上野千鶴子のレビュー一覧
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最近流行らない「左」な視点から今の社会を語った本。
そして、団塊ジュニアから団塊へ、フラットに質問をするスタイルで、自由とは、弱者とは、幸せとは、を語っています。
年代的には、母親と、こども。
でも、著者のお二人は、血縁関係も、師弟関係もない、ただその「世代」の一人。
親子の甘えを取り払った冷静な視点から、お互いの生きた時代と立場、考え方を振り返ることができます。
上野先生の分析はいつも鋭いのですが、なぜか、小林よしのりさんの著書につての視点は、やや曇っているようにも感じます。小林さんは、社会運動をする学生を「純粋まっすぐ正義くん」と揶揄したわけではなく、社会問題に運動で一矢報いたあと、運 -
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上野千鶴子の初めての著書という価値から岩波現代文庫に収められたのだろう。もともとはカッパブックスとして世に出たもの。広告類を中心に実例を挙げて社会の男の見せ方、女の見方を紹介し、多様性のないステレオタイプが蔓延していることを訴える。こういうのって、同性への視点と異性への視点とかあると思うけど、上野さんが書いていたように男は女を観賞物や性的対象としての目線で見るのに対して、女もまた女を見るときは男目線になっているというのはなるほど。もっといかがわしい広告とかも対象にしていれば、現代との違いが感じられたかもしれないけど、化粧品の広告とかメジャー雑誌の記事とかマスものではあまりそういう感じもしない。
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3人の人となり思想がとりあえずは分かりやすい本なので作家達に興味がある人は手っ取り早いです。上野千鶴子の本だけ読んだことがなかったのですが想像通りの人でした。
読書後ネットで、お顔を拝見しましたが、これまた想像通りの人でした。現在は悠々自適?世間一般以上に裕福な暮らしをされていると思いますが庶民、平等、フェミニズムなどのイデオロギーを振りかざす感じですね。
あとがきで北原みのりが上野千鶴子に対して皮肉めいた事を書いていますが直接いっていただきたかったです。コワィのかな?言ったところで平行線になるだろうしね。
ウーマンリブなど、さまざまな時代を経てきたことや勿論、正論なのだろうけど、思春期や女と -
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話題になった『おひとりさまの老後』に続き、男性に焦点を当てた本作。自分もまさにこの道に足を踏み入れているしと思って読んでみた。書いてあることに目からウロコというようなことは特になし。足を踏み入れている自分としては、実行まではしていないもののそうなる覚悟はしていることばかりという印象。
それもそのはず。「男おひとりさま」と一口にいっても上野さんによれば、①死別シングル、②離別シングル、③非婚シングルの3類型があるとか。それぞれ傾向と対策は違うし、個別性もあるだろうから、この本もマニュアルとしてまったく信じてしまってはいけない。あくまで参考程度に。いろいろ書いてあるけど、自分としては「覚悟だよね」 -
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ネタバレ自著解題より
セックス音ハードルはたしかに下がった。女性に性欲があることは当然視されるようになったし、女性が快楽を求めることにもスティグマはなくなった。女性があからさまにセックスやマスターベーションを口にすることへのタブーも、なくなりはしないが、確実に少なくなった。結婚の前にも後にも外にも、女性がセックスを求めることに社会的な制裁はいちじるしく減少した。そうでなかった時代のことを思うと、隔世の感がある。だが、それはほんとうに女性にとって「性解放」だったのだろうか?
その反面、ジェンダーの非対称性がおどろくほど変わっていないことにも驚く。避妊の知識と技術が普及したのに、無知からではなく遠慮からパ -