東浩紀のレビュー一覧

  • 訂正可能性の哲学

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    久々ずしんと来た一冊。

    ヴィットゲインシュタインの言語ゲーム、ハンナアーレントの公共の議論、ルソーの一般意志と『新エロイーズ』などなど、読み応え盛りだくさん。


    「家族」って一言で言っても全然違うんちゃうか。
    「公共」って何。
    「民主主義」(人工知能民主主義)ってほんまに大事なとこどこなん。
    この辺のすごく現代時に取ってこそばゆいところに上手く手を伸ばして深く掘り下げてくれる本。


    笑いを取って笑顔にするには自虐ネタだけ繰り返したりツッコミだけでは限界があるから、やっぱりテンポとボケと間があってしゃべくりが続いていくことこそ醍醐味やなと、ごちゃごちゃした街中の中で育った(今も難波以南はご

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    2024年02月18日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    「訂正する力」を読んだ上での「ゲンロン戦記」。この二冊が思索編と行動編のニコイチのセットであることがあまりに感動的でした。「観光客」とか「誤配」とか著者ならではのキーワードも決して理論の意味深なメタファーなのではなくゲンロンというリアルな模索から生まれたド直球の意味であることを知りました。なので「修正」ではなく「訂正」という最近の言葉の提案も非常に実感を伴ったものであるものとして受け取れました。学生の時からスポットライトを浴びてマスコミにも良く登場し大学でのポジションも確保できそうだった論客が、それを捨ててのビジネスでの七転八倒ヒストリー。考え違い、思惑の違いに翻弄され、自分の弱さから逃げ、や

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    2024年02月12日
  • 日本の歪み

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    ふわっと読んでも面白い本。ああ確かに、日本ってそうなのかな、と素直に納得できる所が多い。東さんの本をいくつか読んだ流れで読んだが、養老先生の本をこの流れで読んでみたい。

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    2024年01月25日
  • 訂正可能性の哲学

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    浅田彰が『構造と力』が「完全に過去のものとなった」と、お世辞とも本音ともつかないコメントを寄せた処女作『存在論的、郵便的』から25年、スタイルや力点は随分変化したかに見えるが、東哲学の集大成とされる本書は処女作で既に予告されていたようにも思う。「脱構築」から「訂正可能性」への進化は何を意味するだろうか。

    人と人とのコミュニケーション、あるいはその前提となる共通理解はいかにして可能か。それは「誤配」であり、分かり合えるのは偶然に過ぎず、確実な根拠などないとデリダは言う。しかしともかく手紙は配達され、開封され、そして読まれる。「誤配」と判明しない限りコミュニケーションは何の問題もなく継続される。

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    2024年01月07日
  • 訂正可能性の哲学

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    素晴らしかった。第一部はリベラルなソーシャルセクター界隈で「家族」を語ることの難しさがどこにあるのか、それをどう乗り越える対話を考えていけば良いのかヒントを得たし、第二部では多面的で一貫性のない私たちという前提を受け止めた上で民主主義というものをどのように考えうるかルソーの「一般意志」の新解釈を語る構成と筆致が見事。分断的でポピュリズム的な政治や見てるだけで傷つき疲れるネットにもう一度向き合う気持ちも湧いてくるし、仕事や活動として触れている各地の自治につながると信じる実践に活かしたい学びも多かった。続けて『訂正する力』も読みたい。

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    2023年12月10日
  • 訂正可能性の哲学

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    東浩紀による観光の哲学のその後の哲学。訂正可能性の哲学とは乱暴に要約すればかのようにの哲学であり、動詞的に考える哲学でもあり、フランス現代思想の系譜にあるように思えるのだけれど、民間にいることもあり、アカデミズムな文脈では評価されていないという。ご本人はそんな評価は望んでいないのだろうけれど。一般意思とは事後的に振り返った時に成立しているという考え方はまさにヘーゲルの哲学に該当していて、あたかも意思があるかのように歴史が発展してきているけれど、それは事後的に意味を確定させたときにのみ成立する考え方でもある。

    それにしても高度な哲学的議論をここまで平易に語ることのできる著者の才能には改めて感服

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    2023年11月21日
  • 日本の歪み

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    養老先生の人生観は時代から来るものだとしみじみと感じました。三者三様ですが鼎談で多岐に渡る分野をこんなにも深くわかりやすい形で言葉に出来るのは素晴らしいです。示唆に富む素晴らしい鼎談です。編集も良さそうです。注釈の配置は常に左のページにあるので読みやすいです。

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    2023年11月16日
  • 訂正可能性の哲学

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    これは時宜に適った哲学書だ。

    民主主義の行き過ぎ、純粋性を時間的継続性の枠組みからガッチリ捉え、訂正可能性を実装させる取り組みだ。

    個人的にはローティの思想が広く取り上げられていることに深い印象を持った。

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    2023年11月05日
  • 日本の歪み

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    最高の鼎談 単純に面白かった。
    専門も世代も違う3人が憲法や戦争など、様々な論点で鼎談している。

    政治的な正しさ抜きの鼎談なので、誤魔化しがなく刺激的。
    多くの人に読んで欲しい。

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    2026年01月18日
  • 訂正可能性の哲学

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    ネタバレ

    正しさとは正しさを求め、訂正し続ける姿勢にしかあり得ない。結論にはとても勇気づけられた。政治に限らず、生き方や行動のあり方として、非常に納得のいく考えだった。
    アカデミックなところもなくはないが、哲学書としては非常に読みやすく、かつ内容が充実していて読み応えがあった。

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    2023年11月03日
  • 日本の歪み

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    この三人の鼎談は、奥行きもしなやかさもあって実に面白い。
    不快なものは不快。
    関係ないものは無理をして理屈をこねることもない。
    黙っていてもいいが、態度 行動で表すには、腹を据えたり超越する必要があるな。

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    2023年10月29日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

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    訂正する力→ゲンロン戦記ときてこれを読んだ。時系列的に遡ってる感じ。ある意味、著者の考えの筋道とか一貫性とかが見通せる感じで、良い流れではなかったかと思う。次に読むのは近々くるはずの「訂正可能性の哲学」になる(その前にゲンロン15か?)と思うけど。本棚で「存在論的、郵便的」が待っているのではあるが。

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    2023年10月28日
  • 訂正可能性の哲学

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    人間への諦念を前提とした内容ながらも、これをポジティブ、いやニュートラルに捉えられる読後感だった。人間とは、決して合理的で強い存在ではなく、情念に振り回され他者を傷つける弱い存在である。これを、だからといって単純に人間を排除する思想に走るのではなく、それでも過ちを訂正し続けていくからこそ持続可能であると結論付けている。それは、悲観主義ではなく、かといって理想主義でもない、とてもプラグマティックな考え方に思えた。
    カール・ポパーが提唱したように、一見すると絶対的だと思われる科学でさえも、その正しさは常に暫定的なものでしかなく、それは反証可能性に開かれている。同様に、正しさの基準も時代や文化によっ

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    2023年10月02日
  • 訂正可能性の哲学

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    観光客の哲学の続編として、同書で序説に留まっていた家族の哲学を、ヴィトケンシュタインとクリプキを参照した言語ゲームをもとに訂正可能性の哲学として発展させ回収している。

    後半はシンギュラリティ肯定論への反証論理の提出という形で、上記の訂正可能性の概念を活用しながら、著者の過去の著書たる一般意志2.0をアップデートする内容で、これからのあるべき民主主義についての示唆を提示して結論とする流れになっている。

    様々な思想家の論理構造(あるいは再解釈された論理構造)の間の鏡像性を手がかりに議論を発展させる批評的理論構築が、丁寧な整理のもとで示される。当たり前だが、完全に固有の新しい民主主義のあり方が結

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    2023年09月18日
  • 観光客の哲学 増補版

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    ネタバレ

    哲学書ながら読みやすい一冊だった。グローバリゼーションとナショナリズムの狭間でどう生きるのか。経済的に結び付きゆく世界の中で、自分と他者の壁をどこに設定するのか。難しい問題について考えさせられた。
    ゆるく生きる、というのとは少し異なる気がするが、概ね筆者の意見には納得した。ナショナリズムに限らず、例えば会社をとっても、多様な働き方があるいまの時代、一つの組織や集団への帰属意識は不安定なものになりつつある。そこで大切なのが観光客としてのコミュニケーション、つまりすべてが繋がっていることを許容しながらも、自己と他者の境目をなんとなく意識すること。そして他者の認識は100%そのものを理解していると認

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    2023年08月16日
  • 観光客の哲学 増補版

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    この本は、哲学は決して高尚な取っつきにくい学問ではなく、身近で面白いものなのだということを、読みやすい文章で示してくれている。図らずもコロナ禍を経て「観光客」というキーワードが、初版の時以上に意味を持つようになった。「親」として生きることに対するメッセージが深い。カラマーゾフの兄弟を再読せねばと思う。
    「訂正可能性の哲学」が大変楽しみである。

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    2023年08月15日
  • 観光客の哲学 増補版

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    ネタバレ

    「観光客の哲学」初版は既に購入して読んでいたのだけれど、今回の増補版で再読して
    新たな発見がいくつもあったので、備忘録として記しておくことにした。

     まず第4章の「二層構造」。カント、ヘーゲルの時代から哲学者が考えてきた国家と市民社会のことがものすごくわかりやすく述べられている。21世紀はネーションの統合性が壊れただけの状態であり、2つの秩序が独立して存在する「二層構造の時代」であると。
    もはや普遍的な正義が存在しない、リベラリズムの根幹が揺らいでいる現代には、上半身(理性、政治)と下半身(欲望、経済)は別々の秩序で動く。これは、コロナ禍を経験した我々には実感を伴って感じられる。医療者である

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    2023年07月12日
  • 観光客の哲学 増補版

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    新たに「2章2万字」が追加された増補版。そのこと自体が、まるで家族の拡張可能性そのもののようだ。イラストの小鳥が、帯でそのことをお知らせしてくれています。かわいい。

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    2023年06月27日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

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    人生にノイズを入れる必要がある、と思わされた一冊。

    情報に溢れた社会の中では、それ自体が強い繋がりとなって自分を固定化してしまう。それに抗い、人生にノイズを入れること、弱いつながりをつくることで、その情報をもっと豊かにでき、一度きりの人生を豊かにできるのだ、と。
    深く入り込まなくてもいい、浅く、好奇心を持って、半村人であるような感覚でいればいいと説く。

    それだけではなく、東氏がいいたい哲学的、かつ本質的な部分は何度か読むことによって理解できていくのだろうと思う。

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    2023年05月10日
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

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    会社として活動することと自分のやりたいことのギャップを埋めるのが如何に大変かを追体験させてくれる本。

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    2023年02月11日