上野千鶴子のレビュー一覧
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上野千鶴子さんの本。
本人が内面の生産性の枯渇から逃れるため、50代から意図的に専門分野を介護領域にシフトした、と語っている(P72〜73)通り、読者としても読んで一番面白かったのは「Part4老後」でした。(他のPartは、「仕事」「結婚」「(子どもの)教育」)
介護保険施行後23年が経過する中で、今では「独居の高齢者の在宅看取り」ができるようになった(P174)ということを初めて知りました。
介護保険に守られているのは親世代だけではない、というのは、その通りだと思います。
次の世代にどうバトンを渡すのか、、、そういうことを漠然とであれ考える世代にいつのまにか自分も到達してるんだなーーーー -
Posted by ブクログ
ー 男たちがつくった土俵では、深夜残業や休日のゴルフ、転勤は当然のこととしてこなさないと一人前と見なされません。女は、そんな土俵に上ることは難しい。男たちが免れている家事や育児など家庭責任を背負っているからです。男たちが家庭を顧みることなく働き続けることができたのは、家に主婦がいたからこそ。男並みの競争ルールのもとでは、女性はハンディ付きの競争を強いられます。これは女性にとって敗北が運命づけられた競争でした。
この一文!まさに日本社会の現状を見事に表していて、まだまだ変わる気配がない。「女性活躍」という欺瞞を抉り出す内容だ。付け加えるなら、これと接待だろうか。人間関係がビジネスに必要なのは、 -
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Posted by ブクログ
【全体の所感】
対話形式で、わかりやすくかつ自然に時系列に沿って、社会の動きやフェミニズムの歴史について学べる。フェミニズムの歴史や知識に留まらず、男女・親子関係、社会における物事の捉え方に新たな学びが得られたし、とても読み応えのある一冊。
上野さんの、男性社会や現代人そのものに対する不満は正直過激。発言内容はもちろん、言葉遣いにいわゆる「配慮」もないので(「エリート女」「股開く」「」などなど)強すぎる印象もある。上野さん自身が既婚男性とも付き合ってきた経験(つまり不倫相手だった)があって、それを少し得意気に?話す部分は悪印象。フェミニズム云々ではなく、人間としてかっこよくなさすぎる。
社 -
Posted by ブクログ
上野千鶴子が今まで書いてこなかった、マイナー部分を開示しているエッセイ。
知りたくないか、知りたいか。
私は知りたかったか、知らなくてよかったか?
ナイーブな部分は誰にでもある。敢えてそういうところを見せてこなかった上野千鶴子さんの生き方、というか、方法論によって、私たちはずいぶん元気付けられた。
上野さんが実はやさしくてかなり情の深い人だというのは、鈴木涼美との往復書簡を読むとよくわかる。
だから、マイナー部分を開示するなら、かなりウエットなものになるのはわかってはいたが。
いつまでも上野千鶴子はアグレッシブな「上野千鶴子」様でいて欲しいのかも。
わがままなファン心理である笑 -
Posted by ブクログ
弱者と呼ばれる人たちは本人の努力が足りなかっただけなのか?社会的に成功してる人たちは本人の努力だけでその地位についたのか?生まれ育った環境が大きく影響してるんじゃないのか?困ってる人たちを自業自得だって切り捨てていいのか?子ども達に生きやすい世の中を手渡したくない?って内容でした。多分。
中学の時、学年に何人か中学卒業して就職する子がいた。高校行きたくないの?って聞いてみたら、「親に高校なんか行ってどうするんだ。とっとと働いて家に金入れろ。って言われてる。」って言っててビックリしたのを覚えてる。
大多数が高校に行く世の中で少数派の中卒を選ぶ事も、15歳で就職して一人前になる事も、怖くない