東浩紀のレビュー一覧

  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

    Posted by ブクログ

    「私は批判が起きる事を良しとして書いていますよ」と批判が起きることを狙っていると先に示してから持論を展開することで、まずは全ての読者に持論に耳を傾けてもらう、という表現スタイルが巧妙だと感じた。そのうえで、
    ・チェルノブイリ観光地化計画
    ・裕福なYOU TUBER達が中流の暮らしを演じていること
    ・観光客として観光地化された場所を巡ること
    などについて述べられている。
    心に残ったのは106ページ113ページ。社会である前に個人対個人の間にある弱い絆が必然であることをルソーを引き合いに出しながら説いている箇所が印象に残った。

    0
    2020年07月12日
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2

    Posted by ブクログ

     
    年明けくらいに本著の前編『動物化するポストモダン』を読みました。そのときに「東氏の著作のつながりが見えてくると面白いのだろうなあ」と記していました(以前のInstagram)。続編である本書はまさにつながりが見えてとても面白かったです。

    「前著を前提としているが,単独でも読めるように書かれている」(p.14)本書ですが,可能であれば前著を読んだ後に読むと議論の深まりが感じられるように思います。

    前著で提案したポストモダン論を礎に,作品を想像する環境が二環境化していること(「現実」と「データベース」)を指摘し,そしてこの論点が既存の文学批評と対応関係を持つことを論じます(自然主義的リアリ

    0
    2020年05月01日
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅

    Posted by ブクログ

    東浩紀(1971年~)氏は、東大教養学部卒の、批評家、哲学者、小説家。
    1999年に発表したデビュー作『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』は、浅田彰氏が「自著『構造と力』が過去のものとなった」と評して脚光を浴び、哲学書としては異例のベストセラーとなった。
    領域横断的な「知のプラットフォーム」の構築を目指して2010年に創業した(株)ゲンロンでは、批評誌『ゲンロン』や書籍の出版のほか、カフェイベントの主催やアート・カルチャースクールの運営なども行っている。
    本書は、2014年に出版され、2016年に文庫化された。
    本書の「はじめに」には次のように書かれている。「ぼくたちは環境に規定され

    0
    2020年04月29日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    ビジネスに染まった生活から距離をおいて物事を捉えるためのガイドとなる。後段の完成稿が読みたくなった。

    0
    2020年08月04日
  • 郵便的不安たちβ

    Posted by ブクログ

    『存在論的、郵便的』と表裏をなす表題作「郵便的不安たち」他、文学・サブカルチャー・エッセイ等を収録した一冊。

    『郵便的不安たち』『郵便的不安たち#』『郵便的不安たちβ』とある中でどれを読めばよいのかよくわからなかったが、解説によると『郵便的不安たち』(単行本)≒『郵便的不安たち#』(文庫化)→『郵便的不安たちβ』(再文庫化、加除あり――「思想・文学」系を目次から削除し、文化/時事批評の「存在論的、広告的」追加?)と言った流れの様子。いずれにしても文庫化はありがたい。単行本の『存在論的、郵便的』をうっかり足に落として結構痛い思いをしたり、そうでなくても移動時間に読もうと本を入れたとたんに鞄が重

    0
    2020年01月14日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    自然科学と人文学が融合した本書は、非常にボリューミーな上に内容も難しい。そのため、読み進めていく間に何度も挫折しそうになりながらも、なんとか読み終えることができた。「ヒトはみな同じ文字を書いている」という事実に驚嘆した。全てを読まなくても良いから、その項目だけでも読んでほしいくらい(笑)

    0
    2019年09月03日
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき

    Posted by ブクログ

    文理の壁をアクロバットに飛び越えまくる、脳汁出まくりの論展開。
    メディア・テクノロジーに媒介され成立してきた記号論を、情報処理と結合させる事で新たに捉え直す試みは猛烈アハ体験。

    0
    2019年06月17日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    難しかった。頭がいいとは、こういうことを考えられることだと思った。世に交通整理屋は多いけども。再読が必要。

    0
    2019年02月11日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    読後の率直な感想として、哲学の限界と弱点に対して徹底的に向き合って、哲学書として哲学的なアプローチで真っ向から乗り越えようとしている姿勢を強く感じた。20年以上も人文・哲学のジャンルで戦ってきたから東さんだからこその、使命を感じた。

    本書の中でも触れられている通り、しばしば人文・哲学の言葉は抽象的な魔法のような言葉で、具体性を持つことなく完結してしまう。マルチチュードの概念も、反体制的な抵抗運動を指す言葉であり、デモのように強い政治性を持つ活動を行わなくとも連帯される(!)というような理想的な概念である。しかしその実は、否定神学的で具体性はなく、声を上げればネットの力でなんとかなるレベルの議

    0
    2019年01月06日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    「最初に人間=人格への愛があり、それがときに例外的に種の壁を越えるわけではない。最初から憐れみ=誤配が種の壁を越えてしまっているからこそ、ぼくたちは家族をつくることができるのである。」

    「人間とは何か?」を考えていたわけではなく、「人間とは何であるべきか?」を考えてきたのが哲学で、大衆化に応じて語られた哲学でさえ、大衆を包含した概念を語れていなかった。その意味で哲学は未だ近代以前である。シールズに代表される市民運動も未だ概念にはなっていない。著者が常日頃言っている、近代以降を説明し時代を変える概念(例えばそれは自由や公平)を探った試論が本書。

     シュミット、コジェーヴ、アーレントなどの思想

    0
    2019年01月02日
  • 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

    Posted by ブクログ

    現実味としては薄い感じがするし、たぶんルソー研究者から見たら異端なのだろうけど、「見える一般意思」という概念はワクワクしてしまう。
    著者が真摯に考え抜いていることもよくわかり、その考えを一般読者に伝えたいという思いも伝わる。

    賛否はあろうが、現代社会を考えるうえで目を通しておいた方が良い本であろうと思う。

    0
    2018年12月27日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

    Posted by ブクログ

    さすが『物欲なき世界』を書いた菅付さんのキュレーション。VUCA時代を生き抜くための最新かつ普遍的な思想をもつ各界のイノベーターたちの言葉はすごくしっくりくる。

    テーマ偏らず、幅広い教養の基礎を身につけることかでき、ここから深掘りしていくことが、これからの時代を賢く楽しく生き抜く近道だと思う。

    0
    2018年12月02日
  • 父として考える

    Posted by ブクログ

    対談が「父として」を超えてその周辺テーマ・領域を広く縦横無尽に語られているのが面白い。しかし、良く読んでみると出発点はやはり「父として」であり、その微妙さ加減が興味深い。対談という形式によって、お二人の特徴も良く表れていると思う。

    0
    2018年10月13日
  • 父として考える

    Posted by ブクログ

    父になったら、子供の成育環境には嫌でも興味がわきますわな。しかしあの宮台真司がねぇ、と思いながら興味深く読めました。公立小中高を出た公立至上主義としては、共感する点が多かった。

    0
    2018年06月11日
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2

    Posted by ブクログ

    大まかに前半が理論的な内容で、ゲーム的リアリズム自然主義的な読解に対する環境分析的な読解等が説明される。後半が環境分析的な読解による具体的な作品批評、という構成。
    後半により、かなりクリアに色々理解できた気がする。俺はこの本で主に取り上げられている類の小説、ラノベとか舞城王太郎は殆ど読んでなくて、数少ない接点である例えば西尾維新原作の漫画とかは何となく圧倒される感じだったけども、なんかその圧倒される理由の構造的な部分が理解できた。

    この本が書かれた2007年は、ゲーム的リアリズムは虚構の世界に軸足があったように思えるけども、現在(2018年)は現実がかなりゲーム的になってきていて、現実が糞ゲ

    0
    2018年05月06日
  • セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題

    Posted by ブクログ

    インパク知 6・7

    自分たちだけの閉じられた世界(想像界)と、それを破壊するどうしようもない力(現実界)が短絡し、社会や政治など、本来であればふたつをつなぐもの(象徴界)への言及がない――「涼宮ハルヒ」などに代表される「セカイ系」の作品が抱える、「社会とのつながりのなさ」に、作家はどのように対抗しているのか、という考察。

    新井素子の「家族」、法月綸太郎の「恋愛」、押井守の「ループ」、そして、小松左京の「未来」について、それぞれの章で考察を加えている。

    本書においては、「セカイ系」の解決策は、「自分を(何らかの形で)未来につなぐこと」であると述べられていたように思う。四人の作家の作品への愛

    0
    2018年03月28日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    "Author mentioned that we were separated in globalism - Libertarian - and nationalism - Communitarianism, and we lost concrete ties in our world. However the miss-delivery which is indicated in this book as "Tourist Philosophy" will be able to re-connect the separated world."

    ・後

    0
    2018年03月25日
  • 現代日本の批評 2001-2016

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    批評が忘れ去られようとしている世の中で、その忘れ去られようとしている過程を年代ごとに紐解いていき、悲観論で終わるわけでなく、時代の空気と格闘し、「観客=外部のアイデンティティ」の復興を模索する。まさに文中で東さんも述べている通り、スポーツと同じ構造だと思った。当事者性ばかりがクローズアップされるが、周囲にはプロになりたい人、アマチュアリズムでも持続する人(趣味の人とも言える)、熱狂的なファン、テレビなどでそれなりに楽しむ観客まで、さまざまな階層の人が世界を形成している。そういう息の長い哲学・理論で思考すること。それはどの世界に生きていても必要な事だと思う。教育の重要性、関わりの多様性、異質なも

    0
    2018年03月07日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    難しいが、読者に振り返ってくれて親切な文章。観光客が世界を変えられるか?まだまだこの理論は発展途上です。

    0
    2018年01月25日
  • ゲンロン0 観光客の哲学

    Posted by ブクログ

    東浩紀は『弱いつながり』以来2冊目だったので、弱い~の続編的な目線で読んだ。2017年の人文書としてはかなり読まれた1冊で、目を通してみると著者の熱量がうかがえる。わかりやすく丁寧な文体で書かれながらも、今の時代を憂い行動を起こそうというような焦りを感じる。これがゲンロンカフェなどを精力的に展開しようとする東の原動力であるかと思うと、納得がいく。言論人として、批評家としての世界とのかかわり方。こうした人と人の撹拌の意図は本書でいう「誤配」だろう。

    本書のテーマは「観光客」。国民ではなく、旅人でもなく、観光客。国民国家と帝国という今までの社会論では二項対立的に語られていた概念が、政治と経済、コ

    0
    2018年01月21日