東浩紀のレビュー一覧
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ウェブ上で提供されるさまざまなサーヴィスによって人々の「動物的」な欲望が可視化され、「データベース」として利用しうるようになった現代社会の状況を踏まえ、それをルソーが説いた「一般意志」という謎めいた概念の現代的な解釈として捉えなおすことで、新たな民主主義の可能性を論じる試みです。
「文庫版あとがき」で明確に述べられているように著者は、大衆の欲望がそのまま実現されるべきだと主張しているのではありません。著者がめざしているのは、カントやヘーゲルの倫理学や、現代のアレントやハーバーマスの政治哲学が、理性に基づく公共性に高い価値を置いていることを批判しつつ、彼らの主張するような「熟議」が対峙するべき -
Posted by ブクログ
ネタバレ「観光客」という共同体や民族を越境する者(越境者)が、また人間の「観光客」的な在り方がこの先の世界を動かす(ひいては世界平和を実現する)?
そんな刺激的な問いを哲学的なアプローチで描いている本著。
盛りだくさんすぎて正直1回読んだだけでは私には処理しきれない・・!
でも面白いと感じる部分がたくさんあった。
著者はそのような読み方を望まないだろうけど、哲学(とその歴史)に興味を持つとっかかりとして手に取るのも面白いかも。
しかし高校の歴史や道徳、大学の文化論で登場した哲学者や文学者の名前がたくさん出てくる。
当時は興味を引かれなかったけど、思想を引用されるとみんな面白いことを考えてたんだなあ -
Posted by ブクログ
(01)
冒頭で、えらく古い易経において、「観光」の語が「国」という語とセットになった一文に発現したらしきことに触れつつ、すぐさま見切られ、西欧のツーリズムの方へと心移りがなされている。本書の全体の視野の広がりからすれば、ささいな見切りであるともいえるが、果たして「観」や「光」という漢の字が、本書で語られるテーマにまるかぶりする意味はなかったのだろうか。
ところどころで触れられているが、近代ツーリズム(*02)における「観」ること、視覚の優位は何を意味していたのだろうか、アーリの「観光のまなざし」の主構成はこの視覚の問題が根幹に据えられている。
また、「光」は、風光と熟され、その風光は風景とほ -
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Posted by ブクログ
乙武さんと対談形式での議論。
対談相手はお馴染みのメンバーともいえ、この本以外でも著作があったり、よく他の対談本でも登場したりする人物ばかり。
なのでその人の主張自体は他の本にも出てきて特に新鮮味はない、その意味では出てくる人本人が書いた本の方が詳しい。
ただ、この本の持つ新鮮味は内容よりも「乙武さん」が相手であることに尽きるようにも思う。
非常に稀有な経歴を持つ乙武さんゆえ、対談の中でも視点が新しいというか、広さを感じるので、その部分に対して面白さがあったと思う。
最後都知事、政治家への転身を勧められていたが、どうなんでしょうね。見てみたい気もするが、一議員としてではなく首長としてがい -
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2014年初版
乙武洋匡 対談
現代社会のおかしさ、課題についての8篇の対談集。
若手論客8人対乙武さんという対談本 (R25の対談企画の書籍化)。八人八様の社会への向き合い方・戦い方を紹介しつつも、共通している「既存勢力・既得権益との向き合い方」については東氏のまとめた「内側・外側」のまとめがわかりやすい。既存のルールの上でも戦える準備をする=内側。既存のルールを真っ向否定し、トリックスター的に変革を目指す=外側。
論壇会にも世代があるし、スタンスの違いもあるということがなんとなくわかった一冊。それにしても乙武さんのスタンスがいい意味でずるい。いいところを結局持っていくような構成でした -
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Posted by ブクログ
正直、余り内容の濃い本ではなかったが、読みやすく、今の私にはそれなりに示唆的な本。
また、宮台氏の著作や思想は比較的好きだったが、今回は、彼の限界のようなものを感じた。
東氏との対比で浮かび上がったものだが、宮台氏は非常に鋭く、分析的で構造的なのだが、人間に対する洞察が深くないような気がする。早い話が頭の良いおぼっちゃん、という印象。
子どもを捉える視線が、我が子であってもただの観察対象でしかないような気がしてしまう。
もちろん、本人は子どもを愛している、というのだが、自己愛の延長線上にある愛のような気がする。
一方の東氏は、歯切れが悪い。だが、そこには、自身にすべてを委ね、そして日々新た -
Posted by ブクログ
前に読んだ堀江さんの本と同様、贅肉をそぎおとして、とんがった表現にて、「父として考える」ディスカッションを実施し、Twitter導入後の社会変革なども両者の独自の主眼にて論旨展開。異論反論は、あるだろうが大変面白かった。一つ残念なのは、後半はこども論的なトピックから離れてしまい、論段が難解になり少なくとも僕はついていけなくなってしまった点。引用を二件、
社会システムにおいてはオフラインの欠落をオンラインでは埋められない。「現実」にダメなやつが「ネット」で回復できるのは自意識においてだけで、社会の枢要な領域では「現実」にダメなやつは「ネット」でどうあろうが永久にダメだということです。
こども -
Posted by ブクログ
二つの観点を前提にしなければならない。一つはインターネットに象徴される情報コミュニケーションの革命的変異が一気に進んでいると言うこと。2つめは情報交通政治思想のグローバル化により価値観が急速に陳腐化しつつあると言うこと。
2つの前提が成立する以前ならば、ある哲学者・知識人の言説や芸術家の独創性は長い間独創性として維持されてきた。しかし、2つの前提が成立すると、独創性は即時的広範囲に模倣され、アレンジされて記号化されることになった。そして一般的には今日生産される差異はひとつひとつが記号化されデータベースに積み上げられてく。
この状況下で批評家の為す役割というのは変異するか、しぼんでいくか -
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