白川紺子のレビュー一覧
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ネタバレ後宮の烏と同じ世界の別の国の物語ということで興味を持って読んだ。
今回の舞台は、海神たる蛇神の抜け殻からできたという島々。つまり海神のもつ島々である。そして、それらの島々から海神によって選ばれた娘たちは、「海神の娘」と言われ、それぞれの島を治める領主のもとへ嫁ぐ。その「海神の娘」を娶ることで、領主は海神の加護を得て、その島は繁栄するといわれている。そして、その海神の声を聞くのはただ一人、霊子という名の巫女王だけであり、娘たちも、島に連れてこられた時と、宣託を受けて島を出ていく時にしか姿を見ることはできない。
長編の小説と思っていたら、島々の領主に嫁いだ海神娘たちの短編集だった。
また、娘 -
Posted by ブクログ
成都随一の高級旅館の主、琬圭は23歳。父が息子の病弱な身体を憐れみ、可愛がって与えたもの。ある日不思議な道士に会い、いつも病んでいる理由を見抜き、琬圭はその怪しさに離れたが、父は道士を受け入れ、結局治療もしてくれる。
怒涛の展開で道士の娘が、嫁いでくるのだが、やはり、道士だけでなく、娘もとんでもないいわれの血筋であり…。
幽鬼ものなのだが、神領域の力と、幽霊となった人の恨みや事情という構図。キャラクターもかわいらしく、琬圭は弱かったのにとても優しく大きな器キャラになって、結婚したのにこれから仲良くなっていく感じがとてもほのぼのと読めました。読みやすい展開です。
恨みつらみが性的怨恨など混ざるの -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は、かなりさみしいお話だった。
笛で奏でる曲を聴きたいがために、島を滅ぼす海神。
もともと小競り合いのあった沙文と紗来の2つの島のうち、
戦いの最中、海神の雷が落ち燃え尽き、沙来は滅びる。
沙文の方も領主一族が死に絶え、
紗来の領主の息子が新しい領主として運ばれてくる。
生きる場所を失った紗来の人々は沙文に移り住むが、
当然、人々には軋轢が生じる。
領主はどう向き合うのか。
元々、神というのは理不尽なものであると思ってはいるが、
いやだからこそ、
物語の中では人に優しくあってほしいの。
巫女王である霊子が海神といることを選んだ話、
人でなしの道を選んだ話は、
いつか語られるのだろうか