白川紺子のレビュー一覧
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購入済み
とても好み
お馴染みのキャラクターを縦糸に不思議な物語が紡ぎ出されています。中国の伝奇物語や日本の民俗学を織り込んだ美しく不思議なストーリー。
ライトノベルなのにユーモアや人情ドラマ的な部分は排除し、上流で上質な美しいあやかしの世界です。百鬼夜行抄を思い出しました。 -
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装丁も好き、話の内容というか流れも好き、男性キャラがすごく好き、着物の話も興味深い。
のに、生理的に主人公と女性キャラが受け付けられないという私的に悲しいこのシリーズ。
それでも読んでしまうのは、やっぱり由鷹がすごくすごくすごく好きだから、かもしれません。
1巻でふらりと現れた春野くん、登場時から、このこ癖があるなー絶対一筋縄ではいかない性格してるんだろうなー、どこかでひょいっと現れて天使の笑顔で引っ掻き回していくぞ、と思っていたら、その通りの展開になったので、春野ファンとしては狂喜乱舞しました。
顔は見てないけれど、爪がきれいなのは見てた、とかそういうちょっとしたエピソードが好きです。
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ネタバレこれが本当の下鴨アンティーク最終巻の短編集。
大好きなシリーズだっただけに勿体なくて読めずにしばらく寝かしてました。
春野の話、鹿乃たちの高祖母の話もありますが、全体的に良鷹と幸の話だったように思いました。というか、今まで良鷹のそばに寄り添ってきた鹿乃の代わりに幸ちゃんがいて、鹿乃が頑張って工夫して解いてきた野々宮の謎解きの代わりに、幸は天性の能力(それは幸せとは言えないとはいえ)をもって良鷹の骨董の謎を解いていくのが、対比としては面白いのですが、前巻で野々宮家の役割を継ぐと決意した鹿乃にまるで相対するようで、少し寂しい気持ちになりました。鹿乃はお嫁に行く、そういう布石かなぁと思ってしまったり -
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いつもだったら手に取らないタイプの本ではあったのですが、アンティーク着物の単語に惹かれ。
短編がいくつか収録されている形なのが好きでした。
文章もきれいだし、ミステリも、短編なのにしっかりと練りこまれていて、出てくるゲストキャラたちもそれぞれに人間らしくて、決して毎回大円団にならないのも好きです。
もともと雑誌コバルトで掲載されていたものだからなのか、すごく分かりやすい形で、主人公と准教授がくっつくんだろうなあという雰囲気が最初からぷんぷんしていて、それだけが苦手でした。
テンプレートのように色々と魅力的なものをぶら下げた准教授と、これまた少女漫画の主人公が行くべき王道を邁進する主人公…。 -
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シリーズ6
紅白の椿のきもの
前回の5巻の終わりに慧に告白した話の続きになっている。
正月用におせちを作っている所に桔梗の着物の時にあった雨森さんから見合い話の電話がかかってくる。おことわりするも、新年に花の展覧会に誘われて出向くと佐伯稜一を紹介される。
しかし、稜一は鹿乃の祖母に自分の大伯母が着物を預けているはずだから見せて欲しいと言ってきた
ストーリーの間に慧から鹿乃は告白の返事をされる
鶴亀、猿のきもの
慧は法事のため田村教授と関東へ
鹿乃は庭で知らない男性に着物を取りに来たと言われ、その男は忽然といなくなり、気になり蔵から鶴亀の着物を取り出す
鹿乃は慧のいない世界を歩まねばと思い悩 -
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シリーズ5
赤い糸のきもの
運命の糸 婚約者に裏切られた祖母、同じく婚約者に裏切られた孫が鹿乃を訪ねてやってくるはずが、あらわれたのは幼馴染の竣太
真っ赤な紅葉のきもの
預けた着物を返してくださいと手紙がきて、着物を慧と届ける鹿乃
雪の結晶のきもの
林檎を沢山もらったからお茶会をしようと誘われ春野の家に行くところから始まる
気になった慧が春野の家に行き
帰りに風邪を引く鹿乃
翌日家で熱が下がりじっとしていられなくなり、冬も近づいたということで雪の着物を蔵から取り出す
最後に慧は父親と母の法事に一緒に行くと言ってしまい、その後、鹿乃は慧が好きと言ってしまう
陶器の犬の水滴
良鷹が高校生の -
Posted by ブクログ
ネタバレ蔵の着物を巡る物語、第3弾。
タイトルにもなっている「祖母の恋文」は、おふじさんの若い頃、どこか微笑ましいものだった。
慧が鹿乃が大人になってゆくことに動揺しているのが、良鷹同様少し面白い。
いつまでも女の子は「女の子」ではないんやぞ、と思う。
春野の出方がわからなくてそれもまた面白いけれど、鹿乃はブレないんだろうなぁとも思う。
着物を巡る謎については、金魚の話はどこかくすぐったくて、でも満寿さんに伝えたくなるような、でも伝えてはいけないこともわかる結末だった。
時代というのはやり切れないものを多く含むな、と。
カンパニュラの件も同様に。
でも、良鷹が見つけてくれたことで救われたものはきっとあ -
Posted by ブクログ
下鴨アンティーク、2作目。
高校生の鹿乃が古い着物にまつわる謎に導かれる‥
はんなりと綺麗で切ない世界です。
京都の下鴨の古い屋敷で、兄と暮らす野々宮鹿乃。
離れには、兄の唯一の友人で、近くの大学で教えている慧も。
骨董商だが家ではぐうたらなだけの兄と、鹿乃を子供扱いするがいたって紳士的に見守る慧はどっちもイケメン。
趣味で着物を着る鹿乃は、季節ごとにテーマを決めた着こなしを楽しむという今どき珍しい高校生。(今と言っても全体に古風な雰囲気なので、正確にはナン年なのか?という気もしますが‥)
旧華族の家柄の祖母から受け継いだ美しい着物が、土蔵には詰まっています。
その着物には、それぞれ秘めた