姜尚中のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい -
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本のタイトルにあるように、日本に今後戦後80年は
くるのかという議題で、現政権を中心に批判する
下記の講義集
内田樹氏ー比較敗戦論
東浩紀-本と新聞と大学は生き残れるか
木村草太-集団的自衛権問題とはなんだったのか
山室信一-戦後が戦前に転じるとき
上野千鶴子-戦後日本の下半身
河村小百合-この国の財政・経済のこれから
姜尚中-総括講演
このなかでも、山室信一氏、上野千鶴子氏、河村小百合氏の
3本がとても興味を引きました。
どれも、日本が破綻し、または戦争の道に進むのでは
ないかという潜在的な恐れを感じる内容です。
支持率は高いですが、本当に今の政権でいいのでしょうか?
他人事ではないような -
Posted by ブクログ
今現在の、世界中の社会に立ち現れた悪意が起こした事件の様相を紐解きながら、悪とはそもそも何か、私たちは悪に対してどう抗って行けるのか、悪に負けないための共生という考え方などを説いています。
新書版であり、エッセンスだけを本書に込めたとのことですが、厚み以上の濃い内容です。
「人は大きな虚無に捕らえられたとき、自分であれ、他人であれ、死への刃を振るいたくなるのでしょうか。」
この一文を読んだ時ぶるっと震えが来ました。
「空っぽ」の中に悪が巣くう。言い得ていると思いました。
これまでの「力」シリーズのように、多くの世界や日本の文学が引用されています。純文学(一部ですが)へのブックガイドとも読め -
Posted by ブクログ
失礼ながら、あまり期待せずに読み始めた。
実際、最初の経済の話題に関する章などは、やはり8年も経ってしまっているので、今から見るとちょっとフィットしないのかな、と思われる部分もあった。
けれども、やはり近隣諸国の反日感情にどう向き合うべきかについての提案や、日本国憲法の価値を論じた、終わりの方の章は、この人らしい、ぶれない軸を感じられた。
たしか、この本が書かれた時期は、姜さんがメディアにたくさん出ていたころだと思う。
まだそれほどメディアに出ないころから、著書を読んだことがあっただけに、当時、ちょっと違和感を感じていた。
ご本人の中で、自分に正直になろう、という転機もあったようだ。
けれど -
Posted by ブクログ
ネタバレ漱石が高等遊民のような一般的にはとても「先生」と呼びがたい人びとに「先生」の呼び名を与えたのは、漱石が生きた明治の時代がリーダー不在の時代で、理想なき若者が増えていくなかで、新しい手本として登場させたという論は面白かった。教師や政治家にではなく、自分が「この人だ」と見込んだ人がすなわち「先生」であるという、「名よりも、実を求める」漱石の気持ちの表れによるものだという説は頷ける。
漱石作品とその時代をリンクさせた年表や、先生の年表などがあるのもありがたい。
先生と呼ばれることの多かった漱石自身、教師としては大変熱心で、若い人を育て導く漱石の一面も再確認することができました。だからこそあれだけの弟 -
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ベストセラーの続編。2012年発行。
2011年の東日本大震災を絡めて、改めて自国に蔓延する憂鬱な状況について、1作目と同じく夏目漱石とマックス・ウェーバーの考え方を参考に語る。なーんちって。
以下、気になった点
○もはや営利活動は、一切のモラルや倫理、意味づけをはぎ取られて、スポーツと同じような競技となって勝者だけが生き残り、幸福の祝杯を飲み干す事ができるのです。
○自意識の突出。
○ホンモノの自分探し、あるいは自己実現のプレッシャーは、いつまでたっても終わることのない悪夢のような堂々めぐりとなって、いまの私たちに重くのしかかっているのです。
○ヤンネ・テラー「人生なんて無意味だ」←読んで