上野千鶴子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
こんな世の中にしてごめんなさいと言わなくてすむ社会を手渡したい
心にとめておきたい言葉。
愛されるっていうのは大事にされるっていう事だと思う。大事にされるっていうことはリスペクトされるっていうこと。女は自分をリスペクトしない男を選ばない。男性もリスペクトできる女を選ぶこと。
自分の時間とエネルギーにはかぎりがあるから、やりたいことに優先順位をつけなきゃいけない。
欲張らない、欲を出さない。小さい目標を立てて、それをひとつひとつクリアしていく達成感。
いまは育児や家事と仕事との両立、のちのちには介護と仕事との両立を考えなければならないとぼんやり思っていた。両立を考えなければならないのはいつも -
Posted by ブクログ
数年前、上野千鶴子さんの東大入学式での祝辞に、ものすごく衝撃を受けました。
私自身、女であることを嫌だと思ったことはないけれど、女であることによる不自由や不利益を感じたことも多々あった中で、上野さんの祝辞から発せられるメッセージが心に残っており、たまたま見つけたこの本も手に取ってみました。(東大入学式祝辞もこの本に全文掲載されています)
この本は10代の女の子向けに書かれているものですが、女であるが故に感じてきた、様々な場面でのモヤモヤした思いを晴らしてもらった気がします。
女は女のままで、弱者は弱者のままで、自分の思いのままに、安心・安全に生きていけるようにすることが大事なのだという一貫した -
Posted by ブクログ
ネタバレ上野先生の名前は昔から知っていて賛否両論あったので、ウキウキしながら読んだ。
色々と、目からうろこなこともあったけれど、特に印象に残ったのが、「源氏物語などの古典テキストを読んでいて、知っているから」「恋愛を恋愛と認識出来る」というのと同じぐらい、セクハラやDVという単語が輸入されたから、私たちはセクハラをセクハラと認識出来る、角度を変えると洗脳されていると言う問題。
言われてみれば、何を持って恋愛とするのか、前例がなければ、私たちには恋愛が自覚出来ない=恋愛出来ない、していてもしたと認められないという問題だった。
では何をして恋愛とするのかというと、本の中では源氏物語とかから始まる古典テキス -
Posted by ブクログ
ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
Posted by ブクログ
講演形式なので、ポイント毎に整理され、とてもわかりやすい。
上野千鶴子の膨大な著書と知識が一冊で見通せる。上野千鶴子って、かなり昔からケア労働の問題に注目していたのだな。フェミニズムの文脈からケア労働に繋がるのは当然かもしれないが、コロナ禍でようやく世の中がケア労働について論じ始め、上野千鶴子に追いついたということだ。
保守派のオジサンが不払い労働論に対して悪ノリして「主婦は価値ある仕事をおやりです」と言ったことにたいして、「価値ある仕事」ならあんたがやれよといってのけるのは気持ちいい。
このきっぷの良さがやはり上野千鶴子。バッシンクもあるだろうが、それに負けてない姿勢を見せることが、大事だ -
Posted by ブクログ
私淑している上野千鶴子氏の最新刊を発見して購入した。この本は複数人のゲストとの対談形式となっており読みやすい。「在宅ひとり死のすすめ」が少しアップデートされている。
彼女のいう「在宅ひとり死」は誰でもできるようなものではない気がした。かなりの社交性と財力を必要とするものだろう。また、田舎で達成できるかどうかも怪しい。とはいえ、老後への不安が読むにつれクリアになり、安心した。
彼女の最近の研究テーマは認知症の在宅ひとり死だそうだ。私もこれにはかなり関心がある。というのは、ひとり暮らしの前提は健全な判断力を有することだからだ。今回彼女はこのことにも触れ、少しではあるがその方法について触れている。 -
Posted by ブクログ
一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
Posted by ブクログ
孤独死という言葉が世間に知れ渡っている現代。
上野さんは常々「孤独」と「単独」の違いを解いていらっしゃる。
単独…お一人様が生き生きと生き抜ける世の中に変わらなければいけない、そう心から思いました。
人との接点を減らそうとする若者がいる中、一人で暮らし一人で認知症と共に老いていく人が居ても普通よね。
そのための知識や知恵、関わり方や工夫、そんなことを考えさせられました。
介護保険についても触れていらっしゃるあたりは、払っているくせに何処か他人事だったと思う私。
人工透析中止の事件は考えさせられるもので、死の決定権は自分で持ちたいそう思ってきた私も、選択肢の狭さを招いてると納得のものでした。