あらすじ
【集英社オレンジ文庫創刊!】アンティーク着物をめぐるミステリー。京都、下鴨――。高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。両親を早くに亡くし、兄の良鷹と、准教授をしている下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。アンティーク着物を愛する鹿乃は、休日はたいてい、祖母のおさがりの着物で過ごす。そんなある日、「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまう! すると、次々に不思議なことが起こって…!?
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Posted by ブクログ
本の好みが似ているお友達に教えてもらって読みました。京都が舞台の、アンティーク着物にまつわる不思議を解くミステリです。着物が題材なだけあって、着物の着こなしが出て来るのはもちろん、詩や俳句も登場するので面白いです。茶道をかじっていたため少しは着物のことが分かりますが、分からない色や柄を調べて頭の中で思い描くのがとても楽しいです。主人公の鹿乃と下宿人の慧との関係も見どころです。歳が少し離れた男女の恋愛模様を見守るのが好きなので、続刊はそちらも楽しみに読みたいと思います。読み終わってカバーや挿絵(扉絵?)を見返すと、内容と繋がっていて面白いですね。
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祖母から遺された蔵の中の着物の謎を、孫娘の鹿乃が解き明かす。
古美術商の兄、良鷹や、下宿人で日本の近世文学の若き准教授である慧のたすけを借りながら。
鹿乃がとにかくかわいい。
いまどきの女子高生とは思えない。
そして、外面イケメンとツンデレイケメンが彼女のわきをがっちり固める。
何か、少女漫画をそのまま活字にしたかのよう。
モチーフがアンティークの着物なので、文学好きには楽しいだろう。
着物の柄に込められた意味、持ち主の思いを読み解いていくのだが、源氏やシェイクスピアが下敷きになっている。
よくできてるなあ、と感心してしまう。
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いつもだったら手に取らないタイプの本ではあったのですが、アンティーク着物の単語に惹かれ。
短編がいくつか収録されている形なのが好きでした。
文章もきれいだし、ミステリも、短編なのにしっかりと練りこまれていて、出てくるゲストキャラたちもそれぞれに人間らしくて、決して毎回大円団にならないのも好きです。
もともと雑誌コバルトで掲載されていたものだからなのか、すごく分かりやすい形で、主人公と准教授がくっつくんだろうなあという雰囲気が最初からぷんぷんしていて、それだけが苦手でした。
テンプレートのように色々と魅力的なものをぶら下げた准教授と、これまた少女漫画の主人公が行くべき王道を邁進する主人公…。こういうのがウケるんだろうなあと思いつつ、方向音痴な設定だとか、さも当然に荷物持ちに男性キャラを呼び出すところだとかが、若干苦手でした。
反対に、主人公の兄がものすごく好みのキャラだったので、たぶん、兄妹でバランスを取ってくれたのかもしれないです。
正直なところ、メイン二人の恋模様にはさして興味はないのですが、お話の作り自体はとても魅力的で、また謎解きパートも読んでて楽しいので、読み進めようと思います。
Posted by ブクログ
ツイッターなど至る所で目にかかり、私も購入。
装丁も可愛いくてとても好み。
着物が大好きな鹿乃がさまざまな着物に関する不思議事件を解決していくお話。
着物のことが詳しく書かれていて、合わせ方など真似して見たいと思った。
着物はたくさんは持ってないですが…
シェイクスピアのソネット集のところはなんとなく素敵だなあと思った。
着物から古典や洋書など幅広い関連性があってなかなか読み応えある。
次巻も早速購入。
Posted by ブクログ
Tさんのおすすめ。
元華族の家に生まれ、父母を早くに亡くして祖母に育てられた鹿乃は、
現在、高校生。
一年前には病気で祖母も亡くし、
下鴨の洋館に兄の良鷹と暮らしている。
離れには兄の友人の慧が住んでいて、蔵には訳ありのアンティーク着物。
鹿乃は休日を祖母のお下がりの着物を着ている暮らしており、
祖母の着物を愛している。
蔵からしてまってあった着物をだしてみたところ、
柄が変わったり、長襦袢が泣き声をもらしたりと、
さらりとした怪異が起こりはじめる。
その謎を解いていくが、
今のところ、背負っている業も運命もなく、卓越した異能もない。
危険といえば、
祖母の友人の孫、洋館に住み温室で薔薇を育てている、
涼やかな顔立ちの大学生の存在か。
照れもせず薔薇の花束を鹿乃に渡す「たらし」なので。
Posted by ブクログ
フォロワーさんに教えていただいた本。
とても可愛らしいお話。開けてはいけないと言われていた蔵、柄が変わった着物、泣く長襦袢、蔵の中の祖母の着物…不思議なことを解決していくのが面白くて気がついたら読み終わっていた。着物に惹かれる。
源氏物語を大まかには古典の授業やその他諸々で知ってはいたけれど、もっとしっかりと読んでいれば、このお話をもっともっと楽しめたかもしれない!源氏物語も履修したい。
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初めての作家さん。言葉選びや文の運びが何だか好きだった。鹿乃ちゃんもかわいい。着てる着物を見てみたいな。着物に疎いので、イメージできなくて残念。また追いかけたいシリーズが増えてしまった
Posted by ブクログ
着物に隠された謎。着物に残った様々な思いを文学作品を手がかりに解いていく。京都言葉の穏やかな会話が心地いい。慧も鹿野を思っているようなのに、自分の気持ちをそれとは認識していないよう。春野と知り合ったことで変化していくのかな。
Posted by ブクログ
古い着物にまつわる不思議な出来事。
古典を絡めてちょっとだけオカルト要素(いや、ファンタジー?)あって、好みでした。
おばあちゃんのツンデレが可愛すぎて悶える!
主人公の恋愛の今後も気になるー。
けど、慧ちゃんとは年が離れすぎでは……。
Posted by ブクログ
くすぐったいような京都弁。鹿乃と慧の間に流れる甘い空気に、もぞもぞしながら、不思議な物語を読み進めました。最近ファンタジー系も読むので、ならではきたけれど、最初は、ん?ってなります。読み返してやっと理解するような。自分の常識の中だけで読んでしまうのが、まだまだ読む力の足りないところだと反省します。情景や食べ物の美しい描写に惹かれました。
Posted by ブクログ
何気なく手に取った一冊。
すんなり入って読みやすかった。
鹿乃、彗、良鷹の3人のアンティーク着物をめぐるミステリーというか謎解き⁈
この作家の作品は初めて読んだけれど、シリーズ化しているので、2冊目本日購入。
Posted by ブクログ
瀟洒な洋館に住み、舞台は京都で休日にはアンティーク着物を着る。まさにレトロ!モダン!と好きなもの尽くし。アンティーク着物と文学を絡めて、お料理の描写も美味しそう。どの柄にしようと着物を選んで、お台所からお味噌汁の匂いが漂う、谷崎潤一郎の世界観。
Posted by ブクログ
vol 2
下鴨アンティーク ~アリスと紫式部~
白川 紺子さん
"下鴨"という聞き慣れた地名が目に止まって読んでみた。セリフが京都弁でうちに馴染みやすくて物語がすんなり入ってきた。主人公が同い年なのもまた読みやすい。着物の知識や古典文学、文化史どれも自分の興味にピッタリで難しくても楽しんで読める作品。でてくる謎も不思議やけどそこに詰まっている恨み、嫉妬、感謝、心配、憧れ、愛、いろんな感情が読みとれて面白い。まだ何冊か続いてるみたいやから読んでみる。
Posted by ブクログ
アンティークのお着物に残された、過去の持ち主の
心残りを着物の柄などを手がかりにして解決してゆくファンタジー。最近の紹介文はすぐミステリという言葉を使いたがるが、ミステリと言うには謎解き要素の薄いものが多い。
これもその一つで、確かに着物の由縁や見立てを駆使して人の心を解くのだけれど、ミステリとはちょっと違う。和風の心理ファンタジーと名付けたほうが良い。
旧華族の野々宮家の令嬢鹿乃は、古美術商の兄と大学の准教授の青年とともに暮らす高校生。レトロな洋館に住み、祖母の遺したアンティーク着物を纏いながら、穏やかな日常を送っている。ところがここにある着物、どれも普通の着物ではなく「声」を発したり柄が普通でなかったりと曰くがある。怪奇現象を起こすこの着物に残った持ち主の心残りを解決することに、鹿乃はなるのだが…というお話。
素敵で閉鎖的な住まいがまず、自分だけの理想の世界だし、着物の描写がなんとも美しい。手触りの柔らかさや絹の冷たい滑らかさが思い起こされる。実際の着物の写真なども眺めて想像力を増して読むと更に楽しいだろう。
お能に和歌にお着物に、旧華族の家柄。そして鹿乃を守るような素敵な青年たち。淡い恋。こんな立場になってみたいものだわと憧れる道具立て。古風で、上品な明治以降の小説世界を、現代の読みやすさで仕立て直したオトナ女子もOKな少女小説だと思う。
出てくる生活感がおっとりと優雅で、文章も淡々とあわい感じ。細かい所までそういう意識が張り巡らされて言葉遣いも徹底した京都のお屋敷言葉。和モダンの上品な令嬢の暮らしを疑似体験して楽しんだり、このお話の主人公である着物の美しさを堪能したりするには、いい。一時の夢の世界を、手箱をあけてみている。そんなおはなしだった。
持ち味とはいえさらりと読みすぎたかなと思わせる文体なのでちょっと読み応えには欠けるかも。道具立てを堪能するお話なのでこれはこれでいいのか。ちょっとだけ物足りないので星3つ。
Posted by ブクログ
ミステリー×恋愛で、どんどん読み進められるお話だった。一話一話がほどよいボリュームの短編なので、サクサク読める。シリーズものということで好きな人は続きが読めます。
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古い着物を大事に着てる、おばあちゃん子のヒロインには好感しかない。古い洋館で暮らす麗人たちが、オカルトチックな謎を解決するお話し。
ほのかな恋心も読んでて楽しい。
Posted by ブクログ
何となくタイトルで読んでみたけど、案外面白い話だった。
短い話がいくつかあって、読みやすかった。
私も着物が好きだから、着物に関する謎解きが楽しくて、さらりと読み終えることが出来た。
Posted by ブクログ
正確に書くと星3.8。
初めて読んだということもあり、面白かった。
基本は妖などがからむ謎解き系で、そこに少し恋愛要素もプラスされている。
続編も読みたい。
Posted by ブクログ
契約結婚シリーズで作者さんを知り、こちらは京都を舞台に、古文や着物、アンティークに関連した事件を解決しつつのファンタジーだと知り、興味が湧いて購入。
表紙がとても好みで、素敵!
京都が舞台だけあって、言葉つかいや景色、習慣に、京都らしさを感じる。
ただ、作者さんの作品では、さきに契約結婚シリーズを読んでいたので、こちらは少々あっさりめというか、ちょっと物足りなさのようなものを感じた。
着物を使った事件や、それらに関連する歌の謎などは面白いと思ったが、なんとなく主流、先が読めてしまうかな。
Posted by ブクログ
そこはかとなくダークな烏姫とはだいぶ雰囲気が違うけど、詰め込まれ過ぎておらずふわふわと軽い、でも柔らかく整っていて居心地のいい文章がとてもとても好み。読んでいると気持ちが整うような感覚がある。
登場人物がそれぞれ適度ないい距離感にいるのもストレスが少ない。ほんとに好き。
かなり長いシリーズのようなので先々も楽しみです。
Posted by ブクログ
少女マンガのような雰囲気でさくさく読めるので、軽めの読書をしたい人向けかな。
京都に住んでいたことがあるので地名を見ると、「あー、あの辺りかな。」と想像できて楽しかった。
Posted by ブクログ
亡くなった祖母が保管していた着物は曰く付きで、柄が知らぬ間に変わったり、すすり泣きが聞こえてきたりする。
孫の鹿乃と兄たちが、着物に込められた気持ちを読み解き、その気持ちを晴らしていく。
謎解きには、俳句や源氏物語などの古典も関連していて、勉強になった。
Posted by ブクログ
主人公の野々宮鹿乃は着物が好きな高校三年生
兄は古美術商で良鷹
兄の友人の大学で准教授をしている慧(下宿人)と3人で暮らしている
旧家の家柄で蔵に昨年亡くなった祖母の着物があるということで探すことになる
が、他にも人からもらった着物があり、その着物が泣き出しり、柄がかわったり、奇妙なことが起こりそれを解決するはなし
Posted by ブクログ
シリーズ化してるのを見て気になって、手に取った本。
鹿乃と慧の関係の今後も気になるところではあるが、何より鹿乃の家の蔵の中の物たちが原因で起こる不思議現象(としか言いようがない)が面白い。
次は何が出てくるかと少しワクワクする。
と同時に、鹿乃と一緒に謎解きをしている気分になれるのも楽しい(年齢は違うけど)。
短歌やら俳句やら日本史は全然詳しくないけど、着物の話は好きだし、読みやすかった。
Posted by ブクログ
軽い本が読みたいなぁと手に取ってみました。
うん、軽かった。なんて言うのか少女漫画みたいなお話。それにしても私は着物の柄が変わったのは科学的な説明が付くのかと思ってたら全然違った展開になったことにびっくりでした。
そしてそれに驚かない主人公たちに反対にビックリ。
いやさ、君たち、長じゅばんが泣いたらもっと驚こうよ、気味悪がろうよ… とそんな方に気を取られてしまいました。
まあでもちょっと不思議な少女漫画テイスト小説~と思えばそれもアリなのかもしれない。面白くない訳ではないけれど自分にはあまり合いませんでした。