東浩紀のレビュー一覧

  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

    Posted by ブクログ

    ひょんなことから東浩紀さんを知りました。
    そうしたら、有名な人だったのですね。
    少しづつ、彼の思想に触れてきましたが、このゲンロン戦記を読んで、今まで途切れ途切れだったのが、つながって良かったです。

    言論の力で世の中を変えていくということを、東さんにやってもらいたい。

    0
    2021年07月25日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

    Posted by ブクログ

    私にとって東さんは、哲学者・批評家として「成功した人」のイメージでしたが、その裏は波瀾万丈であることがわかりました。

    ・「ぼくみたいなやつじゃないやつ」との関わりにより、新たな価値を発見できる。ホモソーシャル性からの決別
    ・「見たいもの」そのものをどう変えるか、という啓蒙が必要である。
    誤配=啓蒙

    0
    2021年06月18日
  • ゆるく考える

    Posted by ブクログ

    文庫になってくれて嬉しい一冊。感想はほしおさんが書かれている「これで「ゆるい」とは。」に心から同意。単行本刊行時は震災の前と後でこんなに変わるかと思考を巡らせながら拝読した。そしてコロナ禍のこのタイミングでこれが文庫化されたことは、読み返すという意味ですごく良かった。これからも、考えるために何度も読み返したい。

    0
    2021年06月02日
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

    Posted by ブクログ

    深層にあるもの(データベース)とそこから生成される表層的なもの(シミュラークル)とを等価に見るデータベース消費の構造が、オタク文化やPCの画面上など至るところに見出だせるというのが本書の主張。
    いまではあらゆる物事や言説がデータ化されているので、このモデルの適用範囲は格段に広くなっていると思う。ソーシャルメディアやAIに関連する問題を思い浮かべながら面白く読んだ。

    0
    2021年06月02日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    ・20世紀が戦争の時代であったなら、21世紀は観光の時代になるかもしれない。そのため、哲学は観光について考えるべきである。
    ・観光とは何か
    ー「楽しみのための旅行であり、報酬を得る活動をせず、日常の生活圏から脱出し、滞在すること」だったが、それが生まれたのは大衆文化と消費社会の誕生が背景にある。新しい交通と新しい産業が生み出した新しい生活様式と結びついた行為であり、古い既得権益層と衝突する行為でもあった。
    ー日本の観光学は実学的であり、「楽しみのための旅行」という定義だけでは、何も思考を促してくれない。
    ー他の国は観光を表層的なものとしてしか捉えておらず、観光の本質については議論していない。そ

    0
    2021年05月06日
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

    Posted by ブクログ

    東浩紀は避けては通れないと思い一読。内容はオタク分析を通じたポストモダン論。最後の『YU‐NO』論は、東のいう虚構世界における「データベース的動物」化と現実世界における多重人格化を端的に表したものだった。

    0
    2021年05月03日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    東浩紀が師匠の石田英敬の構想をきく形で行われたゲンロン・カフェでの対談講義を書籍にしたもの。最新の知見にもとづいて、「記号論」を構想しなおしており、知的にとても刺激をうける。
    特に、脳とメディアの関係性は、自分の問題意識とあっている。
    一方、橘玲がかなり否定的に書いているフッサールやフロイトを肯定しているので、考えさせられる。

    第1講義 記号論と脳科学
    ・歴史的には、バロック記号論(ロックとライプニッツ)から現代記号論(パースとソシュール)を経て情報記号論に
    ・フォトグラフ(光)、フォノグラフ(音声)、シネマトグラフ(運動)のグラフは「書く」ということであり、記号として通底
    ・ヒトはみな同じ

    0
    2021年02月23日
  • 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

    Posted by ブクログ

    再読。今読み返しても、東浩紀さんの思想は変わらず、会社経営という形で実「戦」していることが分かる。分かりやすいところではシラスのコメントの流れ方を何故こうしたのか、数年の経験から悩み抜いた事がわかる。

    0
    2021年02月21日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    改めて読み直した。素晴らしい哲学書は何度読んでも読み応えがあるし、新たな発見があるなと再認識した。
    この本ほど大量の哲学者たちの引用&要約されているものはあまり読んだことがなく(特に要約力が高すぎる)、その圧倒的な読みやすさからも、この本自体があたかも哲学への観光のようだった。
    再読した現在、BlackLivesMatterデモが加速していて、なんでこんな地獄みたいな社会になったのだろうか、とぼんやりだけど切実なガッカリ感が自分の中にあったが、この本はそのガッカリ感に言葉をくれた気がする(直接的な主題ではないが)。
    とにかく素晴らしい本でした。内容はもちろん、読み物として素晴らしい。

    0
    2020年06月02日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    緊急事態宣言が発せられた最初の土曜日。予定がキャンセルで引きこもり状態なったので、よし、積読解消モードだ!ということで2017年に毎日出版文化賞でチェックしていた本書を開きました。たぶん出版後すぐ読んでも受け取れることの多い読書になったはずですが、3年後このタイミングで読んだからこそ、の浸み込み度が大きかったと思います。今回のパンデミックによってデリケートなバランスで成立していたグローバルとナショナルの関係が崩れていく予感がしますが(同じ土曜日夜のETV特集でも世界の識者がそこ指摘してました…)、そのグローバリズムとナショナリズムの二層構造に分裂してしまった(それは今回のことだけではなくトラン

    0
    2020年04月12日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

    Posted by ブクログ

    読む前と読んだ後でものの見方ガラッと変わるような内容だった。
    膨大な情報にいつでもアクセスできるって思い込んでいたけど、検索ワードは自分が選んだものだし、だからバイアスがかかった都合の良い情報にしかアクセスできていないってこの本読まなきゃ気づかなかった。
    SNSが促進する村のような強いつながりが、強固になる程見える世界は狭く届く情報は限定されていくし、だからこそ多様な検索ワードを得るために偶然性による弱いつながりを疎かにしないことが大切。
    当事者として盲目に被害者の声を上げることも、専門家として見下ろすような議論を交わすことも避けたいからと言ってそこに距離を取るのではなく、ただ観光客の目でそこ

    0
    2020年04月01日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

    Posted by ブクログ

    「観光客」であることを、惨めに思う必要はない。
    むしろ、「観光客でいること」に自覚的であるからこそ生み出せるモノがあるのではないか。
    そんなことを考えさせられた。東浩紀さんの本を読んだのは初めてだけど、言葉を扱う仕事をしている人が書くものは、私達が読んでもスッーと身体に入っていくものなんだなと感じた。
    今この時代にこの本と出会えて、本当に良かった。
    自分がなんでこの本を選んだのかはよく思い出せない。この本との出会いも偶然性によるものだったのかなと感じている。
    先行き不安とはよく言われるけど、そもそも未来が予測できる人なんていない。あした自分が、生きていることすらわからない。自分自身のことですら

    0
    2020年01月22日
  • 父として考える

    Posted by ブクログ

    自分の感じていたことをきちんと説明してもらえたような気になる。私にとって社会学者や哲学者の本を読む意味は詰まるところそういうところにあるのだろう。

    抽象的な思考や概念がどのような私的な体験プラス些細な出来事から生まれてきているのかを語っているので、非常にわかりやすく腑に落ちる。私自身、結婚して家を持とうとして土地を探し始めた時、余りに人工的な空間に息が詰まるような気持ちがして、結局ある程度ごちゃごちゃした一言で言えばいろんな人が住んでいる今の土地を選んだ。
    それぞれの年齢や立場に応じて、土地に対する評価も変わってくることをお二人が自分の変化として語っており、人生のライフステージで、均質な空間

    0
    2019年11月01日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    東浩紀の理解力バケモノか?
    わりとフロイトの話が多い。個々の説明はわかりやすいんだけど話があちこちに行くので、全体としてしっかり把握するには理解力がいるなあと思った。
    補論のGoogle広告の話についてはいままさにそういう仕事をしているから多少疑問に思うところもあったけど、そういう着眼点かあ、って素直に驚いた。ヘーゲルのピラミッドの話もはじめて聞いたけど面白い。
    理解できないところがあったとしても、現代のメディアを読み解くためのヒントがたくさん詰まっているので、読む価値は大いにある。

    0
    2019年09月23日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    悲しくなる本である。
    内容的には断然面白いのだけど。

    問題は、捨てたもんじゃないでしょ、という東さんにたいして、衆寡敵せず、と言うほかないことなのだ。
    安易に感染する縁無き衆生には、インテリゲンチャの言葉は届かない。
    度しがたいバカを救えるのか、と問えば、無理でしょ、と言うほかない。

    それと、文系がどうこういう理系の輩、というのは、所詮9割のクズの側でしかない。
    理系という鎧を身にまとえば無敵になれる、などという脳天気な勘違いをしている時点で終わっている。

    0
    2019年08月09日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    いま現代社会に感じている違和感を明快に解き明かしてくれる。それだけではなく、そんな社会とどう向き合っていけば良いのかまでも、ヒントを与えてくれる、そんな本だった。

    第一部終盤、ローティの考えに対する著者の考察が面白かった。
    「たまたま目の前に苦しんでいる人間がいる。ぼくたちはどうしようもなくそのひとに声をかける。同情する。それこそが連帯の基礎であり、「われわれ」の基礎であり、社会の基礎なのだとローティは言おうとしている」

    この《たまたま》にこれからのヒントが隠されているのではないか。

    とても面白かったです。

    0
    2019年05月13日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    とても面白いけども、疑問も色々と湧いてくる。
    ちょっと極端に過ぎるところもある。
    今の情報化社会の過大評価もある。
    なぜ人文系が、記号論か、時代に対応できないのか、それは、世の中の多様化、というか、多様性の顕在化、に、答えられないからではないのか。

    情報記号論を考えていくにあたって、バロック記号論まで遡らなければ、というものの、本当にそこまででいいのだろうか?
    メディアを、アナログメディアやデジタルメディアとして、写真、映画、ウェブにしてるけど、書物だってメディアなわけで、そこが最後まで気持ち悪い。
    書物をメディアと考えてないので、コンピュータの構想されたバロック記号論を遡る原点としてるけど

    0
    2019年05月05日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    人間が作り出した記号は、インターフェイスを通じて機械と交流するものになった。機械のために変換した記号ゼロイチが人間社会に逆流して侵食、感染していく中で、人文学が果たす役割と自由について。

    0
    2019年04月30日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    衝撃の一冊だった。情報学環で石田先生の授業を受けたこともあったので懐かしくもなった。閉塞が叫ばれる、思想界ひいては人文学であるものの、石田先生が接続を試みる脳神経学的アプローチは思想に新たなアクチュアリティを付与する。

    0
    2019年04月27日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    フロイトの再解釈からつながる記号の逆ピラミッド面白いわぁ。本の中でもツッコミ入ってたけど第3講義の後半を先に読んだ方が全体像がわかる笑

    0
    2019年04月20日