姜尚中のレビュー一覧

  • ナショナリズムの克服

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    民族の無境界化に進んでいるはず
    帝国、宗教、お金

    現代では、帝国に包摂されるはずの民族と宗教は、境界内に保護されてていく方向にある。

    これは民族の無境界化の反動と捉えるべきだ

    経済的には保護主義、政治的には国粋・民族主義の動きは一時的なものと捉えるべきだろう

    実際、世界の最先端(エスタブリッシュ)ではマイノリティだろうがマジョリティだろうが関係無いという。

    そこにナショナリズムやレイシズムは存在しない。

    富の一方的な収奪は資本主義の崩壊を招く。

    富の再分配や格差を解消する方法を考え実行していかなくてはいけない。

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    2019年07月01日
  • 心

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    どう生きるか、死とは何か。

    最初、青年がちょっと面倒な若者だなと思ってしまったのですが、先生が丁寧に対応していくうちに、私も少しずつ親しみを覚えた。
    本当に「真面目」なんだと思う。

    最後に「受け入れる」という先生の言葉に、本当にそうだなと感じた。ただ、若い頃はこの「受け入れる」が難しい。
    苦しいけど、すべてを受け入れて生きていくしかない。

    死と生は半々。
    何となくだけど、納得した。

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    2019年05月19日
  • 心

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    ネタバレ

    著者の身の回りに起こった題材をもとにした小説。
    終盤はいささか青臭い青年の主張だが、震災が絡んでいるだけに真実味がある。
    生きる悲しみ、死ぬ寂しさに迫る。

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    2019年03月15日
  • ナショナリズム

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    「国体」をめぐって展開されてきたさまざまな言説が置かれている、ミクロな権力構造の磁場を解明している本です。

    著者はまず、近代において成立したナショナリズムが、国民国家という「作為性」と郷土に代表される「自然性」を接合することによって生じたものだと論じています。とりわけ日本の近代においては、伊藤博文がこうしたナショナリズムの性格を自覚し、近代日本の枠組みをかたちづくったと著者はいいます。また、こうした二重の性格をもつナショナリズムを取り巻く言説に著者の考察はおよんでおり、本居宣長の「漢意」の排斥や、リービ英雄の日本に対するアンビバレンツがとりあげられています。

    つづいて著者は、橋川文三の国体

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    2019年03月05日
  • 母の教え 10年後の『悩む力』

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    姜尚中さんの日々の暮らしを綴ったエッセー集。
    軽井沢に引っ越して、季節の移ろいを感じて、畑を耕して、
    もちろん大学のお仕事もされているでしょうが、
    穏やかな日々の暮らしの中でも、お母さんの教えをその都度思い起こし、息子さんのことも折々に思い出し、
    丁寧な丁寧な暮らしぶりが伺えます。
    ゴルフにのめり込むようになったいきさつや、奥様とのやり取りなど、普段のお姿からは想像できない人間らしさがにじみ出て親近感を持ってしまうのです。

    今、大河ドラマにも先生役で御出演中ですね。

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    2019年02月01日
  • 母の教え 10年後の『悩む力』

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    ネタバレ

    私は、母の手作りの、旬の素材を生かした料理を通じて、心身を形作ってきた。食は単なる食べ物のことではなく、人間の体、そして心の筋力を形作っていくと、彼女は、不変の真理のように固く信じていたのである 夫婦と言うものは、その一緒にいる歳月を通じて、それらの違いを感じとりつつ、いつの間にか、同じものを分かち合うようになってしまうらしい 日本と朝鮮半島とが抱え込んだ歴史の葛藤や桎梏も、それを一刀両断に断ち切ることができるわけではない 慇懃で、どこか腹に一物があり、すれっからしで、何かにつけて皮肉交じりのウィットを楽しんでいる

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    2018年11月17日
  • 国家のエゴ

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    2015年現在の世界情勢を掴むヒントを与えてくれるとともに、日本の自衛についてかんがえさせてくれる。世界情勢については、イスラム国をてこに周辺諸国の位置付けやイスラエルの苦悩などを知ることができたのが興味深かった。また、日本系沖縄人という意識が今の沖縄の人々の多数派になりつつあるという認識も新たに得られた貴重なものだった。

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    2018年11月12日
  • 続・悩む力

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    ・人間の3つの価値「創造」「経験」「態度」
    ・人間は,はかなく死ぬ運命にあることを念頭に置いて,あくまでも謙虚に人間的なものを肯定する
    ・人間にとって重要なのは「唯一性」
    ・吾輩は過去である
    ・「個人的共鳴」という新しい言語が必要
    ・人生の問いに答える.responsibilityはresponseの派生語

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    2018年10月09日
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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    面白いのだけれど、☆を1つ減じたのは本書の目論見である「明るい未来像の提示」よりも、現状への不満が多く述べられていたような気がするから。
    もちろん現状の分析があっての未来像だとは思うのだけれど、もっともっと「どんな可能性があるのか」という点について聞きたかったので、その分が残念でした。

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    2018年05月11日
  • 漱石のことば

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    漱石を読んだ中高生の頃の思いが蘇る。今読めば、新たな発見があるのだろうね。引用文がやたらと大きいのも親切。このくらいの字でもう一回読むかな。。。

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    2018年03月31日
  • 悩む力

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    ネタバレ

    悩んでていいんだって思えた。

    『他人とは浅く無難につながり、できるだけリスクを抱え込まないやうにする、世の中で起きていることにはあまりとらわれず、何事にもこだわりのないように行動する、そんな「要領のいい」若さは、情念のようなものがあらかじめ切り落とされた、あるいは最初から脱色されている青春ではないでしょうか。』

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    2018年03月29日
  • 逆境からの仕事学

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    ネタバレ

    読書や歴史に学びつつ人文知を身につけ活用して、これから続く不安定な時代を生き抜こうというメッセージ。新聞の活用や、読書の方法など、具体的でわかりやすい。
    タイトルには仕事術とありますが、普通に人生論としてカテゴリーすべき内容だと思います。

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    2018年01月17日
  • 心

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    「死」とはなんだろう? という問いに対する著者の思いを小説仕立てにしたもの。何に期待するのかによって印象は違うと思うけど、問わずにいれない問があり、それをこうした形にしておきたかったのだろうと思う。東日本大震災も描かれているけど、不愉快な感じはなかった。

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    2017年12月18日
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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     私の好きな作家,内田樹さんと姜尚中さんの対談なんだから,面白くないわけがありません。
     この二人は,いつも新しい視点を与えてくれます。
     今回のテーマは,アジア。日本と韓国と台湾の連携で,新しい可能性が拓けていく…というのは,現実からみると無理そうに見えますが,そういう大風呂敷を広げないことには,いつまで経ってもアメリカの属国になっているだけです。
     今回の安倍とトランプの外交を見ても,悲しくなってきます。
     日本の右翼がどうして反トランプ,反安保にならないのか,不思議です。

     韓国が植民地支配の反省から,漢字を廃止してハングルにしたために,若者たちが韓国の古典を読めなくなっている…という

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    2017年11月23日
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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    姜尚中氏と内田樹氏の対談。2冊目だったような気がします。
    今回は、アジアのなかで、日本と韓国、台湾が連携をして
    東アジア圏をつくるという話。
    ちょっと実現には遠いきもしますが。。
    ちょっと間違えると大東和共栄圏と同じようなことに
    なる気もします。
    でも、今の風潮に危機感をもっているということは
    非常に同意。

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    2017年09月24日
  • NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ

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    以前、姜尚中の講演会で聞いた話と重複する部分があった。
    改めて夏目漱石の描いた「近代的自我」と「孤独」について考えさせられた。
    さらに「死」と「死にいくものが物語る」こと、「物語を受け取る者」といったことまで描かれているという指摘は興味深い。

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    2017年09月13日
  • 母 ―オモニ―

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    激動の時代を生き抜いた、著者のお母さんの自伝。これでもか!これでもか!と色々な災難や不運に見舞われても、"何とかなる、何とかなるばい"と前向きに逞しく生きた様は国籍とか関係なく、胸を打たれた。

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    2017年09月11日
  • 見抜く力

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    今日も大変。でも書評ブログは続けるよん。今日の書評は「見抜く力」姜尚中(カンサンジュン)著。

    お前、コリアンの方の書評って言われる方もいるかもしれないが、サンジュン先生は在日二世で、もちろん日本語はペラペラ。早稲田大学大学院博士課程修了後、ICU准教授、東京大学大学院教授、聖学院大学学長などを歴任している、まさに日本人にとってのオピニオンリーダーの一人なのだ。

    「サンジュン先生なら知ってるよ!朝まで生テレビに出てた先生でしょ?」と言われる方、かなりの通ですね。私もサンジュン先生を同番組で知りました。氏の日本国への愛情はディープ(深い)かつコンシスタント(首尾一貫)で、私も「この方日本好きな

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    2017年08月11日
  • 逆境からの仕事学

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     仕事とは何か、何のために働いているのか、このような疑問を持つ人は多いだろう。特に現在の仕事に満足感を得ていない人ほどもやもやした思いを抱えながら、それでも仕方なく毎日仕事をしているのではないか。本書は姜尚中さんが自らの体験を交えながら、仕事の意義について語る。そもそも仕事とは何か、という問いに対しては「社会へのチケット」、「自分らしさの表現」と答えている。二つめの「自分らしさの表現」というのが難しく、特に仕事ではそれが達成できないことが多くなっている。そこで著者は仕事だけでなく複数の軸を持つことを勧めている。また「自然」、そのままの自分を受け入れることが大切であると話している。そのままの自分

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    2017年05月19日
  • 逆境からの仕事学

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    読書数がある程度増えてくると、良書には共通した考えが流れていることに気づきだした。
    本書でも、アドラーの共同体、マインドフルネスの考え等の内容が参照もしていないのに自然と書かれていることに驚いた。
    著者自身の経験談も豊富に語りつつ、これまでの研究成果も引用されており、非常に説得力ある内容になっている。
    単なるノウハウ本ではなく、これからの時代の仕事とは何かということを一緒に考えるための良書である。

    ・自分はなぜその仕事をしているのか、その仕事を通じて自分はどうなりたいのか、そして社会に対して自分は何ができるのかを、日々、真剣に問うことは、働くうえで原点になると思います。
    ・複眼的な視点を持つ

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    2017年04月25日