あらすじ
木嶋佳苗と「東電OL」の共通点/援交世代が生んだ女の事件/支配する女と家庭の暴力/女はケアで男を殺す/男が嫌う「母の事件」/女目線で語り続けていくこと/彼女たちは傷ついていたか?/毒婦というパロディ…
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Posted by ブクログ
上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりの3人が語り合う。
3人の座談会?がとても面白くて一気読みでした。
三人三様の視点から色々なものが見えた気がします。
で
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上野千鶴子先生、信田さよ子先生、北原みのり先生が、女性たちが起こした殺人事件を語っている。上野千鶴子先生、信田さよ子先生、北原みのり先生は3人とも話がお上手で思白い。わかるわかるとうなずことばかり。
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いやぁ~面白い!久々に一気読み。
やっぱ上野千鶴子好きだぁ~。
そして北原さんにちょっと嫉妬。
いいなぁ~。直にこんな突っ込んだ話が出来て。
でも、その為には性に突っ込んだ生き方をしなきゃなんないのね。
私みたいに性がダメな人は上野さんが好きだけど出会えないのだ。
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思わず、女性専用車輌に乗ってしまった時と同様の戦慄は、終始拭えなかった。当たり前か。
NPO法人ウィメンズアクションネットワークと出版社主催の鼎談書籍化。
自分ではない何かになろうとして、婚活サイトを利用し死刑に至った木嶋佳苗から、97年に殺人事件の被害者となった東電勤務の女性、その他にも元オウム信者同士で逃亡生活を続けた斎藤明美、2006年に報道されたセレブ妻殺人事件の三橋歌織などを題材に、毒婦を生む背景に切り込む一冊。
上野先生が終始、韓流ではない事をアピールし続けるのに笑った。
あとがきで触れられる壇蜜の「はい。日本の矛盾が生んだ空っぽのただの32歳、それが壇蜜です。」には、それが言えるのはタダ者ではないのだよ、と感じずにいられなかった。
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かなりおもしろい。というか気持ちいい。女たちの目線で世の中を見ること。言葉を獲得していくといことが真実の見え方にどれだけ影響するかを思い知った気がする一冊。思考停止していたのかもしれない。マスメディアが流す一元的価値観に自縄自縛に陥っていた自分の後頭部を思いっきり金槌で殴られた気がする。メディアが男社会であるという意識もなかった。男の股間のケアを要求する社会に逆手にとって現れた「毒婦」たち。毒婦は自分であるという目線。「言葉を持って女目線で現実をちゃんと暴きだすことが必要。(上野)」上野千鶴子の歯切れの良さ、好き嫌いハッキリわかれそうな人だけに、好きだと思った。
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この三人にかかれば怖いものナシかも
殺人事件にかかわる女たち
東電OL事件や木嶋佳苗以外は貧困が背景にあり、また虐待された生育歴もあちこちに伺える
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柚木麻子さんの『BUTTER』からこちらに流れ着いた。木嶋佳苗の事件当時、私は20代前半だった。その頃は、へえ、なんか大変な事件が起こったんだな、くらいの関心しかなかった。もう20年近く前の事件に興味を惹かれるのは、ルッキズムやミソジニーの社会的状況が当時と変わっていないからだし、私自身がそこにちょっと敏感になっているからだろう。いくつかの事件をとおして、男とは、女とは、男女の関係とは、について、ここまで断定的に迷いなく語ることができる御三方に憧れのようなものを感じたし、御三方間の捉え方、見方も違っていて(特に上野先生と信田先生は社会学=マクロ、心理臨床=ミクロというモノの見方の違いがあるんだろうな)、ある一つの力強い考えに傾倒しがちな私にとっては、バランスよくこの本のテーマを考えることができたかなと思う。とは言え御三方のおっしゃっていることは私にとってはところどころ難しかったが…
特に売春、援交で女性たちは傷つくか、という命題に対して、売春をしている人たちが、男を蔑み、絶望しているからこそ、セックスを売ることができているのだとしたら、私は単純に、ある対象に絶望し続けること、その対象と長い時間を共にすることだけでも、傷つく(というか精神が喰われる)のではないかなぁと思った。
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社会学者の上野千鶴子さん、心理学者の信田さよ子さん、女性向けアダルトグッズの店をやっている北原みのりさんの対談本。テーマは「毒婦」(と呼ばれた女たち)。木嶋佳苗や角田美代子、東電OL、畠山鈴香など。
その事件だけにはとどまらず、女性を取り巻く社会について、さまざまな視点から描かれている。私が1番衝撃を受けたのはここ。
P143-144
『彼女たちは、誰かの性的対象になることで、自分のアイデンティティを復活させようとする。アイデンティティって言うのもおかしいんだけど、性的対象にならなければ自分というものが存在しないっていう自分、を持っている人たちが一定数いるわけですよ。…中略…自分が性的な女性としてセクシャルな身体をもつことによって、自分をボコボコにしていた父親が私を認めてくれるんだ、と感じる。こうやって、娘は性的な眼差しの中であれば自分も生きられるんじゃないかと思うようになるんです。』
私は父にボコボコにされていたわけではないけど、近いことが起こっていたのだと思う。そして母がそういうセクシャルな女性ではなかったから余計に、私はそちらに行きたかったんじゃないかな。
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普段接する事のない世界の話である一方で、女性としていつも置かれている世界の話でもある。
驚いたのは司法の世界でどれだけ性差別があるのかと言う話、調書には男尊女卑のような記述がされるなど。
この本を読んでいると男女が同じ立場、感覚で付き合うことは不可能なのかと考えさせられる。
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北原みのりの木嶋佳苗の裁判傍聴記録「毒婦」を下敷きに、フェミニスト女性3人の鼎談。
タイトルの木嶋氏と東電OLだけでなく、ほかの殺人事件の被告になった女性たちも俎上に上がっている。
Posted by ブクログ
北原みのりさんと同じく、木嶋佳苗はじめ、女性が起こした事件に興味を持っていて、ついこの手の本を読んでしまう。
あたしは壇蜜と同い年のエンコー世代で、毒母持ちであり、男と同等の評価が欲しいと社会で苦しむ、結婚をゴールとしない独身女である。
…このお三方の研究分野にすっかり当てはまってしまった。
しかし、あたしはエンコーコギャル世代ど真ん中でしかも比較的都会にいたのに、その時期、人生で最も輝く10代を、みっともない脂肪にまみれて暮らしていて、誰からも性的に求められなかった。現実から目を逸らして暮らしていた。
大人になって、ああ、あれは肥っていたからだ、そう思っていたのだ。
木嶋佳苗には、だから驚いて興味を持ってしまったのだと思う。
人から求められない理由に、容姿は関係ないのだと。
木嶋佳苗を知れば知るほど、魅力的に思えてくる。
たしかに、これはモテるかも。
なんだこの、負けた感は。
みんながだからざわつかされたのだ。
本書にも出てくる似た事件の犯人は、背景がわかりやすい。だから誰も興味をもたない。同じようだが、魅力的ではない。教育も、お金もなかったのだろう、と思うだけだ。
10代で自分を無価値と位置づけたあたしは、オンナを上手く使うことも、そこに飲み込まれることもなく、誰にも興味を持たれない、その他大勢の時間を過ごしている。
堂々と生きている木嶋佳苗がすこし羨ましい。
Posted by ブクログ
考えが必ずしも一致する、というわけではない。でも、フェミニズムの思想はすごく共感する部分も多い。
何より、この3人の会話のノリには、すごく親近感がある。女の女による女のための会話。開放感ある。(話の内容は深刻で、開放感はないのだけれど)
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もし自分が事件になるような毒婦になってしまったら、「あれは私だ」という女性たちは、殺したり殺されたりするような関係だった男性たちより寒いものに感じるんじゃないかとちょっと思いました・・
Posted by ブクログ
「読み物」として純粋に面白かった。
思想どーのこーのは、うーん。。ですが。。
地方の貧困が本当にひどい、というのが
印象的。
地方在住ですが、こないだ東京で働いている
ひとの月給聞いてたまげたとこずら。。
同じ国の話とは思えないww。。
家賃30万って・・・。。
なので、地方の本当に貧しい家の人と
東京でそれなりの生活の人とでは
犯罪に関しても他の面でも格差が今後は
出てきちゃうんだろうなあ・・・。
この国は何を目指しているのか。
Posted by ブクログ
期待を裏切らないおもしろさでした。でも、北原みのりさんの「女は韓流」発言はイラっとしました。少なくとも私は、韓流に興味はありません。いつものことですが、北原さんは相変わらず一人で突っ走って、上野さんの言葉も無視し、決め付けのトンチンカン発言を繰り返していました。それもある意味おもしろかったですけど。
Posted by ブクログ
読後の”気圧され感”がとても強い鼎談録だと思います。
角田美代子、三橋歌織…と東電OL・木嶋佳苗以外で関心の高い人物の話題も多く、特に木嶋佳苗と同時期にニュースになっていた上田美由紀の事件に対する考察は、両者の比較もありとても興味深いものでした。
そして、自分が知らず知らずのうちに男性目線の報道を何の疑問も持たず受容していたことに気づきました。
でもまたしばらくしたら忘れちゃいそうですが。
北原さんのあとがきで、信田さんに壇蜜をどう思うかと訊ねた際の
「私、好き!あの人、女のパロディだから!」
という一言が強力にヒットして電車の中で思わず笑いそうになりました。
その後の「なぜパロディなのか」という話は面白いですし頷けます。
でも「パロディ」とは…言いえて妙です。
Posted by ブクログ
読みやすいし、面白い。
本当にただ3人のおしゃべりを横で聞いているようで、何か特段新しい気づきや発見はないのだけれど、こーゆーおしゃべりがそれぞれの著作につながるんだと思う。
あ、フェミニズムはおしゃべりってみのりさんが書いていたことはとても好きで、「事件を自分に引きつけて考える女と切り離す男」という視点はジェンダーなのか個人差なのかこれは考えたい。
Posted by ブクログ
木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香
など毒婦をテーマに、
フェミニストな論客3名でだべりまくる。
女性は、男性を殺した女性犯罪者に自分を同一視するが、男性は女性を殺した犯罪者と自分はいかに違う存在かを力説するという。これは、女性が男性に力で圧せられていることへの反逆を、男性は弱い部分に付け込んでの卑劣な犯罪であることの嫌悪を感じているからなのかもしれない。
また、一般的にモテる容姿ではない木島佳苗が圧倒的なケア力でモテていたというのも、なるほどと思った。
3人のお話は、ある意味、暗黙知が共通的な立場の方々なので、話が通じあうことで、若干ヒートぎみに上っすべりになるところもあった。
(信田さんもあとがきで「ついつい話すぎてしまい失言かなと思う部分もあったが、ま、いいかと思ってそのまま掲載することにした。」と述べており、まさにこの通りの本かなと思います。)
ただ、3人とも、自分の意見をなんとなく流すところなく、議論する感じはさすがでした。
学者、研究者なので、どうしても分析的、分類的になるのでしょうが、
当然、「男は~」と男を敵視したような発言も多々あり。
世界を支配している権威(強いもの)に対するアンチと分かっていても、
この3名の論客は十分強く感じるので、なんかそこまで男を敵視しなくても
と感じてしまうところもあり。
考え方として、「男」という仮想敵があるところから考えがスタートしているように聞けてしまうのが、逆に視野を狭めてしまっているようにも見えて。
ジェンダー関係は性差が出発点になるのでそういう展開なんでしょうが。
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「東電OLは私である」と発言する女性がたくさんいたという
女性差別企業の中で惨憺たる思いをした彼女は均等法施行前に社会人となった世代
均等法が施行されてからだってそう変わらない
会社に入ってみたらこんなはずじゃなかった
といったことは多々あったし今でも劇的にそうした状況が改善されているとも思えない
この事件は覚えている
マスコミが騒いだ内容については詳しく知らなかった
本書でそうしたことを読み解いているのかと
しかもこのお三方
楽しそうではないかと思い読み始めた
この事件というよりは「木嶋佳苗」に焦点をあてて語られる日本の「性」の扱われ方
援交世代についてはっとさせられたのは
そうだ彼女たちもいま生きて生活をしているのだということ
10代の頃にやっていたことをどう受け止めて暮らしているのだろう
女性のパロディとして存在する「壇蜜」
「これでしょあなたの欲しいものは」と餌を与えれば次々と男がひっかかってくる
同じ援交世代の木嶋佳苗と壇蜜との共通点など
この本をきっかけにさらに読みたい本がでてきた
Posted by ブクログ
「毒婦」をテーマに上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりが鼎談している。
「毒婦」って何だろう。男性版のそういう言葉ってない(と思う)からそもそも「婦」にだけ「毒」がつくっていうのが上野さんあたりが突っ込むべきところじゃないかと思うけどそういう話は出てこない。勝手に女性に聖性を求めてそれと違う女性には「毒」をつけて侮蔑したり揶揄したりという構造だと思う。
ここで双璧に論じられているのが東電OLと木嶋佳苗。木嶋佳苗は一時期ブログなど愛読しその非凡さはそれとなく知っていた。一方東電OLについてはこの本を読んで初めて知った逸話もあった。どこか正気でない淫らなひとという印象だったんだけど、それ以上に既存の会社社会=男社会への悲しい反逆だったのかなと思うところがあった。
いずれにしてもお二方とも見事な生き方。その枠に納まらない見事さが世間というまだまだまだまだ男目線の人々をして「毒婦」と言わしめるのだろう。だからやっぱりこの本が「毒婦」を銘打つのには大いに違和感。
鼎談もちょっとバランス悪い印象。北原みのりが思いだけで突っ走ってる感じがしてしまう。対して上野千鶴子には蓄積を感じる一方で、総論的な話にはしりすぎな感じも。信田さよ子は両者からわざと一歩引いてる感じ。
Posted by ブクログ
3人の人となり思想がとりあえずは分かりやすい本なので作家達に興味がある人は手っ取り早いです。上野千鶴子の本だけ読んだことがなかったのですが想像通りの人でした。
読書後ネットで、お顔を拝見しましたが、これまた想像通りの人でした。現在は悠々自適?世間一般以上に裕福な暮らしをされていると思いますが庶民、平等、フェミニズムなどのイデオロギーを振りかざす感じですね。
あとがきで北原みのりが上野千鶴子に対して皮肉めいた事を書いていますが直接いっていただきたかったです。コワィのかな?言ったところで平行線になるだろうしね。
ウーマンリブなど、さまざまな時代を経てきたことや勿論、正論なのだろうけど、思春期や女としての特権や幸せを十分には感じてこないで年齢を更に重ねて頭でっかちに偏った見方の人が全女性の代表みたいに発言される姿勢には抵抗を感じました。
Posted by ブクログ
女たちが語る(対談形式の)東電OLと木嶋佳苗。
対談形式であるがゆえのもどかしさがあります。
裁判を傍聴したことがないので、こんなところにも男女差というか、取扱いの違いがあるんだと改めて感じました。
Posted by ブクログ
やはり、木嶋佳苗がとびぬけて異常性が高い。獄中結婚したしね。こやつ、別のことやってたら成功者に、なっていたんだろうね。
三人のおばさま達がワーキャー対談してるのだけど、「やっぱり男って・・」、「いつまでたっても男は・・」とステレオタイプな発言を連発していることがこの本の論理的な主張を危うくしてると思いました。
Posted by ブクログ
冒頭、上野千鶴子が北原みのりに言う。
「私の本を愛読した女が幸福だったはずがない」(引用不正確)
愛読してたよ、悪かったね。
と私は読み進む。
女は事件の当事者と自分の共通点のを語るけど、男は「俺は違う。おれならそんなことはしない」と言いたがる。って、私の周りでは当たってるかも。