白川紺子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第三弾。淡路島編。
「嘆き弁天」「百日紅の木の下で」「おくま御前」
「嘆き弁天」若者に傷をつけられた弁天様の像が泣き声を出す、という話。傷をつけた若者とその若者に罪をなすりつけられそうになった若者が行方不明になっている。それはなぜか?
巫女のキヨが出てくる。なかなか凄い人である。留吉、自分がしっかりしていれば、茂一まで死ぬことはなかったかも、と後悔するのはわかる気がする。茫然自失、している間に死なれてしまっては…しかし留吉が助かったのはよかった。
「百日紅の木の下で」百日紅の木の下に巡礼の若い女性の幽霊が出る、という話。幽霊は何か歌を歌っている。そして淡路の君に食われてしまう。孝冬も -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第二弾。
「黄昏の客人」「五月雨心中」「金の花咲く」
「黄昏の客人」お家騒動のあった家で、勘当され、死んでしまった長男が石灯籠に出てくる、という話。「返せ」という幽霊。何を返してほしいのか。大正時代、娘というものの、寄る辺のなさに哀しみを感じる。「鬼滅の刃」でも舞台になったけれど、現実はもっともっと悲惨な境遇だっただろう。
「五月雨心中」華族の夫人と運転手の心中事件。助かった女性は嫁ぎ先から離縁され、実家でも別宅に追いやられ、不遇のうちに亡くなってしまう。その夫人が過ごしていたところに手が這い回る、という話。夫人の無念はいかほどのものか。そして出てくる不気味な鴻心霊学会と燈火教。どのよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ下鴨アンティークの7作目の番外編。
良鷹が引き取った少女、幸のお話や、
春野のその後(といっても不思議に巻き込まれただけ)、
最初のお嬢様以外誰のものにもならない紫陽花のブローチのお話と
あれこれあったが、
一番良かったのは、鹿乃の祖母の祖母にあたる女性の嫁入りのお話。
妾の子供が、母親が亡くなった後本家に引き取られ。
女中として働かされ急に嫁に出されたお話かと思いきや、
本妻には隠した気持ちがあって…という意外性が良かった。
小姑にあたる姉妹が急に現れた「兄嫁」に次々と着物を着せようとしたり、
結局夫となる兄が選んだ着物と帯に、
帯締めや帯揚げを選んできゃいきゃいする場面がかわいらしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下鴨アンティークの6作目。
白猫の白露はやっぱり祖母だったか。
祖母から預かった最後の着物は、曾祖父の妹にあたる女性の着物だった。
華族である野々宮家を出て使用人と結婚したため、
野々宮家の代々の女性のために縫い
最初に蔵にしまわれた着物だった。
不思議な力を持つ着物を自分のものとして受け取り、
鹿乃は新しい着物を預かっていくことを決める。
自分の予想は良鷹と骨董屋の娘真帆が仲良くなる、だったが、
まさか良鷹が友人の娘を引き取ることにするとは。
まあ、友人が亡くなり、身寄りのなくなった娘が財産目当てに殺されかかるとあっては、
いたしかたないが。
白露こと祖母が『いつ嫁をもらうんかと思てた -
Posted by ブクログ
ネタバレ下鴨アンティークの4作目。
春野のきもさがパワーアップ。
鹿乃の親友の祖父がやっている喫茶店に入り浸っているのも十分怖いのに、
みんなでお茶会と嘘をついて鹿乃ひとりを招くとはもはや犯罪レベル。
慧の恋敵という設定にしても、もうちょっと爽やかにできなかったのか。
仔犬の水滴(硯に水を灌ぐための道具)が良鷹についてきてしまい、
鹿乃いうところの「わんわん」になって、
飼い主のもとに連れて行く「子犬と魔女のワルツ」が良かった。
登場人物がみんなこの世の者ではなかったが、
幼稚園生の鹿乃がかわいかったし、
妹が大事で同級生女子をふりまくる高校生の良鷹が面白かったし、
白と黒のぶち柄の子犬が飼い主、