上野千鶴子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。
娘であったり、息子の嫁であったり。
それがいまや、配偶者による介護だったり、
息子による介護だったりというのが、増えているようですね。
とくに息子介護については、
一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という
現代人の在り様の傾向が影響していて、
さらに、就職難や、介護が理解されない社会構造なども
その背景としてあるような状態。
本書ではその解決については述べられませんが、
現状分析としては、なかなかに的を突いたものになっているように
読み受けました。
なにせ、ぼく自身が息子介護とは言わないまでも(主介護者が親父だか -
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Posted by ブクログ
上野千鶴子のエッセイをまとめて読むのは『ミッドナイトコール』以来だと思う。
攻撃的挑発的な上野節は影を潜め、読んでいて心地がいい「B面のわたし」のエッセイ。(個人的には『ひとりの午後に』よりも『B面のわたし』の方がグッとくるものがある)
結婚、老い、上野千鶴子の個人史等、「プライベートは切り売りしない」はずの上野千鶴子が素直に語ってるのは、あとがきにも出てくる担当編集者だからこそ、なせた業なんだろうな。
(連載媒体が「おしゃれ工房」ということで、雑誌の読者を意識した上野さんのサービス精神の発揮とも考えられるけれど、それをも見通したその編集者に会いたくなってしまった、小湊雅彦さんと仰有るそう -
Posted by ブクログ
息子介護はブラックホール。解説で上野千鶴子は指摘する。介護、をめぐるシチュエーションは息子介護に限らず、100人いれば100通りのそれがある。しかしそれにしたってブラックホールなのが息子介護なのだ。
理由はなんとなく、感覚としてわかる。それこそ「もう一つの男性学」ではないけれど、日本の男という生き物を考えたときに、そうなるよね、という確かな感覚がある。が、ゆえにこの本に価値があり、意味があると思う。
介護の専門家ではない著者だからこそ、の、単なる事例集でもなく、公約数探しでもなく、みんなにやってくるそのときを、それぞれに考えさせる本。
上野先生、勝手にしなれちゃ困ります、とセットがいいんでな -
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