多和田葉子のレビュー一覧
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「ペルソナ」
日本に生まれて日本で生活し、日本語で育ち日本語で生活していては感じることが難しい感覚を味あわせてくれます。ドイツの都市で留学生として生活する主人公の道子の視点で、ドイツでの文化的差異における差別や、日本を離れて自国の文化や言葉とのつながりが途絶えている状態の内面が描かれていると思いました。
不安感や焦燥感を感じながら落ち着かない気持ちで読んでいました。
「犬婿入り」
犬婿入りの話は昔話として日本だけではなく、アジアのいろいろな地域でいろいろな形で広がっているそうで、そういった話をモチーフに作者独自の話が紡がれていきます。
多摩川べりの町の学習塾の先生みつこと犬男との奇妙な生活は -
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純文学作家の発想
ひとつづつ評していく。
川上弘美。未来SF。
発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。
人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。
厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。
未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。
妙にSFが現実路線のわりには -
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「男の顔には、怒りの予兆のエラが立っている。プラットホームで化粧するな、とその顔に書いてある。」
冒頭のこのセリフは「令和」の「若い男性」である私には2重の意味で新鮮である。ナンパ、キャッチ、ぶつかり、これらは私に無縁のものだ。何なら、ティッシュ配りのバイトさんや道に迷った人もなかなか私をターゲットにはしない。少なくとも私なら、私は選ばないだろう。そんな人生を歩んできたので、女性のこういう体験は新鮮に映る。それに加えて、本小説は2002年に出版されている。まだ物心ついて間もない、私が知らない時代の話である。この頃はまだ、都会の他人同士が少なくとも今よりは関わり合っていた時代、というと大袈裟なの -
購入済み
エッセイのような小説のような不思議な感覚。10遍収められていますが、前半は街の描写や言葉遊びなどが多く楽しく読めるのですが、後半になるにつれてどんどん空想的になっていき、言葉遊びなどもしなくなっていく。一つ一つを独立した短編としてでなく全体として捉えたらまた違ったものが見えてくるのかな。
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コロナ禍をテーマにした、識者たちの短いインタビュー記事が集められたものだが、人間の生死について、人間どうしの関係性について、また経済について(これに関しては私自身の基礎知識がなく、よくわからなかったが…)など、コロナ禍に限らず、人間社会が抱える普遍的で本質的な事柄が多岐にわたって言及されていた。
色々なるほどと思う言葉に出会ったが、特に、世界的な傾向にある「分断」が抱える問題について、アメリカ人経済学者の言葉が腑に落ちた。彼は、それは誰か一人の責任ではなく「差異を超えて互いに話し合うことを妨げている深い分断そのもの」が問題であると語った。特定の人物に責任を転嫁させるような報道に違和感があったが -
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普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
興味深く読んだ。
もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。
一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。
特に印象的だったのは、
本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
小池昌代、切れ味がよい。
星野智幸、描写がうまい。
というかんじ。
編者は岸 -