上野千鶴子のレビュー一覧
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面白い!切り口がまた!いい!と、思ったら酒井順子と仲良しだそうで!それでこうスパッと切ってくれちゃうんだなぁ。いい!65歳以上の高齢者で配偶者のいない女性の割合は55パーセントだとか。なるほど!確かに64歳ならまだまだな感じだよなぁ。おひとりさま老後。
そんなおひとりさまの老後の生活のイロハを説いた本なんだけども、介護される側の心得や、介護を気持ちよくさせてあげるためのツボなど、介護者からの目線じゃなく、介護される側からの目線での話もなかなか面白かったし、この人にだけは遺産は絶対やりたくないっていうネガティヴリストの書き方など、なかなかやるな!という一冊でした。
でも、確かにそういうのもないとね。 -
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吉行淳之介、島尾敏雄、谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、三島由紀夫の6人の作家と作品について、上野千鶴子、小倉千賀子、富岡多恵子の3人が語り合った鼎談を収めています。わが国におけるフェミニズム批評の嚆矢とは言えないまでも、フェミニズム批評の活性化に大きく寄与した本と言えるように思います。座談会ということもあって、三者ともかなり辛辣な言葉を吐いていますが、制度化してしまったフェミニズム批評には見られないおもしろさがあります。
村上春樹の文体について富岡が作家の視点から鋭い分析をおこなっている箇所には目を見張らされました。また上野が、島尾の小説に対する吉本隆明の批評や、小島の小説に対する江藤淳の批評の視座から離れてそれぞれのテクストを分析する観点を打ち出そうとしていることも、興味深く読みました。
解説は、自身がフェミニズムの観点から文芸批評を精力的におこなってきた斎藤美奈子が担当しているのですが、斎藤と上野の立場には相当な隔たりがあるので、彼女の独壇場とも言える辛辣な放言を交えたフェミニズムふうの批評という土俵に、富岡という強力な援軍を得て上がり込んだ上野に対してどのような評価をおこなっているのか気になったのですが、その意味では少し拍子抜けしてしまいました。なお上野はその後『上野千鶴子が文学を社会学する』(朝日文庫)という本を刊行して、本書における発言を敷衍するような議論を展開しています。 -
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北原みのりさんと同じく、木嶋佳苗はじめ、女性が起こした事件に興味を持っていて、ついこの手の本を読んでしまう。
あたしは壇蜜と同い年のエンコー世代で、毒母持ちであり、男と同等の評価が欲しいと社会で苦しむ、結婚をゴールとしない独身女である。
…このお三方の研究分野にすっかり当てはまってしまった。
しかし、あたしはエンコーコギャル世代ど真ん中でしかも比較的都会にいたのに、その時期、人生で最も輝く10代を、みっともない脂肪にまみれて暮らしていて、誰からも性的に求められなかった。現実から目を逸らして暮らしていた。
大人になって、ああ、あれは肥っていたからだ、そう思っていたのだ。
木嶋佳苗には、だから驚いて興味を持ってしまったのだと思う。
人から求められない理由に、容姿は関係ないのだと。
木嶋佳苗を知れば知るほど、魅力的に思えてくる。
たしかに、これはモテるかも。
なんだこの、負けた感は。
みんながだからざわつかされたのだ。
本書にも出てくる似た事件の犯人は、背景がわかりやすい。だから誰も興味をもたない。同じようだが、魅力的ではない。教育も、お金もなかったのだろう、と思うだけだ。
10代で自分を無価値と位置づけたあたしは、オンナを上手く使うことも、そこに飲み込まれることもなく、誰にも興味を持たれない、その他大勢の時間を過ごしている。
堂々と生きている木嶋佳苗がすこし羨ましい。
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本のタイトルにあるように、日本に今後戦後80年は
くるのかという議題で、現政権を中心に批判する
下記の講義集
内田樹氏ー比較敗戦論
東浩紀-本と新聞と大学は生き残れるか
木村草太-集団的自衛権問題とはなんだったのか
山室信一-戦後が戦前に転じるとき
上野千鶴子-戦後日本の下半身
河村小百合-この国の財政・経済のこれから
姜尚中-総括講演
このなかでも、山室信一氏、上野千鶴子氏、河村小百合氏の
3本がとても興味を引きました。
どれも、日本が破綻し、または戦争の道に進むのでは
ないかという潜在的な恐れを感じる内容です。
支持率は高いですが、本当に今の政権でいいのでしょうか?
他人事ではないような気がします。英国や米国、韓国、
日本と反知性主義的というのか、そういうものが蔓延して、
そのうえに乗っかっている知性的でない治世者に将来を
奪われていくことになるような暗い気持ちになってきます。
そうではないかもしれませんが、そうならないためにも
これらのことを、警告として受け止めて
自分の判断基軸の一つとして認識することに意味が
あるのではないかと思います。 -
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☆☆☆☆上野千鶴子さんの作品は5年ほど前に『男おひとりさま道』を読んでから2冊だけど、おそらく『おひとりさまの老後』のほうが先に書かれたのだろう、前者のほうがスーッと読めた記憶がある。
同性を対象に書かれたものであるからかもしれないし、上野さんが、「おひとりさなシリーズ」という作品の型を身につけ、馴染んできたからかもしれない。
前者を読んだときには、女性の先輩からの手厳しい忠告、男の下心を見透かされたかのような、核心をついた意見が、痛痒くて読んでいくうちに少し快感めいたものになっていたのを思い出す。
今回のテーマ「老後」は女性に向けて書かれているので、優しさを感じた。
「老後」に関してあまりにも、無関心だった自分には優良な情報である以前に、「しっかり考えなさい」といった刺激をいただいたような感じで読んだ。
、でも、一番良かったのは、
周囲の人より、長生きしていくなかで感じる。寂しさについて語った次の言葉だ
〜〜『喪失の経験がつらいのは、同じ時間と経験を共有した誰かが、その死ごと記憶をあちら側へ奪い去ってしまうから。記憶とは、その人のなかに自分が、生きているということだから、そのひとのなかの記憶のなかに生きていた自分の大切な部分をもぎとられてしまう。それはとりかえしのつかない喪失だ。埋めようと思っても埋め合わせることのできない欠落感が生まれる。〜〜
私も何人もの親交のあった人を喪ってきたが、この様な感覚を感じたことはなかった。(鈍感なのだろうか。)でも、この感覚を想像して過去の、友人の死を思い出すと、この感覚が新たに塗り込められた記憶として、もともとあった様に思い出される。 -
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むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。
娘であったり、息子の嫁であったり。
それがいまや、配偶者による介護だったり、
息子による介護だったりというのが、増えているようですね。
とくに息子介護については、
一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という
現代人の在り様の傾向が影響していて、
さらに、就職難や、介護が理解されない社会構造なども
その背景としてあるような状態。
本書ではその解決については述べられませんが、
現状分析としては、なかなかに的を突いたものになっているように
読み受けました。
なにせ、ぼく自身が息子介護とは言わないまでも(主介護者が親父だから)、
母親が介護を必要とする身なので、ご飯を作ることをメインに、
面倒を見ていたりする。
だから、本書のとくに4章から5章にかけてはよくわかる感じでした。
4章は介護者と被介護者である親の関係について書いてあり、
5章では、介護者である息子の交友関係について書いてある。
5章では、コンパニオンシップとコンフィダントという関係が示される。
コンパニオンシップというのは、楽しみを追求するために特化した関係で、
共通の趣味に興じたり、一緒においしい食事やお酒を楽しんだり、という
付き合いのことです。
一方のコンフィダントというのは、悩みや問題を共有しあう
「話しやすくわかりあえる」相手のことをいいます。
そして、介護者である息子は、友人たちとの関係が希薄になるとも
書かれていてぼくもそうなのですが、そんな中、
ぼくの友人関係にはコンフィダントはまるで無いなあと気づかされたりしました。
同性との交友関係って男の場合そういうのばかりらしいですね。
本書の言葉の通りに言えば、「馴れ合い、張り合い」の関係。
このあいだ芥川賞を取った羽田圭介さんの言葉で言えば、
「牽制しあう関係」となります。
ところが、異性の友人っていうのは、
コンフィダントになりやすいそうです。
このあたりは心得ておかないと、と思います。
また、おもしろいのは、
女性の友だち付き合いは「差し向かい face to face」で、
男性の友だち付き合いは「横並び side by side」と言われる、とのところ。
差し向かいは「おしゃべり」中心のことを言っていて、
横並びは「同じ行動をする(共行動)」中心のことを言っているみたいです。
女性は言葉やしぐさ表情などで確かめあって、
男性はその存在の雰囲気を共有するみたいなことで確かめ合う感じでしょうかね。
それで、男同士の横並び、つまり共行動ってなんかわかる気がするわけです。
…連れションとか。
そんなところもありながら、
中盤以降は集中して読ませる内容でした。
介護は大変だけれど、目をそらせない現実としてあって。
ぼくも最悪の事態にはならないようにじたばたせねばと考えているところです。
介護をとらえた本としては入門編としての位置づけがなされると思います。 -
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上野千鶴子のエッセイをまとめて読むのは『ミッドナイトコール』以来だと思う。
攻撃的挑発的な上野節は影を潜め、読んでいて心地がいい「B面のわたし」のエッセイ。(個人的には『ひとりの午後に』よりも『B面のわたし』の方がグッとくるものがある)
結婚、老い、上野千鶴子の個人史等、「プライベートは切り売りしない」はずの上野千鶴子が素直に語ってるのは、あとがきにも出てくる担当編集者だからこそ、なせた業なんだろうな。
(連載媒体が「おしゃれ工房」ということで、雑誌の読者を意識した上野さんのサービス精神の発揮とも考えられるけれど、それをも見通したその編集者に会いたくなってしまった、小湊雅彦さんと仰有るそうな。だって上野千鶴子×ハンドメイド雑誌とか、そのズレが面白すぎるし)