東浩紀のレビュー一覧

  • 観光客の哲学 増補版

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    「観光客の哲学」初版は既に購入して読んでいたのだけれど、今回の増補版で再読して
    新たな発見がいくつもあったので、備忘録として記しておくことにした。

     まず第4章の「二層構造」。カント、ヘーゲルの時代から哲学者が考えてきた国家と市民社会のことがものすごくわかりやすく述べられている。21世紀はネーションの統合性が壊れただけの状態であり、2つの秩序が独立して存在する「二層構造の時代」であると。
    もはや普遍的な正義が存在しない、リベラリズムの根幹が揺らいでいる現代には、上半身(理性、政治)と下半身(欲望、経済)は別々の秩序で動く。これは、コロナ禍を経験した我々には実感を伴って感じられる。医療者である

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    2023年07月12日
  • 観光客の哲学 増補版

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    新たに「2章2万字」が追加された増補版。そのこと自体が、まるで家族の拡張可能性そのもののようだ。イラストの小鳥が、帯でそのことをお知らせしてくれています。かわいい。

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    2023年06月27日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

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    人生にノイズを入れる必要がある、と思わされた一冊。

    情報に溢れた社会の中では、それ自体が強い繋がりとなって自分を固定化してしまう。それに抗い、人生にノイズを入れること、弱いつながりをつくることで、その情報をもっと豊かにでき、一度きりの人生を豊かにできるのだ、と。
    深く入り込まなくてもいい、浅く、好奇心を持って、半村人であるような感覚でいればいいと説く。

    それだけではなく、東氏がいいたい哲学的、かつ本質的な部分は何度か読むことによって理解できていくのだろうと思う。

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    2023年05月10日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    会社として活動することと自分のやりたいことのギャップを埋めるのが如何に大変かを追体験させてくれる本。

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    2023年02月11日
  • 忘却にあらがう 平成から令和へ

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    読み始めて数ページは「なんだ週刊誌のコラムのまとめか」と思ったが、読み進めていくうちに引き込まれた。
    毎日の日常を当たり前に生きていると漠然と変化を感じることはあるけどその正体はよくわからない、しかも日常だから深く考えずに過ぎてしまう。でも冷静に去年の今頃とか3年前とかを思い返すと、だいぶ変わってきたんだなと感じることがある。そういうことが週刊誌のコラムであるからこそ小刻みの等間隔で振り返れて、世の中がじわじわと確実に変わってきたこと、または結局変わってないことなどをリアルに実感できた。自分が生きている時代(2017年1月〜2022年4月)を見つめ直す有意義な機会をもらえた。

    そのような大局

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    2023年01月11日
  • ゲンロン13

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    ゲンロンの最新刊。
    ロシア情勢についての座談会、辻田氏と三浦氏の座談会、梶谷氏らとの座談会、、、座談会だけでも読み応えが十分。ただやはり東氏の最新の論考が一番興味深い。特にルソーをデリダ的に読み直し、
    一般意識と訂正可能性を結びつける議論は唸らされる。2010年代以降のIT論壇批評も鋭い。批評家としての氏の力量が遺憾なく発揮されているだろう。

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    2022年11月18日
  • 忘却にあらがう 平成から令和へ

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    【はじめに】
    本書は、2017年1月から2022年4月までの約五年の間週刊『AERA』に掲載された巻頭コラム131回分を収めたものである。ざっとこの100回を超えるコラムを読むと、この五年間でそれなりのことが起こったのだなと改めて思い返される。

    【五年間のこと、特に政治について】
    その五年間のコラム掲載期間の後半は、日本中がコロナに翻弄された。著者も何度も言及し、なし崩し的に権利の制限が行われたことが後世に与える影響を懸念している。
    また、アメリカでのトランプ大統領の誕生も驚きではあったが、政治的出来事としてある意味ではとてもこの五年間までの政治の変化を象徴する出来事であった。一方でこの五年

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    2022年10月23日
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

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    昔某教授からオタクを名乗るなら必須だから読んでおけと勧められた一冊。(今となっては)往年のアニメやADVからオタク(というか非王道の若者)の心理が分析されている。難しい言葉も少ないのでオタクを名乗るなら是非

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    2022年09月27日
  • 忘却にあらがう 平成から令和へ

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    筆者は一貫して、人々は自分の頭で考え自分の振る舞いを周囲に惑わされないことの大切さを訴えている。この5年間の時事を見つめ直すにも良い一冊。

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    2022年08月31日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    この本の中では東浩紀さんがずっと展開してきた「誤配」という言葉について何度も語られている。まさに私も東浩紀、そしてゲンロンに出会ったこと自体が「誤配」の結果であり、そこから多くの影響を受けているということを読みながら改めて実感した。震災後の福島について、人文知的アプローチをしているところを探していたらゲンロンに出会い、よく分からないままゲンロンカフェに行って小松理虔さんの出版イベントに参加した。東さんや飛び込みで津田さんなどがいて熱く語り、観客もまた熱心に聞く、物凄い熱量の空間であった。まさに私もあの場で「知の観客」となっていた。しかし、ゲンロンがそこに至るまで、そしてそれ以降、裏では大変なこ

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    2022年02月12日
  • 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

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    ルソーによると、一般意志とは国人の意思の集合体である共同体意思のことを指す。したがって市民はこの一般意志に従わなければならない。ただし政府は一般意志を執行するための"代理機関"にすぎないため、市民は政府に服従しなければならないわけではなく、むしろ革命権を肯定している点はホッブズと異なる考え方。

    現代社会において一般意志とは何か考えてみるとまず思いつくのは世論あたりになるが、これとは全く性質が異なる。なぜならルソーは一般意志について「一般意志はつねに正しく、つねに公共の利益に向かう」と述べているからだ。世論は、みんなの意思だがしばしば誤ることがある全体意志に該当することにな

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    2021年09月18日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    ゲンロンの経営者としての東浩紀の試行錯誤を記した本。あとがきで東はもともと「とてもややこしい現代思想の世界を専門としていた」が「専門書ではなにも伝わらないし、なにも変わらないと感じるようにもなっている。哲学は生きられねばならない。」と書いている。うーんそうなんすかね、まあそうなんだろうな。ただ別のなにかのインタビューで、専門書を読めば俺は専門書を読めるし実際すでにほとんど読んだぞと自信に繋がって、その手のコンプレックスを抱かなくなると答えていた。亀の甲より年の功てきなことかもしれないけど、それでも専門書を読む意味が消えることはないんだろう。

    仲間を集めたいという動機で始めたゲンロンだったけど

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    2021年09月03日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

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    普段本をあまり読まないネット好きな人にこそ、是非おすすめしたい一冊。場を移しただけでは世界は広がらない(悪い意味で)。SNSはあくまでツール。

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    2021年09月01日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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     めちゃめちゃ面白かったし、勉強になった。会社経営としても、哲学としても。

     …もっとも重要なのは、「なにか新しいことを実現するためには、いっけん本質的でないことこそ本質的で、本質的なことばかりを追求するとむしろ新しいことは実現できなくなる」というこの逆説的なメッセージかもしれません。

     …ついに意識改革が訪れました。「人間はやはり地道に生きねばならん」と。いやいや、笑わないでください。冗談ではなく、本気でそう思ったのです。会社経営とはなにかと。最後の最後にやらなければいけないのは、領収書の打ち込みではないかと。ぼくはようやく心を入れ替えました。そして、ゲンロンを続けるとはそういう覚悟を持

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    2021年08月14日
  • ゆるく考える

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    文庫になってくれて嬉しい一冊。感想はほしおさんが書かれている「これで「ゆるい」とは。」に心から同意。単行本刊行時は震災の前と後でこんなに変わるかと思考を巡らせながら拝読した。そしてコロナ禍のこのタイミングでこれが文庫化されたことは、読み返すという意味ですごく良かった。これからも、考えるために何度も読み返したい。

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    2021年06月02日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

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    ・20世紀が戦争の時代であったなら、21世紀は観光の時代になるかもしれない。そのため、哲学は観光について考えるべきである。
    ・観光とは何か
    ー「楽しみのための旅行であり、報酬を得る活動をせず、日常の生活圏から脱出し、滞在すること」だったが、それが生まれたのは大衆文化と消費社会の誕生が背景にある。新しい交通と新しい産業が生み出した新しい生活様式と結びついた行為であり、古い既得権益層と衝突する行為でもあった。
    ー日本の観光学は実学的であり、「楽しみのための旅行」という定義だけでは、何も思考を促してくれない。
    ー他の国は観光を表層的なものとしてしか捉えておらず、観光の本質については議論していない。そ

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    2021年05月06日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

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    東浩紀が師匠の石田英敬の構想をきく形で行われたゲンロン・カフェでの対談講義を書籍にしたもの。最新の知見にもとづいて、「記号論」を構想しなおしており、知的にとても刺激をうける。
    特に、脳とメディアの関係性は、自分の問題意識とあっている。
    一方、橘玲がかなり否定的に書いているフッサールやフロイトを肯定しているので、考えさせられる。

    第1講義 記号論と脳科学
    ・歴史的には、バロック記号論(ロックとライプニッツ)から現代記号論(パースとソシュール)を経て情報記号論に
    ・フォトグラフ(光)、フォノグラフ(音声)、シネマトグラフ(運動)のグラフは「書く」ということであり、記号として通底
    ・ヒトはみな同じ

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    2021年02月23日
  • 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

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    再読。今読み返しても、東浩紀さんの思想は変わらず、会社経営という形で実「戦」していることが分かる。分かりやすいところではシラスのコメントの流れ方を何故こうしたのか、数年の経験から悩み抜いた事がわかる。

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    2021年02月21日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

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    改めて読み直した。素晴らしい哲学書は何度読んでも読み応えがあるし、新たな発見があるなと再認識した。
    この本ほど大量の哲学者たちの引用&要約されているものはあまり読んだことがなく(特に要約力が高すぎる)、その圧倒的な読みやすさからも、この本自体があたかも哲学への観光のようだった。
    再読した現在、BlackLivesMatterデモが加速していて、なんでこんな地獄みたいな社会になったのだろうか、とぼんやりだけど切実なガッカリ感が自分の中にあったが、この本はそのガッカリ感に言葉をくれた気がする(直接的な主題ではないが)。
    とにかく素晴らしい本でした。内容はもちろん、読み物として素晴らしい。

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    2020年06月02日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

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    緊急事態宣言が発せられた最初の土曜日。予定がキャンセルで引きこもり状態なったので、よし、積読解消モードだ!ということで2017年に毎日出版文化賞でチェックしていた本書を開きました。たぶん出版後すぐ読んでも受け取れることの多い読書になったはずですが、3年後このタイミングで読んだからこそ、の浸み込み度が大きかったと思います。今回のパンデミックによってデリケートなバランスで成立していたグローバルとナショナルの関係が崩れていく予感がしますが(同じ土曜日夜のETV特集でも世界の識者がそこ指摘してました…)、そのグローバリズムとナショナリズムの二層構造に分裂してしまった(それは今回のことだけではなくトラン

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    2020年04月12日