有栖川有栖のレビュー一覧
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綾辻行人、有栖川有栖、西澤保彦、貫井徳郎、法月綸太郎、東川篤哉『自薦 THE どんでん返し』双葉文庫。
6人の作家による6編収録のミステリー・アンソロジー。このアンソロジーが刊行された時に6人の作家のうち貫井徳郎以外の5人は余り読まない作家だったので、敢えて購入しなかったということを覚えている。古本屋の100円本ならと手に取ってみた。
綾辻行人、有栖川有栖、法月綸太郎の短編がまあまあ面白かった。
綾辻行人『再生』。ホラー短編。微かに記憶があると思ったら『眼球綺譚』に収録されていた1編。首の無い状態で揺り椅子に座る若い女性を目の前にして、ひたすらあることが起きるのを待ち続ける主人公。そうい -
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4つの短編集。それぞれ本格推理で楽しめる作品である。二番煎じ感は否めないが、有栖川有栖らしい作品である。
あるYの悲劇:有栖川有栖の小説を書き始めた理由が垣間見える。ダイイングメッセージもの。想像しやすい。
女彫刻家の首:題名通り首の無い死体の謎、なぜ首が無いのか?動機と機会と共に明らかにされていく。火村が神に対していった言葉が印象深い。この点は奥行きが深く考えさせられた。
シャイロックの密室:火村視点ではない作品。題名通り密室だ。シャイロックはベニスの商人に出てくる金貸しの名前で、職業は合致する。犯人の視点で新鮮だった。
スイス時計の謎:2年に一度の同窓会で事件は起こる。社会思想研究 -
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国名シリーズ8作目らしい。中編3作、短篇の推理合戦の4作品。題名はこじつけでない事を願いつつ、なぜこの表題にしたのかを意識しながら読んでいく。
助教授の身代金:助教授といっても火村ではない。真犯人の動機が解決を遅らせる。普段何気ない言動を記憶している火村、それが解決へと誘う。
ABCキラー:アガサのABC殺人事件を倣っているのだろうか?警察に届いた手紙を書いた者、殺人犯、被害者が複数入り乱れ、より複雑になっている。そこが読み応えがある。
モロッコ水晶の謎:表題作、やはりこじつけか?例えとしてモロッコの路地が迷路のようで、推理の行き詰まりを表現しているというのは無理がある。水晶もモロッコ産 -
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