上野千鶴子のレビュー一覧
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ネタバレ第一波から第四派までのフェミニズムの展開、女性学の誕生とジェンダー研究への転換が時系列でコンパクトにまとめられていてとても良かった。第二派世代で女性学の創成期から中心にいた著者独自の見方も随所に反映されていて、単なる概説書ではない。
一例を挙げれば、上野はジェンダー研究が女性学から出てきたことを強調し、男性研究者には男性性の解明に取り組めという。ジェンダー研究とはあくまで女と男、それぞれの当事者研究なのである。その点、竹村和子の『フェミニズム 』とはだいぶ趣が異なる。こちらも近く再読したい。
もう一つ勉強になったのは、「ケアとは非暴力を学ぶ実践」であるという捉え方。ケアする側とされる側は非対称な権力関係にあり、する側は常にそれを濫用する誘惑にさらされている。したがって、それを抑制することを通して、非暴力を学ぶ実践がケアなのだという。 -
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言葉がきつくて疲れるけど、とても平易で読みやすい文章で書いてくれているので、どんどんページを捲っていけます。
男女雇用機会均等法の歴史、介護保険の歴史はとても分かりやすかった。
男性に合わせたテイラーメイドの法律が男女雇用機会均等法。確かに男性側の働き方も変えることを考えないのか…はあるよねぇ…。結局日本人は働きすぎなんだよね。それに女性も合わせて、かつ、共働きまでしたらどうやって子どもを育てるのか、、。
介護保険は核家族化や少子化に伴って、直接的に子から親じゃなくて世代間の仕送りになってるというのが確かにそうだよなと思った。40代から取られるの嫌だななんて思っていたけれど…。
また、おひとりさまの老後も悪くないと提唱されているのは興味深かった。私も1人にするのは可哀想だと思っていた。別著も読んでみたい。
本を読みながら東大の入学式のスピーチも読んだ。「ジェンダー研究というのは、弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」と語っておられ意外に感じた。フェミニストって、もっと女性も強くならないとみたいな印象だったから、そういう考え方もあるんだーとずっと身近に感じた。
とはいえ、全体を通して、頑張ってきた人の強いメッセージという感が出ていて混乱した。それこそ、頑張れる恵まれた環境にいる人の言葉だなというか。
例えば、「基本は自分が何をしたいか。そう言うと「わからない」と言う人もいますが、人間を何十年もやってきて、今さら何を言っているんだろうと思います。」や「子どもを自分が生きる理由にするな」、「物わかりがいい女でいたいというのは、葛藤を避けたいということです。「人生をなめんなよ」と思います。他人から見て価値あるわたしでありたいと思うのは、承認を第三者に依存しているからです。自己承認を他人に依存するな、自分の価値くらい自分でつくれよ、と思います。」など。
でもこれらに対してびっくり?混乱?はするものの、自分的には反発はなく結構そうだよな、と腑には落ちた。みんながみんなそうは思わんやろうとはやっぱり思うのだけど。
最終的に思うのはやっぱり、格差の下側の人たちが分断されていることが1番良くないのかなと思う。これが意図的に作られた分断なのかそうでないのかは分からないけれど、対抗勢力としてあまりに弱い。ベルバラ→ナポレオンの読後なので、「革命軍も一枚岩じゃなかったもんなぁ」なんて思ってしまいます。
ジェーンスーも言ってたけど、ロスジェネのオジサンたちとは対立じゃなくて共闘しないといけないんだよね。
もっと学ばねばだなぁ。 -
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さらっと一読。最後の、色川先生についての文章が秀逸。
週刊誌の騒ぎように対して、自分から見える心の景色を、おそらく言葉を厳選して表現している。これが彼女なりの闘い方なのだろう。
上野千鶴子が実は結婚していた、世間を裏切った、という週刊誌の騒ぎ立てに対して、いろいろ説明もできたはずだ。介護や相続の手続きで籍を入れていたほうが便利だったのだ、とか。そうすると、週刊誌と同じ土俵に立ってしまうから、それに応戦されてめんどくさいことになる可能性がある。
そうではなく、自分はただ自分の人生を生きている、好きなものを楽しんでいる、と淡々と語ることで、だれも反対しようがなく、相手の戦意を喪失させる。暗に、ほっといてくれよと言っている声が聞こえるよう。
上質な大人の対応、肝の座ったふるまいに、戦い続けてきた学者の成熟の極みをみた思い。
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コロナ禍がもたらした静謐のもとで、四季の移ろいをじっくり体感しながら色川さんに寄り添う日々は至福だった。 -
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男女雇用機会均等法、1期生。
40年を経た今、1985年が
「女性の分断元年」
であったという記述に、やっぱり、と感じた。
分断され、利害が一致しない。
「紳士服仕立て」の服を着て、わきまえながらも上り詰めた人たちが、子どもがいてもいなくても、どんなバトンを次世代に渡せるか
自分はもう非正規だけど、しっかり見つめ続けたい。
中学校の教科書に!
何故、学ぶのか、漫画を読むだけではダメなのか
を知るために。
(「道徳」より響く。家庭が具体例の宝庫だから。)
東京都写真美術館のミュージアムショップで、大切にカバーをかけられて置かれていなければ、手に取る機会がなかったかもしれない1冊。
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▼「女ぎらい」という上野さんの本を読んでいて。そういえば、この本を前に買って読んでなかったなあ、と思い出して。こっちを先に読みました。
▼フェミニズム入門、ということでいうとこっちのほうが読みやすいですね。ただ一方でフェミニズムというのが、「弱者が弱者のままで尊厳のある生き方ができるという理想」だとするならば、そんなに構えなくてもいいのでしょうが。
▼単純に、割と身近な?上野さんの時代や、その親の時代、つまり日本の近代以降の女性の具体的な生きづらさ、経済など、切れば血が出る具体的な「不利益の歴史」みたいなものが口語的に語られるのが非常に分かりやすかった。
▼やっぱりこっちが男性なせいか、そういうのって、ついつい意識の外で見逃してしまっていたんだなあと改めて。「男はつらいよ」とか言ってる場合ぢゃないですね(笑)。おもしろい本でした。 -
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「おひとりさまの老後」を以前読んだ。
この本は、かつて世の中の波に揉まれ理不尽な思いをしたすべての女性におすすめ。
自分が仕事をしていた時代のセクハラ、パワハラ、色々なイヤな事を思い出してしまった。
嫁が介護をするのが当たり前の時代を送った。
今問題になっている、「103万円の壁」もその頃の社会情勢がこの本でよく説明されている。
昨日のニュースでの女性検事の受けた性被害と言い、結局は世の中はいつまでたっても男中心のままだと実感する。
著者のような世の中を動かせるほどの力を持った女性がどんどん出てきてほしいが、まずは、教育の現場から変えなければいけない気がする。 -
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ネタバレ初めての上野千鶴子さんの対談本。
田房永子さんは漫画で知っていたので、ちょっと身近な感じがして、手にとれた。
以前、世界からみたフェミニズムについての本を読んでもいまいちピンとこなかったのは、私が日本の近代史を知らなかったからだと思った。世界の潮流と日本の潮流は、会うときは会い、離れているときは離れている。
日本の、次の世代につながらないフェミニズムの構図は教育のせいだと思った。
「自分の中にあるミソジニーと闘い続けてきた人をフェミニストと呼ぶのよ。」という上野千鶴子さんの言葉で、私はフェミニストではなかったと気づいた。
ただの女尊男卑。
ミソジニー 「男にとっては『女性蔑視』、女にとっては『自己嫌悪』」
私は自己嫌悪とは仲良しなほうだと思うけれど、そこまで徹底してできているかと言われるとできていない。
フェミニストがカッコいいなと思った。
この本で知った、エマ・ワトソンさんのHe For Sheも見て、フェミニズムの行き着くところは、弱者が弱者のままで存在意義のある状態へ、そしてそれは男性的であらねばと強がっている男性たちを救えることでもあるのだと、心底感心した。 -
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赤いスカートなびかせて、女は叫ぶ というところだろうか、この表紙。
来年で結婚40年の私は、妻とはとことん話し合い、、といえばかっこいいが、
喧嘩、口論、言い合いをしてきた。少しは女性、母親の立場を理解していたつもり
だった。
しかし上野さんのこの本を読んで、頭をぶん殴られた気がした。
男女雇用機会均等法が悪法とは思いもしなかった。
1988年、男女が同じ立場で新入社員として入社してきたときは、
時代が変わった、と喜んでいた。
この法律が、今まで女性が勝ち取ってきた女の権利を奪うものとは知らなかった。
NHK朝ドラ「虎に翼」の寅子は別格だろうが、それでも思い整理に苦しむ場面が
あった。生理休暇があったかどうかはわからないが、伏せっていた。
雇用機会均等法は「同じ条件なら同じ雇用をしてやるよ」という、女性性の否定から
入っていた。
しらなんだ。
現に今、男と同等に活躍している女性は、いろんな意味で女を捨ててる。
総合職と一般職に分断させられてる。
なんてこった。
上野さんは東大で教えながら、偏差値エリート男子を冷静に見ている。
何でも優秀な自分は女性にもてないはずがない、と、振られる自分が信じられない。
その思い込みがストーカーに変質し、女子学生が学校に来れなくなるという。
思い込み男子が初めて現実に触れるのは就活時、採用されないのだ、そういう男は。
そこで自分を知ればいいが、なまじ成績だけで官僚になった連中は挫折を知らず、
勘違いしたまま権力を握る。いや、握らせた覚えはないが、そう思い込む。
そして世間知らずな法律を作り、こちらも無知な世襲議員がそれを議決する。
悲劇だ。
子どもを一人産み、残業と飲み会(これをしないと出世しない)で協力しない
出来ない夫に呆れ、二人目を諦める女性。
社会が少子化を生んでいる。
それに気づかねば。
世の中を変えねば。
序章
1 仕事
2 結婚
3 教育
4 老後
終章 これからのフェミニズム