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Posted by ブクログ
出版年は約14年前。
東日本大震災があった年である。
フェミニストで団塊世代の上野千鶴子さんと、
社会学者のまだ20代の古市さん、
親子ほどの世代の違いのお二人が対談をするという、
珍しい取り合わせ。
親や世の中に反発する若者だった上野さん、
親と仲良しな依存する若者の古市さん、
ジェネレーションギャップがありすぎ。
だからこそ、会話がポンポン飛び交っていて楽しかった。
親と子や上司と部下、縦の関係ではなかなか言いずらい事も、この二人のように、ななめの関係性なら、素直に心を打ち明けて話し合えそう。
今年はいよいよ、2025年問題、団塊の世代が75歳の後期高齢者に突入した。
介護や年金や、これからの世代を生きる若者にじっくりと考えてほしい。
介護保険についてもとても詳しく書いてあるので、参考になる。
上野さんの言葉で印象に残ったのは、
「人は産まれた順番に死ぬものです。
この子は私がいなくてもちゃんと生きていけるから、
安心して死ねる、というのが親の幸福です。」
気になったのは、
「子育ての失敗」、とあるが、
一生懸命育てたのなら、親だって未熟な人間なのだから、失敗も成功もない。
その方法が間違っていても、気持ちが通じれば、それで成功だと思う。
子供を育てるのは、大変な大仕事なのだから。
Posted by ブクログ
20年前から僕がずっと私淑している上野千鶴子先生。昔はフェミニズムや近代社会での共同体をテーマとした社会学者として名を馳せていたけど、今は高齢化社会や介護問題の第一人者。「おひとりさまの老後」がベストセラーになったことは記憶に新しい。
その上野先生が若い学生と対談した本を出したと聞いて調べてみると、相手はなんと今をときめく若手社会学者の古市憲寿君だった。これは面白いに決まってると即入手。(と言ってもこの本の存在を知ったのは発売して1年も後ですが・・・。)
本書は、タイトル通り介護問題について現在の状況と今後の展望について対談形式で語ったもの。対談形式と言っても古市君はほぼ聞き手で、上野先生に直球の質問を投げる役。この役、簡単そうに見えてかなり難しい。ある程度の社会学のバックグラウンドが無ければ的を射た質問はできないし、逆に読者を置いてけぼりにして「なるほど、分かりました」と納得されても困る。そのポジション取りが絶妙で、話の流れの中で読者が訊きたいと思ってることをしっかり訊いてくれる。前書きの通り、社会学者として、そして現代の情けない(?)若者代表として、両方の立場で介護という大きな問題に挑んでいる。素晴らしい人選だった。
上野先生は相変わらずの上野節で、かつて女性がフェミニズム運動で自らの地位を自らで勝ち取ったという自負を持っているだけに、今の若者がじれったくて仕方ないのがとても伝わってきた。その上で若者にエールを送る。未来はそんなに暗くない。君らも頑張んなさいよ、と。
そして内容は、まさに目から鱗、知らないことだらけで驚いた。僕もいいかげん介護問題が他人事でなくなる年代なのだが、あまりの無知さを恥じるとともに、この本に出会えて本当に良かったと思った。とくに介護保険についてと、介護の現状。上野先生らしく極めて冷静に、介護にまつわる数多くの実例とデータを紹介しながら世間の誤解や偏見を解きほぐしていく。古市君は古市君で、「2人に1人」という負担を背負う宿命にある彼らの世代の代表として、将来に向けてどのように戦略を立てて遂行すべきか上野先生に教えを請いつつ、自分の社会学者としての役割を考える上で一つのヒントを見つけていたようだった。彼の今後の活躍に期待したい。
ということで、とにかく介護問題について知りたければまずこの本を絶対に読むべし。そして親子兄弟に読ませるべし。
発売は2011年だが、僕が読んだのは2012年初頭。そして2012年度断トツのマイベスト。
Posted by ブクログ
年齢差30歳余りある二人の対談集。上野さんは言うまでもない名の知れた社会学者ですが、昨年既に大学院教授の仕事をリタイアしています。社会の第1戦からは退いた形で、団塊の世代の旗手である自分の老後はすでに研究者生活でレールを敷いたようなもの。一方対談のお相手の古内君は弱冠26歳、大学院に籍を置いている一応社会学者(この表現は彼自身の表現です)という立場の団塊の世代ジュニアの年若い方に位置するまさに見た目も今どきの若者。彼は著書もあるしメディアの露出度も高いのでよくお見かけします。故に、この二人がこのテーマでする話ですから、興味が湧かないわけはなく、会話文で読みやすかったのでするすると読めました。上野さんはおひとりさまの老後でも持論を展開するのに分かりやすい砕けた表現を使うので、シビアな内容でも笑えるのですが、この本でもそんな表現が満載、聞き手の古内君に講釈する様子はとても面白いものでした。古内君は「絶望の国の幸福な若者たち」で主張したように今の時代に生まれたことに不満はない、しかし将来の不安がある、そんな彼の不安は何なのかということを上野さんは順を追って聞き出して、将来の処方箋を考える手助けをします。この対談で古内君が親が死ぬのが怖い・・・いかに自分が大人になりたくないかわかったといっていますが、私たちの年代の若い時もモラトリアム人間なんて言う言葉が流行ったなあと思い出しながら、今は家族ぐるみで一体化してモラトリアムを生んでいるのだと感じました。つまり上野さんがいうように「大人になりたくない子どもと、大人にしたくない親との利害が一致。親の方も一人前になりきれなかったので、子どもを一人前にしないでお互いにしがみついている。」・・・果たして、問題を先送りしても何も解決しませんね。
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