上野千鶴子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これ、いい本だな~。『君たちは、どう生きるか』は男の子の話じゃん!ってことで、上野千鶴子先生がカウンターとして書いた本です。
女の子からの質問に答えるQ&A形式で進みます。質問に挙がるテーマや先生の回答のぶっちゃけ具合から、フェミニズムって(やっぱり?)怖い、という印象を持つ人もいるかもしれません。そもそも質問の取り上げ方に偏りがあるんじゃない?とか。
でも、それが「現実」だという認識を持つことが大事な一歩だと思います。
違和感があればあるほど、女性ってそういうものなんだから、という悪しきジェンダー文化に知らずに染まっていることになります。
書いてあることは、本当に本当に当り前のことです。男に置き換えてみれば分かります。それが女性を主語にすると途端に気持ち悪く感じるということは、それだけまだ社会が歪んでいることになります。
女の子には是非読んで欲しい本です。そのうえで、自分として生きて行く、という一歩を踏み出してもらいたいと思います。
巻末の付録の先頭で紹介されている魚住直子さんの『いいたいことがあります!』も合わせて読みたいところです。 -
Posted by ブクログ
うちは男子2人だが、だからこそ育てていくうえでこういう本が必要。自分の持っている特権を意識できる人になってほしい。
“「もし自分なら」って考えることを、想像力といいます。”(p.19)
“その会社がよい会社かどうかを見分ける方法があります。そこに一〇年、二〇年、三〇年在職している女性がいるか、その女性がどんな働き方をしているか、それが一〇年後、二〇年後には自分もこうなりたいというお手本(ロールモデル)になるか……。”(p.155)
“痴漢冤罪説を唱えるなら、冤罪が起きるほどどの男性も潜在痴漢だと思われているこの国の痴漢文化の方に、 批判の矛先を向けてください。その痴漢文化をつくりあげたのは、男性たちだということを忘れずに。”(p.121) -
Posted by ブクログ
日本の女性が果たしてきた(男性に課せられてきた)役割の変遷、それに伴う母娘関係の難しさが紐解かれ、学生時代は男女平等と教えられたのに実際は不平等な社会に直面する女性の生きづらさが語られています。
私自身も多くの違和感を感じてきました。
なぜ、男性はでかい仕事ができる総合職が勝ち組、女性は負担がそこそこで家事育児と両立しやすく、夫の転勤にも同伴できる一般職が「賢い」選択とされるのか。
なぜ、男性が雑用するととても感謝されるのに、女性はやって当たり前なのか。
なぜ、女性だけ結婚や出産のタイミングを考えて異動したり転職しなければならないのか。
なぜ、女性だけ結婚していたり子供がいると昇進や転職に不利なのか。
なぜ、男性は女性が感じる生きづらさがピンとこないのか。
これらすべて、男性がつくった「仕事に全振りする男性とそれを支える女性」をスタンダードとする仕組みに女性が無理やり合わせているからだと改めて理解しました。
「男」になって総合職として働くか、「男の妻」として一般職として働くか。いずれにしても、男が中心。
職場を見渡すと20代〜30代前半の男性は家事育児を担うのが当たり前となっていて、上野さん田房さんの論調よりは進歩を感じますが、それでも半分以上を担う男性は少ない。
自分自身の中にも、夫に半分超を任せることに心理的なストッパーがあります。自分自身の意識も変えていきたい。 -
Posted by ブクログ
読むのがつらい、しんどい本ではあったが興味深かった。
今まで自分が女であることにあまり不満を持ったことはなかった。フェミニストのこともあまり理解せず過剰なことを言っている人たちだと思っていた。しかしこのふわっとした考えの自分でも、いままでの心の底のひりつくような経験は女であることが理由だったのかもと再定義することができた。
男を欲情させることができる女だけが女
女は女であることから逃れることができない
女は「自分で達成する価値と、他人つまり男から与えられる価値との両方が必要」であるという箇所が、なかなか自分にとって負担に思ってたことを言い当てており、胸のすく思いがした。
男は見た目が悪くても勉強さえ頑張ればなんとかなるのに、女は勉強ができるだけじゃだめで、見た目も良くしなければならない。勉強が出来過ぎてもだめ。男を立てないとだめ。化粧くらいできないとだめ。
自分が感じる生きづらさは、自分が女であることも原因だった。
にしても、世の中男の都合のいいようにばっかり動いてるんだなぁ。改めて現実を認識する。Twitterで怒りを喚き散らかすような人間にはなりたくないんだけども、こういうの読むとやりきれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれで幸せの秘訣7カ条
秘訣1それぞれ互いに納得している
秘訣2しっかり勉強できている
秘訣3別々の価値観でもかまわない
秘訣4目の前の不安は些細な事と割り切る
秘訣5ふたりの時から、1人の時を想定する
秘訣6時間的、空間的に距離を開ける
秘訣7自ら自分の世界に入り込む
高齢者の自殺率は、予想に反して独居高齢者より同居高齢者の方が高いことが知られています
お一人様には、選んでお二人様とようやくお昼様の2種類がある
免疫力の高い若い人たちは感染しても助かり、そうではない高齢者や持病のある弱者は死に至ることになります
たとえどんなに惨憺たる人生でも、終末の1%が幸せだったら、その人の人生は成功だ、と言うのが柴田さんの持論です
認知症者には過去と未来がなくなり、現在だけがあります -
Posted by ブクログ
上野千鶴子が、女の子の疑問に答える!
タイトルはもちろん、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』からとられている。
前書きで書かれているように、同じ岩波書店から出版されることを嬉しく感じているとのこと。
初めに断っておくが、上野先生は好きだが、その全てを盲信的に受け入れるわけではない。
私と上野先生は(いや、どんな人だって)立場も、背景も違うからだ。
しかし、それを差し引いても、やはり女の子だから、ということで差別を行うべきではないとする上野先生の意見には大賛成だ。
では、いってみよう。
Q 子育て中の先生が担任を持つのは無責任では?
A 子育ての終わった先生だけでいいの?
育児中には責任ある仕事から外すのが親切?
いや、それは配慮の名を借りた差別だ。
自分の家族を大事にしない先生に他人の子供を大事にできると思う?
まさにまさに。
「お母さんは主婦だけど年金はもらえるの?」とか、「女性専用車両は逆差別では?」とか、「総合職やめようかな」とか…。
質問には女の子だから、感じてきた社会のおかしさがある。
女の子だから、で選択肢が狭まることはあってはならない。
2019年の東大入学式の上の先生の祝辞も巻末に載っている。
この言葉にどれだけの女子生徒が励まされ、どれだけの学生たちが気づかされたか。
自らの翼を折ることも折られることもなく、そして誰かの翼を広げる人であれ、上野先生の言葉にはそんな強い意志が感じられる。
女の子、と銘打たれているが、成長したかつての女の子も、男性も読んでみてほしい。
今必要なのは想像力と少しの勇気だ。
それが社会を良くしていく、私はそう信じている。