下鴨アンティーク番外編。
野々宮一家に関わる人々視点の話。
表紙の虎かわいいと思ったら、番犬か(笑)
鹿乃と慧の話が少ない分、甘さ控えめだけど、切ないロマンス力はむしろ高い!
鶯の落し文…野々宮家の養子になった津守幸の初の解決事件簿。パパ(?)となった良鷹がかいがいしい(笑)
野々宮家に引き取られてから幸は下鴨神社の鎮守の森、糺(ただす)の森がお気に入り。どんなにいい人でも、まだ慣れない人と一緒に暮らすのには時間が必要。人には見えないものが見える幸は、森で過ごすことが多いが、そこで亡くなった婚約者からの手紙を探す老人と出会う。
一方良鷹は真帆の父、弥生よりいわくつきの品の解決を頼まれる(押し付けられる)。
青時雨の客人…牡丹柄の香水瓶を返してほしいと春野の元に現れた亡き祖父の客人。祖父は亡くなり、香水瓶は見当たらない。しかし、どうやら春野は憑りつかれた様で、彼女の夢を見るようになる。春野の友人、菅谷がめちゃくちゃいい奴だわぁ。
春野君みたいに人に弱みを見せられない人には、鹿野や彼みたいに、素直で世話焼きな人と相性がいいんだろうなぁ。
額の花…初のブローチ視点。紫陽花のブローチの持ち主の話と、鹿乃の元にくるまでの持ち主の変遷。素敵なロマンスの話。
白帝の匂い袋…鹿乃の高祖母の話。七条駅が開通したのが大正2年の話だから、下鴨アンティークのちょうど100年前くらい?化け物屋敷と呼ばれる野々宮家に東京から身一つで嫁いできた鈴。
実母が亡くなり、伯爵本家に引き取られ、自分が妾の子だとわかったと思ったら本家で恐ろしい目にあい、その後すぐに嫁入り。
まるで厄介払いのようだと思っていた鈴だが、思いがけず野々宮家の面々は鈴に対して優しい。そんな中、東京から鈴を追って義理の兄が姿を表し、言うことを聞かないと野々宮家に害を成すと鈴を脅す。そして自分を野々宮家に連れてきた伯爵家の奥様の真意を知ることになる。
一腸来復…冬至の夕方に野々宮家に向かう慧は、途中の森で鳴き声を聞く。入った先で何かの気配と、守られた気配を感じたまま鹿乃の元へ行くと、いつの間にか慧のマフラーに一匹の虎がいた。その虎は鹿乃のしている抱え帯の虎とうり二つ。どうやら一匹落ちてしまったのを慧が拾ったらしい。二人が近づくと威嚇する帯に、慧は鹿乃とイチャイチャすることができず。。。
良鷹の兄心がふんだんに詰まった帯をどう乗り越える!?(笑)
山吹の面影…良鷹、弥生に仕事を押し付けられる第2弾。結婚を控えた女性が使用する予定の筥迫を開けてから、その女性の周りに花嫁姿の幽霊が現れるという。
もともとその筥迫は女性の祖父が結婚式当日に逃げられた花嫁の身代わりのように置いてあったものらしい。
話を聞きに行く良鷹についていくと言ってきかない幸。
逃げた花嫁の地元では狐にまつわる古い婚姻の風習があるそうで…
見えて聞ける幸がいるとスピード解決するねぇ。