上野千鶴子のレビュー一覧
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わたしの言葉なんかより、上野先生のお言葉を。
P75
現代のヒモには、家事貢献が求められる
昔のヒモは、女に貢がせた金で遊んで歩いてたわけですよ。家事なんかしない。今はね、ヒモだけをやっているわけにはいかず、ちゃんと家事をやってサポートしないといけない。
P77
友だちとカップルの違い
若い子に質問されたんですよ、「男女がいて、別居していて、たまに会って、ご飯食べて、セックスする。その関係を何て呼ぶんですか」って。で、わたしは、「それは仲のよいお友だちと呼ぶんです」と答えました。会ってないときにまで、相手の身体の性的使用に関して権利が発生すると思ったときに、カップルをか、恋人とか、夫婦などという観念が生じる。
P96
愛よりも理解がほしかった
母親は娘に「おまえを愛している」と言うが、それは娘には「不条理」と聞こえる―お母さん、わたしはあなたから愛よりも理解がほしかったのよ。
P97
母娘対決のタイミングを逃すな
私は、18歳で家を出て、できるだけ親元に寄りつかなかったの。私が43歳のときに母は乳がんで亡くなった。介護もしたけど、すでに母は弱者になっていたから追い詰められない。対決の機会を逃しました。だから若い娘たちに言いたいのは、親とちゃんとした大人の関係を作るためには、母が強者のうちに対決しなさいということね。
P102
子育てと介護は、非暴力を実践する場
「いっそベランダから投げ落とそうか」という気持ちを一度も持たずに子どもを育てる母親なんていないはずなんです。~そういう関係の中で嗜虐性や暴力性を抑え、自分の力を使わないでいる経験を積むことについて、「ケアは非暴力を学ぶ実践」と、私は言っています。自分の嗜虐性と暴力性をどう抑制するのかは経験と学習です。その経験の場を男から奪うなと思います。
P106
時間を一緒につぶしてくれるのが家族
時間を一緒につぶしてくれるのに、いちばん安直な相手は家族である。子どもたちは、自分の人生の時間を、20年間ばかりわくわくどきどきさせてつぶしてくれた相手だと思って、それ以上の期待をせずに感謝して送りだそう。
P116
相手にすべてを求めない
一緒にいて気分のいい相手。しょっちゅう会いたい相手、ときどき会いたい相手、たまに会いたい相手、困った時に助けてもらいたい相手、助けてあげたい相手、気になる相手、気にかけてくれる相手…が、多様に自分の身のまわりをとりかこんでいればよいのだ。それをセーフティネットともいう。
P145
娼婦性も、母性も、売るのは一緒
女が自分の女らしさを売り物にするしか、この社会のなかで自分の労働というものを認めさせていくことができないとするなら、娼婦性を売るのが悪くて、母性を売るのがいいなんていえない。 -
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『海外旅行とか車が欲しいとか、欲はないのか?』
『会社でのし上がっていこうとか思わないの?』
今の生活に満足して、まったりとした日々を送る息子をみていて、いつも不思議に思っていました。
若者よ、それで良いのか?!と。
この本を読んだところによると、これからの世の中は、どうやらそれで良いらしい。。。
何かにつけうっかりバブル世代の癖が出てしまう私や、バカの一つ覚えのように『原発再始動』『景気上昇』しか考えてない財界の偉い人達の方が
これからの世の中の形をちゃんと理解できていないんだろうな。
『幸せだから政治運動なんてしない』という古市君に、
『もしそうだとしたら、そのまま文句言わずに滅びていただくしかないですよ』と答える上野先生(笑)
お世辞も建前もない二人の本音の会話が
本当に面白くこれからの生き方を考えるのに大いに役に立ってくれそうです。 -
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『おひとりさまの老後』(文春文庫)や『ケアの社会学』(太田出版)で、老いや看護の問題について論じた上野千鶴子に、当時まだ大学院生だった古市憲寿がみずからの抱えている不安をぶつけるかたちではじまる、対談形式の本です。
近年はすっかり炎上芸でおなじみになった古市ですが、本書ではピエロの役回りを演じて、上野の鋭い洞察を次々に引き出しており、さすがだとうならされました。
漠然と感じていた将来への不安を、一つひとつていねいに腑分けし、具体的な問題へと帰着させられていくので、どこか心が軽くなるような読後感をおぼえます。また、若い世代が日本の社会に希望をもつことができるための道筋まで提示されており、明るく締めくくられていることにも、好印象をいだきました。 -
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自分の老後について考えるのは、気持ちのよいものではない。
なぜか「自分は大丈夫」と漠然と考えているのではないだろうか?
本書は、そんな甘い考えに、ガツンと食らわせる。
豊富なエピソードもあり、自分の親に対してどう接するか、
自分と妻、娘の老後について考えさせられる。
自分はどこで死ぬのだろう?
基本的に上から目線なので、文体が嫌いという人も多いだろうなと思う。
[more]
(目次)
はじめに
第1章 男がひとりになるとき
増えている男おひとりさま
死別、別離、非婚、さてあなたは?
死別シングル
60代から増えはじめる“番狂わせ”
別離シングル
そしてだれもいなくなった
「愛ある離婚」はなぜむずかしい
非婚シングル
親が元気なうちはよいけれど……
タイプ別に老後をシュミレーション
死別シングル・ヨーヘイさんの場合
別離シングル・コージさんの場合
非婚シングル・キヨシさんの場合
男性に「おひとりさま耐性」はあるか
男が介護を引き受けるとき
増えている男性の家族介護者
夫に介護される妻は幸せか
強まる妻への支配力
老老介護がひきおこす悲劇
セックスは封印?
「奥さまはそりゃお幸せでしょうけど」
夫婦の情は性愛とはべつ
息子の介護
他人の嫁より、実の息子
男は介護ができない?
シングルの息子と同居するリスク
妻に先立たれるとき
叶わなかった母の願い
息子に弱音は吐けない
雨戸を閉めてひきこもりの日々
生き抜いた妻に恥じないように
女の方が立ち直りは早い
妻の死を認められないだだっ子
“命綱”を失った喪失感
妻の一周忌が過ぎたあたりから……
この先、「おふたりさま」になる可能性は?
男性の多くは「再婚したい」
増えている父子家庭
シングルパパは草食系?
オス負け犬ですが、それがなにか?
第2章 下り坂を降りるスキル
人生のピークを過ぎたとき
上りより、下りの方がスキルがいる
楽観的な親世代、不安感の強い子世代
男の定年、女の定年
女の定年は男より早い
早すぎる余生の効果
老いを拒否する思想
人生が300年なら?
寝たきり期間は平均8.5ヶ月
弱さの情報公開
老いるとは、弱者になること
定年後にソフトランディングする
人生には3つの定年がある
熟年ベンチャーのススメ
夫婦にも定年がある
生きいきと暮らすシングルの先輩たち
釣りキチのノブオさんの場合
少年野球チームの監督、シローさんの場合
共通点は出世していないこと
職場や家庭ではない、第三の居場所づくり
居場所づくりは女に学べ
人生の危機を支えるネットワーク
大企業の「おちこぼれ組」対策とは?
奥さまは取締役
銭湯でも「役職名」で呼び合う男たち
男の友情はまさかのときの役に立つか?
パワーゲームはもう卒業
アタマの中は、いまでも「社長」
女は群れるが、男同士はつるまない
「おひとり力」をつける
自然は最良の友
おひとりさまの至福を感じるとき
ひとりでいてもさみしくない場所
同行二人のひとり遍路
「おひとり力」検定一級
第3章 よい介護はカネで買えるか?
男おひとりさまのふところ事情
「2階建て年金」のリッチ層はごく一部
カネはあれど不安な老後
在宅介護は妻が不可欠?
ワンマンな父親はめんどうな患者
第三者が介入しにくい夫婦間介護
妻の管理下に置かれる夫
過去のうらみつらみが老後の仕返しに
「お父さん、悪いけど施設に行ってね」
いくらあれば施設に入れるか
個室のおネダンは?
料金に差はあっても、ケアに差はつけない
サービスの質を測る尺度とは?
「安心」はいくらあれば買えるのか?
個室か、雑居部屋か
ちょうどいい他人との距離は?
和室か、洋室か
ケア付き住宅はおすすめか
サービスをくらべて選べるシステム
小規模多機能型のリスク
密室化する施設介護への不安
在宅単身介護は可能か
デイケアはだれのため?
持ち家をバリアフリーに改装
介護保険はおひとりさまが有利?
第4章 ひとりで暮らせるか
男は自立しているか
自立の3点セットとは
母から妻へ、受けつがれるパンツの歴史
家事能力はある?
「食」のライフラインを確保する
コンビニは、おひとりさまのつよーい味方
配食サービスを利用する
進化する高齢者向け中食メニュー
コンビニ第2世代の誕生
カネ持ちより、人持ち
ふたたび「つがい」になるのは考えもの
再婚というショック療法の結果は?
わたしが再婚をすすめない理由
無二の親友もやがては先立つ
“ユル友”ネットワークをつくる
友人は人間関係の上級編
愛がなくても「家族ゲーム」はできる
友人と知人を使い分ける
気の合う仲間を探すには?
女縁に男性がひとりで参加するとき
選択縁タブー集「男の七戒」
ヨロイをぬいだおつきあい
ありあまる時間をどうつぶすか
時間をつぶす相手はいる?
人間は人恋しい生きもの
子育ては最高のヒマつぶし
「別居おひとりさま」という選択も
一緒に旅行に行きたい相手は?
男性に多い「学校縁」
ヒマつぶしの達人たち
俳句にクラシック音楽、一生勉強の教養派
スキーにカヌー、三世代続くアウトドア派
趣味を共有できなかったた夫婦
初期投資が高いと、安いコストで楽しめる
高学歴者の“地域デビュー”はむずかしい
年齢に関係ないヒマつぶしのノウハウを
男おひとりさまの生きる道
ススムさん73歳の「男おひとりさま10ヶ条」
女ばかりの劇団でひっぱりだこ
芸名は「カルメンおしん」
海外ひとり旅がやみつきに
無力な自分を体験できるチャンス
男おひとりさま道10ヶ条
第5章 ひとりで死ねるか
生の延長線上にある死
家で最期を迎えるための条件
生涯現役をはばむ「病」という障害
がんの余命宣告を受けたとき
死にいたるまでの時間と覚悟
在宅看とりを支えるひとたち
生協「オレンジコープ」の取り組み
高まる歯科医療のニーズ
どんなあばら屋でも自宅がいちばん
家族という“抵抗勢力”
入院を決めるのはだれ?
死ぬのに医者はいらない
ドクターのひとことで家族関係が修復
日本在宅医学界の大胆な試み
医療も介護も地域格差が大きい
介護保険を「おひとりさま仕様」に
最期に貯蓄をどう使うか
ケアサービスにカネを惜しむな
和解のススメ
意地を通せば悔いが残る
思い残しなく生きるために
あとがき -
Posted by ブクログ
上野千鶴子がいかにしてフェミニズム界のスターになったのかがよくわかる。これだけ鮮やかかつ明晰に理論を展開できる手腕はすごい。
30年も前の本なので、今ではさらに研究が蓄積され、理論的にも実証的にこれを乗り越える研究がいくつもされているのだと思う。とはいうものの、ここで指摘されている家父長制的な男性のあり様に対する批判は、今でも全然通用する。というか、外形的には大きく変わっているように見えて、その実、このメカニズムは完全に温存されているし、それに乗っかった男性の意識も変わっていないように思う。
なにしろ「そして父になる」みたいな作品が感動作として平気で成立・流通している世の中だから、まだまだ先は長い。 -
Posted by ブクログ
新聞連載を愛読している。面白さでは岡田斗司夫氏と双璧かな。「天下の朝日新聞でこんな単語(チ○チ○とか)が堂々と使えるとはいい時代になった」というような意味のことが何回か書かれていて、確かにそうだなあと思う。
上野先生と言えば、その鋭い舌鋒であちらを斬り、こちらをバッサリ、というイメージだが(ま、実際そうなんだが)、「こういうことが達成できたことはすばらしい」というようなことも折に触れて発言されている。この人生相談でも、かつての悩みとの違いによく言及されていて、なるほどなあと思うことが多かった。特に女性の生き方について、古い規範を内面化した相談がほぼなくなっているように思う。確実に世の中は変わっている。遅々とした歩みではあるけれど。そしてまた、新たな悩みや苦しみもあるわけだけど。
ウンウンとうなずいてしまう指摘が随所にある。
「親の幸福より自分の幸福が大事。そう、自分のエゴイズムに向きあい、それを肯定するのが生きる覚悟というものです」
老親との葛藤を訴える女性へのことばであるが、ほんと、その通りだと思った。
新聞に載ったとき、何回も読み返し、切り抜いてとってある回がある。自分と同年代の女性が、娘さん(ウチの娘と同年代)の人生について相談したもの。
「親業のゴールは、子どもからある日、『もうあなたは要らない』と言ってもらうこと」
我が家の子どもは二人とも、下宿して大学生活を送り、そのまま遠方で社会人となり一人暮らしをしている。学生時代にはしてやれることがまだあったが、今やなーんにもない。引っ越しの手伝いもいらないと言われ、結構(かなり、とっても、すごく)寂しい気がしたのだが、上野先生にそれで良かったのだと言ってもらっているような気がした。 -
Posted by ブクログ
月に一度くらいのペースで新聞に載る、上野千鶴子先生の人生相談。毎度毎度「うーん、なるほど」とか「これは厳しい!」とか言いながら愛読している。こうやってまとめて読むと、より色合いがはっきりして、ご本人もおっしゃっているが「芸」だなあと思う。
上野先生の「芸風」の特徴は、何と言ってもズバッとしたもの言いにあるわけだが、身もふたもない正しさなので、軟弱でいい加減な私など「それはそうなんだけど、なかなかそうはできないのよねえ」と思うことも結構ある。それでも、時々はその厳しい言葉にわが身を振り返るのも必要かなと思ったりして。
何と言っても「家族・身内」についての相談が多い。家族って喜びの元でもあり、悩みや苦しみの元でもあるのだなあとつくづく思う。私としてはやはり、第2章「母が重たい」が一番刺さった。自分も自覚のないままに「重い母」になっているのでは?と考え込んでしまう。次の一文が一番心に残った。
「いずれ娘さんも、あなたから学んで、あなたとはまた別の人生を歩むでしょう。その娘を祝福してあげることができたら、あなたはよい親だったことになります」 -
Posted by ブクログ
前半は、なんとも噛み合わない。お互いに理解しようとしているんだけど、根本のところでは理解し合えていないと感じてしまった。
団塊の世代の上野さんは、偉そうな同世代の男性を批判し、嫌悪してるけど、雨宮さんに対して上から目線で偉そうなところが垣間見えてしまうと感じた。そして、結局は「謝るしかない」って、ごめんなさいで済まないんだよ〜ってモヤモヤした。
上野さんと雨宮さんは、団塊と団塊ジュニアではあるけれど、お互いの階層も違うので、それで少し噛み合わないところもあったのかもしれない。
言葉が通じない、の壁を超えなきゃならないんだと思う。最後の章は、お互い同じ明るい方を向いているようなお話だったのでよかった。やっぱり政治なんだよね。お金の使い方が日々、決められているんだもの。地方政治も若くて、真摯な人がたくさん入ってくれるといいなと思う。自治体の首長なんて、面白くてたまらないと思う。
知らないこともたくさんあり、特に上野さんの語るフェミニズムの話、最後の章に出て来た日本会議の話などはもっと知りたいと思った。