白川紺子のレビュー一覧
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『後宮の烏』から連なる同じ世界観の作品で、ファンにとっては嬉しい。
天才巫術師の美少女とその許嫁が、ある島の名家で起きる連続死亡事件の謎に迫る。
祓う力を持つ者と、持たざる者の互いの葛藤が、素直になれない恋愛に奥行きを持たせている構成で、積み上げられていく二人の会話や行動があってはじめてラストへと繫がる。
王道、且つ、みんな大好きな設定にプラスして『後宮の烏』『海神の娘』のちょっとした設定が絡まり合い、まさに読む手が止まらない。
キャラクター小説ではあるけれども、しっかりとした世界設定があるので、昨今の中華ファンタジーのなかでも好きな作品だ。 -
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ネタバレTさんのおすすめ。
異能の二人が結婚する、かなりよくあるお話。
一人は侯爵家の末娘だが、
女中だった母親と追い出され、浅草に暮らしていた。
侯爵家に発見されるまでは、貧民窟で「千里眼の少女」として生活していた。
幽霊が見える。
もう一人は男爵家の当主。
神職をつかさどる華族で、横浜で薫香の会社を営んでいるが、
一族の巫女だった女性の怨霊に取りつかれている。
怨霊は、幽霊それも恨みが強く苦しんでいる幽霊を好んで食べ、
食べさせないと一族の者を殺すらしい。
かなりよくあるとはいえ、
華族の世界や当時の世情が上手く取り入れられていて、
面白かった。
初詣が古い宗教儀式ではなく、
明治時代にはじ -
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ネタバレずっと前から本屋さんで平積みされていたのが気になっていた。でもシリーズものは当たり外れがあるし、、と思いしばらくは手に取らなかったけれどアニメ化もしたとのことで今更ながら読み始めた。
ここからは完全に個人的な好みになるけれど、かなり好きな雰囲気。寿雪や高峻をはじめとする登場人物達も人間味があっていいなと思えるし、根本の夏の王冬の王の謎も先が気になる。
中華風ファンタジー(というのか?)によく出てくる宦官だけど、私が宦官という言葉やその意味を知ったのが浅田次郎さんの『蒼穹の昴』だった。学生時代初めて読んで物凄く面白くて記憶に残っている。主人公が宦官となるシーンなども割と鮮明に覚えている為、アニ -
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シリーズ3冊目。
読み始めた当初は、「椿がらみの事ばかりで、飽きたり中だるみになってしまわないかな」と思っていたのですが、実際に読んでみると、椿どうこうよりも「人と人との繋がり」を中心に据えたストーリー作りがしっかりなされているからか、全く飽きません。
最近、巷でお勧めされていたり、売れていたりする本は結構ダークでシリアスで……という、いわゆるイヤミス感漂う作品がナチュラルに混在しているので警戒しているのですが、この本に関しては「楽しいことばかりではないけれど、苦しいことばかりでもない」というメッセージが込められているような感じです。
読んでいてしんどい気持ちにならないし、ほっこりする