【感想・ネタバレ】弱いつながり 検索ワードを探す旅のレビュー

あらすじ

「かけがえのない個人」など存在しない。私たちは考え方も欲望も今いる環境に規定され、ネットの検索ワードさえグーグルに予測されている。それでも、たった一度の人生をかけがえのないものにしたいならば、新しい検索ワードを探すしかない。それを可能にするのが身体の移動であり、旅であり、弱いつながりだ――。SNS時代の挑発的人生論。※解説は電子書籍版には収録されていません

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Posted by ブクログ

人間は環境に規定されてしまう。
そんな人間が「かけがえのない自分」として生きていくためのヒントとして、環境にノイズを忍び込ませること、記号では捉えきれない「モノ」があると認識すること、無責任・軽薄に生きる側面を持つこと、すなわち「観光客」として生きてみることが提案されている。

最近、法律の勉強に時間を割かれ、記号の世界に閉じ込められていた。お金も時間もないし、友人が海外旅行する様をInstagramで見て、俺は日常の中に小さい幸せを見つけられるんだ、なんて小さい捻くれた世界に閉じこもっていた。
旅に出たいと本気で思う本だった。今の僕の人生には明らかにノイズが足りていない。脳みそも心もどんどん痩せ細っていってるのが分かる。旅に出よう。

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2024年08月11日

Posted by ブクログ

(2014/10/11)
ネットは弱いようで強いつながりだという。
固定した仲間としかつるまない。
新しい環境に触れるには、
弱いリアルを求めるのが一番。
そのためには旅をしようという。

ネットでストリートビューをすれば現地の様子はわかる、
でもそれは旅ではない。
その違いは移動時間にあるという。
その場に行くまで、帰るとき、
体を一定時間その場に拘束すること、そして欲望することに
意味があるという。
深い。
だから著者はダークツーリズム、チェルノブイリ観光を実施し、
さらに福島原発を観光地化しようとする。

平野啓一郎氏の分人化にも触れている。
ただ、平野氏がそれぞれの村人であれ、というのには反対し、観光客でいい、という。
日本人は村人になりたがる。正社員もそれ、と。

従来の仲間ではなく、パーティであっただけの人の言葉をきっかけに転職する、
なんて話もあった。
弱いつながりがきっかけになると。

同感できる。
気楽に、でも新しい刺激を求めたい。

ネットをやるなら日本語以外で検索を。そうだよなあ。。。

目次
0 はじめに――強いネットと弱いリアル
1 旅に出る 台湾/インド
2 観光客になる 福島
3 モノに触れる アウシュヴィッツ
4 欲望を作る チェルノブイリ
5 憐れみを感じる 韓国
6 コピーを怖れない バンコク
7 老いに抵抗する 東京
8 ボーナストラック 観光客の五つの心得
9 おわりに――旅とイメージ

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2024年08月08日

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面白いなぁ。エッセイ的な旅の話を読みながら、哲学的なことを考えられる本。こんなの今まであっただろうか。

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2024年06月29日

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訂正する力→ゲンロン戦記ときてこれを読んだ。時系列的に遡ってる感じ。ある意味、著者の考えの筋道とか一貫性とかが見通せる感じで、良い流れではなかったかと思う。次に読むのは近々くるはずの「訂正可能性の哲学」になる(その前にゲンロン15か?)と思うけど。本棚で「存在論的、郵便的」が待っているのではあるが。

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2023年10月28日

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ネタバレ

人生にノイズを入れる必要がある、と思わされた一冊。

情報に溢れた社会の中では、それ自体が強い繋がりとなって自分を固定化してしまう。それに抗い、人生にノイズを入れること、弱いつながりをつくることで、その情報をもっと豊かにでき、一度きりの人生を豊かにできるのだ、と。
深く入り込まなくてもいい、浅く、好奇心を持って、半村人であるような感覚でいればいいと説く。

それだけではなく、東氏がいいたい哲学的、かつ本質的な部分は何度か読むことによって理解できていくのだろうと思う。

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2023年05月10日

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普段本をあまり読まないネット好きな人にこそ、是非おすすめしたい一冊。場を移しただけでは世界は広がらない(悪い意味で)。SNSはあくまでツール。

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2021年09月01日

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読む前と読んだ後でものの見方ガラッと変わるような内容だった。
膨大な情報にいつでもアクセスできるって思い込んでいたけど、検索ワードは自分が選んだものだし、だからバイアスがかかった都合の良い情報にしかアクセスできていないってこの本読まなきゃ気づかなかった。
SNSが促進する村のような強いつながりが、強固になる程見える世界は狭く届く情報は限定されていくし、だからこそ多様な検索ワードを得るために偶然性による弱いつながりを疎かにしないことが大切。
当事者として盲目に被害者の声を上げることも、専門家として見下ろすような議論を交わすことも避けたいからと言ってそこに距離を取るのではなく、ただ観光客の目でそこにあることを知る、考える、第3の態度を得ることができた気がする。
旅行に行きたくなった!堂々と観光するって言える。

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2020年04月01日

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「観光客」であることを、惨めに思う必要はない。
むしろ、「観光客でいること」に自覚的であるからこそ生み出せるモノがあるのではないか。
そんなことを考えさせられた。東浩紀さんの本を読んだのは初めてだけど、言葉を扱う仕事をしている人が書くものは、私達が読んでもスッーと身体に入っていくものなんだなと感じた
今この時代にこの本と出会えて、本当に良かった。
自分がなんでこの本を選んだのかはよく思い出せない。この本との出会いも偶然性によるものだったのかなと感じている。
先行き不安とはよく言われるけど、そもそも未来が予測できる人なんていない。あした自分が、生きていることすらわからない。自分自身のことですら予測できないのだから、まわりのことなんて予測できっこない。だからこそ、今自分がここにいるということに、少しでも意識をむけられたら、けっこう幸せなんじゃないかと思う。だって、いまを意識できるってことはそれだけ余裕があるってことだから。
東浩紀さん、ありがとう!

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2020年01月22日

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「統計的な最適を考えるのではなく、偶然に身を曝せ」

ネットの評価経済社会が強いるどぶ板選挙のような体力勝負の消耗戦に身を賭すのではなく、環境を変えインプットを変えることによってアウトプットが変わる可能性に賭けよ。

消耗戦の中からは本当に新しいコンテンツ、本当に素晴らしいコンテンツは出てこない。そこから離れ、ゆるやかに流れる時間のなかに身を置くために、旅が必要なのだ。

入門書として書いてある通り、非常に読みやすく示唆に富む内容であったし、これからの生き方を変えるほどの影響を受けた。まだまだ噛み砕くのに時間はかかりそうだが、また読み返したい。最後に仮に賭けに失敗してしまってもあずまんはこう曰く、

しかし、人生において「失敗」とはなんでしょう。事業の失敗、投資の失敗、結婚の失敗とういう個別例はあると思います。けれどもその失敗はつぎの局面の出発点になるかもしれない。人生そのものには失敗なんてないのです。だってその成否を測る基準はどこにもないのですから。観光ガイドを見て計画を立てるのはよし。けれど実際には計画は無視し、どんどんコースは変更しましょう!そのほうが旅=人生は楽しくなります。

勇気をもらえた。

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2018年05月25日

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言葉→メタ化する、抽象化する×

旅(リアル)→言葉では表象不可能なもの/科学的には言語化できない痛み(ホロコースト等)を空間として認識させ、自己の中に表象可能なものとして受け取らせる。(感情を操作する)◯

検索エンジンに支配された固定的な人生から脱するためにも、自らの検索ワードを増やす→記号を旅するために現実を旅する

「モノ」→弁証法的な記憶の書き換えに抵抗する。

————————————-
ネット→強い絆を深める(身近な交友関係、興味関心を強固なものにする)△
旅→「無責任な弱い繋がりを増やす。」◯
→偶発性に頼り、計画性を棄てる人生
⇄移動は人類を滅亡させる

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2023年12月09日

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自分が今いるコミュニティから外に出てよその文化を体験するってことの重要性はとても共感。これは自分の視点として私自身も日頃から志向している。
そこからさらに、よそ者がよそ様のコミュニティに無責任に首を突っ込んで当事者でもないのに好き勝手思ったことを発信すること は咎められがちだけどむしろ新たな解とか可能性を見出すヒントになりうるからOK という社会の視点は言われるまであまり考えたことがなかった。でも確かにそうだなと学びになった。

この本を読んで、自分は視野を広げるとか自分自身のことしかなかなか考えていないけど、東さんは世の中の健全な有り様がなんなのかについても当事者意識?を持って考えられているんだなということが改めてしみじみ実感できて、さすがだな と思った。

陳腐だけど、積極的に未知な領域に飛び込んで、よそ者であることから気後れするのではなくよそ者であるからこその気づきを堂々と述べていこうと思った。

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2023年03月12日

Posted by ブクログ

検索エンジンに支配され固定的な生き方をするよりも、偶発的な発見や出会いを求めて新しい旅の可能性を探ろう。利便性は便利で最適化されているように思いがちだが、型にはまりすぎてしまう恐れもあるので要注意。自分は旅行が割と好きな方だが、常にガイドブックとスマホの指示通りに旅していて、パッケージ化されていたなあと思わなくもない。むしろプラン通りいかなかったり、アクシデントがあったからこその発見・出会いがあると、むしろオリジナリティがあって、あとで振り返ってみると意外と楽しい思い出だったなあと思うことはよくある。

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2022年06月19日

Posted by ブクログ



読んで良かった!

確かに、ネットだけでは、自分の興味のあることばかり検索してしまいます。

まずは、色々なことに興味を持つ欲望を持てることが大切。そのためには実際のモノに触れる。実際のモノに会うために、観光は丁度良い。

今まで観光って、古臭いものかもと思っていたが、結構いいものなんですね。

いつもと違う検索ワードで検索するということは、今までの自分を超えていくことなのかも。
でも、観光なら自分にもできるかもと嬉しくなりました。

今は、コロナで遠出できませんが、いつも観光気分を忘れないようにしたいですね。

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2021年04月26日

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筆者が伝えたいであろうことを、これほど!と言うくらいに噛み砕いて説明している。ゆえに読みやすく分かりやすい。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

とてもわかり易い。
普段の生活ではついつい相対化して人間(自分含めて)の愚かさに絶望してしまいがちだけど、この本を読んで多少元気になった。
多少というのは、読んだことですぐにでも旅行に行きたくなったが、行くにしても新型コロナのため気を使うことが多く腰が重くなる…。

すぐに行けないにしても、書かれている内容に元気づけられた。
日々なんだかクサクサするのは、所詮頭で考えた予測可能で(記号)効率的なことばかりだから。予測/制御できない身体や偶然(非記号)や非効率的なことに身をまかせることで、日常ではたどり着けない記号に出会え新しい欲望が生まれる。

体力勝負と消耗戦のくだりも膝うち度高。ほんとそういう場面を減らしていきたい。

バンコクのターミナル21も行ってみたい。

解説も愛に触れつつ語られていて熱かった。新しい「カゾク」について自分でも考えていきたい。

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2020年07月23日

Posted by ブクログ

「私は批判が起きる事を良しとして書いていますよ」と批判が起きることを狙っていると先に示してから持論を展開することで、まずは全ての読者に持論に耳を傾けてもらう、という表現スタイルが巧妙だと感じた。そのうえで、
・チェルノブイリ観光地化計画
・裕福なYOU TUBER達が中流の暮らしを演じていること
観光客として観光地化された場所を巡ること
などについて述べられている。
心に残ったのは106ページ113ページ。社会である前に個人対個人の間にある弱い絆が必然であることをルソーを引き合いに出しながら説いている箇所が印象に残った。

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2020年07月12日

Posted by ブクログ

東浩紀(1971年~)氏は、東大教養学部卒の、批評家、哲学者、小説家。
1999年に発表したデビュー作『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』は、浅田彰氏が「自著『構造と力』が過去のものとなった」と評して脚光を浴び、哲学書としては異例のベストセラーとなった。
領域横断的な「知のプラットフォーム」の構築を目指して2010年に創業した(株)ゲンロンでは、批評誌『ゲンロン』や書籍の出版のほか、カフェイベントの主催やアート・カルチャースクールの運営なども行っている。
本書は、2014年に出版され、2016年に文庫化された。
本書の「はじめに」には次のように書かれている。「ぼくたちは環境に規定されています。「かけがえのない個人」などというものは存在しません。ぼくたちが考えること、思いつくこと、欲望することは、たいてい環境から予測可能なことでしかない。あなたは、あなたの環境から予測されるパラメータの集合でしかない。・・・しかしそれでも、多くのひとは、たったいちどの人生を、かけがえのないものとして生きたいと願っているはずです。・・・ここにこそ、人間を苦しめる大きな矛盾があります。・・・その矛盾を乗り越える・・・有効な方法は、ただひとつ。・・・環境を意図的に変えることです。」
著者は、グーグル等のカスタマイズ検索の進化により、我々はネットによっては他者の規定した世界でしかものを考えられなくなっており、その統制から逃れるためにグーグルが予測できない言葉で検索すること、即ち自分の環境を意図的に変えて、自分に定期的にノイズを入れることにより、グーグルが与えた検索ワードを意図的に裏切ることが必要だと言う。そして、それは、自分を深めていく「強い絆」のほかに、自分の人生をかけがえのないものにするために「弱い絆」を取り入れていくことであり、そのためには、偶然の出会いを見つけるために身体の移動、旅が必要だと語っているのだ。
本書が発表されてから僅か5年ほどであるが、近年の(個人)情報のビッグデータ化は目覚ましく、我々はあらゆる言動をGAFA等に(中国などでは“当局に”)把握され、知らず知らずのうちに、思考や行動を監視され、更には誘導さえされている。これは究極的には、オルダス・ハクスリーのディストピア小説の古典『すばらしき新世界』(1932年)が暗示する世界に向かっているともいえる。そうした人間性の否定・喪失を避けるためにも、著者が提唱するような「環境を意図的に変え、ノイズを入れる」という視点は今後一層重要になってくるものと思う。
ただ、他方で思うのは、「弱い絆」を取り入れるために「強い絆」を否定してしまうことへの違和感である。本書の帯には「人間関係を大切にするな!友人に囚われるな!」とも書かれているのだが、その方向性は本当に「かけがえのない人生」につながるのか。。。
と考えると、望ましい姿はおそらく、「強い絆」と「弱い絆」のバランスをとった中間にあるということなのだろう。
ITの進歩した今の時代だからこそ、「弱い絆=弱いつながり」を指向する重要性に気付かせてくれる一冊である。
(2014年8月了)

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2020年04月29日

Posted by ブクログ

高城剛さんがよく言っている「アイデアと移動距離は比例する」という言葉、それに少し通じるようなお話。
テーマは身体性。最近感じていた問題意識に近い。
自分の身体が感覚装置として、受信機として、正しく機能するためにメンテナンスしておく必要があるし、どんどんと物理的に移動したり、人に会い、新たな環境や刺激に身を曝すことが必要なんだな。
そして言葉の限界。言葉よりも物の方が強いことは確かだ。
ただモノをやリアルを大事にすることは、今いる環境を大事にすることじゃない。そうすると逆に狭く規定されていってしまう。

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2017年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あるお方から紹介されて購入。
平易な言葉で書かれていたので、こういった分野の書籍はほとんど読まない私でも概ね理解できました。
何度か読み直したい書籍です。
まとめ方が難しいですが、検索ワードによって見えてくる世界が変わること、その検索ワードを見つけるには旅が有効であること、その旅での偶然の出会いは弱いつながりであるかもしれないけど、それは後々強いつながりになる可能性があるということ、かな。
検索ワードを広げる必要性は日々感じておりますので、旅に出てみようかな。

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2016年09月23日

Posted by ブクログ

普段何気なくネットで検索する行為は、自分の志向を反映し、情報はある意味好きなものしか見ていない。本書では今後ますます進化していくインターネットとの正しい付き合い方が述べられる。
より深くネットを活用するためにリアルからきっかけを作ることが大切でリアルの刺激こそネットを最大限に活用を変化させ、結果的にリアルを充実させる。
ネットとリアルの繋がりが、今後の生活スタイル鍵となるのでは。

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2016年09月18日

Posted by ブクログ

環境を変える!っていうのが目的になると、曖昧にはなるから見失う可能性は高いなとは思う。内発性が動機にある方が続けやすいと思うけれど、観光客として新しい空気をとりこむとか、日常から非日常への飛躍は大切で、そのための旅はすべきやなー。

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2023年03月25日

Posted by ブクログ

「テーマパーク化する地球」を先に読んでいたので、内容はやや重複気味。それでも東さんの批評は自然と体内に入ってきて、消化しやすくて、吸収した先でどことなく自世界が拡張したような感覚が得られるので、好き。

以下、はじめにより一部抜粋
> ぼくたちは環境に規定されています。「かけがえのない個人」などというものは存在しません。思いつくこと、欲望することは、たいてい環境から予測可能なことでしかない。あなたは、あなたの環境から予想されるパラメータの集合でしかない。
(中略)
しかしそれでも、多くの人は、たった一度の人生を、かけがえのないものとして生きたいと願っているはずです。環境から統計的に予測されるだけの人生なんてうんざりだと思っているはずです。ここにこそ人間を苦しめる大きな矛盾があります。
(中略)
その矛盾を乗り越えるー少なくとも、乗り越えたようなふりをするために有効な方法は、ただひとつ。環境を意図的に変えることです。環境を変え、考えること、思いつくこと、欲望することそのものが変わる可能性に賭けること。自分が置かれた環境を、自分の意志で壊し、変えていくこと。自分と環境の一致を自ら壊していくこと。環境が求める自分のすがたに、定期的にノイズを忍び込ませること。
(中略)
ネットにはノイズがない。だからリアルでノイズを入れる。弱いリアルがあって、はじめてネットの強さを活かせるのです。

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

思想家・東浩紀氏が旅についてとインターネットの検索ワードについての思索を交差させて書いたエッセイです。ネット社会と呼ばれる現代において検索ワードを考えて情報を得ることが自らの世界観を構築するうえで重要な要因といえます。しかし、普段と変わらぬ日常に身を置いていると検索ワードは凡庸になりがちです。そこで旅をして自身を普段と異なる環境を置くことで新たな着想を得、今までになかった世界観を見出すことができるとしています。また、言葉によって世界観は支配されていますが、現物を見聞きして得られるものは言葉以上のちからがあり、言葉重視からモノ重視へとシフトすべきという持論を展開しています。平易な文章で読みやすかったです。

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2018年09月22日

Posted by ブクログ

入門書。安いし読みやすい。観光客という主体に関しては、こちらの方を参照必須。既存の価値観に捉われない疎外から回復された人間像、ここまでは交通に着目した柄谷行人と同様。しかし、それを旅人と呼び、場にも根ざして生きるというのが柄谷行人から先へと進もうとする東浩紀の決定的な思想。
ともに外国を旅する家族が、その示唆を与えたのは明白だろう。

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2017年11月15日

Posted by ブクログ

検索キーワードは自分の中にある探したい欲望からでしか出てこないため、無限に知・視野を広げられるというのは誤解である、という訴えを主にしている。

そこで著者が進めるのは旅。
旅に出てこそ、普段の自分が巡り会わないキーワードを探し当てることになり、Googleの予測キーワードの予測を越えたキーワードにたどり着ける。これがAIを越えるということにもなる。

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2016年11月13日

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