【感想・ネタバレ】不惑のフェミニズムのレビュー

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Posted by ブクログ

上野千鶴子さんの仕事の軌跡をたどることができる比較的短めの論文、エッセイ、評論を時代順に並べたもの。一読して、彼女がどんな仕事をやってきたのかが分かる。
「女性学年報」の編集方針をめぐる最後の幾つかの文章が、ウィキペディアの日本語版の今によく似てて面白い。

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2012年01月22日

Posted by ブクログ

日本のフェミニズムの40年近い闘いの歴史は、本当に闘いであったのだなと思わされた。大きくとらえれば、既存の男社会が敵ということになるのだろうが、そのなかでも、当初はとにかく現状打破という感じであったのが、最近ではバックラッシュ派との闘いが主になっている。つまり、敵がその時々で変わりながらの40年だったというわけで、それはそれで非常に骨の折れることだったろうと思うけれど、一方では、この変遷はフェミニズムの発展……というよりも世間の女性蔑視の風潮の変化(それも遅々とではあるが前進している)の表れでもあるのだろう。
本書を読むと変化の激しいなかでも上野千鶴子はブレていない。考えの変化はあるのかもしれないが、迎合したり流されることなく意志的に自分の言行を一致させてきた人。なかでも一貫しているのは、フェミニズムは世の中から生まれてきたものであると解釈していること。同時に、世の中に対して努力しない女を非難するような態度ではないこと。少なくとも上野千鶴子のなかでは、フェミニズムは意識の高い女のものであるといったことはないのだろう(自分は意識の低い女には腹立つけど)。この参加しないものを排除したり蔑視しない、口を出す者が手も出すといったネットワーク的な思考が根付いている。この空気(ネットワーク感)も、自分がフェミニズムに共感を覚える一つの要因ではないかと思った(と言っていると、上野千鶴子は「男性学をやれ」と言うだろうけど)。

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2011年08月28日

Posted by ブクログ

フェミニズムがいらなくなる社会とは、おんながおとこなみに強者になる社会ではない。なんどでもくりかえすが、「弱者が弱者のままで尊重される社会」のことだ。
419p 自著解明より

タイトルが良い。40年の歴史

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2022年05月24日

Posted by ブクログ

上野千鶴子の著作を読んでいて、いつもなぜか、違和感のようなものを感じ続けていた。上野千鶴子の築く世界は、一見、フェミニズムという一つの思想を想い起させるもののように見える。しかし、どことなく思想としての完成度、手法などの学問的な基礎の部分が、深いところでは、あやふやで、悪くいえば未熟ともいえるものを漂わせている。これはなぜか。つまり、最近やっと思いつくことが出来た。それは、上野千鶴子の築く思想というのは、一つの歴史であるということだ。そう考えて読み進めているうちにハッとさせられた。そこには、確かに、彼女自身の恨み、悲しみ、憎しみ、また自惚れなどが混在し、そしてたまにそれらの感情が混乱しながら、自分の女という性を解放しようとする、自身の歴史を築く思想があったのだ。いわゆる、彼女の築いてきた思想というのは、自身からの解放というわけだ。これは、フェミニズムという大きな体系からもいえるのかもしれない。

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2012年03月09日

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