有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2月22日は猫の日ということで読んでみた。これまでアンソロジーはあまり手に取ることはなかったけれど、普段読まない作家さんの作品に触れることができてよかった。
1作品あたりのページ数も少なく、隙間時間で読むことができる。
【最も好きな作品】
柚月裕子さん「泣く猫」
17年会っていない母が猫に自分と同じ名前をつけていたことを知ったときの真紀の気持ちを想うとともに、母はどのような想いでマキと呼んでいたのだろうかと思う。
マキの登場が真紀の感情を引き出し、自覚させるきっかけになったのではないか。
【最も印象に残ったフレーズ】
北村薫さん「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」
「本の読み方にひとつ -
Posted by ブクログ
心霊探偵・濱地健三郎の事件簿。
苦しむ夫の枕元に立つ女はー「見知らぬ女」
俺の犯罪など露見するわけないー「黒々とした孔」
隣家はお化け屋敷か?ー「気味の悪い家」
恋人たちにさした影はー「あの日を境に」
目撃者があるのにアリバイがあるー「分身とアリバイ」
霧氷館の怪異ー「霧氷館の亡霊」
ふと立ち寄った過去の事件現場ー「不安な寄り道」
事件簿と言いながら7本のホラーファンタジー短編集。
ただただ有栖センセのきれいな文章に乗せられて流されればいいと思います。
本格ミステリではないので、手掛かりがどうとかではなく「へぇー」ってなる類のもの。
個人的にホラーファンタジーであって推理ものではないと思って -
ネタバレ 購入済み
小浜って重文たくさんあるし、八百比丘尼伝説もあるのに行ったことないなぁと、アリスに倣って少し調べながら歴史ミステリー要素にわくわくしてた私も、赤星氏に翻弄された一人というわけか。あっちこっち飛び回る二人についていくのに必死で、完全に見落としてたなぁ。
トリックであったはずの「海のある奈良」が最終的に小浜に行き着いて、お水送りの話が活きてくるのはお見事。火村とアリスのじゃれあいも何となく勢いがあって楽しかった。穴吹と霧野の間に何があったのかは分からないけど、それがいいのかも。火村先生の秘密は気になるけどね! -
ネタバレ 購入済み
罪と罰の話が面白かった。全ての殺人者はこの世で裁いてやるのが慈悲というのと、あの世はないから犯罪者は人間の手で裁かれるべきというのは似てるようで違う気がする。裁かれる者と裁く者…いや罪人を許す者と許せない者の差か。越えてはならない境界線上を歩きながら、彼はずっと夢を見るのだろうか。