上野千鶴子のレビュー一覧

  • 情報生産者になる

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    情報はノイズから生まれる。

    ノイズとは違和感、こだわり、疑問、ひっかかりなど。

    当たり前を当たり前だと思うところにノイズつまり情報は生まれない。

    情報には2種類ある。一次情報と二次情報。

    一次情報は自分が経験したことや目と手で手に入れた情報のこと。

    二次情報とは誰かの手を介して得られた情報のこと。つまりこの感想文も二次情報(セコハン)(second hand dataの略)である。

    情報生産者になるには一次情報を発信しなくてはならない。つまり、論文において先行研究を、つぎはぎしてセコハンの絵画を描いてもそれは情報生産には値しない。論文に求められるのは一次情報。よって、論文はデータを

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    2020年07月30日
  • 生き延びるための思想 新版

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    敬愛する恩師の珠玉の名著。思い入れが強すぎて客観的なレビューができない。上野千鶴子は講義と著書の落差が小さく、文章を読むだけで語り口が思い出される。「フェミニズムは弱いものが弱いままで生きるための思想」であるならば、私はその思想とともに生涯を終えよう。

    上野ゼミ卒業後10年がたち、30代を迎えた今、増補版を再読して思うのは、’受け継ぐもの’としての自分の責任。さぁ、バトンをうけとった私は、これから何をしようかな?

    本書の内容とは関係ないが、’問を洗練させろ、まずはそれからだ’という自分の思考習慣は、外コン出身著者のビジネス本を読むまでもなく、上野ゼミにおける袋叩きを通じて養われたのを思い出

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    2020年05月07日
  • 女たちのサバイバル作戦

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    ひとりダイバーシティ、漠然と手を伸ばしたほうがいいんだろうな、と思いながらも、より強く感じた。
    また、フェミニズムは社会を変えない、社会の変化はいつも外的要因で、グローバリゼーションからの革新的な企業の台頭によるものになる。
    女性の労働環境を変えるのは、いつだって産業革命や文明開花、そしてグローバリゼーションなのだというのが、とても響いた。日本でこれから生きる女の一人として、その変化の波には乗っていきたい。

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    2020年03月07日
  • 情報生産者になる

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    研究のしかたをきわめて具体的にノウハウ開示してくれている本。すみっコぐらしの中高年でももしかしたら今からでも情報を生産できる人間になれるんじゃないかと、目がひらかれる思い。
    ちゃんと勉強してこなかった自分にとってとてもためになった。

    P009 もはや勉強ではなく学問(学んで問う)ことが必要です。つまり正解のある問いではなく、まだ答えのない問いを立て、自らその問いに答えなければなりません。それが研究(問いを極める)というものです。

    P016 情報とは、システムとシステムの境界に生まれます。複数のシステムに股をかけたり、システムの周辺に位置したりすることは、情報生産性を高めます。

    P022 

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    2020年02月05日
  • 世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状

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    対談相手の雨宮は、ほぼ私と同世代で、ロスジェネと言われる人々をよく分析していると思う。そして団塊の世代のひとりとして上野千鶴子の分析は、おそらく親世代は知りたくもないし、今となっては聞く耳持ちたくないものであろう。就職氷河期世代を雇用する人事担当者は読むべき一冊。

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    2020年01月25日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりの3人が語り合う。
    3人の座談会?がとても面白くて一気読みでした。
    三人三様の視点から色々なものが見えた気がします。

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    2019年11月25日
  • 女たちのサバイバル作戦

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    最近読んだ本のなかでいちばんグサっときた…!
    男女雇用機会均等法って手放しでいいものだと思ってた。というふうに高校生の時から授業でも教えられてきた気がする。
    でも。。。均等法の盲点は、「平等」ではなく「機会均等」ということ。そしてそれは「正社員についてのみ」定められていること・・・同年に成立した労働者派遣事業法と両輪となって、使用者に都合のいいような設計にされた。
    つまり、この後は使用者にとって女性労働者は「機会を用意するから」男並みに働ける女性か、一般職正社員に代わってすぐ首の切れる非正規雇用かの2種類となってしまったこと。
    そしてそれが女女格差を生み女性間での連帯を止めてしまうという…(怖

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    2019年09月05日
  • 身の下相談にお答えします

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    先生の回答は痛快で読んでいてスッキリする。そもそも「おなやみ」の読み取り方が素晴らしいんです。さすがだなーと思います。
    それから、一番秀逸なのは最後の相談です。

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    2019年07月23日
  • また 身の下相談にお答えします

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    東大の入学式の祝辞がユーチューブでも絶賛視聴の上野千鶴子さん。朝日新聞の月一の身の上相談「悩みのるつぼ」で、回答者として、ファンを拡大中。

    8年努めてきた続編が一冊になったのがこれ。
    実に軽妙ながら、社会行動学の学者らしく、膨大なデータの蓄積と分析で、素晴らしい回答芸(自称)を見せております。

    クールでありながら、悩みのある人に、外側から見える景色を見せてくれ、悩みが縮小すること確実。

    文庫本サイズは、どんな場所でも読めて、便利。
    オススメの内容ですよ。

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    2019年07月17日
  • 〈おんな〉の思想

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    生きた思想、生きた言葉がここにはある。
    とりわけ前半の日本の女性を扱った言葉は、間違いなく血が流れている。温かく、痛みを伴って。
    後半の海外の理論家の紹介は、切れ味抜群だ。

    ・富岡多恵子『藤の衣に麻の衾』ヒマつぶしとしての人生

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    2019年07月12日
  • 上野先生、勝手に死なれちゃ困ります~僕らの介護不安に答えてください~

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    六十代の上野千鶴子先生と二十代の古市院生の対談。若者らしく正直な答えに、上野先生のすぱっとした質問。介護問題や世代間問題がよく分かる。

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    2018年10月20日
  • 情報生産者になる

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    これからはすべての人がコンテンツの発信者になる時代が来る、となんとなくの確信を感じていたので書名にはげしく反応して即、読みました。しかし、中身はソーシャル時代のCGMみたいな話じゃなくて、しっかりとした研究論文の書き方、いや研究への取り組み方についての熱血指導なのでありました。上野千鶴子による東大大学院上野ゼミの18年間がぎっしり詰まっています。自らが自分の問題意識というか「怒り」をエネルギーに日本に「女性学」という学問分野を切り拓いて来たように、ゼミの学生にも自分事として問いの立てることを叱咤激励し、彼女が40年もの研究生活で掴んできたノウハウを惜しげもなく公開しています。そのベースは川喜田

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    2023年02月07日
  • 女たちのサバイバル作戦

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    ネタバレ

    逃げてよい、は心から同感。世界中どこでもいいから生き延びていってほしい。どんなやり方でもいいから、世界のどこかで、元気でいてほしい。
    ああそう、この人は本当に教育者なんだ。

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    2018年05月01日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    上野千鶴子先生、信田さよ子先生、北原みのり先生が、女性たちが起こした殺人事件を語っている。上野千鶴子先生、信田さよ子先生、北原みのり先生は3人とも話がお上手で思白い。わかるわかるとうなずことばかり。

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    2017年11月23日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    いやぁ~面白い!久々に一気読み。
    やっぱ上野千鶴子好きだぁ~。
    そして北原さんにちょっと嫉妬。
    いいなぁ~。直にこんな突っ込んだ話が出来て。
    でも、その為には性に突っ込んだ生き方をしなきゃなんないのね。
    私みたいに性がダメな人は上野さんが好きだけど出会えないのだ。

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    2016年09月21日
  • サヨナラ、学校化社会

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    生涯学習論を学んだ人間にとって、イリッチの「学校化社会」、ブルデューの「階級の再生産」、そして「ヒドゥンカリキュラム」など、本書で取り上げられる数々の生涯教育哲学とも呼べる言説たちは耳障りがよい。
    それに加え、上野先生の現場から得た知見、研究から培ってきた独自の考え方が織り成され、本書は教育学関連でも類を見ないバイブルとなったことは言うまでもない。

    奇しくも本書が刊行されたのは2002年4月1日であり、私自身が大学に入学した日ではないか。しかし、何故か本書を学生時代一度も読むことはなかった(研究室にもあったのに)。理由は定かではないが、大学卒業から10年が経とうとする今のタイミングで読めたこ

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    2015年09月13日
  • おひとりさまの老後

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    おひとりさまでも、老後は生きていけるという応援本のように感じた。
    少子高齢化や、核家族化、非婚化を嘆くのではなくそのことを受け入れて対応していく建設的な姿勢を感じた

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    2015年05月24日
  • 女は後半からがおもしろい

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    女性が大学生くらいに読むと将来のキャリアの参考になって丁度良いと思います。
    もう少し早くよみたかったです。

    ニッチを狙うと良い。確かに。

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    2015年02月15日
  • 結婚帝国

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    結婚というのは「ロマンスの果ての天国」ではなく、
    単なる「生活基盤構築のための制度」なのだなと。結婚に対する私の実感を、うまく言葉にしてくれた本。結婚生活の中にときめきはほぼないけれど、一人の生活では得られなかった安定感・安心感・家庭としての経済力が確かにある。これでよいのだなと。

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    2015年01月22日
  • 女たちのサバイバル作戦

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    女性の労働環境に関して、1985年の男女雇用機会均等法の制定から現在に至るまでを俯瞰できる良書。

    「女性は本当に戦っているんだな」と第三者的な視点で読んでいること自体が、著者に批判されそうであるが、これが素直な感想である。著者が言うことろの男の得意技である、否認、逃避、嗜癖そのものかもしれない。

    第二次安部内閣が高市氏、山谷氏を登用したことにより、女性の登用が増えたと思っていたのだが、その登用した人物がフェミニストから見ればもんだいでああるらしい。

    私も含めた、企業の体質を変え得る管理職の皆さんに是非読んでもらいたい。今まで無かったことにしてきたことをもう一度取り組む最後のチャンスかも知

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    2014年11月02日