有栖川有栖のレビュー一覧
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猫にもいろいろ居るように。
アリス目当てで珍しく猫短編集など読んでみたけれど(『猫は見ていた』に収録のエア・キャットを他で読んで気に入ったのもある)、猫好きにもいろいろ居ますなぁ。
にしても短編というのはどうにも、良いところも悪いところもはっきり出ちゃうよね。いまいちかなぁと思っていた作家さんのはやはりいまいちだし、反対に思わぬ出会いもあったりで、まぁほんとに肌が合うかどうかなんだけど…
そうねぇ。結局のところキャラクタ、或いは物語そのものにさえ、生命性を感じてしまうタイプなのよね。極端に云うなら作家の仕事は、生まれてきた物語を伸びやかに世に放ってあげるブリーダー的なも -
Posted by ブクログ
ネタバレ幽霊が存在することをベースにしつつ、事件のトリックは超常現象と一線を画して本格ミステリとして成立させているところが、さすがの有栖川さん。探偵役の濱地氏はホラー短編集の「赤い月~」で二度に渡って登場しているとのことでしたが、何分記憶が古すぎて全く覚えていない……どんな話だったか読み返したくなりますね。
ミステリの新しい切り口として楽しくは読めましたが、トリックや推理アプローチ、探偵役&助手役のやり取りなど、やはり火村シリーズほどのキレ味の良さはなく、なんとなく物足りない印象も。
そもそも読者を恐怖させようとは意図されていないのでしょうが、怖がりの私でも全く怖いとは思わないので、ホラーものと -
Posted by ブクログ
どんでん返しがあるお話は好みだし、自薦というのも気になったので楽しみに読んだ。
□綾辻行人「再生」
おっとそうだったの?という面白さ。この後どうなったんだろうと想像すると、怖いんだけどちょっとニヤニヤしてしまう。
□有栖川有栖「書く機械 ライティング・マシン」
読みやすかったけれど、どんでん返しっぷりはそうでもなかったかな。
□西澤保彦「アリバイ・ジ・アンビバレンス」
この作品も難しい名字がいろいろ出てきたなー。谷谷谷谷(たにかべやつや)とか刀根館(とねだち)とか。
ほとんど会話の中での推理だけで動機を導き出せるのすごい。なるほどなーと思える結末だった。
□貫井徳郎「蝶番の問題」
手記 -
Posted by ブクログ
「お前は、悪夢の中で誰を殺す?」
ホラー作家の家に招かれた有栖は殺人事件に遭遇する。不可解な様相を示していた女性の死体を捜査中に、容疑者だった男性が遺体となって発見され…
有栖川有栖著の火村シリーズの長編。
火村先生は相変わらずの愛車に跨り、白いジャケットで事件現場に登場。
火村も有栖もいつもと変わらないなと思いつつ、今まではあまり追求していなかった「火村の悪夢」について言及するのが新鮮でした。
さて、「なぜ死体がああいう風になっていたか」はロジカルに説明されます。
殺人に至る動機なども、不可解な点はありません。逆に、物語を俯瞰して眺められる読者からしたら「それしかないよね」というほど