上野千鶴子のレビュー一覧

  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背景等を感じながら読み進められるという点で対話的な(厳密には違うが)一冊になっている。
    自由を重んじる立場の方々の考えに多く触れることができて心地良さすら覚えるが、逆に反論する立場の人の意見にも触れたい気持ちになった。

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    2022年06月01日
  • フェミニズムがひらいた道

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    自分事として分かりやすかった。
    歴史の中で、たくさんの女性たちが悔しい思いをしてきて、でもその人たちが闘ってくれたから、いまの少しはマシな日本の女性への姿勢があるんだな。
    ただ、過去よりマシなだけで、現在も全っっっ然尊重されてはいない。
    同じ女でもセクハラを正当化するような気が狂った人間はまだまだいるし、男もわたしたちを便所として扱う気狂いがまだまだたくさん蔓延ってる。
    女だから、で判断されない世界になれ。
    弱者が弱者のままでいて、暴力に曝されない世界なれ。

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    2022年05月28日
  • 不惑のフェミニズム

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    フェミニズムがいらなくなる社会とは、おんながおとこなみに強者になる社会ではない。なんどでもくりかえすが、「弱者が弱者のままで尊重される社会」のことだ。
    419p 自著解明より

    タイトルが良い。40年の歴史

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    2022年05月24日
  • 上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

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    初めて上野さんの本を読んだ。なんというか、言葉がストレートでなぜかこちらがハラハラする方笑 でもこれこそがフェミニズムを牽引するのだろうとも思う。

    ゼロから、とあったが流石にど素人にとってのゼロとは違った。また、世代と経験の違いだけでなく歴史知識の足りなさから途中理解しにくいところはあったけれど対談形式は読みやすかった。

    今現在結婚や子供というワードに敏感になる中でこれらを取り巻く歴史や現実を知り、勿論相変わらず子供は産みたく無く、所謂男の人の鈍感さに一緒になって不快になった笑 きっと別のところでは女も嫌なのだが。うまく言えない。

    不満には声をあげるべき、あげるしかない、あげてよいという

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    2022年05月22日
  • まだまだ 身の下相談にお答えします

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    問題の本質をズバッと指摘しつつ、厳しくも愛のある回答で、さすが上野先生だなぁと思った。相談内容によっては、相談者自身の覚悟の問題だったり、相談者が問題から逃げて他に転嫁してるだけであったりするのだけど、そこを指摘するだけでなく、必ず一旦は相談者の気持ちを慮る言葉がある。自分も日々の業務で依頼者に対して、こんな風に愛を持って厳しく進められたら理想だなと感じた。

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    2022年05月18日
  • 最後の講義 完全版 上野千鶴子 これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい

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    上野さんの講義部分は、理路整然としていて知識の注入量がすごかったです。中で一番気に入ったのは、市場が外部(自然、家族)から資源と構成員を取り込んで、さんざ利用後に、不要になったもの及び構成員を、同じ外部(自然、家族)に廃棄を行なっている図でした。
    ひどい!
    今まさに市場からチヤホヤされなくなってきた自分に重ねて、寒ーくなりました。

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    2022年04月10日
  • スカートの下の劇場 新装版 ひとはどうしてパンティにこだわるのか

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     パンティーには夢がある。ほうほう、下着の扱いこうなのね? ふんふんと楽しく読めるのだが、写真や挿絵が豊富で通勤電車で読むのにドキドキする。家でゆっくり読みたい。
     これを恥ずかしいと思う時点で、スカートの下にはロマンがあるんですね。
     今読んでも面白いのだが、初版が1989年なのが驚く。約30年前だけど、今もスカートの下のイメージは変わっていないのかもしれない。

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    2022年03月27日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
    から読み始めました

    「芸術」の周辺にいらっしゃる
    人たちの 肌感覚による発言が
    そのままストレートに伝わってきます

    いつの世でも
    どの国でも
    「弾圧」「排除」は
    ピンポイントで行われる

    危うい この国では
    よほど意識しておかなければ
    いつのまにやら 加害者側に取り残されている
    ことになってしまうことが多いように思う

    本書を(肯定的に)読んでいる人たちとは
    どこかで しっかり つながっておきたい

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    2022年03月08日
  • 男おひとりさま道

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    老いを受け入れる=弱者になることを受け入れる

    経験した恋愛の質が男を決める

    カネ持ちより人持ち


    非婚シングルであるが、印象的な言葉や調査内容、また調査結果が多く、死は免れることのできないことであるが故に、スラスラ読めた!

    男ってつくづく面倒な生き物だなと改めて感じた。

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    2022年02月21日
  • 在宅ひとり死のススメ

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    さすがは上野先生の本だ。分かりやすい。認知症にならないように取り組むよりも、要介護になっても安心できる社会、安心して認知症になれる社会、そして障害を持っても殺されない社会をつくるために、まだまだやらなければならないことはいっぱいありそうだという意見には全く同感だ。私も共に頑張りたい。

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    2022年02月18日
  • 上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

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    肉親も含めて、特に相手が自分と異なる世代で育った人の場合、相手が生きてきたのがどんな時代なのか、その時世の中はどんな雰囲気だったのか、大きな時代の流れの中でどこに位置しているのか知っていると、相手との“分かり合えなさ”にわずかでも寛容になれる気がした。

    そして人が作ってきた社会において、女性と男性の関係について歴史を知り、俯瞰的に眺められることは自分が心を搾取されずに生きるために必要だと感じた。

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    2022年02月15日
  • 在宅ひとり死のススメ

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    老後は施設に入ることが自身、家族全員にとって幸せだと思っていた。
    ただ在宅で1人で死ねること、そしてそれがデータからも幸せであること、さらにお金もそこまでかからないことが分かった。
    それが分かっただけでも読む価値はあった。
    また1人もりも2人の方が不幸せ、と言うのはなんとも皮肉。

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    2022年01月12日
  • 女の子はどう生きるか 教えて,上野先生!

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    これ、いい本だな~。『君たちは、どう生きるか』は男の子の話じゃん!ってことで、上野千鶴子先生がカウンターとして書いた本です。
    女の子からの質問に答えるQ&A形式で進みます。質問に挙がるテーマや先生の回答のぶっちゃけ具合から、フェミニズムって(やっぱり?)怖い、という印象を持つ人もいるかもしれません。そもそも質問の取り上げ方に偏りがあるんじゃない?とか。

    でも、それが「現実」だという認識を持つことが大事な一歩だと思います。

    違和感があればあるほど、女性ってそういうものなんだから、という悪しきジェンダー文化に知らずに染まっていることになります。
    書いてあることは、本当に本当に当り前のこ

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    2022年01月08日
  • 在宅ひとり死のススメ

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    私には認知症の母がいるが、著者の言う
    「認知症は病気ではなく、老化だ。」
    「認知症は情報の処理などできなくなるが、感情は普通の人と同じようある。」
    などは、納得できる。

    「本人は施設に入りがっていない、周りの家族が入れたがっている」
    も、その通りだ。

    母との接し方をもう少し見直してみたい。

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    2021年12月10日
  • 女の子はどう生きるか 教えて,上野先生!

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    うちは男子2人だが、だからこそ育てていくうえでこういう本が必要。自分の持っている特権を意識できる人になってほしい。



    “「もし自分なら」って考えることを、想像力といいます。”(p.19)


    “その会社がよい会社かどうかを見分ける方法があります。そこに一〇年、二〇年、三〇年在職している女性がいるか、その女性がどんな働き方をしているか、それが一〇年後、二〇年後には自分もこうなりたいというお手本(ロールモデル)になるか……。”(p.155)


    “痴漢冤罪説を唱えるなら、冤罪が起きるほどどの男性も潜在痴漢だと思われているこの国の痴漢文化の方に、 批判の矛先を向けてください。その痴漢文化をつくり

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    2021年12月06日
  • 上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

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    日本の女性が果たしてきた(男性に課せられてきた)役割の変遷、それに伴う母娘関係の難しさが紐解かれ、学生時代は男女平等と教えられたのに実際は不平等な社会に直面する女性の生きづらさが語られています。

    私自身も多くの違和感を感じてきました。
    なぜ、男性はでかい仕事ができる総合職が勝ち組、女性は負担がそこそこで家事育児と両立しやすく、夫の転勤にも同伴できる一般職が「賢い」選択とされるのか。
    なぜ、男性が雑用するととても感謝されるのに、女性はやって当たり前なのか。
    なぜ、女性だけ結婚や出産のタイミングを考えて異動したり転職しなければならないのか。
    なぜ、女性だけ結婚していたり子供がいると昇進や転職に不

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    2021年11月26日
  • 女たちのサバイバル作戦

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    もう10年近く前の著者ですが。
    1980年代〜2013年(出版年)の社会とフェミニズム総括書です。

    相変わらずの上野節、同時代の生き証人の一人として、興味深く読みました。

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    2021年11月24日
  • 在宅ひとり死のススメ

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    まさに目からうろこです。在宅でひとり死は難しいと思ってました。ある時ばったり息絶えて腐敗して発見かと恐れていましたが、介護保険のおかげで2,3日で誰かが見つけてくれるとのこと。さらにおひとりさま老後の方が、二人、三人同居よりも幸福度が高いなんて!おひとりさまは不幸でもなんでもなかったんだ。安心しました。老人施設に入ることなく在宅介護でやっていけると知って、親の介護をこれから考えるにあたっても、とてもためになりました。手元において何度も読みなおしたい新しいバイブルになりました。

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    2021年10月26日
  • 身の下相談にお答えします

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    十人十色の悩みを読んでるだけでも面白いが、それに対する回答が秀逸。
    自分の悩みと重なる部分の回答にはなるほどなぁ、と納得できるし、悩み自体に全く共感できずもやもやしても、返答を見ると先生にばっさり切られていてとてもすっきりする。

    楽しいことも辛いことも含めてみんな人生楽しんでいるんだな、と改めて思った。

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    2021年10月24日
  • 在宅ひとり死のススメ

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    ネタバレ

    これで幸せの秘訣7カ条
    秘訣1それぞれ互いに納得している
    秘訣2しっかり勉強できている
    秘訣3別々の価値観でもかまわない
    秘訣4目の前の不安は些細な事と割り切る
    秘訣5ふたりの時から、1人の時を想定する
    秘訣6時間的、空間的に距離を開ける
    秘訣7自ら自分の世界に入り込む
    高齢者の自殺率は、予想に反して独居高齢者より同居高齢者の方が高いことが知られています
    お一人様には、選んでお二人様とようやくお昼様の2種類がある
    免疫力の高い若い人たちは感染しても助かり、そうではない高齢者や持病のある弱者は死に至ることになります
    たとえどんなに惨憺たる人生でも、終末の1%が幸せだったら、その人の人生は成功だ、

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    2021年10月02日