白川紺子のレビュー一覧
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花菱夫妻の退魔帖、シリーズ2作目。
幽霊が見える若い二人が、幽霊がらみの事件の真相を調べ、解決にこぎつけていきます。
侯爵令嬢の瀧川鈴子は、17歳。
はっきりした顔立ちで、冷静な性格。わけあって浅草で育ち、幽霊が見えるのを利用して千里眼少女として仕事をしていた時期もあります。
着道楽の異母姉たちには着せ替え人形のごとく、おしゃれな恰好をさせられていました(笑)
結婚後もついてきた御付き女中に、真剣に着付けをされています。その衣装が、小物までとても素敵なんですよ~。
神職華族の花菱孝冬に求婚され、鈴子も孝冬を見直して信頼するようになったので、結婚したわけです。
最初はぎこちなかった二人ですが -
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「後宮の烏」で有名な白川紺子さんのシリーズ、1作目。
タイトルがちょっとピンと来なくて~軽い感じなので、後回しにしていました。
読んでみたら、かなり好み♪
大正9年の東京。
瀧川鈴子は、17歳。侯爵令嬢だが、事情あって浅草育ち。
怪談の収集を趣味としていました。
訪ねた先のお屋敷で、芸妓の幽霊を見た時、花菱孝冬という青年に出会います。十二単をまとう女の亡霊が現れ、芸妓の幽霊は消えた。
孝冬は、家系にまつわる亡霊に、幽霊を食わせたのだった‥
神職華族の家柄で、端正だが、つかみどころのない孝冬。
うさん臭く思った鈴子だが、求婚されてしまう。
鈴子は女中の娘で、母と共に家を出され、貧民窟で育った -
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ネタバレTさんのおすすめ。
幼なじみの婚約者同士。
女は才のある巫術師、男は才はないが文武に秀でる巫術師の名門の息子。
それぞれの能力を生かして補って幽鬼を祓う、ことになるのだろうが、
劣等感に苛まれている鈍感な男と、
化け物に心を飲み込まれないために男に執着する女は、
まだ関係がぎくしゃくしている。
ある島で親せきの娘が幽鬼となっているので、
祓ってほしいと依頼が来る。
島を支配する一族の分家の門のとことで、分家の長を指さす娘の幽鬼。
祓えぬ間に分家の長は死に、本家の門に幽鬼となって現れる。
ちぐはぐな二人は幽鬼の謎が解けるのか。
まだこの作者の美しさが現れていない気がする。 -
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成都一の高級旅館の若旦那・琬圭は病弱で23歳になる今まで、幾度となく生死の境をさまよってきた
そんなある日、久しぶりに体調が良かった琬圭が市を歩いていると不思議な道士に声をかけられる
道士いわく、「幽鬼、妖魅のたぐいを引き寄せる体質でそのために不調がでる」のだと…
そして、急展開!
琬圭は道士の娘と結婚することになる
そして
やってきた娘・小寧は、色とりどりに輝く雲に乗った、天女とみまがうほどの美しい少女だった
そして小寧はあろうことか琬圭に
「人間の花婿なんて今時、流行らないわ〜」と言い放つ…
どうやら彼女は人ではないらしい…
果たしてこの夫婦、一体どうなる?
温厚で世話焼きな琬圭はついつ -
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ネタバレ戦後10年。
元華族のお嬢様と、孤児として育った双子の姉妹が再会するところから。
お嬢様はいけ好かないかと思いきや、これは……ツンデレ!?
意外と相性の良い二人。
小百合が幸運だったのは、境遇の割に擦れてないというのもあると思う。
なんだかんだ、新しい暮らしに馴染んでいる。
しかし、いくら愛人がその相手と妻を恨んだからといって、憎き本妻の子を誘拐するかね?
しかも、その誘拐犯の母親は小百合をちゃんと可愛がって育てていたようだし、その心理はよくわからない。
同じ華族ってことで、そのうち花菱男爵夫妻が出てきたりはしないのかな。
あの二人なら、昭和恐慌も戦中・戦後もたくましく乗り越えて、気の良 -
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ネタバレ2024/11/04新刊案内で気になった『龍女の嫁入り 張家楼怪異譚』(白川紺子)。
龍好き、怪異譚好き故です。
古代中国が舞台となっており、ストーリー展開はもちろん、当時の文化に触れ、私にとって新しい物事を知れたり、
【よくよく読んでみれば「今までに手にした本や漫画の中に出てきたので知っている」という物に対しての思い返し】も出来て面白かった。
それが以下●点。
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❶祖が太公望の一族
清河の崔氏という一族で、『封神演義』(藤崎竜)が浮かんだ。
❷夜を5つに分けて考える時間の概念
初更(19〜21時)、二更(21〜23時)、三更(23〜翌1 -
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ネタバレ2作目は、沙来と沙文の島のお話。沙来の天才楽師と名高い忌が、海から聞こえてきた音に心を奪われ、滅びの曲と知らずに奏でてしまったことから、悲劇が始まる。
本来なら、海神の娘を娶ることで、それぞれの島はその加護を受けることが出来るのに、その加護を与える海神である海若が、滅びの曲を気に入ってしまうなんて。ただそれだけ、気に入ってしまったから、聞きたい。それがどういう結果をもたらすかは、わかっていないのだ。
実は、海神の娘も、彼女たちを娶らなければならない島の領主たちも、海神に運命をほんろうされているに過ぎないのではないかと思ってしまう。そんな彼女たちの幸せを願う巫女王である霊子が、海若の時に無謀な