あらすじ
初夏を迎えた京都、下鴨。糺の森で、若いころ求婚の返事が聞けないまま婚約者を亡くした、と語る老人に出会った幸。(鶯の落し文)「香水瓶を返して」という女性が訪ねてきた日から、身辺に彼女の幻影を見るようになった春野。彼女の正体は……。(青時雨の客人)ほか、全六編収録。時代を超えて受け継がれる、古い物たち。そこに宿る想いを見届ける、シリーズ最終巻。 【目次】鶯の落し文/青時雨の客人/額の花/白帝の匂い袋/一陽来復/山吹の面影
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いよいよ最終巻。この本の話以降も、みんながそれぞれ一歩ずつ歩んでいく事が想像できる話で、ほんわかしました。まだまだ、白露は心配で姿をあらわしているみたいですけど(笑)
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白帝の匂い袋 が印象的です。
伯爵家当主のお手つきになって生まれた鈴
本家の奥様が 本当は鈴の母親と仲良しで 鈴を守ろうとしているのだとは 最初はわからない。
嫁いだ 野々宮季秋や妹ふたり 姑の峯子から守られて暮らす
そこへ 伯爵家の長男が追いかけてやってくる。
慰み者にしようとする。
季秋からもらった 守り袋の白帝が白い光を放って追い払う。
野々宮の家が良い家で いろんな憑き物が住んでいるが 鈴が幸せになれて いい話しでした。
季秋も 絵に書いたような素敵な人でいいですね。
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おもしろかったー。
夢中になって読みました。
大好きなシリーズがついに完結。
大好きな京都が舞台ということもあって好きな作品でした。
着物のことだけではなくて色々な伝承についても触れていて興味を持ちました。
私も調べてみたい。
終わってしまうのがさみしいです。
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白帝〜の野々宮家の人達もみんな良い人。あの時代に鈴のことを温かく迎えて、偏見もない。樹下の奥様も、冷たいようで本当はひたすら鈴のことを思って苦しみは全て自分が引き受けて強い人。良鷹あんなにグータラソファに寝てたのが、幸のためにすっかり活動的に。虎の帯は慧に随分といけずなことを(笑)幸の不思議な力は個人のものなのか、そういう家系の子なのか、知りたかった。幸の成長と良鷹をもっと読みたいのでまた書いてくれないかなぁ。
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前作「白鳥と紫式部」で完結したと思いこんでいた。
確かに鹿乃の物語は完結した。しかし新たに
良鷹と幸の「下鴨アンティーク」の幕が上がった。
私の大好きな「下鴨アンティーク」の世界が
まだまだそこにあるという幸せに浸っています。
幸の持つ力の正体も源泉もまだわからない。
ひとつひとつの怪異が解き明かされるごとに
その力は強くなり またその力そのものの物語も
織り成されてゆくのだと思う。
野々宮家だけが持つのではない…
妖気や人の情念が渦巻く古都を守り続ける
さまざまな力に触れる旅。それが下鴨アンティーク。
もうここから先を目にすることができないのだけが
とても残念です。物語も、表紙絵も。
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続き……かと思いきや、本当に番外編みたいな感じで、まあ続きなんだけど、鹿乃ちゃん目線が全然なくて寂しい……。
●鶯の落し文
主に幸目線。
本当にこの子は不思議な力を持ってるみたいだけど……。
野々宮の後継者になれそう(笑)。
●青時雨の客人
春野目線。
割と恐い話だった……。
小さな額の傷へのコンプレックス、いくら妹から見て気にし過ぎと思っても、親があんな風に言っていたら自信を失うのも当たり前というか……。
神経質な姉と無邪気な妹の対比が傍から見てると恐い。
●額の花
これは割と面白い、芙二子から野々宮家の女性に代々受け継がれるブローチ目線。
ラストで最初の持ち主とつながるところが何とも良い。
●白帝の匂い袋
芙二子の祖父母たちの馴れ初め。
てことは、鹿乃と良鷹から見ると……高祖父母というやつか!?
ここまで遡ると、野々宮家の人々は相当に強い力を持っていたんだなあ。
●一陽来復
慧目線の短いお話。
二人のいちゃラブが可愛い。
しかしついに、ファーストキス描かれなかったのね……。
●山吹の面影
主に良鷹目線。
相変わらずミステリー要素多め。
幸の不思議な力が発揮され、狐におにぎりをあげて落ち着かせてしまうのがすごい。
まだまだいくらでも続きが書けそうな設定なのに、もったいない感じだけど、このくらいでスッキリ終わってちょうどいいのかな。
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下鴨アンティークの7作目の番外編。
良鷹が引き取った少女、幸のお話や、
春野のその後(といっても不思議に巻き込まれただけ)、
最初のお嬢様以外誰のものにもならない紫陽花のブローチのお話と
あれこれあったが、
一番良かったのは、鹿乃の祖母の祖母にあたる女性の嫁入りのお話。
妾の子供が、母親が亡くなった後本家に引き取られ。
女中として働かされ急に嫁に出されたお話かと思いきや、
本妻には隠した気持ちがあって…という意外性が良かった。
小姑にあたる姉妹が急に現れた「兄嫁」に次々と着物を着せようとしたり、
結局夫となる兄が選んだ着物と帯に、
帯締めや帯揚げを選んできゃいきゃいする場面がかわいらしい。
しかも化け物から兄嫁を守るために薙刀をふるうとは頼もしい。
これで最終巻なのはすこし寂しい。
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下鴨アンティークもこれでおしまい。主に周辺の人たちの短編集。暖かい野々宮家の人たちに会えなくなるのはさみしいけど、最後まで無事たどりつけて嬉しい
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シリーズ最終巻。
本編の後日談といいますか、番外編のような内容です。
個人的にスピンオフ・番外編が好きという事もあって、本書の6篇も楽しく読ませて頂きました。本当、サブタイトルにある“宝箱”のようですね。
本編の頃から、“野々宮家ルーツ話”がお気に入りだったので、本書では「白帝の匂い袋」が印象的でした。内容はちょいとホラー入っていて、哀しい部分もあったのですが、何より鈴さんと季秋さんがお互いを想う姿に、心が温かくなりました。
ブローチ目線の「額の花」も素敵な話でした。“物“の意思をくみ取り大切に受け継いでいく事。これぞ、アンティークって感じですよね。
そして、「鶯の落し文」「山吹の面影」等で、良鷹が幸ちゃんの“お父さん”している様子が微笑ましかったです。
シリーズはこれにて終了ですが、成長した幸ちゃんをメインにした新シリーズなど出たらいいかも。と期待しながら本を閉じた次第です。
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シリーズ最終巻で番外編。
「鶯の落し文」「青時雨の客人」「額の花」
「白帝の匂い袋」「一陽来復」「山吹の面影」の6編を収録。
宝箱というだけあって、番外編らしく色んなお話が楽しめました。
そしてさりげない蘊蓄もしつこくなくて好みです。
なんて楽しいシリーズだったのでしょう♪
こういう不思議は大好きです(p^_^q)
装丁が素敵!!
シリーズの1作目を装丁に惹かれて購入してから結局全巻買ってしまいました。
装丁も素敵ですが、お話の雰囲気もまさにこの惹かれた装丁の雰囲気そのままで、耽美でした。
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下鴨アンティーク番外編。
野々宮一家に関わる人々視点の話。
表紙の虎かわいいと思ったら、番犬か(笑)
鹿乃と慧の話が少ない分、甘さ控えめだけど、切ないロマンス力はむしろ高い!
鶯の落し文…野々宮家の養子になった津守幸の初の解決事件簿。パパ(?)となった良鷹がかいがいしい(笑)
野々宮家に引き取られてから幸は下鴨神社の鎮守の森、糺(ただす)の森がお気に入り。どんなにいい人でも、まだ慣れない人と一緒に暮らすのには時間が必要。人には見えないものが見える幸は、森で過ごすことが多いが、そこで亡くなった婚約者からの手紙を探す老人と出会う。
一方良鷹は真帆の父、弥生よりいわくつきの品の解決を頼まれる(押し付けられる)。
青時雨の客人…牡丹柄の香水瓶を返してほしいと春野の元に現れた亡き祖父の客人。祖父は亡くなり、香水瓶は見当たらない。しかし、どうやら春野は憑りつかれた様で、彼女の夢を見るようになる。春野の友人、菅谷がめちゃくちゃいい奴だわぁ。
春野君みたいに人に弱みを見せられない人には、鹿野や彼みたいに、素直で世話焼きな人と相性がいいんだろうなぁ。
額の花…初のブローチ視点。紫陽花のブローチの持ち主の話と、鹿乃の元にくるまでの持ち主の変遷。素敵なロマンスの話。
白帝の匂い袋…鹿乃の高祖母の話。七条駅が開通したのが大正2年の話だから、下鴨アンティークのちょうど100年前くらい?化け物屋敷と呼ばれる野々宮家に東京から身一つで嫁いできた鈴。
実母が亡くなり、伯爵本家に引き取られ、自分が妾の子だとわかったと思ったら本家で恐ろしい目にあい、その後すぐに嫁入り。
まるで厄介払いのようだと思っていた鈴だが、思いがけず野々宮家の面々は鈴に対して優しい。そんな中、東京から鈴を追って義理の兄が姿を表し、言うことを聞かないと野々宮家に害を成すと鈴を脅す。そして自分を野々宮家に連れてきた伯爵家の奥様の真意を知ることになる。
一腸来復…冬至の夕方に野々宮家に向かう慧は、途中の森で鳴き声を聞く。入った先で何かの気配と、守られた気配を感じたまま鹿乃の元へ行くと、いつの間にか慧のマフラーに一匹の虎がいた。その虎は鹿乃のしている抱え帯の虎とうり二つ。どうやら一匹落ちてしまったのを慧が拾ったらしい。二人が近づくと威嚇する帯に、慧は鹿乃とイチャイチャすることができず。。。
良鷹の兄心がふんだんに詰まった帯をどう乗り越える!?(笑)
山吹の面影…良鷹、弥生に仕事を押し付けられる第2弾。結婚を控えた女性が使用する予定の筥迫を開けてから、その女性の周りに花嫁姿の幽霊が現れるという。
もともとその筥迫は女性の祖父が結婚式当日に逃げられた花嫁の身代わりのように置いてあったものらしい。
話を聞きに行く良鷹についていくと言ってきかない幸。
逃げた花嫁の地元では狐にまつわる古い婚姻の風習があるそうで…
見えて聞ける幸がいるとスピード解決するねぇ。
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妹からの譲受本。
これはまわってくるのを楽しみにしてるもの。
これがラスト
本編は、1冊前で終わって、周辺の人の話の番外編&幸ちゃんの話など
ああ、これで終わってしまうのかぁ
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シリーズ8
1話
幸の話
2話
春野の話
3話
千恵子お嬢様の紫陽花のブローチ
4話
芙二子さんのお母さんのお母さんお父さんの話
鈴、季秋 奇妙な話だがキュンキュン要素満載だ
5話
冬至の夜の慧ちゃんのちょっとした虎の話
6話
狐の嫁入り
幸 良鷹 弥生の話
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本編終了後の番外編な今回でしたが、面白かったです。
最終巻で突然現れた幸ですが、彼女の持つ不思議なところをもっと知りたいとなりました。良鷹や鹿乃との関係もとても良いです。
今回はお化け系だけど優しいお話が多かったのも良かったです。昔の野々宮家のお話も、ひりっとしたところもありましたが良いお話でした。
遂にこのシリーズも終わりかぁと思いました。
皆幸せになったらいいな、と思う素敵なシリーズでした。
とても好み
お馴染みのキャラクターを縦糸に不思議な物語が紡ぎ出されています。中国の伝奇物語や日本の民俗学を織り込んだ美しく不思議なストーリー。
ライトノベルなのにユーモアや人情ドラマ的な部分は排除し、上流で上質な美しいあやかしの世界です。百鬼夜行抄を思い出しました。
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これが本当の下鴨アンティーク最終巻の短編集。
大好きなシリーズだっただけに勿体なくて読めずにしばらく寝かしてました。
春野の話、鹿乃たちの高祖母の話もありますが、全体的に良鷹と幸の話だったように思いました。というか、今まで良鷹のそばに寄り添ってきた鹿乃の代わりに幸ちゃんがいて、鹿乃が頑張って工夫して解いてきた野々宮の謎解きの代わりに、幸は天性の能力(それは幸せとは言えないとはいえ)をもって良鷹の骨董の謎を解いていくのが、対比としては面白いのですが、前巻で野々宮家の役割を継ぐと決意した鹿乃にまるで相対するようで、少し寂しい気持ちになりました。鹿乃はお嫁に行く、そういう布石かなぁと思ってしまったりもしました。是非鹿乃にはお家に残って欲しいんですが、慧の立場上も出るしかないのかな。
もちろん別に幸ちゃんに文句があるわけでもきらいなわけでもないです。
鹿乃と良鷹の高祖父母、鈴のお話は、幽霊関係は女だけじゃないという傍証ですね。それにしても、鈴さんにしても汐子さんにしても芙二子さんにしても、野々宮家は見合いなのに代々らぶらぶで(笑)すごい家系だなと思いました。
鹿乃の話も読みたかったなぁ。
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不思議な着物シリーズ最終巻。
今作は、前作までと違い鹿乃が主人公の話だけではなく、良鷹や幸、春野など色々な人が主人公の短編集。
霊的な不思議な体験をして、鹿乃と同じように謎を解いて解決していく。
主人公はそれぞれでも、一冊を通して良鷹がだんだん幸の父親らしくなってきているのがわかる。
これで終わりなのは残念。
もっと続いて欲しかった。