白川紺子のレビュー一覧
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ネタバレこれまで鈴子さんに執着してきた鴻夫人が殺され、問題は解決…と思いきや、明石の君を巡る謎は、まだまだ尾を引きそうです。
そして、孝冬さんの兄の恋人・薗部らく淡路島で鴻夫人と会っていた情報も。果たして彼女は事件に関係しているのか。
そして、どうやら鈴子さんのルーツは淡路島にあるらしいのです。
最近では「お祓い」を強制される花菱夫妻。刑事からは「木枯らしとともに現れる老婆の霊」を、宮内省の穂積からは「妹に恋する老人の霊」などを始末するよう頼まれます。
すっかり上流階級のゴーストバスターズとして使われているなあ…。と、思ったら、しかし孝冬さんもタダでは動きません。
相手から有益な情報を引き出したりもしています。鈴子さんなんて、穂積を論破してやり込めてしまいますし。
まだ新婚ですが、二人とも 本当に息のあったご様子。最初の出会いは最悪だったというのに…。
そして毎回、鈴子さんと孝冬さんのお召し物もすてきで読むのが楽しみです。冬なので別珍に雪華紋のコートに、半襟も雪。帯留めとタイピンのリンクコーデもすてき。 -
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ネタバレ全体としての評価☆☆☆☆☆
とても読み応えがある内容だった。後宮を舞台にした歴史ファンタジーで、当代の人気作家の競作オムニバスの第二弾。第一弾もそれなりに読み応えがあったが、第二集となる今作は更に内容が充実していたように思う。大変魅力のある企画なので、是非、続刊も期待したい。
一つ一つの物語について言及したいところなのだけれど、今回は的を絞って特に印象深かった作品についての感想にとどめたい。
☆「夜明」 小野はるか作
いわゆる李氏朝鮮王朝を舞台にした韓流もので、中華ものが多い中で、異彩を放っていた。個人的ではあるが、自分も同じジャンルの作品を書いているので、大変興味があった。お恥ずかしい話なのだけれど、実のところ、この時代を舞台にした韓流ものを読んだのはライトノベルに限定すれば、初めてである。とても学ぶところが多かったと共に、楽しく読めた。
☆十式部物語 三川みり作
こちらも中華ものが多い中では珍しく、日本の平安時代を舞台にしている。どうしても大河ドラマの世界を想像してしまった。名家の姫君は父親と一族の期待を一身に担い入内する。政略で結ばれた帝は冷淡で、他の女君をこれみよがしに寵愛しても、嫉妬さえ許されない。可憐な笑顔の裏で降り積もる情念を短編という制約がある中で見事に描いていると思った。これだから、女性は怖ろしいと言われるのかもしれない。
☆皇后の花園 伊勢村朱音作
一見、冷徹で非情とされる皇后の意外な優しさや、人間らしさが胸を打つ作品。宦官と皇后の男女の情を介在させない不思議なつかの間の心の触れあいが最後、心に迫った。
☆金の鱗を持つ娘 白川紺子作
これは、もうベテランらしい大変重厚でありながらも、読者を最後まで飽きさせない構成、物語になっている。
読み終えた後、不思議な夢の世界から抜け出したような浮遊感を感じる。古典的な香りもする佳作。
この作品をオムニバスの最後にもってきたのは非常に効果的だと感じた。 -
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ネタバレ鴻八千代が殺害されて衝撃の幕を閉じた前巻から続き。
「木枯らし」
自分の存在のせいで、浅草で共に暮らしていた人たちが殺されたと知り、ショックを受けた鈴子。
そのショックから立ち直れないまま、孝冬に新しいお祓いの依頼が。
刑事の加賀美から持ち込まれた依頼内容は、燈火教の元信者のもとに現れる老婆の幽霊。
淡路の君の好みではないようだ、と思っていたら、依頼主の元に現れていたのは、幽霊本体ではなかった。
高利貸の老婆が、依頼主の叔父に殺されたため、叔父のところに化けて出ていたが、叔父が死んだ際に依頼主の方にきてしまった、と。
「美しい背」
鴻夫人が殺されていたことで、内務省に目をつけられていた花菱夫妻。
そこに、内務省の穂積の紹介という人がきて、九谷焼の皿を買ったら幽霊がついてきた、という相談。
夫の背中に似ているから幽霊を払いたくないという奥さんかわいい。
「恋重荷」
穂積の妹が嫁ぎ先で出会っている幽霊についての相談。
これは、最近ネットでよく見かける勘違いオジ案件ではないか……!
まあ、こういったこと自体は、昔からあったろうから全然不思議ではないんだが。
それより、なんかカッとなってすぐ殴ったり殺したりする伊平の方がだいぶ怖い。
そして最後に、鴻夫人を殺害したのは、兄・実秋の恋人だった薗部らくかもしれない、という話になってくる。
また、妹の窮地を救った花菱夫妻に恩を感じた穂積が、淡路の君を祓うのに協力する、と。
公家華族が持っている史料も見せてくれたり、内容を教えてくれたりする・・・!らしい。
「番外編 海神の鏡」
千葉の方に旅行に出た時の話。
『海神の娘』を読んでると、関係あるのか?と思ったけど違った。
死んだ後も恋人を待つ将校学生の霊。
あ、綿津見(わたつみ)荘って、海神(わだつみ)とかけてるのか、と思ったけど、調べたら綿津見の神という海の神様が日本神話にいた。
あと、1、2巻で終わりそう。 -
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これは いろんなツボにはいることを 目指した本です。
資産家令嬢 蝶子 だけど 諜報員
父親は 諜報機関のトップだったけど 何年か前に自殺
人々がまだ戦争の記憶を持っている時代
公安警察の鹿野という若くてハンサムな人が 運転手兼ボディーガードにつけられる。
父親が自殺する前に秘密の手帳を残している
という話しが広まり 蝶子は命を狙われる
最後に 仏壇から 父が亡き母に送った仏像を思い出す、
みると台座が外れ 中からラブレターが出てくる。
蝶子は気がつかなかったけど
鹿野は 何かの暗号だろうなあ!
と思う。
というところで終わっています。
続編もあるのかな?
ちょっと甘くなっていった蝶子と鹿野の雰囲気と
シベリアに抑留されていた 恐ろしい思いをしてきた人たちの暗い恐ろしい過去
それらが 入り混じって 物語りの雰囲気を作っています。
この蝶子と鹿野
誰がやったらいいかなあ!
なんて想像をふくらませました。
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※予め断わりを。毎回「ネタバレ」はしないようにと心掛けてはいる。ただシリーズも重なると中々難しいものだとも感じながら書いている。
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シリーズ4作目。
無論、3作目を受けての続編であることは言うまでもないが……
例えばシリーズ全体で見るなら①②が「起」、それに継ぐ③④は「承」という雰囲気を醸す。ただ同じ「承」であっても“緩急”で分けるなら③に対し④は“緩”に相当するだろうか。だからと言って“中だるみ”を意味するものでは当然ない。物語の構成として“あるべき”―より効果的かつ意義深い―道筋という役割(重要性)は充分なほど感じられる。そしてこれを境に物語は大きく動くだろうことも予感させる。まさに「転」への架け橋だ。
緊張と緩和。それが程よい配分で描かれているという感覚の中、とりわけ今回は「寿雪」のよりパーソナルな部分―心情であったり性格であったり―に重きが置かれ、寿雪の人柄という点で特に楽しませてもらったという印象が強い。
勿論、寿雪に関わる重要な出来事―事件―も起こる。そのことを通して “「烏妃」とは” という大きな命題にも一歩踏み込むことにもなる。ただ事の重大さを測るように、寿雪の揺蕩う想いにも大きな変化が生まれ、その絶妙な描写に深い共感/共鳴を覚えていく。
個人的な話にはなるが、恐らくここまで―シリーズ中、一番笑った回かもしれない。それは偏に寿雪が本来持つ「烏妃」ではなく一人の少女としての人間性―“本質”に魅せられたということに他ならないとも言えるのかもしれない。
寿雪が経験していく、「烏妃」としてこれまで有り様もなかった他者との関わり。その機会が質量共に増すたびに、緩やかに綻ぶ“宿命の殻”。
ただ一方で寿雪が「烏妃」として抱き、抱かれる“恐れ”“不安”“悲哀”或いは“憤怒”そして“憂い”もまた、望まれる“願い”と共にまろび動き出す。
第4巻。キレ味を増す筆致―心の内にみせるその微細な動きすらも逃さず丁寧に、そしてよりきめ細やかな表現で捉えていく―が、寿雪のそして係る人々の運命の導きを彩り豊かに描き綴っていく。
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そもそもはTVアニメから嵌ったこの「後宮」シリーズ(1巻〜2巻までの内容は放送回として配信中)。原作を①〜⑦まで纏めて“箱買い”するほどの心酔――入れ込み様ではあったが、結果として原作小説はアニメ以上の質感。ここ(3巻)まで一気に(実質4日で)読み切ってしまった。
前作までの感想でも書いてはいるが、①〜②に関しては主人公である烏妃「寿雪」を中心とした、彼女に関わる人たちの為人を、後宮内で起こる摩訶不思議な事件に絡めながら、或いは切っ掛けに、寿雪との関係性も含め緻密に描き切っていく譚。つまるところ「紹介」を踏まえた“序章”、と言えなくもない。
彼女たちの諸々の素性や気質に触れ、深く知るたびその魅力に気付かされ、そして惹かれていく。
それはまさにこのシリーズを更に読み進めていく上で必要不可欠な“下地”を、読者に積ませているという感覚でもあろうか。無論この3作目を即座に手にした時点で、かく言う私もしっかりと“地ならし”――完全に魅了――されてしまった証なのだろう。
さて肝心の今作だが……少しばかりテイストが変わったと感じさせる。それは決して悪い意味ではない。謂わば新たなフェーズに差し掛かったという印象だ。
例えば「寿雪」とは何者――本来のあるべき姿、どうあるべき者なのか。なぜ“烏妃”として選ばれたのか。幾多の謎めいたものが彼女にはいまだ秘められている。それらを穿ち、解き明かすべく物語も進んでいくだろうことを期待させる――このままでは終われない。留まり続けることは不可避であることを予期させ、意味し、新たな段階に入ったという布石を匂わせる。
まさに物語の“スケール感”が変わったという感覚だ。
そして勿論、“面白さ”はそのまま変わることなく、作者が拘る“理”に従い、神秘的かつ圧倒的中華幻想譚は綴られていく。 -
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『後宮の烏』2
当たり前のことを書くようだが、素直に①から読むことがお勧めとなるのだろう。
主人公は勿論のこと、脇を固める主要な登場人物の為人(背景など含めた)。そして物語の進行と共に生じるそれぞれが互いに抱く“関わり”への機微――絶妙に描かれる距離感や心情の変化など。今後の展開における基盤/基軸となる重要な要素が、①〜②を通して緻密に組み込まれていく。
因みにTVアニメでの放映はこの2巻までで終了している(この先についての予定はない)。それはすなわち物語として、ひと区切り(この先に噺が続くとしても)付くということを意味してもいる。
(※2巻までの主だった感想は1巻の方に纏めて記す)
余談ではあるが、実際③からは少しだけ“スケール感”――微妙ではあるが話のテイストが変わってくる。新たなフェーズ――本質的なことは何も変わらないが――に入ったという印象を受ける。
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全7巻をまとめ買い。
元々この作品を知らないわけではなかった。
書店に赴けば、大概“面陳”或いは“平積み”扱い。人気小説であることを伝える。
ただ、いわゆる「中華ファンタジー」というものに些か苦手意識があり、中々手にすることもなく……。
ところが切っ掛けは不意に訪れる ―これまでにはない経緯で。それがTVアニメ。原作を読まずにはいられなくなるほどに、その世界観 ――物語に魅了されてしまう。
そして実際に原作を読み、その魅力がアニメ以上に艷やかであったことを目の当たりにする。
作者が綴る言葉、その描写―文章が放つ力は絶大にして巧妙。映像からでは知り得なかった繊細かつ圧倒的な“リアリティ”へと導く。
物語の面白さはもとより、そこに描かれる背景、心理、情景の緻密さが、物語をよりリアルで手応えのあるものに仕上げている。そしてその妙技が止めどない没入感へといざなうのだ。
例えば「物語」というものは、より具体的かつ鮮明にその描写を練り上げていくと、それが緻密であればこそそこに確固たる「理」が存在しない限り、何処かで“ほつれ”/破綻を迎える――それはファンタジーであっても同様――と感じている。
しかしながらこの物語には、その兆しすらも見当たらない。丁寧にすべてを描き切っている。
まさにそれこそがこの作品の凄みであり、“核”なのだろう。
優美で、そして謎めく「後宮」。そこに生きる者たちの喜怒哀楽――人の情、或いは“温もり”に溢れるその“様”を描く物語。
作者が作品に注ぐ揺るぎない「理」――その芯に支えられるからこそ、生き生きと浮かび上がる数多の情景。
表紙の扉を開いた瞬間から広がる「中華幻想譚」。まさに文字通り巧妙に仕掛けられた不思議な術で、“図らず”も私の心は絡め取られ惹き込まれていく。
まずは全7巻のうち①と②。気が付けばあっという間に読み切っていた。 -
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ネタバレ・アリスと紫式部
後妻や妾が駄目なんじゃ無くて、そこに至るまでの納得のいく話し合いと良い家族付き合いが出来ていればと思う。
難しくても話せる口と考えれる頭があるのになあ。
優しく過去を紐解かれ、前向きになれて良かった。
・牡丹と薔薇のソネット
別れは納得してるつもりやったと言いますか。
寂しい、恋しい気持ちが長襦袢に遺ってしまった。
・星月夜
お祖母ちゃん、可愛らしい人や。可愛いツンデレ。
確かに白露がお祖母ちゃんの気持ちで、猫としてお祖父ちゃんに懐いてたら恥ずかしいな。
自分が素直に言えない気持ちを目で見るのは。
全部鹿乃ちゃんが気持ちに寄り添ってくれてるから優しい気持ちになる。
良鷹さんのお兄ちゃん感がいい。実際お兄ちゃんやけども。
慧ちゃんはなんか焦ったい。 -
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ネタバレTさんのおすすめ。
赤ん坊の時にさらわれ孤児院で育った小百合は十六歳。
ある日突然、元華族雪宮家の行方不明になっていた娘だと言われて
御殿場のアメリカン・ヴィクトリアン様式のお屋敷に引き取られる。
そこにいたのは双子の姉撫子、若い執事の橘、女中の夏代に、
給仕、コック、運転手。
そしてお屋敷は洋館ながら雪華紋をあちこちにあしらっていて、
雪華邸と呼ばれており、
庭には「雪華邸美術館」を備えていた。
新しい生活にとまどいながら、
行儀作法やテーブルマナーに学校の科目を学んでいく小百合。
食欲旺盛で体は健やかな小百合に対して、
食が細く体が弱い撫子と双子とは思えぬ二人だが、
ぎこちなくも距離が縮まっていく。
美術館の”いわくつき”の美術品や金目当ての親戚をめぐって。
女中が作ってくれたおそろいの布製のブローチを踏まれそうになって、
小百合があわてて手で覆ってかばったのも、
撫子が手の方が大事でしょと小百合の手をハンカチで拭きながら言ったのも、
撫子が気に入ってるからだと小百合が答えたのもかわいらしかった。
孤児院育ちの小百合に幸せになってほしい、
祖父母も父母も亡くし一人きりだった撫子に家族を得てほしい、
と思わせる物語の美しい序章だった。