白川紺子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画を見ているような、人間と超常現象の激動シーンがラストに繰り広げられるんでふが。
これ、その直前の高峻と寿雪の湖での語らいが静のシーンとして胸を打った後に、呪術の破壊からなる動のシーンと対比してて、ドキドキが止まらなかった。
それぞれの思惑や情で動く人間らしさが細やかに書き分けられていて、面白い。
国を去ると考えた時に、高峻や夜明宮の人たちだけでなく他の妃や関わった宦官たちのことも含めて寂しく思うのは深かった。単に恋情で終わらせない、寿雪の孤独からの再生について想いが駆け巡った。。。
続刊がすぐ読める手元にあって、本当に良かった。。。早く読まないと、続きが気になりすぎる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『後宮の烏』の作者による、ほぼ同じ世界観の中で語られる別の王宮の物語。
後宮の烏よりも恋愛色強めかな。
出生の秘密を持つ少女が神を呼び特別な姫になっていく展開なのだけど、それよりも少女・蛍と皇子・柊の恋物語だよなあ。
二人ともそれが恋だとは気づいてなくて、なかなかもどかしい。
最初少女がウジウジしているあたりはなんだかなあと思ったが、後半はなかなか良かった。
初版は2014年と言うことで、初期の作品らしく、伏線の張り方や物語の展開はまだ拙い感じがする。
さて、なんだか色々安心できないような感じの引きだけど、下巻ではどうなるのかな? -
Posted by ブクログ
ネタバレ和風シンデレラストーリー?伯父の家で、母と共に虐げられていた少女・蛍は、あるひ突然迎えが来て帝の住む宮へと連れて行かれる。粗末な衣から上質で美しい衣装へと着替えた蛍は、神に仕える巫女・朱華姫として、仮の夫・第二皇子の柊に大切にされながら(それこそ移動の時はしょっちゅうお姫様抱っこなのだ)暮らし始める。
穢れ神と清き神が戦い、どうなることかと思ったが、蛍は、「人の子はわれらを厭う。夜がなければ生きていけぬだろうに、夜の穢れを遠ざけようとする」という穢れ神の言葉を聞いて、昼と夜、光と影は隣り合うもの、相容れずとも寄りそうことはできるのではないかと、どちらの神も祭ることを提案し、丸く収まる。二人の未