東浩紀のレビュー一覧

  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    哲学者東浩紀の人間らしさが垣間見える書籍であった。最近YouTubeに投稿された街録chの東浩紀回を一緒に見ることでより東浩紀という人間が見えてくる。ゲンロンという場自体が世間を大きく変えるということはできないし、本人も望んではいない。しかし、こういう場を提供し続けることで、信者ではなく観客を産み出していくことで、ゆっくりではあるが、1ミリでも1センチでも世の中が良い方向へと向かっていくのではないかと期待させられた。

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    2025年10月05日
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

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    ポストモダンの大きな物語の終焉の後に残るものとはなんだろう。2000年までのオタク文化を批評しながらより大きな文化全体の変化を冷静に見つめている。本書に示されているパッチワーク的な小さな物語と、それを構成するデータベースの世界、それを乗り越えて現代で息づく物語の存在意義に興味が湧いた。

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    2025年10月05日
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

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    3年ほど前に半分ぐらいまで貪るように読んで、そこからなぜか積ん読。ようやく再読したものの、前回読んだあたりまでが一番面白かったなという感想。なんだかな。

    議論の中心となる概念は2つ、「データベース消費」と「動物の時代」。それぞれ大塚英志の「物語消費」と大澤真幸の「理想の時代」「虚構の時代」を発展的に継承し、現代(95年以降のこと)版にアップデートしたもの。
    どちらも非常に使い勝手のよい概念で、思考ツールとして極めて有用。
    特にデータベース・モデルに関しては、少なくともこれだけでこの本を読んだ元は取れた、と思うほど。

    読みながら現代はどうだろうと考えるのも楽しかった。艦これやFGOは恐ろしい

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    2025年09月27日
  • 訂正する力

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    白黒はっきりつけすぎじゃない?
    考え変わったらそれを受け止めようよ(過去をひっくり返すのはどうなのよ)

    って話。視点が新しく感じれて面白かった

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    2025年09月18日
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

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    オタク文化から見た日本文化論。
    日本のオタクたちは、七〇年代に大きな物語を失い、八〇年代にその失われた大きな物語を捏造する段階(物語消費)を迎え、続く九〇年代、その捏造の必要性すら放棄し、単純にデータベースを欲望する段階(データベース消費)を迎えたというのが心に残った。

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    2025年09月10日
  • 日本の歪み

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    日本の独特さ、を幅広い知識を元に対談。
    豪華な3人が、歴史も紐解きながら話し込む内容は濃密。また読みたい。

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    2025年09月06日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    株式会社ゲンロンの東浩紀による伝記的書籍。
    波瀾万丈の社史を介して社会の在り方や価値観について考えさせられる一冊。
    笑うところではないが思わず噴き出してしまうエピソードも多数収録されていて軽い気持ちで読み進めることができた。

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    2025年08月22日
  • 訂正可能性の哲学

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    こだわりがあるのだろうが、タイトルが勿体無い。

    あるルールの世界で動いているものに、後から違うルールだといちゃもんをつけられても、それが間違いだと論理的に説明することは難しいという話をもとに、我々はなんのゲームをプレイしているかわからない、ゲームが成立するには観客や評価を必要とする、評価されて初めてそのプレイの価値が定まる、すなわち物事の意味や価値は後から訂正されうるとする。

    我々の人生もすべて思いがけないものの連続で、その意味は常に訂正されうる。人間万事塞翁が馬を哲学的に言っているようにも思えた。

    例示としてとても興味深かったのは、エマニュエルトッドさんの家族形態と社会体制の因果。これ

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    2025年08月15日
  • 訂正する力

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    根拠の明確さ、論理の明快さに軽率に騙されず、よく考え、よく話し、連続性をもって変化し続ける社会の構成員でありたい。

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    2025年08月12日
  • 訂正する力

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    暫定的に最も正しい答えを有する自然科学と異なり、人文系の学問はつねに新たな視点から再解釈(=訂正)することを目指す。
    それが常に古典を研究し続けられる理由である。

    人文系の学問が何をやっているのかということについて、自分の学生自体に説明をつけられた気がしてよかった。

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    2025年07月29日
  • 訂正する力

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    変わること、持続する力。併存を認め変わっていくこと、凝り固まらないこと。この柔軟さが未来を作ることもあること。自分で自分を縛り上げないこと。取り替えのきかない「固有性」を持つこと。かわいげ。意味のない二項対立は幼稚。

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    2025年06月26日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    いまだ20世紀と変わらない西洋の独善を体現したようなアタリは論外としても、4名の「西洋」知識人達の議論には特に目新しい視点がみられない(トッドもこの時点では露ウ戦争へのスタンスを明確にしていない)。唯一ミラノビッチにはやや未来に開かれた現実主義のようなものが感じられたくらいか。
    一方で、その後を受けた日本の論者達の議論には共感する部分が多かった。特に小川さやか氏の途上国やインフォーマル経済に視点を置いた議論には、世界の広さや本当の多様性について考えさせられる。

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    2025年06月18日
  • 訂正する力

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    明確な正解がない時代において、0 か1の極論に固執するだけでは前に進めない。だからこそ、今この「訂正する」が大事だと感じました。
    これは過去をバッサリ切り捨てることでなく、過去との一貫性の中で、現実に合わせて過去の解釈も含めて変化させていくこと。
    日本の未来だけでなく、我々個人にとっても、課題を乗り越え、これからの時代を生き抜いていくために必要なスキルだと思いました。

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    2025年06月14日
  • 訂正する力

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    新書なので平易な文章でまとめてくれはいるが、それでもその思想の深淵には踏み込めないもどかしさがある。微妙なニュアンスで差異が生じる「歴史修正主義」と「訂正する力」の明確な区別が自分の中で説明しきれていない。

    「組織・組合」の重要性を説いているのが新鮮であった。このご時世、人間関係がどんどん希薄になっているという常識の反面、一部のコミケや独特なサークルなんかは今も活動盛んなのかもとか考える。そのような組織で「余剰な情報」を相互提供しあえる関係性って、「私」というアイデンティティが育まれ人生が豊かになりそうー。

    ともあれ、ポストモダンの脱構築にも通ずる点も感じるし、自分ごとに引き戻してみると二

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    2025年05月22日
  • 観光客の哲学 増補版

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    普段哲学書を読まないせいか、1回一通り読んだだけでは理解できないことばかりだった

    ルソーやロシアのドフトエスキーなど、著名な思想家や作家を引き合いに出して解説してた

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    2025年05月05日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    事業をやっていると身につまされるような話ばかり。観客を育てるということ、大変ハッとした。文化の総体として捉えることの大切さ。

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    2025年05月03日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    ゲンロン創業からの紆余曲折を隠すことなく、東浩紀氏の代表としての反省を含めて赤裸々に綴った一冊。
    様々な組織に共通するようなエピソードがここでもなんだな。
    人との関わり方も、オルタネイティブであるというスタンスでいるためにも、苦渋の決断もあったりと生々しい。
    東氏含めて存在自体は知っていたが、これまであまりゲンロンの活動を見てきてなかったので、ちょっとこれからフォローしてみたい。

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    2025年04月17日
  • 訂正する力

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    ひとまず読み終わった。また土日にまとめようかと思うけど、色々とターニングポイントに立っている自分にとっては面白い本だったな。ただ政治色が後半強いのでちゃんと身構えながら読まないと混乱した。

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    2025年04月14日
  • 訂正する力

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    序盤はあまり響かなかったが、中盤は読み応えがあった。終盤は混沌として少し不漁。シンプルで壮大な読みを提示しているようで、そりゃそうだ、と思えてもしまうあたりまえさもあり、浅いのか深いのかよく分からない。けど、立場や間合いは参考になる。オリジナルな個性の確立の仕方は、リスクをとって進む事なのかな。たくましい。

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    2025年04月13日
  • 訂正する力

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    ネタバレ

    東浩紀さんの「訂正可能性の哲学」の直後に出版された語りおろし本。

    聞き手および構成を近現代史研究家の辻田真佐憲さんが担当。東さんのコラム集的な性格を持ちながらも、各章には「本章のまとめ」が付され、「訂正可能性の哲学」と執筆時期が重なっていることから、その補助線としての役割も果たしています。
    また、戦後日本の平和を「政治の欠如」と断言した点は、憲法第9条とともに硬直化している平和主義に一石を投じる可能性がある(そうなってほしい)。ちなみに本書で東さんは「軍備増強と平和外交は矛盾しない(平和のために軍備増強すべし)」という立場を明確にしており、日本のビジョンについての彼の考えを読める点でも一読の

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    2025年03月24日