白川紺子のレビュー一覧
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ネタバレアンソロジーだと、一つのテーマで作品をそれぞれが書いているという印象がありました。
しかし本作は、一つの大きな大陸の、
それぞれの国の後宮の物語であり私は他に読んだことがなく面白い…!と思いました。
また、私の後宮イメージがどうしても男女の恋愛、女同士の戦いバチバチ(もしくは下っ端が仲良し)か、後宮で巻き起こる事件を謎解くミステリーのような印象があります。
しかし本作はそれだけではない。「白月の誓い」は特に印象に残りました。BLということば一言で済ませたくない、すごく哀しいけれど煮えたぎるような愛だとわたしは感じました。
最後の「弦韋の冷たい唇からは、仄かに血の味がした。」もうここに、清亮の想いがぐっと詰まっていて読んでいて苦しかったです。
普段あまり読まないジャンルですが、忌避感などは一切なくむしろ強くつよく印象に残っています。
アンソロジーの続きというのも聞きませんが、
この大陸のその後が読みたいと強く思いました。 -
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人気作家さんたちの原点となった作品。どの短編も個性的で、とても楽しめた。
短編を書くのってとても難しいのだろうなと、読んでいるだけの私も思う。限られたページの中で、物語を作る。この本の短編はそれぞれ、全く違う良さを持っている。書き方はそれぞれもちろん違うし、少し変わった設定があったり、どこか自分と似たような境遇が描かれていたりする。
作家さんの数だけその色があって、短い物語に込められた熱意や感情がとても伝わってきた。
今までよく読んでいた作家さんはもちろん、この本で初めて出会った作家さんがこの後、どのような本を書いているのだろうと気になり、読んでみたくなった。 -
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昭和30年、小百合は赤子の頃に当主と恋のいざこざのあった『母』に連れ去られる。その母も空襲で焼け死に、小百合は母の親戚にたらい回しにされたり、養育院などで育った。しかし、母が名前を変えなかったことなどが幸いし、生家に戻れた。生家の大人達は亡くなって、自分そっくりの双子の撫子がいた。ま、孤児が十六で突然お嬢様になるお話です。引き取られた先ではいろいろありはするものの、小百合を歓迎してくれるよい人達で、なかなか面白く一冊読み上げました。読んでいると、特になにかが起こるわけでもないたんたんと進むシンデレラストーリーという印象を受けます。結構身辺状況わかり、小百合も今の生活に慣れ面白くなってきて、あれ、終わってしまった。これから始まるのでは?という読後感でした。
中学生以上向けの本ですが、内容は小学生でも問題ないです。 -
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ネタバレ巫術師の名門の家に生まれながら、巫術の才能に恵まれない霊耀(れいよう)。それを補うべく許婚になった月季(げっき)。
月季は幼い時継母に虐待を受けていて、継母亡き後もその幽鬼に苦しんでいました。それを助けてくれたのが霊耀です。
彼は覚えていませんが、月季はそれ以来霊耀のことを好いています。しかし、ストレートな物言いの月季と真面目な堅物の霊耀では思っていることもすれ違うことが多く、残念ながら月季の片想いという感じです。
楊柳島(ようりゅうとう)の名家、鼓方(こほう)家の依頼を受け、調査に行った二人ですが、そこには予想外の過去があったのでした…。
世界観もしっかりしているし、登場人物たちも陰があったり、これからの展開が楽しみなシリーズです。 -
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花菱夫妻の退魔帖、シリーズ2作目。
幽霊が見える若い二人が、幽霊がらみの事件の真相を調べ、解決にこぎつけていきます。
侯爵令嬢の瀧川鈴子は、17歳。
はっきりした顔立ちで、冷静な性格。わけあって浅草で育ち、幽霊が見えるのを利用して千里眼少女として仕事をしていた時期もあります。
着道楽の異母姉たちには着せ替え人形のごとく、おしゃれな恰好をさせられていました(笑)
結婚後もついてきた御付き女中に、真剣に着付けをされています。その衣装が、小物までとても素敵なんですよ~。
神職華族の花菱孝冬に求婚され、鈴子も孝冬を見直して信頼するようになったので、結婚したわけです。
最初はぎこちなかった二人ですが、孝冬が溺愛モードに入ってます。鈴子の方はそこまでピンと来てないから~時々ちぐはぐ(笑)
花菱男爵家には、古くから憑いている怨霊「淡路の君」の存在があり、当主はその怨霊に幽霊を食べさせる義務があるという。
幽霊が消えるだけのことなので、無残な光景が展開するわけではないのですが。
逃れられない運命というあたりが怖いのです。
「黄昏の客人」
「五月雨心中」
「金の花咲く」の3編。
親が結婚を決めるのが当たり前の時代、特に没落した華族の女性には辛い運命が待っていることも多かった。
それぞれにいきさつは違うが‥
幽霊が出た背景を調べて行くうちに、これで成仏してくれたのかな、と思えるケースも。
淡路の君が姿を見せず、好みじゃなかったらしい?という場合もあるのですね。
怪しげな人物も、登場。
鈴子も孝冬も、お家の事情と個人の過去がなかなか、半端ないので、先々どうなってゆくのか。
二人がむつまじくなっていく微笑ましい様子と、鈴子の家族の明るさで楽しめます。
世間ずれしていない鈴子さんのとっさの判断が、きらりと光ってますね☆ -
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「後宮の烏」で有名な白川紺子さんのシリーズ、1作目。
タイトルがちょっとピンと来なくて~軽い感じなので、後回しにしていました。
読んでみたら、かなり好み♪
大正9年の東京。
瀧川鈴子は、17歳。侯爵令嬢だが、事情あって浅草育ち。
怪談の収集を趣味としていました。
訪ねた先のお屋敷で、芸妓の幽霊を見た時、花菱孝冬という青年に出会います。十二単をまとう女の亡霊が現れ、芸妓の幽霊は消えた。
孝冬は、家系にまつわる亡霊に、幽霊を食わせたのだった‥
神職華族の家柄で、端正だが、つかみどころのない孝冬。
うさん臭く思った鈴子だが、求婚されてしまう。
鈴子は女中の娘で、母と共に家を出され、貧民窟で育った。そこで千里眼少女を名乗って商売もしていた過去がある。
侯爵家に引き取られた後の数年は、父の妾と異母兄姉らに可愛がられて、何不自由なく育っているのだが‥
幽霊が見える同士で、お似合い?
若いながら肝の座っている鈴子さんは、なかなかりりしくて好感持てます。
孝冬の家にも、いろいろ事情があるのですが。
それよりも、不愛想な鈴子に対し、どんどんメロメロになっていくのが、むずキュン(笑)
華族の成り立ちや、大正時代のいろいろな生活ぶりが出てきて、知らないことも多く、興味深い。
着るものの選び方や細部など、書き込まれていて、鈴子の着るものなど特に、趣があり華やかで、楽しめます。
退魔と言うのか‥
自ら除霊が出来るわけではない二人ですが、事情を調べて行くにつれ、何らかの解決策を見つけるのですね。
孝冬の方は、由緒ある神社の神主の家系ということだが、花菱男爵家の跡取りになる前には養子に出されていて商売をやっており、今もそちらも続けている。
といった関係から、人脈もあり、社会性はあるが、本心は暗く閉ざされていました。
そこに現れた鈴子の存在。
偏った育ちだけれど、冷静で芯がブレない鈴子さんは、光をもたらしていきそうです☆