上野千鶴子のレビュー一覧
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試し読み
Posted by ブクログ
この本が最初に世に出たのは1998年であるが、今読んでも古いと感じないのは、状況がほとんど変わっていない(むしろ、悪くなっている)からだろう。
個人的には、最後に収録されている「アジア女性基金の歴史的総括のために」を非常に興味深く読んだ。
私も、国民基金(正式名称は「女性のためのアジア平和国民基金」)に対しては、あくまでも国家補償ではないこと、被害者や支援者の間に分裂を生んだことなどから、批判的な気持ちを持っていたが、「あのとき国民基金をつくらなければ、その後つくる可能性は非常に低かっただろう」という指摘にはハッとさせられた。確かに全くそうであろう。
この本の帯には「『慰安婦』問題は終わらない -
Posted by ブクログ
上野さん,ほんとに男が嫌いなんだな.悪意がある.女性が幸せに生きるためには,男がしっかりしてほしい,そのためにびしびし言う.だからこそ本書は女性と生きていかねばならない男性にはまたとない実用書となっている.
私は女性異性愛者だけでなく,男性同性愛者の友人がいる.他にも社会的な弱者とのつながりもある.これも自分がうつ病であること,弱さの情報公開をしているからだろう.たしかに男はたいがいイヤなやつだ.女性とおなじくらいに.
本書が強調した,弱さの情報公開を適度に,適時に行える人は確かに万事うまくいくような気がするのは私の実感でもある.
ひとりで死ねる,という記述は大変に心強く感じた. -
Posted by ブクログ
ネタバレ案の定、あらゆる意味で「昭和」な本。
無理もない。本書が初めて世に出たのは1982年。男女雇用機会均等法が成立する4年も前、テレビの中では女性たちがあられもない姿でバカ殿様に弄ばれ(それもゴールデンタイムに)、世間では「アイドルはトイレに行かないしオナラもしない」という神話がまことしやかに囁かれ(トイレにも行くしオナラもする一般女性にはハタ迷惑な神話だったはずだ)、挙句に「据え膳食わぬは男の恥」と誰もが当たり前のように公言して憚らなかった、そんな時代だった。
だから上野が「女はつらいよ、それに比べて男は…」と手を変え品を変えて主張してても、文化の型を「女っぽい」とか「男っぽい」などと性 -
Posted by ブクログ
副題~マルクス主義フェミニズムの地平
フェミニズムとマルクス? 一体どこでどうつながるのか?
婦人解放(時代を感じる言葉です)思想の歴史をみると、社会主義婦人解放論は女性解放を社会主義革命に還元し、ラディカル・フェミニズムは性革命を再重要視する。歴史的に女性は男性に支配されてきた、との両者の説だが、それを階級支配というなら、それをマルクス主義は「資本制」と名付け、フェミニストは「近代家父長制」と名付けた。
それに続く思想として、新マルクス主義フェミニズムが現れ、それは上記2つの論を統合したものである。近代社会の中で女性は「資本制」と「家父長制」の二重の抑圧を受けているというのだ。
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Posted by ブクログ
1982年カッパブックス刊。相互行為論というのを研究しているアメリカのアーヴィング・ゴフマン(1922-82)の書いたgennder advertisements という1976に書かれた本をもとに日本版応用編を書いたもの。「性からみた広告」という訳でいいのか? 1980年に刊行されたマスメディアに登場する商業広告ー「アンアン」「ノンノ」「モア」「ミセス」「プレイボーイ」「ポパイ」等に載ったものを対象にしている。広告にみられるポーズ・行動を通してそのメッセージを読むというもの。
広告からは男女の「らしさ」ごっこが伝わり、その演じ合いは対等ではなく、女は演技者で男は観客で現実社会の力関係を現し