上野千鶴子のレビュー一覧

  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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     北原みのりの木嶋佳苗の裁判傍聴記録「毒婦」を下敷きに、フェミニスト女性3人の鼎談。
     タイトルの木嶋氏と東電OLだけでなく、ほかの殺人事件の被告になった女性たちも俎上に上がっている。

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    2018年12月22日
  • おひとりさまvs.ひとりの哲学

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    お二人の会話が噛み合っていないようで,どこかぴったりくる所もあり,楽しめた.宗教は,"便利なもんだ"という述懐はなぜか納得できるものだ.ボランティアを「ほっとかれへん」と訳したのは素晴らしいと感じた.日本は多神教的な風土があるので,無神論自体の意味が西洋とは異なるという説明は,共感できた.

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    2018年12月07日
  • 上野先生、勝手に死なれちゃ困ります~僕らの介護不安に答えてください~

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    『おひとりさまの老後』(文春文庫)や『ケアの社会学』(太田出版)で、老いや看護の問題について論じた上野千鶴子に、当時まだ大学院生だった古市憲寿がみずからの抱えている不安をぶつけるかたちではじまる、対談形式の本です。

    近年はすっかり炎上芸でおなじみになった古市ですが、本書ではピエロの役回りを演じて、上野の鋭い洞察を次々に引き出しており、さすがだとうならされました。

    漠然と感じていた将来への不安を、一つひとつていねいに腑分けし、具体的な問題へと帰着させられていくので、どこか心が軽くなるような読後感をおぼえます。また、若い世代が日本の社会に希望をもつことができるための道筋まで提示されており、明る

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    2018年10月15日
  • 男おひとりさま道

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    自分の老後について考えるのは、気持ちのよいものではない。
    なぜか「自分は大丈夫」と漠然と考えているのではないだろうか?
    本書は、そんな甘い考えに、ガツンと食らわせる。

    豊富なエピソードもあり、自分の親に対してどう接するか、
    自分と妻、娘の老後について考えさせられる。

    自分はどこで死ぬのだろう?

    基本的に上から目線なので、文体が嫌いという人も多いだろうなと思う。

    [more]
    (目次)
    はじめに
    第1章 男がひとりになるとき
     増えている男おひとりさま
       死別、別離、非婚、さてあなたは?
     死別シングル
       60代から増えはじめる“番狂わせ”
     別離シングル
       そしてだれもいな

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    2018年10月12日
  • 家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平

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    上野千鶴子がいかにしてフェミニズム界のスターになったのかがよくわかる。これだけ鮮やかかつ明晰に理論を展開できる手腕はすごい。

    30年も前の本なので、今ではさらに研究が蓄積され、理論的にも実証的にこれを乗り越える研究がいくつもされているのだと思う。とはいうものの、ここで指摘されている家父長制的な男性のあり様に対する批判は、今でも全然通用する。というか、外形的には大きく変わっているように見えて、その実、このメカニズムは完全に温存されているし、それに乗っかった男性の意識も変わっていないように思う。
    なにしろ「そして父になる」みたいな作品が感動作として平気で成立・流通している世の中だから、まだまだ先

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    2018年08月13日
  • 女たちのサバイバル作戦

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    ・成功している女性は父親から「息子のように」扱われていた、が印象的。自分も「女の子だし」と娘に言わないように気をつけようと思う。
    ・娘にぜひ読んでほしい一冊。キャリアと育児の両立がうまくいかないのは自分のせいだけじゃない、社会のせい。そしてそう思ってる人は多いから大丈夫。
    ・百姓は季節で職業を変えていた。自分も正社員の仕事だけでなく他に生き甲斐や副業を見つけて、日本が泥船になった時に「日本の未来を担う」ことなんてせずに、さっさと逃げ出すべき。

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    2018年08月02日
  • 身の下相談にお答えします

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    新聞連載を愛読している。面白さでは岡田斗司夫氏と双璧かな。「天下の朝日新聞でこんな単語(チ○チ○とか)が堂々と使えるとはいい時代になった」というような意味のことが何回か書かれていて、確かにそうだなあと思う。

    上野先生と言えば、その鋭い舌鋒であちらを斬り、こちらをバッサリ、というイメージだが(ま、実際そうなんだが)、「こういうことが達成できたことはすばらしい」というようなことも折に触れて発言されている。この人生相談でも、かつての悩みとの違いによく言及されていて、なるほどなあと思うことが多かった。特に女性の生き方について、古い規範を内面化した相談がほぼなくなっているように思う。確実に世の中は変わ

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    2018年06月13日
  • また 身の下相談にお答えします

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    月に一度くらいのペースで新聞に載る、上野千鶴子先生の人生相談。毎度毎度「うーん、なるほど」とか「これは厳しい!」とか言いながら愛読している。こうやってまとめて読むと、より色合いがはっきりして、ご本人もおっしゃっているが「芸」だなあと思う。

    上野先生の「芸風」の特徴は、何と言ってもズバッとしたもの言いにあるわけだが、身もふたもない正しさなので、軟弱でいい加減な私など「それはそうなんだけど、なかなかそうはできないのよねえ」と思うことも結構ある。それでも、時々はその厳しい言葉にわが身を振り返るのも必要かなと思ったりして。

    何と言っても「家族・身内」についての相談が多い。家族って喜びの元でもあり、

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    2018年04月24日
  • 世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状

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    前半は、なんとも噛み合わない。お互いに理解しようとしているんだけど、根本のところでは理解し合えていないと感じてしまった。
    団塊の世代の上野さんは、偉そうな同世代の男性を批判し、嫌悪してるけど、雨宮さんに対して上から目線で偉そうなところが垣間見えてしまうと感じた。そして、結局は「謝るしかない」って、ごめんなさいで済まないんだよ〜ってモヤモヤした。
    上野さんと雨宮さんは、団塊と団塊ジュニアではあるけれど、お互いの階層も違うので、それで少し噛み合わないところもあったのかもしれない。
    言葉が通じない、の壁を超えなきゃならないんだと思う。最後の章は、お互い同じ明るい方を向いているようなお話だったのでよか

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    2018年01月19日
  • 世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状

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    なるほど、と思わされてしまう。身近な言葉で表現してくれてる。世代の隔たりを表現するのに、この二人は最適。全部とは言えないが、だいぶ多くを納得してしまう。

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    2017年12月06日
  • 男おひとりさま道

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    読む人の年齢によって、印象がかなり違う本。
    団塊の世代にとっては切実な問題だと思うけど、怒り出す内容でもある。
    団塊ジュニア世代にとっては全く想像できない内容。「なんで上野さんそんなに怒ってるの?」みたいに思う人が多いのではないかな。
    これから親の介護が始まれば、少しは事情が垣間見られるのではないかなと。

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    2017年11月06日
  • おひとりさまの老後

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    面白い!切り口がまた!いい!と、思ったら酒井順子と仲良しだそうで!それでこうスパッと切ってくれちゃうんだなぁ。いい!65歳以上の高齢者で配偶者のいない女性の割合は55パーセントだとか。なるほど!確かに64歳ならまだまだな感じだよなぁ。おひとりさま老後。

    そんなおひとりさまの老後の生活のイロハを説いた本なんだけども、介護される側の心得や、介護を気持ちよくさせてあげるためのツボなど、介護者からの目線じゃなく、介護される側からの目線での話もなかなか面白かったし、この人にだけは遺産は絶対やりたくないっていうネガティヴリストの書き方など、なかなかやるな!という一冊でした。

    でも、確かにそういうのもな

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    2017年11月03日
  • 男流文学論

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    吉行淳之介、島尾敏雄、谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、三島由紀夫の6人の作家と作品について、上野千鶴子、小倉千賀子、富岡多恵子の3人が語り合った鼎談を収めています。わが国におけるフェミニズム批評の嚆矢とは言えないまでも、フェミニズム批評の活性化に大きく寄与した本と言えるように思います。座談会ということもあって、三者ともかなり辛辣な言葉を吐いていますが、制度化してしまったフェミニズム批評には見られないおもしろさがあります。

    村上春樹の文体について富岡が作家の視点から鋭い分析をおこなっている箇所には目を見張らされました。また上野が、島尾の小説に対する吉本隆明の批評や、小島の小説に対する江藤淳の批

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    2017年09月24日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    北原みのりさんと同じく、木嶋佳苗はじめ、女性が起こした事件に興味を持っていて、ついこの手の本を読んでしまう。

    あたしは壇蜜と同い年のエンコー世代で、毒母持ちであり、男と同等の評価が欲しいと社会で苦しむ、結婚をゴールとしない独身女である。
    …このお三方の研究分野にすっかり当てはまってしまった。

    しかし、あたしはエンコーコギャル世代ど真ん中でしかも比較的都会にいたのに、その時期、人生で最も輝く10代を、みっともない脂肪にまみれて暮らしていて、誰からも性的に求められなかった。現実から目を逸らして暮らしていた。
    大人になって、ああ、あれは肥っていたからだ、そう思っていたのだ。
    木嶋佳苗には、だから

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    2017年08月21日
  • 「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録

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    本のタイトルにあるように、日本に今後戦後80年は
    くるのかという議題で、現政権を中心に批判する
    下記の講義集
    内田樹氏ー比較敗戦論
    東浩紀-本と新聞と大学は生き残れるか
    木村草太-集団的自衛権問題とはなんだったのか
    山室信一-戦後が戦前に転じるとき
    上野千鶴子-戦後日本の下半身
    河村小百合-この国の財政・経済のこれから
    姜尚中-総括講演
    このなかでも、山室信一氏、上野千鶴子氏、河村小百合氏の
    3本がとても興味を引きました。
    どれも、日本が破綻し、または戦争の道に進むのでは
    ないかという潜在的な恐れを感じる内容です。

    支持率は高いですが、本当に今の政権でいいのでしょうか?
    他人事ではないような

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    2016年11月26日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    考えが必ずしも一致する、というわけではない。でも、フェミニズムの思想はすごく共感する部分も多い。
    何より、この3人の会話のノリには、すごく親近感がある。女の女による女のための会話。開放感ある。(話の内容は深刻で、開放感はないのだけれど)

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    2016年08月28日
  • おひとりさまの老後

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    ☆☆☆☆上野千鶴子さんの作品は5年ほど前に『男おひとりさま道』を読んでから2冊だけど、おそらく『おひとりさまの老後』のほうが先に書かれたのだろう、前者のほうがスーッと読めた記憶がある。
    同性を対象に書かれたものであるからかもしれないし、上野さんが、「おひとりさなシリーズ」という作品の型を身につけ、馴染んできたからかもしれない。
    前者を読んだときには、女性の先輩からの手厳しい忠告、男の下心を見透かされたかのような、核心をついた意見が、痛痒くて読んでいくうちに少し快感めいたものになっていたのを思い出す。

    今回のテーマ「老後」は女性に向けて書かれているので、優しさを感じた。
    「老後」に関

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    2016年04月11日
  • 身の下相談にお答えします

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    あー、面白かった。人は本当に様々な事を考えて、色んな悩みを持つ。私も悩みが無いわけではないけれど、人に真剣に相談するほどでは無いことは幸せなのかもしれない。愚痴半分で相談することはあるけれど。それにしても人の悩みや相談事の大半のなんと「どうでもいい」ことよ笑 自分の事なら見えなくてモヤモヤするのに、人の事ならすんなり自分なりの答えが出てくる。そういう意味で時折こういう本や、新聞や雑誌のお悩みコーナーなんかは読むといいのかもしれません♪いつか自分の悩みの助けの一端になるかもしれません。

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    2016年03月25日
  • 快楽上等! 3.11以降を生きる

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    社会学者の上野さんと著述家の湯山さん。
    教養とパワーあふれる お二人の対談形式。
    震災、家族、加齢、そして
    下ネタまでも高尚なお話に仕上がっていて
    ついてゆくのが必死・・・
    いや、ちょっとついていけてない(笑)
    専門用語の理解はさておき
    男女 年齢問わず 人モテする先輩方の言葉は、
    キョンキョンが書評集で語るように、
    マーカー引いてしまうほど、ハッとするもの多し

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    2016年03月09日
  • 上野千鶴子の選憲論

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    万人に読んでほしいといえる良書。
    以下はメモ。
    ・選択議定書…これを批准していると、人権侵害行為について、国家を飛び越えて個人が国連人権規約委員会に通報することができる。日本はアメリカはしていない。
    ・占領軍の押し付けの憲法ではなく、当時の国民が選び取っている。日本の中からもたくさん憲法草案が作られたし、提出されたものが現行憲法に大きな影響を与えている。
    ・代議制民主主義は、愚民説にたつエリート政治。(市民参加の機会を抑制するシステム)
    ・ケアは非暴力を学ぶ実践
    ・琉球共和社会憲法

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    2016年02月24日