東浩紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
乙武さんと対談形式での議論。
対談相手はお馴染みのメンバーともいえ、この本以外でも著作があったり、よく他の対談本でも登場したりする人物ばかり。
なのでその人の主張自体は他の本にも出てきて特に新鮮味はない、その意味では出てくる人本人が書いた本の方が詳しい。
ただ、この本の持つ新鮮味は内容よりも「乙武さん」が相手であることに尽きるようにも思う。
非常に稀有な経歴を持つ乙武さんゆえ、対談の中でも視点が新しいというか、広さを感じるので、その部分に対して面白さがあったと思う。
最後都知事、政治家への転身を勧められていたが、どうなんでしょうね。見てみたい気もするが、一議員としてではなく首長としてがい -
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Posted by ブクログ
2014年初版
乙武洋匡 対談
現代社会のおかしさ、課題についての8篇の対談集。
若手論客8人対乙武さんという対談本 (R25の対談企画の書籍化)。八人八様の社会への向き合い方・戦い方を紹介しつつも、共通している「既存勢力・既得権益との向き合い方」については東氏のまとめた「内側・外側」のまとめがわかりやすい。既存のルールの上でも戦える準備をする=内側。既存のルールを真っ向否定し、トリックスター的に変革を目指す=外側。
論壇会にも世代があるし、スタンスの違いもあるということがなんとなくわかった一冊。それにしても乙武さんのスタンスがいい意味でずるい。いいところを結局持っていくような構成でした -
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Posted by ブクログ
正直、余り内容の濃い本ではなかったが、読みやすく、今の私にはそれなりに示唆的な本。
また、宮台氏の著作や思想は比較的好きだったが、今回は、彼の限界のようなものを感じた。
東氏との対比で浮かび上がったものだが、宮台氏は非常に鋭く、分析的で構造的なのだが、人間に対する洞察が深くないような気がする。早い話が頭の良いおぼっちゃん、という印象。
子どもを捉える視線が、我が子であってもただの観察対象でしかないような気がしてしまう。
もちろん、本人は子どもを愛している、というのだが、自己愛の延長線上にある愛のような気がする。
一方の東氏は、歯切れが悪い。だが、そこには、自身にすべてを委ね、そして日々新た -
Posted by ブクログ
前に読んだ堀江さんの本と同様、贅肉をそぎおとして、とんがった表現にて、「父として考える」ディスカッションを実施し、Twitter導入後の社会変革なども両者の独自の主眼にて論旨展開。異論反論は、あるだろうが大変面白かった。一つ残念なのは、後半はこども論的なトピックから離れてしまい、論段が難解になり少なくとも僕はついていけなくなってしまった点。引用を二件、
社会システムにおいてはオフラインの欠落をオンラインでは埋められない。「現実」にダメなやつが「ネット」で回復できるのは自意識においてだけで、社会の枢要な領域では「現実」にダメなやつは「ネット」でどうあろうが永久にダメだということです。
こども -
Posted by ブクログ
二つの観点を前提にしなければならない。一つはインターネットに象徴される情報コミュニケーションの革命的変異が一気に進んでいると言うこと。2つめは情報交通政治思想のグローバル化により価値観が急速に陳腐化しつつあると言うこと。
2つの前提が成立する以前ならば、ある哲学者・知識人の言説や芸術家の独創性は長い間独創性として維持されてきた。しかし、2つの前提が成立すると、独創性は即時的広範囲に模倣され、アレンジされて記号化されることになった。そして一般的には今日生産される差異はひとつひとつが記号化されデータベースに積み上げられてく。
この状況下で批評家の為す役割というのは変異するか、しぼんでいくか -
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