有栖川有栖のレビュー一覧
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短編集。
「教授の身代金」
1話目から猛烈に面白かった。
「教授」が誘拐された。そして、殺害された。
容疑者は少ないのに、全員にアリバイがある。
誰が犯人なのか、全く想像がつかなかった。
相変わらずの火村助教授の冴えわたる推理が素晴らしい!
そして、どのような思考の過程からその結論に辿り着いたのか、説明を聞いて、なるほど!と唸らされた。
なにげないエピソードの中に、ちゃんと伏線が散りばめられていたのだな…。
これまで見たこともない物語で、とても楽しめた。
「ABCキラー」
アガサクリスティのABC殺人事件を彷彿とさせる。同じ結末のはずはないから、どんなオリジナルストーリーなんだろう…と読み進めていくと、なるほど、新しい発想だと思った。やはりストーリーがよく考えられていて楽しめた。
「推理合戦」
10ページにも満たないちょっとしたコバナシ。
「モロッコ水晶の謎」
水晶占いモノ。登場人物の人間模様やストーリーは、まあまあ楽しめたが、肝心の毒殺の方法や犯人に辿り着くまでの火村助教授の推理については、少しガッカリ感があった。この短編集の目玉商品にするには、少し力不足かな。「教授の身代金」や「ABCキラー」の方が私は好きかな。 -
Posted by ブクログ
「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説『朱色の研究』を読みました。
『虹果て村の秘密』、『孤島パズル』に続き「有栖川有栖」の作品です。
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過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖する依頼者が推理作家「有栖川」と犯罪社会学者「火村」を訪れた
“2年前の未解決殺人事件を再調査してほしい”臨床犯罪学者「火村英生」が、過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子「貴島朱美」から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった――。
さっそく「火村」は友人で推理作家の「有栖川有栖」とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、「火村」宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った……。
現代の「ホームズ」&「ワトソン」が解き明かす本格ミステリの金字塔。
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探偵役である臨床犯罪学者「火村英生」と、「ワトソン」役の推理作家「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家「アリス」シリーズの長篇5作目にあたる作品… 名探偵「シャーロック・ホームズ」シリーズ第1弾『緋色の研究(原題: A Study in Scarlet)』を意識したタイトルのようですね。
■プロローグ――夕景
■第一章 幽霊マンション
■第二章 疑惑の男
■第三章 二つの灯
■第四章 枯木灘を望む家
■第五章 朱色の悪夢
■終章 遠い太陽
■エピローグ――落日
■あとがき
■文庫版あとがき
■解説 朱色の研究者たちあるいは『本格推理の悲しみ』について 飛鳥部勝則
臨床犯罪学者「火村英生」は教え子の「貴島朱美」から、2年前の未解決殺人事件について捜査依頼を受けた… 2年前の6月末、被害者である「大野夕雨子」は周参見の別荘近くの浜辺で、後頭部を鈍器で殴殺された状態で発見された、、、
被害者と恋人関係にあった「山内陽平」が疑われたが、物的証拠がない上に、アリバイが成立したことで迷宮入り… 遺体の背後にある高さ5メートルの崖から、大きな石が落とされていた点も捜査を難航させたという。
依頼を受けた「火村」は、当時の事件関係者に事情を聴取しに向かった… その足で友人である推理作家「有栖川有栖」を訪ねた「火村」、、、
翌朝、「アリス」の元へ不審な電話が入る… 「今すぐにオランジェ夕陽丘の806号室に行け、と火村先生に伝えてくれればいい。そうだ、あなたも一緒に行ってもらおう」、、、
そのマンションは前日、「火村」が事情聴取のために訪れた建物である… 訝しがりながらも指定された806号室へ向かった二人は、浴室で絞殺された男性の遺体を発見する。
被害者は2年前の「大野夕雨子」殺しの関係者「山内陽平」だった… 6年前の深夜の放火(殺人?)、2年前の「大野夕雨子」殺し、そして今回の「山内陽平」殺し、、、
3件の事件の真相を、「火村」と「アリス」は紐解いていく……。
それぞれの動機と犯人… 3件の事件がパズルのピースを嵌めるように繋がっていく終盤は一気読みでしたね、、、
事件に至る男女の思惑の微妙なズレは、現実世界でもありそうですね… 2年前の「大野夕雨子」殺しの殺害時間を特定する推理、「山内陽平」殺しのトリックよりも、その目的を明らかにする推理、これが冴えていましたね。
本シリーズは、「有栖川」と「火村」二人のコンビが、丁寧に事件を解決してくれるので、わかりやすくて愉しみやすいですね。 -
Posted by ブクログ
「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説『虹果て村の秘密』を読みました。
先日『ミステリー傑作選・特別編〈5〉自選ショート・ミステリー』に収録されていた「有栖川有栖」のショート・ミステリー『ハードロック・ラバーズ・オンリー』を読んで、久しぶりに「有栖川有栖」の長篇作品を読みたくなったんですよね。
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「夜に虹が出たら人が死ぬ」という村の言い伝え通りに発生した“密室殺人”の謎に少年&少女探偵が挑む!
懐かしくも新しい本格ミステリの逸品。
推理作家になるという夢を持つ12歳の「秀介(しゅうすけ)」は、同級生の「優希(ゆうき)」と虹果て村で夏休みを過ごす。
「夜に虹が出たら人が死ぬ」という村の言い伝え通りに、男性が密室状態の自宅で殺害される。
折しも土砂崩れのため犯人と共に村に閉じこめられた二人は知恵を振り絞り謎に挑む!
本格ミステリの名手による珠玉の推理。
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著者本人の少年時代を投影したジュブナイル・ミステリ… 「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」をコンセプトとした少年少女向けミステリ・シリーズとして刊行された『講談社ミステリーランド』の第2回配本(2003年10月)用に描かれた作品です、、、
とはいえ、大人が読んでも十分に愉しめるクオリティでしたね… 面白かったです。
■第一章 ナスビにゆられて虹の村へ
■第二章 インクの匂う部屋
■第三章 夏空の向こう側
■第四章 ざわめく森
■第五章 不吉な三日月が昇る
■第六章 朝焼けがくるまでに
■第七章 今は一輪のバラを
■わたしが子どもだったころ
■ノベルス版あとがき
■文庫版あとがき
■解説 青柳碧人
ミステリ作家になりたい「秀介」と、刑事になりたい「優希」は、小学六年生… 二人は夏休みに「優希」の母「二宮ミサト」のふるさとである虹果て村へやってくる、、、
「秀介」の憧れのミステリ作家で虹果て村に別荘を持つ「ミサト」からの招待だ… しかし、肝心の「ミサト」は講演で到着が遅れ、「ミサト」のいとこ「明日香」が二人の面倒をみてくれた。
虹にまつわる七つの言い伝えがあるのどかな村では、最近、高速道路建設をめぐって賛成派と反対派の対立が激しくなっていた… 到着早々、二人は高速道路建設に関わる住民たちの争いを目撃する、、、
やがてそれは事件に発展し、高速道路建設反対派の「笹本」が密室状態の自宅で殺されてしまう… 「秀介」と「優希」は、周囲の目をかいくぐり、独自で犯人探しをしようとおとなも驚く知恵をしぼるのだが……。
少年と少女の冒険と謎解き… 夏休みの経験を経て、二人は大人の階段を少しだけ上ります。、、、
ミステリとしても愉しめるけど、二人の成長の物語としても愉しめましたね… ジュブナイル・ミステリということで、コンパクトにまとまり過ぎている印象はある一方で、子どもの頃、ワクワクしながら夢中になって推理小説を読んでいた頃の瑞々しい感覚を思い起こしてくれる作品でもありました。