上野千鶴子のレビュー一覧

  • 情報生産者になる

    Posted by ブクログ

    付箋を付けながら、唸りながら読んだ。書き手の発信者責任の話や、研究の進め方、質的研究について、今の自分に響く内容だった。私は地方大学の修士課程を出た身であり、全く知らない内容のオンパレードだったわけではないが、上野先生の冷静かつ熱い筆致に叱咤激励される、そんな読後感であった。読んでよかった。

    0
    2025年05月18日
  • フェミニズムがひらいた道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第一波から第四派までのフェミニズムの展開、女性学の誕生とジェンダー研究への転換が時系列でコンパクトにまとめられていてとても良かった。第二派世代で女性学の創成期から中心にいた著者独自の見方も随所に反映されていて、単なる概説書ではない。
    一例を挙げれば、上野はジェンダー研究が女性学から出てきたことを強調し、男性研究者には男性性の解明に取り組めという。ジェンダー研究とはあくまで女と男、それぞれの当事者研究なのである。その点、竹村和子の『フェミニズム 』とはだいぶ趣が異なる。こちらも近く再読したい。
    もう一つ勉強になったのは、「ケアとは非暴力を学ぶ実践」であるという捉え方。ケアする側とされる側は非対称な権力関係にあり、する側は常にそれを濫用する誘惑にさらされている。したがって、それを抑制することを通して、非暴力を学ぶ実践がケアなのだという。

    0
    2025年05月14日
  • フェミニズムがひらいた道

    Posted by ブクログ

    2時間で読める(我が国の)フェミニズム入門。非常にスッキリとまとまっており、世界と日本のフェミニズムの違いや流れなどが分かる。特に第二波フェミニズム(リブ)が社会運動の内側にあった性差別から生まれたことは忘れてはいけないだろう。最後に東大での祝辞を元にフェミニズムがケアの問題とからみ、弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想であると、多様性の尊重に進む考えとなっているまとめが圧巻であった。

    0
    2025年04月29日
  • 女の子はどう生きるか 教えて,上野先生!

    Posted by ブクログ

    東大入学式での上野先生の祝辞を読み、目からウロコが落ちた50代です。
    自分自身が、女性として、社会の中で苦労してきたにも関わらず、娘に対して呪いをかけてきたことに気づかせてもらいました。
    10代にむけて書かれた本ですが、大人にもぜひ読んで欲しい本です。
    クソバイス(^^)ほんと、よく聞きますねー。

    0
    2025年04月13日
  • 女ぎらい ニッポンのミソジニー

    Posted by ブクログ

    要は「男が欲しいのは女ではなく、他の男からの賞賛。同性である男に認められるための手段として女が欲しい。」ってこと。

    となると、私のために争わないで〜という歌、あれはよもや、「私」のために争っているのではなく、私(客体)を介した男(主体)たちの争いなのかもね。


    女性である自分の中に、「女性らしさに対する嫌悪や蔑視の感情」が沸く理由を知りたくて読んだけど、この本はアンチ男性の視点を持って書かれているため、答えは見つからなかった。

    0
    2025年04月18日
  • こんな世の中に誰がした?~ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために~

    Posted by ブクログ

    言葉がきつくて疲れるけど、とても平易で読みやすい文章で書いてくれているので、どんどんページを捲っていけます。

    男女雇用機会均等法の歴史、介護保険の歴史はとても分かりやすかった。
    男性に合わせたテイラーメイドの法律が男女雇用機会均等法。確かに男性側の働き方も変えることを考えないのか…はあるよねぇ…。結局日本人は働きすぎなんだよね。それに女性も合わせて、かつ、共働きまでしたらどうやって子どもを育てるのか、、。
    介護保険は核家族化や少子化に伴って、直接的に子から親じゃなくて世代間の仕送りになってるというのが確かにそうだよなと思った。40代から取られるの嫌だななんて思っていたけれど…。
    また、おひとりさまの老後も悪くないと提唱されているのは興味深かった。私も1人にするのは可哀想だと思っていた。別著も読んでみたい。

    本を読みながら東大の入学式のスピーチも読んだ。「ジェンダー研究というのは、弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」と語っておられ意外に感じた。フェミニストって、もっと女性も強くならないとみたいな印象だったから、そういう考え方もあるんだーとずっと身近に感じた。
    とはいえ、全体を通して、頑張ってきた人の強いメッセージという感が出ていて混乱した。それこそ、頑張れる恵まれた環境にいる人の言葉だなというか。

    例えば、「基本は自分が何をしたいか。そう言うと「わからない」と言う人もいますが、人間を何十年もやってきて、今さら何を言っているんだろうと思います。」や「子どもを自分が生きる理由にするな」、「物わかりがいい女でいたいというのは、葛藤を避けたいということです。「人生をなめんなよ」と思います。他人から見て価値あるわたしでありたいと思うのは、承認を第三者に依存しているからです。自己承認を他人に依存するな、自分の価値くらい自分でつくれよ、と思います。」など。

    でもこれらに対してびっくり?混乱?はするものの、自分的には反発はなく結構そうだよな、と腑には落ちた。みんながみんなそうは思わんやろうとはやっぱり思うのだけど。

    最終的に思うのはやっぱり、格差の下側の人たちが分断されていることが1番良くないのかなと思う。これが意図的に作られた分断なのかそうでないのかは分からないけれど、対抗勢力としてあまりに弱い。ベルバラ→ナポレオンの読後なので、「革命軍も一枚岩じゃなかったもんなぁ」なんて思ってしまいます。
    ジェーンスーも言ってたけど、ロスジェネのオジサンたちとは対立じゃなくて共闘しないといけないんだよね。

    もっと学ばねばだなぁ。

    0
    2025年03月28日
  • 八ヶ岳南麓から

    Posted by ブクログ

    さらっと一読。最後の、色川先生についての文章が秀逸。

    週刊誌の騒ぎように対して、自分から見える心の景色を、おそらく言葉を厳選して表現している。これが彼女なりの闘い方なのだろう。

    上野千鶴子が実は結婚していた、世間を裏切った、という週刊誌の騒ぎ立てに対して、いろいろ説明もできたはずだ。介護や相続の手続きで籍を入れていたほうが便利だったのだ、とか。そうすると、週刊誌と同じ土俵に立ってしまうから、それに応戦されてめんどくさいことになる可能性がある。

    そうではなく、自分はただ自分の人生を生きている、好きなものを楽しんでいる、と淡々と語ることで、だれも反対しようがなく、相手の戦意を喪失させる。暗に、ほっといてくれよと言っている声が聞こえるよう。

    上質な大人の対応、肝の座ったふるまいに、戦い続けてきた学者の成熟の極みをみた思い。

    ——
    コロナ禍がもたらした静謐のもとで、四季の移ろいをじっくり体感しながら色川さんに寄り添う日々は至福だった。

    0
    2025年02月21日
  • 当事者主権 増補新版

    Posted by ブクログ

    社会に「適応」できていると自らを位置付け、他者を差別することで安心する病的な現代は、当事者として現状をとらえる力を失っている。これまでの社会的弱者とされてきた人たちの連携と運動に学ぶことは多い。

    0
    2025年02月17日
  • 家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近代的自我の確立を学ぶには女性解放を学ばねばならないと考え購入した。
    目次を見るだけでワクワクするが、本書を学ぶには相当の時間を要し、ノートを取りながら行う必要が有る様に思える。これからが大変である。

    0
    2025年02月17日
  • マイナーノートで

    Posted by ブクログ

    最高。こんな先輩、友人がいたらなあと思いつつ…本を通して知り合えたからそれで十分。同じ時代に生きててうれしい。上野さん好きにはとてもとてもたのしい本。

    0
    2025年01月07日
  • フェミニズムがひらいた道

    Posted by ブクログ

    男女雇用機会均等法、1期生。
    40年を経た今、1985年が
    「女性の分断元年」
    であったという記述に、やっぱり、と感じた。
    分断され、利害が一致しない。

    「紳士服仕立て」の服を着て、わきまえながらも上り詰めた人たちが、子どもがいてもいなくても、どんなバトンを次世代に渡せるか
    自分はもう非正規だけど、しっかり見つめ続けたい。

    中学校の教科書に!
    何故、学ぶのか、漫画を読むだけではダメなのか
    を知るために。
    (「道徳」より響く。家庭が具体例の宝庫だから。)

    東京都写真美術館のミュージアムショップで、大切にカバーをかけられて置かれていなければ、手に取る機会がなかったかもしれない1冊。

    0
    2025年01月05日
  • 家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか(集英社シリーズ・コモン)

    Posted by ブクログ

    家父長制のはじまりなど考えた事がなかったので純粋に面白かった。また、私自身の知識に偏りがあるのだと思い知らされた。家母長制があったり、スパルタ国の女性がイキイキと活動していたり。宗教もその時代の統治者によって都合よく変更されたり┅とすると天皇制を男系を主張する人達もなにやら

    0
    2024年12月31日
  • 上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

    Posted by ブクログ

    ▼「女ぎらい」という上野さんの本を読んでいて。そういえば、この本を前に買って読んでなかったなあ、と思い出して。こっちを先に読みました。

    ▼フェミニズム入門、ということでいうとこっちのほうが読みやすいですね。ただ一方でフェミニズムというのが、「弱者が弱者のままで尊厳のある生き方ができるという理想」だとするならば、そんなに構えなくてもいいのでしょうが。

    ▼単純に、割と身近な?上野さんの時代や、その親の時代、つまり日本の近代以降の女性の具体的な生きづらさ、経済など、切れば血が出る具体的な「不利益の歴史」みたいなものが口語的に語られるのが非常に分かりやすかった。

    ▼やっぱりこっちが男性なせいか、そういうのって、ついつい意識の外で見逃してしまっていたんだなあと改めて。「男はつらいよ」とか言ってる場合ぢゃないですね(笑)。おもしろい本でした。

    0
    2024年12月27日
  • こんな世の中に誰がした?~ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために~

    Posted by ブクログ

    「おひとりさまの老後」を以前読んだ。

    この本は、かつて世の中の波に揉まれ理不尽な思いをしたすべての女性におすすめ。
    自分が仕事をしていた時代のセクハラ、パワハラ、色々なイヤな事を思い出してしまった。
    嫁が介護をするのが当たり前の時代を送った。

    今問題になっている、「103万円の壁」もその頃の社会情勢がこの本でよく説明されている。

    昨日のニュースでの女性検事の受けた性被害と言い、結局は世の中はいつまでたっても男中心のままだと実感する。

    著者のような世の中を動かせるほどの力を持った女性がどんどん出てきてほしいが、まずは、教育の現場から変えなければいけない気がする。

    0
    2024年12月17日
  • 家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平

    Posted by ブクログ

    上野千鶴子は預言者か‼️
    1990年に書かれた本とは思えない。今、現在の事を書いてある。少子化を通りこして若者が結婚しなくなっているし、外国人労働者の問題も起こっている。
    今こそ家事労働に賃金を出しましょう

    0
    2024年12月06日
  • しがらみを捨ててこれからを楽しむ 人生のやめどき

    Posted by ブクログ

    タイトルの通り、高齢女性の生き方が対談方式で書かれてあります。
    上野さんと樋口恵子さんの16才差のコンビ。おふたりの軽快な話しぶりにすらすらと読み進むことができました。

    高齢になると体もそんなに変わっていくものなんだとビックリ。老後は老後で日常の取捨選択があるのだなぁと、知らない世界を知ることができました。

    0
    2024年11月19日
  • 上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初めての上野千鶴子さんの対談本。
    田房永子さんは漫画で知っていたので、ちょっと身近な感じがして、手にとれた。

    以前、世界からみたフェミニズムについての本を読んでもいまいちピンとこなかったのは、私が日本の近代史を知らなかったからだと思った。世界の潮流と日本の潮流は、会うときは会い、離れているときは離れている。
    日本の、次の世代につながらないフェミニズムの構図は教育のせいだと思った。

    「自分の中にあるミソジニーと闘い続けてきた人をフェミニストと呼ぶのよ。」という上野千鶴子さんの言葉で、私はフェミニストではなかったと気づいた。
    ただの女尊男卑。

    ミソジニー 「男にとっては『女性蔑視』、女にとっては『自己嫌悪』」
    私は自己嫌悪とは仲良しなほうだと思うけれど、そこまで徹底してできているかと言われるとできていない。
    フェミニストがカッコいいなと思った。

    この本で知った、エマ・ワトソンさんのHe For Sheも見て、フェミニズムの行き着くところは、弱者が弱者のままで存在意義のある状態へ、そしてそれは男性的であらねばと強がっている男性たちを救えることでもあるのだと、心底感心した。

    0
    2024年09月11日
  • こんな世の中に誰がした?~ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために~

    Posted by ブクログ

    赤いスカートなびかせて、女は叫ぶ というところだろうか、この表紙。
    来年で結婚40年の私は、妻とはとことん話し合い、、といえばかっこいいが、
    喧嘩、口論、言い合いをしてきた。少しは女性、母親の立場を理解していたつもり
    だった。
    しかし上野さんのこの本を読んで、頭をぶん殴られた気がした。
    男女雇用機会均等法が悪法とは思いもしなかった。
    1988年、男女が同じ立場で新入社員として入社してきたときは、
    時代が変わった、と喜んでいた。
    この法律が、今まで女性が勝ち取ってきた女の権利を奪うものとは知らなかった。
    NHK朝ドラ「虎に翼」の寅子は別格だろうが、それでも思い整理に苦しむ場面が
    あった。生理休暇があったかどうかはわからないが、伏せっていた。
    雇用機会均等法は「同じ条件なら同じ雇用をしてやるよ」という、女性性の否定から
    入っていた。
    しらなんだ。
    現に今、男と同等に活躍している女性は、いろんな意味で女を捨ててる。
    総合職と一般職に分断させられてる。
    なんてこった。

    上野さんは東大で教えながら、偏差値エリート男子を冷静に見ている。
    何でも優秀な自分は女性にもてないはずがない、と、振られる自分が信じられない。
    その思い込みがストーカーに変質し、女子学生が学校に来れなくなるという。
    思い込み男子が初めて現実に触れるのは就活時、採用されないのだ、そういう男は。
    そこで自分を知ればいいが、なまじ成績だけで官僚になった連中は挫折を知らず、
    勘違いしたまま権力を握る。いや、握らせた覚えはないが、そう思い込む。
    そして世間知らずな法律を作り、こちらも無知な世襲議員がそれを議決する。
    悲劇だ。

    子どもを一人産み、残業と飲み会(これをしないと出世しない)で協力しない
    出来ない夫に呆れ、二人目を諦める女性。
    社会が少子化を生んでいる。
    それに気づかねば。
    世の中を変えねば。

    序章
    1 仕事
    2 結婚
    3 教育
    4 老後
    終章 これからのフェミニズム

    0
    2024年09月07日
  • 女ぎらい ニッポンのミソジニー

    Posted by ブクログ

    星五つでは足りない。
    最近は「おひとり様」系での露出が多い上野先生。少しとっつき難いおばさん的に見ていた私の先入観は大幅に間違っていた。
    見ず嫌い、聞かず嫌い、読み嫌い。

    博学で論理的。読ませる文章にも長けている。そして他者への厳しさと優しさ。
    家父長制は簡単には変わらないだろうけれど、それが何であるかを解明し、ミソジニー、ホモソーシャル、ホモフォビアの視線から見た思想に感激した。
    もっと上野先生の本を読みたくなりました。

    0
    2024年08月11日
  • 往復書簡 限界から始まる

    Posted by ブクログ

    最近のフェミニズムはどんな感じなんだろうと、軽い気持ちで読み始めたら、内容がとても濃く、自分自身も女性だから翻弄されていたことを意識させられたり、傷ついて虚勢を張っていた部分をボロボロと剥がされるような感覚があったり、読んでいて胸が抉られ、苦しくなるところがかなりあった。私も母親に苦しめられたこともあったけど、最後まで読んだら、苦しんだかわりに身に付いたこともあったと気がついて、心を整理することができました。

    0
    2024年07月27日