白川紺子のレビュー一覧
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ネタバレアンティークミステリー。とても素敵なジャンルでした。
旧華族の絢爛たる美術品に、雪華がモチーフの美しい邸宅。読んでいるだけでも心が躍ります。
生粋のお嬢様である撫子と、養育院で暮らしてきた小百合。お互いがお互いを気にしているけど、まだぎこちない雰囲気。出会ったばかりの双子の姉妹の関係性。微笑ましく読んでしまいました。
そして厳しいけれど優しさのある橘含めた、雪華邸の人々。どの登場人物にもすごく愛着が湧きました。(叔父たちは除いて…)
そしていわくつきの品としてでてくる、美しい美術品たち。思わずこの目で見たくなってしまいました。双子の見た目も気になりますし、
表紙のイラストが楽しみです…!
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作者買いです。
白川節最高。
戦後の時代感をフィクションとはいえ味わえるのも楽しいし、しかし重すぎず軽やか。
同作者の下鴨アンティークと構成が似ていますが、こちらのほうが「いわくの品」があっさりめです。
環境、生まれ、時制、家庭、親戚、責任…自分ではどうすることもできない とか 苦しい といったものたちからしゅっと逃げたり解決したりする展開にスカッとします。
そんなにうまくいくはずないだろうし、運がよすぎ恵まれすぎと感じる人もいるでしょうがそれでいいんですよ、フィクションですから。
せめてフィクションの中ではあっさりスカッとしたいじゃないですか。
この作者の話の中でもファンタジー要素 -
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後宮の烏スピンオフ第二弾『海神の娘 黄金の花嫁と滅びの曲』は前作『海神の娘』より前の時代のお話。
戦争が絶えない沙文と沙来。それぞれの国の領主とその妻である海神の娘、彼らを支える人々を中心に描かれます。
『後宮の烏』の烏連娘娘も、海神も、この世界の神々は残酷で気まぐれです。海神に選ばれた領主や海神の娘でも、自ら努力をして状況を変えていかないと生き残れない。
実際、戦では沙文の方が禁忌を犯しているのですが、滅びたのは沙来ですから。神の気まぐれに人はふりまわされてしまうのです。
それは、『十二国記』や『香君』などでも描かれたテーマで、神と施政者、人のありかたについて考えさせられます。 -
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『海神の娘』は『後宮の烏』のスピンオフ作品。『後宮の烏』の世界の南方、島国、花勒・花陀・雨果・沙文の国主と海神の娘との婚姻譚。
『後宮の烏』に登場した国々の話が読みたかった私にとって待望の物語です!
『後宮の烏』では烏連娘娘に、『海神の娘』では海神に、それぞれ娘たちが選ばれることで、彼女たちは特殊能力を与えられ、過酷な運命に巻き込まれます。
しかし、海神の加護を受けるからといって、すべて上手くいくわけではありません。人を呪う海神の娘や、妻を惨殺する暴君なども存在します。
海神の気まぐれで選ばれたとしても、そこに根を張り、自らが苦心して人生を切り開かないといけないのです。 -
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『烏衣の華 2』では、月季の恐れていたものが現れます。月季はそれに立ち向かうことができるのか。
また、今回『後宮の烏』の登場人物たちも深く関わってきます。
白川紺子さんの、先の読めない物語の構成がすごい。月季の中にある「内なるもの」は、彼女が敬愛する祖父・千里も知っていたんですね。そして彼女に付き従う燕「烏衣」の正体もわかりました。
さらに物語は国を巻き込んだ事件に発展していきます。
『後宮の烏』では烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)と他の神との戦いが描かれましたが、今回は別の神々が登場するのか?そして、月季の正体は…?
二巻はそんな謎を含んで終わったので、刊行されたばかりだけど早く続き -
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『後宮の烏』から数十年後の霄国を舞台にした『烏衣の華』。巫術師の少女・月季とその許嫁である霊耀が、島に現れた幽鬼の謎に迫ります。
待ち望んでいた『後宮の烏』のサイドストーリーです。
新たなヒロイン月季は、高名な巫術師。しかしその生い立ちは不遇で、継母にいじめを受けてきた幼少期でした。継母の死は自分の「内なるもの」が原因ではないかと常に恐れています。
霊耀のことは自分を救ってくれる存在だと思っています。けれど霊耀が彼女にコンプレックスを抱いているし、月季もそれをわかっているから、二人は微妙な関係性を保っています。
今後、月季の過去や秘めているものが明らかになるのでしょうか。早く続編が読み -
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ネタバレTさんのおすすめ。
体が弱い、高級旅館の若旦那のもとへ嫁入りしたのは、
若旦那の命を救った道士と龍王の娘の一人娘。
龍女とあって、泣けば雨が降るし怒れば雷が落ち、
お供はすっぽんの侍女。
若旦那の体の弱さは、幽鬼、妖魅の類を引き寄せる体質のせいであり、
龍女の嫁はそれを雷で焼き払ってくれる。
体調がよくなったのもあり、幽鬼と話せることを知った若旦那は、
次々と幽鬼を連れてきてしまうし、頼みをきいてしまう。。
竜宮で育った、世間というか人間の世界知らずだが素直な娘は、
幽鬼を祓いながら、
少しづつ人間の夫と人間の世界に慣れていく。
父親がわからず、幽鬼を惹きつける血を持つ若旦那は、
普通の