すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレこれがデビュー作だなんて信じられないくらい良かった。
よい生活をするためにはよい思想を持つ必要がある。物騒なことやネガティブな考えを抱いては自分の価値が下がるなんて、ゆるやかな思想統制に違いなかった。
でも労働のない安心安全な暮らしは多くの人間が望むものだろうとも思えるので、それを求める気持ちも分からなくはない。思想の自由と犯罪を事前に取り除いた社会、比べることのできないこのふたつの狭間で悩まされる読書となった。
章ごとに視点が変わっていくところが特に良かった。さまざまな立場の人間のさまざまな選択と主張から、リゾートの何が問題なのかが見えてくる。人類全員が同じ考えを持つことはできないからこそ対 -
Posted by ブクログ
加納朋子さんのハートウォーミングストーリーですね。
星をめぐる七つの物語が最後にはファンタジーあふれる希望の物語になります。もちろん加納さんですから、ミステリーも含まれていますから、読み応えのある素敵な短編連作です。
目次
南十字に会いに行く
星は、すばる
箱庭に降る星は
木星荘のヴィーナス
孤舟よ星の海を征け
星の子
リフトオフ
解説 杉江松恋
さすが、加納朋子さん、物語構成が素晴らしいですね。短編をバラバラで読むと一見関連が無いように見えますが、すべてが最後の『リフトオフ』でしっかり繋がります。もちろん、伏線はちゃんと用意されています -
Posted by ブクログ
とんでもない作品を読んでしまったな…と感じる小説は年に数回出会うのですが、本作はまさにそれでした。
間違いなく今年ベストです。
村田沙耶香作品が大好きなのでいろいろ読み進めているのですが、これまでの作品の中で最も考えさせられました。
「消費される側」と「消費する側」の立場と思想について、繰り返し読者に投げかけられます。
SFのようでいて現実とリンクしている絶妙な世界観です。
主人公は元々感情のない人物でしたが、成長するにつれて様々な人と出会い共鳴し、感情のような性格のような何かしらの人格形成を果たしていきます。
感情がないとはいえ「嫌なこと」は元からハッキリしています。
そしてそれは女性ならば
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