佐藤友哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
は〜〜感想書きたくないよ〜〜と思いながらアプリゲーをしていたが忘れるのはもっと嫌なので書きます。いやあ…佐藤友哉…好きだなあ……悔しいことに……
「そうだねえ、それは許せないことだねえ!世界の敵とはここにいたんだね。君はそれに気がついたんだ!だからどうする?この敵と戦う?そうなんだ。素敵なことだね!なあヒーロー。君の後ろにいる、その敵のことは許したのに?」
みたいな…前の敵に構えていたら横からぶん殴られるみたいな…読んでる間胃がムカムカしてました。居酒屋で土手煮を食べてたからかも。
「反省をくり返す人間たちが、罪を愛で許す人間たちが、今までなにをしてきたか。罪をわすれてきただけだ。」(P. -
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Posted by ブクログ
「走る」をテーマに14人の作家が競作。
日々のランニングのモチベーションが上がるような疾走感あふれる作品が収録してあるのかと思いつつ手に取りましたが、そこは実力派の先生方。凡人の思い通りにはいきません。思わず膝を打ち、唸ってしまうような「走る」小説が並び、裏切られました(喜)
14本どれもが個性的で、未知の作家さんとの出会いも。もちろん、苦手な話もありましたが、それも出会いです。
お気に入りは「パン、買ってこい」(中田永一)、「桜の並木の満開の下」(遠藤徹)、「誰にだって言いぶんはある」(桜井鈴茂)
人生の半分は現実ではないと彼は思う。
なぜならば精神が摂取するものの半分以上が、現実では -
Posted by ブクログ
8篇の物語が収められている。
今回の物語に特徴的なのは、「小説とは何か」という疑問だ。
「青と赤の物語」では、物語が禁止された世界を描いている。
物語があるから悪いことをする人がいる、そんな考えを持ったエライヒトたちが物語を禁じてしまったのだ。
全く因果関係はないのに、AだからBと決めつけてしまったのだ。
物語は、文学は、何の役にも立たない。
本当にそうだろうか。
物語は時に残酷なものも、悲しいものも、苦しいものもあり、そんな世界を目にするのは時には恐ろしい。
けれども、そんな世界があるから救われる人もいる。
物語に書いてあることは、どんな物語にせよ、誰かから、読者に、あなたに、向けたメッセ -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、小説にまつわるアンソロジー。
ラノベっぽい軽さのものが多くて中高生向けかな。
それでも小説の存在意義を説くような話が読めてなんだか嬉しかったです。
本を読んで驚いたり、感動したり、幸せな気持ちになったり、そういう純粋に読書を楽しんでいた頃の初々しさを思い出しました。
「青と赤の物語」 加藤千恵
「あかがね色の本」 千早 茜
「新刊小説の滅亡」 藤谷 治
この3つが好きです。
私の人生、何度小説に救われてきたんだろう。
探さなくてもいつだって必要なときは必ず寄り添ってくれてた。
その経験はその本とともに、何年経っても何が変容しても移ろわなくて、私にとって本当にかけがえのないも -
Posted by ブクログ
きょうだい達の物語
サリンジャーの同名小説をモチーフにした作品らしい。
サリンジャー版は読んだことがないので、詳しくはよくわからないが。
鏡家のきょうだい達が語り、あるいは語られる。
『憂い男』
物語の中で語られる『憂い男』の物語に引き込まれる。
醜い顔となって、孤独に生きる憂い男。
そのうちに仲間を得るが、どこかに憂いをもったままのその男。
中学3年生の秋雄さんが教えてくれた話に心を躍らせる。
不思議な憂い男。
自分がその子孫だと信じてやまない子どもたち。
子供らしい思い込み。
そうしていられる時はじきに過ぎ行く。
『小川のほとりで』
家出をした佐奈。
小川のほとり、寒い中でうずくまって