佐藤友哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
Posted by ブクログ
冒頭は、クリスマスに中学1年生の主人公が父親の部屋で血まみれのコートを発見したことから始まる。
家族の、というより自分の日常を守るためにそのコートをこっそり燃やそうとするけれど、クラスメートに見つかってしまう。
そんなドキドキの展開から始まるのに、意外とその後は中学生の初恋?違う意味でドキドキの楽しい学校生活の描写が続く。のに、時々不穏な予感がしてちょっとゾワゾワしながら読み進める…。
が、ある所から話は一変。
ジェットコースターのような怒涛の展開でとんでもないことになっていき、最後まで駆け抜ける。
終盤までは(いや何これ、現実感無さすぎだろ)とB級ホラーみたいに思っていたけれど、自分も中高生の頃、家族のことにそんなに興味持っていただろうか。とヒヤリとする気持ちもあった。 -
Posted by ブクログ
◆心に刺さったワード◆
⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
⚫強い心は強い肉体に宿る
◆読んでみたい本◆
⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
⚫世界の実相をつかみたい人 古井由吉 辻
⚫次から次に変人が出てくる 村上龍 ライン -
Posted by ブクログ
ネタバレ第二弾はとばして。どれも面白かったが、やはり最後の藤谷治さんの『新刊小説の滅亡』。本に関わる全ての人の背筋を正すような問いかけ。もともこもないが結局本を読む人は新刊がなくても読むし、読まない人は最初から読まない。想像・創造の場が失われたわけでもない。原作なしオリジナル面白ドラマが増えるのも個人的には良い。確かに積ん読は増えてる。再読で事足りるかもしれない。「青」と「赤」のように埋もれていた既刊小説に救われる人もいる。
けど、「それでも……!」(by バナージ・リンクス『機動戦士ガンダムUC』)と言いたい。答えになってないが(笑)、う~ん、悩む。考えさせられる -
Posted by ブクログ
ネタバレスポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。
ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作ってことになってしまうなぁ。アンソロジーはそこが難しい。
好きな作品は
「パン買ってこい」中田永一
「ホープ・ソング」王城夕紀
「桜の並木の満開の下」遠藤徹
どれも結局はちゃんとランに目覚める人の話だった。
読み手によって好みは絶対分かれるだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
は〜〜感想書きたくないよ〜〜と思いながらアプリゲーをしていたが忘れるのはもっと嫌なので書きます。いやあ…佐藤友哉…好きだなあ……悔しいことに……
「そうだねえ、それは許せないことだねえ!世界の敵とはここにいたんだね。君はそれに気がついたんだ!だからどうする?この敵と戦う?そうなんだ。素敵なことだね!なあヒーロー。君の後ろにいる、その敵のことは許したのに?」
みたいな…前の敵に構えていたら横からぶん殴られるみたいな…読んでる間胃がムカムカしてました。居酒屋で土手煮を食べてたからかも。
「反省をくり返す人間たちが、罪を愛で許す人間たちが、今までなにをしてきたか。罪をわすれてきただけだ。」(P.195)
罪悪感がない人間が導く未来というのはどんなものなんだろう?それは責任を取らない人たちで動く世界なんじゃないだろうか。感想を考えていたらなんかめちゃめちゃ空虚な気持ちになってきたので星一つ下げた。
反省をしているのに、罪悪感を感じているのに、生きるためにそれをしないといけないから、忘れながら生きている。その矛盾を孕んだ生き方を、社会を、歪で、気持ち悪くて、間違ったものだとしたいのかな。でも、罪悪感をなくした生き方こそが、犯した過ちから目をそらす歪んだ生き方なんじゃないかなと思う。
六条さんも、綾ちゃんも、抱えきれない悲しみから目をそらすために、心の罪悪感を感じる部分を殺してしまったように見えた。なににも関心が無いとして生きれば、何にも傷つけられないで済むから。感情のコップを最初から壊してしまって、溢れさせないようにしている。地面にできた水たまりを眺めて、ああ自分は受け止められない人間なんだなと思い込もうとしてる。でもそういうところって人間誰しも本当はあるよね。
罪悪感のない人間が作る社会はどんなものなんだろう。それがずっとわからない。分からないまま、空虚を孕んだ女の子が、子守唄を口ずさみながら街を歩く姿を想像している。彼女の後ろで、なんとなく罪に気づきながら、忘れたふりをして生きていた人たちが、同じような人たちを殺したくて殺して欲しくて、殺し合っている。女の子も、殺し合ってる人たちも、誰一人正しい人はいない。こういう罰なのかもしれないな、人類自体への。