多和田葉子のレビュー一覧

  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    全部が◎ではないけれど、示唆に富む意見を読むことができる。
    旦那→ロバートキャンベルさん「「見つめ合わない」日本は貧困が見えにくい」が1番腑に落ちた。
    私→多和田葉子さん「日本の不思議はダメ政府と良心的な市民かもしれません。」メルケルさんと比べられちゃうとなあ…とトホホな気持ちになる。
      パオロジョルダーノさん「複雑な問題には単純な解決策は存在しない」まったくその通りというほかない。その逆をいく多数派の意見に、静かに抵抗する日々。

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    2021年09月26日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    コロナによって浮き彫りにされてきた、日本(人)の弱点や、今まで当たり前だったこと、生死観、人同士の距離感などについての、国内外20人の著名人によるインタビュー・寄稿。
    柳田邦夫さんの、コロナによる死は「あいまいな喪失」(生きているのか死んでいるのか分からない別れ)による残されたものたちの葛藤だという見方が印象的でした。

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    2021年09月14日
  • 雪の練習生(新潮文庫)

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    とても不思議な物語だった。ホッキョクグマがサーカスで舞台を降りて亡命作家になっていたり、なぜか人間と会話しているのにそれが自然であるかのように描かれている「祖母の退化論」をはじめ、ソ連時代、冷戦を生きるホッキョクグマ3代の物語が綴られる。初めての多和田葉子さんの作品だったけど、気に入りました。

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    2021年05月14日
  • 献灯使

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    放射能で汚染された、とは書いていないがそれを思わせる状況の日本。

    東京23区は人が住めない。子供は痩せ細り、歯が抜けたり、とても健康とは言えない。逆に年寄りは元気で犬とジョギング(と言ってはいけないので駆け落ちという)したり。

    世界観は伝わってきてゾッとしたが、何となく肌に合わず途中で読むのをやめた。

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    2021年03月20日
  • エクソフォニー 母語の外へ出る旅

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    日本人としてドイツに移住し、日本語とドイツ語の両方で創作活動を続ける作家、多和田葉子が自身の母語から出るという行為―エクソフォニーーについて、自身の経験や思索をまとめた論考集。

    とはいっても、エッセイのような文体で書かれており、内容は重苦しくない。文学の世界では母語を用いずに創作した作家の多くは、政治的な亡命により異国に渡ったことが理由になっているケースが多い(ロシアからアメリカに亡命し、英語で創作を行ったナボコフのように)。一方、多和田葉子はそうした先例とは異なり、自身の明確な意思によってドイツへの移住を選び、ドイツ語での創作を行っている。このような創作活動を行っている日本人作家は極めて稀

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    2020年06月21日
  • 百年の散歩(新潮文庫)

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    面白かったです。
    ドイツの様々な通りを散歩しながら、あの人のことを考えたり、不思議な人たちに出会ったり、歴史的な物事に接したり。
    言葉遊びも豊かでした。ドイツ語がいきなり出てきますが、意味も書いてありました。
    なかなかおいそれと外出出来ない昨今ですが、状況が落ち着いたらわたしも色々考えたり考えなかったりする散歩に出かけたいと思いました。

    ドイツの「FUTON」に「Hokkaido」という名前が付いてた、という文を見て、昔イギリスに住んでいたことのある同僚が「日本のポッキーが『Mikado』という名前で売ってた」と言ってたのを思い出しました。帝。。

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    2020年06月11日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛でも偏愛でもなく、変愛。変な愛の短編集。変だけど当人たちにとっては大真面目。
    幻想小説を読んでいるときみたいな、いつの間にか背後にこことは違う世界の気配がぶわっと広がって迷い込んでいくような没頭感を覚える作品が多め。
    一部文章が合わなくて読みづらい作品もあったけれど、そこを乗り越えたらすいすい読めた。
    形見…川上弘美さん
    梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる…吉田篤弘さん
    クエルボ…星野智幸さん
    あたりが好み。

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    2020年04月06日
  • 旅をする裸の眼

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    ネタバレ

    ベトナムの優秀な高校生「わたし」が講演のため東ベルリンに行くが、そこから彼女の運命が大きく変わる。
    少女は実在の映画と共に歩み、次第に絡み合っていく。

    これでもかと与えられる不幸に、言葉で言い表せない虚しさや絶望を感じた。文章の淡白な響きに救われることもあった。
    惜しむらくはその映画をひとつも観ていないこと。映画もだが国家や政治、歴史についても知識があったほうが楽しめる作品だと思う。

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    2020年03月23日
  • 海に落とした名前

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    ディテールが細かくて、情景が具体的に浮か巧みな文章だから、すいすい読めるけど、結末がよくわからない。どういう話なのかよく分からないけれど、読後感はとても満足できる

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    2020年02月08日
  • 犬婿入り

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    異種婚を扱った犬婿入りと、ドイツでの留学生活を描いた「ペルソナ」。個人的体験からペルソナの異文化の中での疎外感、隔絶感、差別意識の描き方が好き。同胞アジア人へのちょっとした見下し感(差別とは少し違う)、自分もドイツ人からみたらアジア人であることの劣等感、裏返しのドイツ人への反発。
    犬婿入りのほうは、文章が好き。映像が流れる様に入ってくる感じで。

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    2020年01月01日
  • 犬婿入り

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    多和田葉子の中編集。表題の「犬婿入り」と「ペルソナ」の2作品が収録。
    以前に読んだ「献灯使」が心に残ったので、芥川賞受賞作品である本書を手に取ってみた。

    「犬婿入り」は芥川賞受賞作。39歳の学習塾を開いている女性を中心とした不思議な物語。
    「ペルソナ」はドイツに留学している姉弟の話。姉の視点から日々の生活が描かれ、外国で日本人として暮らす姉の心情風景が描き出される。

    「犬婿入り」は、芥川賞受賞作らしく、非常に難解であった。実際に犬が婿にくるような話なのであるが、それがエロティックというか、気持ち悪いというか、心にざわざわ感が残るというか、何とも読後の印象の不思議な物語だった。

    「ペルソナ

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    2019年05月27日
  • 海に落とした名前

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    4編を収めた作品集。
    「U.S+S.R. 極東欧のサウナ」サハリンという場所が帯びる政治性と歴史性に触れながら、言葉遊びを絡めた文章が多和田さんらしい軽やかさを纏っている。
    「土木計画」克枝さん、何か妙だと思いながら(多和田さんの小説は大概妙だったりするので)特に気にせず読んでいったら、そういうことだったんだ。
    「海に落とした名前」記憶を失い名前を忘れ自分に紐付いた一切を喪ってしまう語り手。唯一所持していたレシートの束から即興で言葉を紡いでいくラストは、相反するような解放感と不穏感とを感じさせた。

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    2019年03月19日
  • ヒナギクのお茶の場合

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    バラエティに富んだ5作品を収録した作品集。
    「枕木」は何と言っていいのか感想に困ってしまうが、絶えず焦点をずらされ横滑りしていくような感覚。
    「雲を拾う女」何なの?哺乳ビンの乳首になってしまう(わたし)。火を吹き、鏡に映らないコウモリと呼ばれる女。寓話や幻想とは違う。あまりにも輪郭がはっきりとし過ぎていて。意味とか脈絡とかそんなのよく分からないままに、ひたすら読まされてしまう。
    「ヒナギクのお茶の場合」語の反復とか文体のリズムとか、読んでいて楽しい作品。友人ハンナへの語り手の好感が滲んでいる。
    「所有者のパスワード」多和田さんにこんな作品あるんだ、と意外性に驚く。ラノベの恋愛モノ読んでコマ割り

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    2019年02月27日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛ではなく「変」愛を集めたアンソロジー。 
    どこへゆくやら全くわからない。
    予想も付かない展開、意味さえわからなくなるけれど、なぜか読むのを止められない引力。
    奇妙な、強烈な印象を残す読後感です。
    面白かった。

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    2018年08月16日
  • 尼僧とキューピッドの弓

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    ネタバレ

    ドイツの修道院にて。

    修道院での生活に興味のある日本人女性の滞在記。

    優秀なまとめ役だったにもかかわらず、わずかな期間で恋人と去ってしまった元尼僧院長のこと。

    複数の修道院で暮らす尼僧たちのそれぞれの考えと交差する思い。

    元尼僧院長のそれまでの人生と弓の先生であり恋人のベンハルトとのこと。

    苦悩を経て、修道院にたどり着いた人たち。
    異国を感じた。

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    2017年11月16日
  • 飛魂

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    飛魂のみこの文庫のオリジナルで、ほかの小説はほかの単行本に含まれている。
     飛魂は、中国を舞台のようには思えるがいまひとつよくわならない。

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    2017年05月08日
  • 海に落とした名前

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    短編を集めたもの。最後は航空事故で名前を思い出さない女性であり、途中まではリアルであるが、そのうちに怪しくなるというパターン。

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    2017年05月04日
  • 旅をする裸の眼

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    ベトナムからの少女がロシアで酒を飲まされ、ベルリン、パリと生活していて、さらに、というところで終わる。

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    2017年05月04日
  • 犬婿入り

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    「ペルソナ」は匿名性や等価性といったものが構造としても表されているが、やや型に嵌った感もある。それに較べて「犬婿入り」はもう少し奔放な感じがするが、細部まで読み込めなかったので口惜しい。

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    2017年03月01日
  • ヒナギクのお茶の場合

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     全体的にどこか抽象的で掴み所がなくて、でもとても引き込まれた作品。私は「目星の花ちろめいて」と「所有者のパスワード」の摩訶不思議感が好き。特に「所有者~」は本の虫の姫子が本ばかり読んでるがゆえに無知であることで危ない目に遭ったり現実とごちゃごちゃになったりしつつ、本ばかり読んでるがゆえに難を逃れる様が滑稽ですごく面白かった。

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    2015年11月29日