上野千鶴子のレビュー一覧
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ネタバレこの手の本は、熱くなるなぁ。男はどうだ、女はどうだって語るのは好きじゃないけど、社会に出ると、労働、結婚、子育てにおける男女の差がありすぎて、それを無視して語れない。これから大人になる子たちに、これから社会に出ていく子たちに、明るい展望を持って生きていてほしいけれど、この世の中で生きていくにはサバイバルが必要だ。サバイバルを前に、私はそういう熱いの好きじゃない・・・と避けてしまったり、サバイバルする人を馬鹿にしたり、無気力高校生・大学生もいる気がする。ガツガツじゃなくてもいいけど、せめて、世の中が抱える課題くらいは知っておいて、サバイバルする人を認め(無意味に邪魔せず)、自分も自分やまわりのた
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まえがきで丁寧すぎるくらい、この章は読み飛ばして
大丈夫ですとたくさん書いています。
「息子」が親の介護をすることについて。
前半部がデータの検証的な話で
実例が少なくぴんと来る話も
ないので、ちょっと失敗かなと思ったら・・・、
後半の読み応えのすごさ!!
仕事から介護に比重を移した時の、経済的、
世間的にもペナルティを受ける感じの例(女性は
全く逆になる)。
男同士の友人の集まりでは、介護の悩みは
話しづらい(言ってもお互いにいい気分にはなれない)
現実。
両親を介護していて、母親を介護していた時には
近所から色々と助けてもらっていたが、母親が
亡くなってからはめっきり誰も来なくなる現 -
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思わず、女性専用車輌に乗ってしまった時と同様の戦慄は、終始拭えなかった。当たり前か。
NPO法人ウィメンズアクションネットワークと出版社主催の鼎談書籍化。
自分ではない何かになろうとして、婚活サイトを利用し死刑に至った木嶋佳苗から、97年に殺人事件の被害者となった東電勤務の女性、その他にも元オウム信者同士で逃亡生活を続けた斎藤明美、2006年に報道されたセレブ妻殺人事件の三橋歌織などを題材に、毒婦を生む背景に切り込む一冊。
上野先生が終始、韓流ではない事をアピールし続けるのに笑った。
あとがきで触れられる壇蜜の「はい。日本の矛盾が生んだ空っぽのただの32歳、それが壇蜜です。」には、それ -
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ネタバレかなりおもしろい。というか気持ちいい。女たちの目線で世の中を見ること。言葉を獲得していくといことが真実の見え方にどれだけ影響するかを思い知った気がする一冊。思考停止していたのかもしれない。マスメディアが流す一元的価値観に自縄自縛に陥っていた自分の後頭部を思いっきり金槌で殴られた気がする。メディアが男社会であるという意識もなかった。男の股間のケアを要求する社会に逆手にとって現れた「毒婦」たち。毒婦は自分であるという目線。「言葉を持って女目線で現実をちゃんと暴きだすことが必要。(上野)」上野千鶴子の歯切れの良さ、好き嫌いハッキリわかれそうな人だけに、好きだと思った。
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男女雇用機会均等法から30年—。
確かに女性にとっての『雇用機会』は、均等になった。女性の大学進学率は増加し、男性と同じように就職戦線へ進むようになった…。
が、総合職と一般職、さらには正規社員と非正規社員…そんな組織都合の雇用機会が増えるばかり。また結婚や出産による女性に対するマイナス評価は一向になくならない。
そればかりか、かつてのような専業主婦の道は、この不景気では最も危険な選択肢と言わざるを得なくなった。
著者の言うとおり、一部の優秀な女性は総合職としてキャリアを積むことのできる機会ができ、均等法の恩恵を得たかもしれない。
しかし、大部分の女性にとっては、到底一人では生きていけない賃 -
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最近言われて困ることは「M1の時より変じゃなくなったね」だ。私は変でいたかった。
変になったきっかけは学部時代にある先生の出会ったのがきっかけだ。
「恋って何?」「友だちって何?」と学生に問い、教員も一緒に考えていた。教員はそれを本当に面白そうに考えていた。
本書は上野千鶴子流教育論である。
上述のしたことは著者も「私は自分がおもしろがっていないことを他人サマにおもしろがってもらうことはできない、だから自分が面白いと思うことだけをやろう、と決めました(p.23)」という。
教員免許を取得する授業は教員の面白さよりも、教えなければいけないことがある。だから面白くないのかもしれない。それでも面 -
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上野氏自身が述べるところ、1990年代の研究の集大成ともいえるのが本書だそうだ。「従軍慰安婦」問題などを中心に、国家主義とそのなかでのジェンダーについて思考した大部の書。
本書ではまず、国家における女性の扱いを「統合型」と「分離型」としている。前者は男女に同じ役割を課すもの、後者はたとえ非常時でも女性には女性の役割を課すもの。戦時に男女ともに徴兵があれば前者であり、女性に「軍神の母」「銃後の妻」役割を課せば分離型という理解でいいと思う。こんなふうに国家主義とジェンダーを論じていくのだけど、何といっても力が入っているのは「従軍慰安婦」に関してだ。
以前、韓国へ行った時、ほんの短い時間だが、かつて -
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私見
刑事裁判実務では「自白偏重司法」と言われるほど、被害者証言は時に補強証拠が脆弱であっても認められる。
しかし、歴史、特に戦争犯罪においては被害者証言は(処分されたことが明白な資料の不存在を理由に)軽んじられ、「公文書が見つからない⇒事実かどうか証明できない」と切り捨てられ、時に「カネ欲しさのでっち上げ」と非難されるという矛盾
メモ
慰安婦問題
三つの犯罪
過去
戦時強姦
現在
戦後半世紀にわたるその罪の忘却や被害認知の拒否
現在進行形や未来
長い沈黙を強いられ、告発したときにはカネ欲しさの嘘つき呼ばわり
キーセン観光、セックスツアー
カネの力で性的侵略?
慰安婦→民族の恥?被害 -
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20年前から僕がずっと私淑している上野千鶴子先生。昔はフェミニズムや近代社会での共同体をテーマとした社会学者として名を馳せていたけど、今は高齢化社会や介護問題の第一人者。「おひとりさまの老後」がベストセラーになったことは記憶に新しい。
その上野先生が若い学生と対談した本を出したと聞いて調べてみると、相手はなんと今をときめく若手社会学者の古市憲寿君だった。これは面白いに決まってると即入手。(と言ってもこの本の存在を知ったのは発売して1年も後ですが・・・。)
本書は、タイトル通り介護問題について現在の状況と今後の展望について対談形式で語ったもの。対談形式と言っても古市君はほぼ聞き手で、上野先生に -
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年齢差30歳余りある二人の対談集。上野さんは言うまでもない名の知れた社会学者ですが、昨年既に大学院教授の仕事をリタイアしています。社会の第1戦からは退いた形で、団塊の世代の旗手である自分の老後はすでに研究者生活でレールを敷いたようなもの。一方対談のお相手の古内君は弱冠26歳、大学院に籍を置いている一応社会学者(この表現は彼自身の表現です)という立場の団塊の世代ジュニアの年若い方に位置するまさに見た目も今どきの若者。彼は著書もあるしメディアの露出度も高いのでよくお見かけします。故に、この二人がこのテーマでする話ですから、興味が湧かないわけはなく、会話文で読みやすかったのでするすると読めました。上