上野千鶴子のレビュー一覧

  • 〈おんな〉の思想

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    1日で一気読みできるほどとても読み易く、非常におもしろかった。

    森崎和江の章を目的として読み始め、引用される彼女の硬質な言葉の凄まじさには完全に喰らってしまい、『第三の性』をすぐに注文した。
    石牟礼道子の『苦海浄土』「ゆき女きき書」は何度読んでも涙をこられられない。『最後の人 高群逸枝』を巡る記述は初耳で興味深かった。
    田中美津の運動家らしいパンチの効いた言葉にも大いに感動したが、富岡多恵子の章が最も刺さったかもしれない。単独者としてのラディカルな思想には共感を覚え、必ず著書を読もうと決意した。
    『女ぎらい』を読み、水田宗子『物語と反物語の風景』は既に購入して積んでいるため、早く読みたい。

    0
    2025年07月14日
  • 家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    瀧波ユカリが紹介してたので読んでみた。家父長制を固定的・普遍的な構造としてではなく、「変化し得るもの」として扱っている点が新鮮だった。霊長類社会におけるジェンダー構成の多様性、世界各地における母系社会の存在、DNA解析によるヨーロッパでの家父長制の広がり、さらにはアテネとスパルタの女性像の対比と、それぞれの章が「家父長制はどこにでも自明のように存在していたのか?」という問いに対し、歴史的・文化的・生物学的な反例を積み上げていく構成になっており、読み応えがあった。

    特に、女性を「人を生産する資源」として奴隷化したという視点に対して、「それはすでに奴隷が存在していた社会だったからこそ起きた」とい

    0
    2025年07月05日
  • 生き延びるための思想 新版

    Posted by ブクログ

    市民とは、戦争に行く男性のことだった!
    フェミニズムに始まり、ケアにいたる上野さんの論考。
    ボーっと生きてきた人間には目から鱗のことが多い。モヤモヤしていたことを説明してくれた感じ。
     前半は私にはなかなか難しく時間がかかったが、Ⅳ章「祈りに代わるもの」のインタビューがわかりやすかった。これは上野さん本人も言っている。
     「命よりも尊い価値」なんてないのだ。

    0
    2025年07月01日
  • サヨナラ、学校化社会

    Posted by ブクログ

    学校的価値観が社会に浸透した「学校化社会」。市場経済の原理が学校を侵食し、サービス化されているという論調の逆ベクトルであり、斬新に感じた。

    なにが正しいかわからない、共通の進歩目標が失われたポストモダン社会の教育を考えさせられた。

    0
    2025年06月22日
  • 女の子はどう生きるか 教えて,上野先生!

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    女性蔑視をタイトルに事例と解釈が書かれた本。

    これまでこんな構造の中にいたから、苦しいことや疑問に思うことがあったんだと納得できた。

    前提が「価値が無い」「重要ではない」「道具である」と思って接している人がいる。
    とんだ勘違いだ。

    屈したくないと思ったし、間違っていることを間違っていると伝えられる技術と話術が欲しいなと思う

    0
    2025年06月12日
  • 上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

    Posted by ブクログ

    社会の流れ自体を簡単に変えることはできなくて、幼い頃から刷り込まれて教育されるものに今すぐに抗うのは難しいし、上野千鶴子先生が生涯をかけて戦ってきても社会には微々たる変化しかない。だからそこに期待するのは難しい。
    その上で、「個人的なことは政治的なこと」と言う言葉の意味を深く捉えて理解し、自分が変えたいと思う目の前の人を変えていくこと、そして自分自身が考え続けて変わることが求められるのだなと思えた本だった。

    余談だが、通学電車内で読もうとしたら何度か気まずくて本を閉じてしまった。電車内で安心して読めるほど私も社会に安心し切ってはいないらしい。

    0
    2025年05月22日
  • 女ぎらい ニッポンのミソジニー

    Posted by ブクログ

    ミソジニーの洗脳を解きはじめる段階に入れたとしたら、私はわたしらしくこの先どうやって生きていきたいのだろう わたしは、女らしさという概念を脱いだ後になにが残るのだろう、というかなにを残したいのだろー

    0
    2025年05月15日
  • 発情装置 新版

    Posted by ブクログ

    個人的な上野千鶴子さんのイメージは
    フェミニズムの急先鋒、といったところで、
    あまりポジティブなイメージはなかったけれど、
    かといって当人の言論を直截見たことはなかったので読んでみた。

    序盤は面白い立ち位置から興味深い言論が展開されていた。
    近代になって“使用禁止の性”が生まれたとあって、
    ほかのところで読んだ“青年期は近代の産物”という話と合わさってとても腑に落ちた。

    売春と買春についても男性の目線が色濃く出た言論が罷り通っているのはその通りだと思った。

    中盤以降は“フェミニズム”と聞いて思い浮かびそうなネガティブな部分が顔を出してくる。

    初めのほうから不要に男女を対立構造にして語っ

    0
    2025年04月21日
  • 家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    インド系イギリス人ジャーナリストの方の書かれた本。

    家父長制について歴史をさかのぼって調べていくと、家父長制といってもいろいろあること、

    男と女、という2つの性別の関係性は、いろいろあって今も変化しているということ、

    それでもやっぱ、どっかからかこの今の家父長制的な関係性がメジャーになってきて、

    今でもその勢いが増している場所もあれば、より男性の支配が緩められる傾向にある社会、

    あるいはまだまだどっちに転ぶか落ち着かなく不安定な地域、などもある、

    とにかく男性優位な社会が全体として広がっている世界に生きている。

    『額縁の中の女たち』とも少し重なるところがあった。あの本は、主に欧米

    0
    2025年03月13日
  • 情報生産者になる

    Posted by ブクログ

    「論文の書き方」を主に伝えてくれているが、筆者がつけたタイトルは、「情報生産者になる」。熱のこもった文章で、論文の書き方を順序立てて語ってもらったような印象で、読みやすかったしためになった。

    0
    2025年03月11日
  • 家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    訳文が読みやすく理解しやすい。
    「起源」とタイトルについているので時系列的に書かれたものを想像していたが、テーマごとに章を追って書かれている。
    母系社会は過去から時系列的に遡って分かる単純なものではなく局地的に発生したり移行したりしていて発生の理由も単一ではないとの事らしく、読み進めてもそれを母系とはっきり定義づけられたもの、を知る事は出来なさそうであった。
    中盤はページをさいて男女の二元論という固定観念を外して考える事の難しさが解かれている。
    個人的にはもう少し動物の社会の話も知りたかったかも…

    0
    2025年03月10日
  • 女ぎらい ニッポンのミソジニー

    Posted by ブクログ

    性の二重基準
    男は女好きがよい、女は純粋無垢が良い、のように基準が違うこと
    AVは夢のように現実を補完して事件を防いでいる可能性があるので全面禁止にするべきではない
    男を男たらしめるのは、女を所有して性の主体側にいること、あくまで男同士の認め合いであるため女は記号に過ぎない

    ホモフォビア
    男の性欲を向けられて性の客体となることを危惧

    男にモテる男が女にもモテる
    女にモテる女と男にモテる女は別

    男に与えられる女の価値の方が、自分で勝ち取った女の価値よりも大きく評価される

    学業偏差値、女性性偏差値、同性ウケ偏差値
    男は全部高い方がいい
    女は違う、ねじれが生じる

    権力のエロス化
    神が死んで

    0
    2025年03月06日
  • 八ヶ岳南麓から

    Posted by ブクログ

    上野先生の初めてのプライベートなエッセイ集。山の生活は楽しみもあり、初めて知った苦労もあった。上野先生らしいユーモアもあり、楽しく読んだ。

    0
    2025年03月04日
  • 在宅ひとり死のススメ

    Posted by ブクログ

    老親とは一緒に住まず、パートタイム家族になると良い。

    マンションのエレベーターに棺桶が入るかどうか?

    年寄りの容態が急変したら、救急車を呼ぶのではなく、訪問看護ステーションに電話しよう。24時間対応が義務づけられている。

    生きるとは、食べて、出して、清潔に保つこと。食事、排泄、入浴の三大介護。

    介護保険のおかげで一人暮らしの認知症の人も最後を自宅で迎えられる。

    「認知症になった私が伝えたいこと」佐藤雅彦

    0
    2025年03月08日
  • ひとりの午後に

    Posted by ブクログ

    エッセイ集だが、軽くない。
    自身の内面を見つめる目も、研究対象を見つめるように冷静である。
    上野さんがどんな幼少期を送ってきたのか、家庭環境も、冷静過ぎるくらいに語られる。
    後半になると、視点が温かみを増すようだ。
    研究室に来る学生を語るところが好き。
    あとがきにあるように、連載という形だったので、読者の反応などで変化したのかも?
    連載していたのは「おしゃれ工房」!「すてきにハンドメイド」になる前だ。

    0
    2025年03月02日
  • 最後の講義 完全版 上野千鶴子 これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい

    Posted by ブクログ

    80年代生まれの自分が感じる、この国で女として生きる中で感じてきた息苦しさの構造的な理由と、「これでも数十年前よりはずっとまし」な2025年現在に至るまでに闘ってきたひとたちの存在とその戦果にふれることができた一冊だった
    個人的に学ぶべきことはまだまだあるし、やれることもあると、背中を強く押してもらえた気がする

    0
    2025年02月25日
  • 女ぎらい ニッポンのミソジニー

    Posted by ブクログ

    ▼全体にオモシロかったです。当方が浅学菲才な昭和生まれのオジサンなので、上野さんが渡したかったものを全部受け取れているかは分かりませんが。後日の自分のために記憶に残っていることだけまとめると。

    ▼「ミソジニー」というのが「女性嫌い、女性蔑視」みたいな観念のことらしいのですが、これがキーワード。

    ▼日本だけではないでしょうが、日本の実社会をベースに、どれだけ

    「女性は社会的に、能力的に、男性よりも劣るのである」
    (あるいは、そうであって欲しい、そうあるべきだ)

    という「理屈抜きの決めつけ」が世の中の色んなところに浸透しているか、それがどれだけ理不尽だし、非効率だし、残酷だし、身勝手である

    0
    2025年02月16日
  • 女の子はどう生きるか 教えて,上野先生!

    Posted by ブクログ

    上野千鶴子作品を読むのは3作目。
    十代の女子とその親に向けて書かれているので、高二の娘を持つ身には非常に良い本だった。娘にも読ませよう。

    冒頭に記載ある、マララさんの父親の言葉、「娘のの翼を折らないようにしただけです」は、女性の可能性を信じて、自分からはばたこうとする力を妨げずに、黙って応援する、素敵な言葉だと思った。(そうして、実際に一線で活躍する女性からこの本を推薦してもらったのでした。)

    巻末に載っている「2019年度東京大学学部入学式祝辞」は感動的な名文だと思う。

    0
    2025年01月21日
  • こんな世の中に誰がした?~ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために~

    Posted by ブクログ

    舗装されているとは言わないまでも、自分の歩いている道が砂利道であれ、けものみちであれ、ずっと前にここを踏みしめて作ってくれた人たちのおかげでできたものだということに初めて気づかされた。男並みに働くことがカッコいいと、若かりし頃は確かに思っていた。その男の陰で、母や妻や子が人知れず言葉を飲み込んだり涙したりしていたかもしれないことに、今までは思い至らなかった。その人たちのためにも、後に続く女性たちに「ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡」せるよう、この本から得た問題意識を持ち続けていきたい。
    星をひとつ減らしたのは、著者の見ている老後の景色はまだまだ恵まれているもので、実態を把握しているとは

    0
    2025年01月03日
  • 往復書簡 限界から始まる

    Posted by ブクログ

    audible38冊目
    上野ゼミで学びたかった。
    なんて優しい方だろう。
    優しい人ほど強い人、という言葉を思い出した。
    これまで読んだ(聞いた)本の中で、最も「持ち歩ける」タイトル。
    鈴木涼美さんがお母さんになったのは、この書簡の影響かな、と思ったりもした。
    「娘の母」をやってこられた自分を、初めてちょっと褒めてあげたくもなった。

    0
    2025年01月02日