのよね」
にはとても勇気づけられました。
苦しい、もっとやりたい事をしたい、ここでいいのだろうか、といった私自身も感じる悩みは、
自分が自由で、ある程度自由に使えるお金がある「マジックアワー」にいるからこそ生まれる悩みなんだと思い、とても勇気づけられました。

「人生のマジックアワー」の言葉をお守りに、苦しくて悩むことがあっても、悩みすぎずに乗り越えていきたいなと思います。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ


大手の印刷会社に内定。会社員。総務部。

彼女
「勝ち組飲み」で出会う。僕と別のキャンパスに通う大学院生。春から、途上国の素材でバッグなどを作る小さなアパレルブランドで働くことが決まっている。

石田
「勝ち組飲み」の企画者。僕とは語学の授業が四年間同じだった。口臭がひどい。ブラックな噂がたったメーカーに内定。

吉井

尚人
内定式で初めて会った。数少ない気を許せる会社の同僚。

桐谷
僕の一つ下に入って来た後輩。

足立

ミカ
風俗嬢。

黒澤
尚人の同僚。夜の営業部長。

狭山
天才的な営業力を持った曲者ワンマンプレイヤー。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

コッテコテの恋愛小説かと思えば、そんなことなくて予想外に引き込まれた。尚人の仕事に対する考え方が好きだった。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代の恋愛小説って感じだった。若々しい恋愛で思わず胸が熱くなった。
主人公があまりにも一途で、心が苦しいぐらい共感出来た。。。
ただまさかの彼女が既婚者と分かった後から読むのがとても複雑だった。
それぞれ出てくる登場人物が現実味を感じた。
最後の終わり方も人によっては気に入らない人もいるかもしれないが、私的には色々と想像が出来るからいい終わり方だったかなと思う。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

大学生から社会人にかけての、淡い恋愛の物語。
というのは間違いないんだけれど、
そんな綺麗なばかりの話でもなく
主人公の不器用な素直さが痛々しくて
目を逸らしてしまいそうだった。
そこも含めて美しい作品だと思う。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

世の中の20代はこんなかんじなのだろうか。
普通から脱線せずに生きていた20代はこんなかんじなのだろうか。
私は10代前半から脱線し続けた人生なので、羨ましさもありつつ苛立ちも覚える物語だった。
ただ、その苛立ちもこの小説を読む上でほどよいスパイスになっていたように思う。
多分、この小説に共感したり「エモい」と言える人は幸せな人だ。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

甘くて苦くて酸っぱくて、でも確かに楽しかった20代前半の気持ちを、思い出させてくれる話だった。
2人の話なんだけど、どこか自分の記憶とリンクしてくるところがあって、とにかく読んでいて懐かしい気分になった。

「大人が花火をみてはしゃがないのは、いつか誰かと見た花火を静かに思い出しているから」と教えてくれた出典元は忘れないでいようと思う。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

くどい。たとえ話が多すぎる。後半の不倫くだりは驚きがあったけど、テンポが悪い。何とか読み切った感じ。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと続きが気になって一気読み
自分でも驚くほどの速さで読み終えた小説

恋は盲目とはこのことか!
私は不倫浮気大反対で小説に出てきたら一旦閉じてしまうレベルやけど、この小説ではいわゆる不倫相手の"僕"に同情してしまったな
ここまで人好きになれるのすごいよ~
もはや羨ましいまであ
"彼女"悪いなあ、どれだけ魅力的なん会ってみたいわ

恋愛小説かと思いきや、それ以外の要素あり
「勝ち組」やったはずやのに、気づいたら描いてた将来とかけ離れた現在を生きてて、でも振り返ってみればあのとき楽しかったよな~って
思ってた仕事じゃないとか当たり前にある残業とか帰って食べて寝るだけの生活とか、まさに今その状況やのに、自分だけは人とは違う、挑戦したい気持ちあるしまだまだできるとかって思っちゃう

総じて、"僕"のイキリ大学生みたいな口調が終始いい感じにさむくて◎

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

続きが気になって読みたくなる恋愛小説としては星5。ただ文章がいちいち自分に酔っていて、ツイッターからまるまる出てきた本のようでちょっと興醒めする。

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2025年02月19日

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