東浩紀のレビュー一覧
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世界の頭のいい人たちからコンパクトに要点教えてもらおう!という、ある意味とても今っぽい本。中公新書で出た企画が成功したので、後追いという印象もある。
後追いとはいえ、世界は変わっており、最新の状態を前提にスピーディに新書化してるので、つまらないということはない。
今回はコロナとウクライナを前提に話している。
複数の人が話し、それをまた複数の人が感想を言う二重構造で議論が深まっていて良い。
学ぶとは考える体験であり、時間がかかるためデジタル化やコスパとは相容れないないという言葉は印象的。
多元的に考えるという言葉一つでも、人によって表現が違い、印象も変わる。
読後は「もっと本を読もう、ネットは減 -
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『エマニュエル・トッド』
(2022年現在、今後の世界情勢について)私は歴史家が本職。でも歴史の話はまったく役立たず。なぜなら、私たちが経験しているのは、まったく新しい何かだから。
歴史と違う点
・20世紀初めは各国人口増加したが、今は中国も含め減少する見通し
・冷戦時は、ロシアとNATOが直接対決したことはないが、ウクライナ戦争は、核使用が現実味を帯びるロシア対NATOの本物の戦争
・プーチンは独裁者だと言うが、ヒトラーや、ムッソリーニ、スターリンと違いイデオロギーが無い折衷的で多様な独裁者
・各国国民は超個人主義になった。それはロシア国民も同じ。だから国家間の経済紛争や戦争が行っているのに -
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東さんが自分の中でトレンドになりつつあるので、初期の代表作を手に取る。90年代のオタクの閉塞的な空気と何となくネガティブな印象とポストモダン的な社会を結びつけて論じられている。人間関係の希薄さがとやかく騒がれてた時代の雰囲気をおおよそマッチしてるかな。
2023年のオタクはどうなのか、結構オタクの障壁はだいぶ優しくなって日本人の大部分がオタク的要素は持ち合わせているのではないでしょうか。しかし、90年代とは違いもっとライトな日常生活に溶け込んだ印象を受けます。昨今の小さい物語消費への動物的消費傾向は続いていると思うし、インターネットやSNSによる拡散効果でその餌食となる人数が昔に比べてはるか -
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ネタバレ4名の著名な知識人へのインタビューと、それを踏まえた日本の知識人による論評という構成。日本の知識人の方々は、確り自身の意見を述べていて好感が持てた。
また4名のインタビューの中では、ミラノビッチ氏の話が面白かった。
曰く、エレファントカーブを見ると、程度の差こそあれ、あらゆる人々がグローバリゼーションを通じて所得が増加していることがわかる。また、グローバリゼーションに反発するのは、相対的に恩恵の少ない先進国の中産階級だけで、国内政策での対応が可能である。
そう考えると、保護貿易的な政策で中産階級を保護するより、再配分や成長産業への労働力移動を通じた、グローバリゼーションに抗わない政策の方 -
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自分が今いるコミュニティから外に出てよその文化を体験するってことの重要性はとても共感。これは自分の視点として私自身も日頃から志向している。
そこからさらに、よそ者がよそ様のコミュニティに無責任に首を突っ込んで当事者でもないのに好き勝手思ったことを発信すること は咎められがちだけどむしろ新たな解とか可能性を見出すヒントになりうるからOK という社会の視点は言われるまであまり考えたことがなかった。でも確かにそうだなと学びになった。
この本を読んで、自分は視野を広げるとか自分自身のことしかなかなか考えていないけど、東さんは世の中の健全な有り様がなんなのかについても当事者意識?を持って考えられて -
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デジタル時代の民主主義の在り方について、10年以上前に出たこの本で触れているのは驚きです。政治にコミュニケーションは不可欠と思っていましたが、国民全員がコミュニケーションが得意なわけでもなく、ただ、こうして欲しいという潜在的な欲求は持っているもの。これをテクノロジを駆使すれは、一般意思として抽出できるという主張。
ある意味、最近話題の成田先生の著作「22世紀の民主主義」の問いに対する答えを準備しているかの内容。一読再読の価値ありと思います。ChatGPTなどの優れたAIまで実装された現在、一般意思2.0を把握するところまであと一歩。どこかの国で試験的にシン民主主義が始まるような気がします。ある -
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2017年1月2日・9日合弁号から2022年4月19日号までの週刊誌AERAの巻頭コラム131本。まったく「忘却にあらがう」こと出来てません。すっかり忘れていることばかり。今日より明日という未来志向に駆動されてしまっています。昨日のことを思い出させるのはGoogleのフォトライブラリーの思い出リマインダーばかり。そこには本書で語られるような写真に写らない出来事は皆無。景色と友人と食べ物しか自分の昨日はないのかよ、と思っていたらスマホのプッシュ通知で「森友改ざん問題で元理財局長の責任認めず」とのニュース。そういうことも知らせてもらう時代に、自分の中にどんな「忘れたくない」テーマを持ちうるのか、と
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巻末の付録の「平成という病」がこの本の本質なのだろう。東さんが平成を生きたこれまでに失望し、疲れ、やる気を無くし、それでも令和という時代を迎え、偽りでない希望を見出そうとまた立ち上がりそうな気配だ。
なーんて偉そうなことを言える人間ではないが、この人は本当に素直に自分の失敗だったり不明だったりをきちんと認めている。だから、自分はこの人を信用するのだが、批評家(だった?)なのだから起こったことにしか見付けないのではなく、哲学者(だった、そして今は?)なのだから、これからの日本がどうなるのかまではきちんとわからなくても、どうしていくべきなのかの一つの方向性を教えてほしいと思っている。 -
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“しかしポストモダンの人間は、「意味」への渇望を社交性を通しては満たすことができず、むしろ動物的な欲求に還元することで孤独に満たしている。そこではもはや、小さな物語と大きな非物語のあいだにいかなる繋がりもなく、世界全体はただ即物的に、だれの生にも意味を与えることなく漂っている。意味の動物性への還元、人間性の無意味化、そしてシミュラークルの水準での動物性とデータベースの水準での人間性の解離的な共存。(略)「ポストモダンでは超越性の観念が凋落するとして、ではそこで人間性はどうなってしまうのか」という疑問に対する、現時点での筆者の答えである。(p.140)”
サブカルチャー論でよく名前を聞く本。 -
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ネタバレ記号論とはなにか。歴史からここまでの新しい言説までをまとめたものである。知を愛するものであれば必読の書である。
この分野はコンピュータ、AIの発展の礎になっているし、そもそもメディアを探究する場合にも必要になるものである。
本書に「ヒトはみな同じ文字を書いている」、「ニューロンリサイクル仮説」を取り上げた箇所がある。ヒトが進化の過程で森で生活していた時期があるとされる。その森での生活でモノを見分けるのに使っていた視覚に関する身体の部位や脳の視覚野。これを文字を読むことに転用しているのではないかということの根拠にしているのである。
グラフィックレコーディングにおいて、文字を書く、絵を描く -