あらすじ
女性への抑圧はいったい何に由来するのか.著者は主婦・家事労働に着目しつつ,階級闘争でも性解放運動でも突破しえなかった,近代資本制社会に特有の女性抑圧構造を,理論的,歴史的に明快に論じてみせた.マルクス主義フェミニズムの立場を打ち出し,研究の新たな地平を拓いた記念碑的著作.
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Posted by ブクログ
近代的自我の確立を学ぶには女性解放を学ばねばならないと考え購入した。
目次を見るだけでワクワクするが、本書を学ぶには相当の時間を要し、ノートを取りながら行う必要が有る様に思える。これからが大変である。
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上野千鶴子は預言者か‼️
1990年に書かれた本とは思えない。今、現在の事を書いてある。少子化を通りこして若者が結婚しなくなっているし、外国人労働者の問題も起こっている。
今こそ家事労働に賃金を出しましょう
Posted by ブクログ
日本のジェンダー論をわかりやすい二軸論にたてかえ、フェミニズムとマルクス主義における女性論を整理した本。
もちろんわかりやすくしたのだから、種々の議論が抜けている、視座が偏っている、などなどの批判はある。が、≪男性=女性≫という対立関係の中から抜け出せないで議論されていた女性論、僕なりに言えば「解放される主体としての女性をどこにおいたらいいのか論」を、マルクス主義批判をもって非常にわかりやすく転回しまとめたという点でこの本の価値はある。
またこの家父長制と資本制という二軸から女性論を捉える視座の批判から、それをすることによって初めて明らかになる人間関係を規定する制度もあるだろう。
本人の過激な発言で脚光を浴びまた批判を浴びることの多い筆者だが、マルクス同様人間性に囚われない新しい批判がこれから登場しさらなる男女論、そして社会科学(科学?笑)の発展のためにも真摯に読まれ批判されて欲しい一冊だ。
Posted by ブクログ
ほとんど高2の時に読んだ『スカートの下の劇場・・・ひとはどうしてパンティにこだわるのか』(1990年・岩波書店刊行、のち岩波現代文庫2009年)以来、単行本を手にしていなかった上野千鶴子ですが、それでも雑誌掲載論文とか対談集やアンソロジーくらいは読んでいましたが、このあたりで全貌を明らかにするために少し読み込んでみようと思っています。
フェミニズムについても、もう一度おさらいする時期だとも考えていますから。
それにしても、他を圧倒する気っ風のいい論客として名高い千鶴子センセですが、昨年アラカンを迎えられたとはとても信じられませんし、少し前にヒットしたのは、なんと『おひとりさまの老後』(法研刊行2007年)という著作でびっくり仰天した覚えがあります。・・・・・
Posted by ブクログ
上野千鶴子がいかにしてフェミニズム界のスターになったのかがよくわかる。これだけ鮮やかかつ明晰に理論を展開できる手腕はすごい。
30年も前の本なので、今ではさらに研究が蓄積され、理論的にも実証的にこれを乗り越える研究がいくつもされているのだと思う。とはいうものの、ここで指摘されている家父長制的な男性のあり様に対する批判は、今でも全然通用する。というか、外形的には大きく変わっているように見えて、その実、このメカニズムは完全に温存されているし、それに乗っかった男性の意識も変わっていないように思う。
なにしろ「そして父になる」みたいな作品が感動作として平気で成立・流通している世の中だから、まだまだ先は長い。
Posted by ブクログ
副題~マルクス主義フェミニズムの地平
フェミニズムとマルクス? 一体どこでどうつながるのか?
婦人解放(時代を感じる言葉です)思想の歴史をみると、社会主義婦人解放論は女性解放を社会主義革命に還元し、ラディカル・フェミニズムは性革命を再重要視する。歴史的に女性は男性に支配されてきた、との両者の説だが、それを階級支配というなら、それをマルクス主義は「資本制」と名付け、フェミニストは「近代家父長制」と名付けた。
それに続く思想として、新マルクス主義フェミニズムが現れ、それは上記2つの論を統合したものである。近代社会の中で女性は「資本制」と「家父長制」の二重の抑圧を受けているというのだ。
会社・社会は男が作った男による男のための社会で、かかあ天下なんてまぎらわしい言葉もあるがそれはオブラートで、家庭は男を再生産するための場所、であるな、と言い換えてみる。
それにしてもなんと論旨の展開の明快さよ。
Posted by ブクログ
すぐれた書籍というのは目からうろこ的なものなのでしょうね。若き日の「ふん、なにさ」も小気味よく読ませていただきました。フェミニズムに関心を持たせてくれた一冊です。
Posted by ブクログ
論理的にフェミニズムを学んだことがなかったので読んでみたものの、前提知識がなかったことと間を開けて読んでしまったので内容がしっかり頭に入らず…
勉強していつか再読します…