上野千鶴子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える
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Posted by ブクログ
NHK 100分de名著 2021年7月はボーヴォワール「老い」を上野千鶴子が指南しています。
「そう言えば、上野千鶴子の著作は、これ一冊持っていたはず。」と、
初版1982年発行のカッパサイエンス版を読み返しました。
岩波現代文庫に収録されていることは、今検索して、初めて知りました。
僕が読んだのは、1986年4月1日発行の第9刷り。穢れを知らない(^_^)十代での初読でした。
カバーの袖の山口昌男と栗本慎一郎による紹介文を読むと、本書は「衝撃的」な内容だそうです。
僕にとっては、全く衝撃的ではありませんでした。
どこが衝撃的なのか、ワカリマセンでした。
なるほど、広告のポスターでの男女の -
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在宅ひとり死を望むが認知症への不安も
自身の人生を心配して購入
ひとりで死ぬまで暮らす覚悟はあるつもりだが
認知症になってしまっては
それができなくなるのではないのか
そんな不安があったが
結論を言うとできそうだということだった
それがさまざまなデータを使って実証されている
あくまでも認知症になるかは
予防に関わらず確率論であり
認知症に安心してなれる社会についても
書いてある
読後の感想は介護の世界も少しずつ
よくなっているようだということだ。
介護保険制度が発足した当初は
赤の他人が介護をすることに
世間の抵抗があったらしいが
今はそんな意見は私の周りでは
全く聞かない。
老 -
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上野千鶴子が好きなんだけど、上野さんが認める女性は私とは違う、と勝手に劣等感を抱いていた。あと、フェミニズムって怖そうとか(笑)
でもこれを読んで、上野さんの目指すものが少し理解できた気がする。それがとても優しく自由なものであることが。
「フェミニズムの基本のきは、女らしさ/男らしさに縛られたくない、自由に生きたいってこと」p177
「弱者が強者になりたい思想じゃない、弱者が弱者のまま尊重されることを求める思想」p178
女性学、ジェンダー研究など新たな学問を切り拓いてきた上野さんが説く、その自由で柔軟な思想は、今世界が直面している困難にも考え方のヒントをくれそう。
「予測不可能な世界に -
購入済み
やはりそうか。在宅死に決めた!
現在67歳。ここ3、4年最後はどこで終わるのが良いかとずっと考えていた。結果、訪問看護や訪問介護を受け、最後は病院で死ねば良いと考える様になっていた。が、この本を読んで、在宅死に決めた。自由や金銭において懸念されていた事が払拭されたからだ。
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学問の自由は私たちの生活とも関係している。学問をすることが自由なのもあるが、学問はそれ自体国の権力から自由で独立したものでなくては、また再び、戦争に使われる可能性がある。過去の過ちを繰り返さないという学者の決意から生まれた学術会議の経緯を知っていれば、今回の件は学者集団にとって、赤信号であるとともに、私たちの身にも危険が近づいていることを示している。
さまざまな学会から声明が出され、報道を賑わせたが、最近また忘れられそうになっている気がしてならない。しかし、このことは決して忘れてはならない。
個人的には内田樹さんの部分が、自分が薄々感じていたことをはっきりと明文化して提示されたようで戦慄が走っ -
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アウトプットの方法をきちんと学んだ事がなかったので、タイトルに惹かれて手に取った。
文系の研究や論文を舐めていた部分もあったが、反省。目から鱗だった。論理の整合性や概念の定義、自分の考え・他人の考えの差別化、問いへの答えになっているか等々、、上野ゼミは大変そうだが、こんなに鍛えられて羨ましい、とも思った。こんなに自分の知識を惜しみなく与え、全力で育てようとしてくれる教育者にはなかなか出会えない。
この本を読んで印象に残ったのは、「問い」を立てること、批判的検討、情報の分析。
・問いを立てる
情報はノイズから生まれる。当たり前のことも、知らないことも、ノイズにはならない。当たり前を当たり前にし