白川紺子のレビュー一覧
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シリーズ二作目。
白川紺子さんの他のシリーズも、設定は魅力的なんだけど…。本シリーズ1作目の、あっさりした地の文の感じがなんだかもう一つ面白くなくて、素材は好きだし道具立ては好きなのに、長らく放置していた。で、なんで読む気になったのか。簡単なの。副題に『レモンパイ』ってあったから。私、レモンパイ、大好物。着物の優しい手触りと、お紅茶とレモンパイ。そんなイメージを持って、久しぶりに読んでみることにしたのだ。
旧華族の令嬢、鹿乃は、兄と、兄の友人との3人ぐらし。彼女は祖母から譲り受けた着物が大好き。でもこの着物たちには、不思議ないわくがあって…。鹿乃が着物にまつわる過去の物語を謎解きしていくと、あら不思議。着物たちは本来の美しい姿と、それに関わる人々の幸福を取り戻す…というのが概要のシリーズ。
結果、やっぱり小説って、書きこなれていくと化けるんだな、という典型のような感じ。鹿乃ちゃん、ただお兄さんとイケメンの兄友に守られてる箱庭姫じゃなくて、今回随分、着物にまつわる謎解きがうまくなっている。そのおかげで、内容がすんなり入ってくるし、旧華族の人々や素封家の人々が依頼人ということで、雰囲気も上品。そのわりにしっかり物語が動くので面白い。
兄、良鷹と、兄友の八島慧の鹿乃ちゃんへの立ち位置も、似ているようで違うし、1巻目みたいに、ただべったり甘やかして、過保護な感じがないので好感が持てたのだと思う。そこが削がれた分、持ち込まれた着物や骨董の謎解きを丁寧に描いているのが、多分勝因。
この作者様は、女性の好きなモノ、作品の雰囲気づくりをする小道具の選定がすごくうまいのもいい。レモンパイしかり、オルゴールしかり。ピアノの名曲然り…。そして、着物のことも結構勉強なさったのだろう。文章だけで登場する装いがちゃんと想像できる。堪能できる。これはとっても強いことだ。こういう道具立てを鮮やかに味わうことも、私達読者にとって、大きな楽しみなのだから。
次の巻も読むかどうか?うん。もちろん継続決定。ベッドの中で読むには、とてもいいのですもの。 -
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ネタバレ本筋の椿屋敷があまりにも穏やかなので、何となくぱきっとしたすみれ荘の、陰りまではいかないシュッとした感がちゃんとある様子に、きゅうっとした。
それにより星ひとつ増量。すき。
偽夫婦も勿論きらいじゃないんだけど、しあわせ安全圏すぎてたまに若干物足りない。わがまま。笑
何だか色々あった本編のあとの、ご褒美としての「その後」みたいな平和さなのだ。
メイン筋がそれって、珍しいアプローチな気もする。
これまでの巻の物語を明確には覚えていないけれど、荒ぶらないイメージ。
少し前に読んだ「後宮の烏」3巻でもそうだったけど、ちらちらと冷徹感が見え隠れするから、きれいを追っていてもそういう感情もあるんだってハッとするし、だからこそ椿屋敷は特に、振り切った癒しへの欲求なのかな、と思わされたりした。
言い方が腹立つから、意見がもっともでも素直に聞けない、と苦情を受けた晶おにいちゃんをとてもとても応援したい。
まあ、「子供ですか」扱いでおにいちゃんは勝利しているけど……。良いな……。
それにしても、他シリーズでもそうだけど、美味しいものへの執着というか、たべものの美味しさ万能説がすごい。健全である。。 -
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ネタバレ「下鴨アンティーク 雪花の約束」
もうほんまに、この本素敵…。
コバルトのいいところを全部集めてるというか、コバルト世代が大人なって読むためのツボを抑えまくってるというか…。
(そして案の定私もツボをつかれている)
さて、祖母から譲り受けた蔵にしまわれてる着物から、その持ち主の過去と因縁に触れる…ちゅう筋は、(古いものから何かを読み取るという意味では)ビブリア古書堂と通じるところがある。
とはいえ、鹿乃ちゃんと栞子さんのキャラが全然違うので、
「似てる」
とは全然思わないんやけど(どっちやねん)、
あー、やっぱりここで終わるよねー…
と、もんどりうった。
以下、ネタバレになるんやけど、
こちとら少女ではないので(笑)、慧ちゃんのあの必死の決意を瞬間で崩壊させた鹿乃の若さが眩しすぎた…(笑)。
イヤもう慧ちゃんかわいそうすぎて(笑)!! ←笑ってるやん
慧ちゃんも鹿乃も憎からず思ってるんやから、もうくっついたらエエやん、って思うけど、それができひんのよねえ。
できひんよねえ、それは!!
うーん、鹿乃の将来も全部ひっくるめて責任を取るのなら、慧ちゃんが鹿乃をさらってもいいとは思うんやけど…。
他を知らないまま、慧ちゃんだけでいいのかという純粋な疑問もある。
いやもう他なんて知らなくてエエねんけどね。
ひと昔前ならそれで充分やったけど、さすがに平成の世やもんね。
それはそれで、鹿乃の未来を奪ったって後悔するのかもなー…。
鹿乃に他の未来なんて歩いてほしくないくせに、自分を選んでくれたら
「それで、いいのか」
と、躊躇いそうやんねえ、慧ちゃんって。
ほんで、そこを後押ししてくれるのが良鷹っぽいけど、果たして、この続きはどうかな。
黒谷さんでのあのシーン、表題作の終わりが
「あ、やっぱり…」
と、思いつつも
「くーーッ!!」
と、転げまわりたくなるような状態で、でも大丈夫、あと一章残ってる…! ってページをめくったら
「そのときの良鷹は」
みたいな話で、ここもまた
「あっ、そうくるよね。そうよね…」
と、なった(笑)。
著者にいい意味で裏切られました。裏切られたっていうか、鼻先ニンジンみたいな…(笑)?
ほんっま早く続きが読みたい。でも、この巻がこの年末に出たところみたいなので、まだまだ先やね…。
12月に初版で、翌月の1月には二版になってるので、そうとう売れてるのね…。そりゃ、そうやろうなあ。
オレンジ文庫、ほんまに好きや…。
もっと蔵書に増やしてほしいけど、これは買いたいかもしれない。欲しい。欲しいよ。
今回も新刊の蔵書やったので、とてもとてもきれいな本でした…! 幸せ。
鹿乃と慧ちゃんふたりのエピソードが衝撃的すぎてついそちらにばかり目がいってしまいがちやけど、アンティーク着物にまつわる話もいつも通りかなり面白かった。
赤い糸の話なんて、冒頭の一文からギュっとつかまれたよ。
この出だし、すごいね。
ちょっといかにも少女小説ぽいつかみかもしれへんけど、このつかみでギュっとやられてしまう人がこの本を読んで
「面白い…」
と、思うんやから、これが最高なんやと思う。
鹿乃の世間知らずぶりは
「ほんまにこんな世界があるのか?」
と、思わなくもないけど、…うん、あればいい。こんな世界が、あればいいよ…! 笑
変えたいものと変えたくないもの、どちらが多いかな。
結構、グサッときた。
フォーティーズですから、もう、「変えたくないもの」の、ほうが多いと思う。
でも、鹿乃ちゃんのころは、私も、「変えたいもの」ばかりやったよ。
そう思っていたことに後悔はしていないけれど、十代のうちから、「変えたくない」と、思うほど、現状に満足できていれたら幸せなんちゃうかなあ、と、思う。
それは、憧れってやつやんね。
ほんで私は、いつ、どこにいても、何かに憧れてる。それってきっと性分。だから、本当に変えたいのか変えたくないのか、やっぱり、分からない。
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■エドワーディアン様式
エドワード7世の様式
■水滴
1 しずく。水のしたたり。「水滴がしたたる」「水滴がつく」
2 硯(すずり)に使う水を入れておく容器。水注。水差し。
(2017.06.27) -
購入済み
登場人物が増えていく
烏妃は一人でなければいけないという、前任者の教えを守ろうとするヒロインだけれど、幽鬼関係の人助けをするうちに、烏妃を慕う人たちが増えてきます。根は優しい寿雪としての自分と烏妃としての自分のあり方に悩む彼女の様子が描かれていて面白かったです。
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購入済み
暗いような明るいような
後宮を舞台にした若い皇帝と主人公である幽鬼や呪いを祓う特殊な立場の十代のヒロインの話。よくある話の組み合わせですが、文章が読みやすく、話の内容もドロドロの権力争いから、身近な大切な誰かを思うほのぼのとした話が混ざっていて面白かったです。
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Posted by ブクログ
下鴨アンティークから白川作品のファン。
この人から生まれるストーリーの中の人々は
何かしらの事情を抱えていたり
ひと癖あったりして
シリーズで読み進めないと単なる時間潰しの
娯楽小説だと思い込まれるかもしれない。
ところが白川作品の人々はしっかり生きていて
日常を暮らしていて そうして何よりも
常にそれぞれの人生が重なったりぶつかったり
いろいろな綾を成しながら 少しずつ変わっていく。
その主軸に絡まる軽い持ち味のミステリーが
解きほぐされてゆくにつれ
誰かの想いや過去のトラウマもほぐれてゆく。
白川さんのそんな物語の織り方に 私は惹かれた。
さて、次を買わなくては。