姜尚中のレビュー一覧

  • 悩む力

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    ネタバレ

    夏目漱石とウェーバーの思想の共通点を抜き出して、それらから現代的なエッセンスを抽出すると我々の悩みについての本質的な部分と重なるのではないか、ということを書き綴った本である。

    夏目漱石もウェーバーも共に今現在まで読み継がれる名著、古典を残した人物であり、こういった形で現代的なアプローチが出来るんだよ、と示されると改めて古典を読むことの重要性を気づかされる。

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    2018年11月25日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    本書の時点で、”まさかないよね”的感覚で語られていることが、現実として起こっている今日。例えば安倍内閣の持続。例えばトランプ大統領就任。普通に考えたらあり得ん事態だけど、何がどうとち狂ったか、そんなまさかを目の当たりにしてしまっている。もっと最悪の事態として、もっとまさかの事件として、第三次世界大戦にも触れられているんだけど、これ以上馬鹿げた世界にならないことを祈るばかり。自分に出来そうなことも積極的に探して、なるべく参加していくよう心掛けよう、と思いを新たにした次第。

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    2018年08月15日
  • 逆境からの仕事学

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    ラジオで「仕事学のすすめ」を聞いて購入。聞いているときはさらさらと流れた言葉をもう一度受け止めることができた。

    古典を読もう、と書かれた本は何冊も読んできたし、実際そうしたほうがいいんだろうとなぁと思っているけれど、とっつきにくそうで、本屋に行っても手を伸ばせなかった。

    でも、本書で紹介されていた古典はどれも読んでみたいし、実際、紹介されていた本の中から1冊購入した。

    なぜ手が伸びたんだろう。読みたいと思ったんだろう。これまで読んできた本と何が違ったんだろう。読んだあと、ずっと考えている。

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    2017年12月12日
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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    日米安保の実在よりも、アジア辺境の虚妄に賭ける。一国の国力とは、よりよい未来を創ろうとするヴィジョンの提示力であり失敗から学ぶ復元力である。

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    2017年10月09日
  • 国家のエゴ

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    久々の佐藤優。書中で対談相手の姜尚中が、絶妙な評価をしているが、その通り、佐藤優の視座が時々分からなくなる。単純に、左派なのか右派なのかという事についてさえだ。現政権を批判する論が今作は多い。そして、自らを沖縄人と言った上で、沖縄独立により、尖閣問題は無くなると。茶化しているのではない、何かしらの心理的な動きを感じざるを得ない。これから佐藤優は、どう動いていくのか。

    以下、本著で気になった事。

    日米の戦争時、敵国において自国の権益を保護するために第三国を指名する。それを利益代表国、あるいは利益保護国という。アメリカの利益代表国はスイスで、日本はスイスを通じてアメリカと連絡をとるようになった

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    2016年09月27日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    内田樹氏と姜尚中氏どちらも好きな作家であり思想家です。
    その二人が初めての対談だそうで。。
    そうだったのかと意外に思えます。二人とも同じ思いを
    共有されているのに、そこに至る推論や論拠が異なる
    ところがあってとても面白く読めました。

    本日国際ブックフェアに言ってきたのですが、
    内田先生の講演は満席で拝聴できずでした。
    聞きたかったなあと。。。。
    本日の講演は林真理子氏・内田樹氏・茂木健一郎氏の3人
    どれも満席でした。

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    2016年09月24日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    何はともあれこのタイトル、センスなさ過ぎないか。
    中身とはほとんど関係のない煽りっぷり。
    せっかくの2人の刺激的な対談が台無しになっている感。
    こういうタイトルに惹かれる人にこそ読んでもらいたいというメッセージなのかもしれないけれど、それにしてもなあ。

    個人的には末尾の方で指摘されている「飽きている」という指摘が腑に落ちた感じでした。戦後70年を経て、日本人は今の社会に、政治に、平和に「飽きている」という指摘。
    たとえば戦争状態に巻き込まれずに半世紀以上の時間を過ごすということは文字通り「有り難い」ことなのだと思う。その奇跡的な出来事が70年続いてくれたおかげで僕たちはそれを「有り難い」と思

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    2016年07月29日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    強烈な個性二人による対談でこれが初見と言うことが驚きです。後書きで内田さんがかいているように、全力でぶつかっていることがわかる面白い本でした。

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    2016年07月19日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    日本はシンガポール化するのか? この章が一番面白かった。緊急事態条項を書き込むことによる憲法改正は、日本社会を独裁への道へと開くことになるかもしれないが、一方で、自民党は新自由主義的政策を決して手放そうとはしない。金儲けしながら独裁への道を開く。そのモデルとなっているのがシンガポールな訳だが、そのモデルを日本に導入するにはかなりの無理がある。そもそも経済成長という幻想から離れ、どのような社会を築くことができるのかという問題提起を行っている。本書は、日本のことだけではなく、世界情勢(特に、フランスとアメリカの議論が多い)に広く目配せし、世界が第三次世界大戦に向かっているのではないかと言及している

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    2016年07月16日
  • 悪の力

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    いままで読んだ姜さんの本の中で
    一番よかったと思う本です。
    どれも面白いと思うことが多いのですが、今回の本は
    とてもいいと思いますし、大げさにいうと感動します。
    悪とは何か?悪はどのように生まれるのか。
    最後の「第4章 愛は悪の前に無力か」とエピローグは
    その中でも秀逸。内容は書きませんが、一文一文が
    とても感慨深く、美しい言葉であり、感動で震える
    感覚があり、とてもいいと思います。
    また『ヨブ記』やドフトエフスキー『悪霊』
    『カラマーゾフの兄弟』は読んでみたいと思いました。

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    2015年12月01日
  • NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ

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    姜さんの、夏目漱石と「こころ」への愛がつまっている。多角的に「こころ」が分析・解説されていてわかりやすい。Kが死んでしまったのは、失恋と裏切りだけのためではなく、「自分の城」が崩れたことによる深い孤独のせいだった、というのが感慨深い。

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    2015年11月04日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
    日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
    受験勉強しているわけではないのですが)
    そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
    塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
    くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
    なので割と気に入っています。そこで読み終わった
    今回のこの本。
    川崎の桐光学園高校に様々な
    論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
    らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
    こんな高校生はとても幸せだと思いますが
    多分自分が高校生だったときはあまり興味を
    覚えなかっただろうなあと思います。
    でも、それでもそういうことを言っていた

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    2015年06月28日
  • トーキョー・ストレンジャー

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    ネタバレ

    いろいろと考えさせられることがある本。
    東京についての深い教養を養ってくれる本、
    <メモ>
    ・絵画というものは、見る人の精神的な世界と混じりあうと、一瞬にして火花が散るようなことがある。視覚を通じて、直感的なひらめきがおこる。

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    2015年01月23日
  • 心の力

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    グローバリゼーションが進み、多様化が進むどころか、むしろ人びととの価値観が画一化し、「代替案(オルタナティヴ)」というものを考えられなくなった。どのような生き方が賢くて、どのような働き方が尊敬されて、どのような生活スタイルがカッコいいのか。そうしたことについての価値観が異様なくらい画一的になっていて、それ以外のものを思いめぐらす想像力がないのです。一つの価値観しか持っていないと、それが崩れたときに逃げ場がないという恐ろしさがあります。
    心の豊かさとは、究極のところ複数の選択肢を考えられる柔軟性があるということなのです。現実はいま目の前にあるものだけではないとして、もう一つの現実を思い浮かべるこ

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    2015年01月17日
  • NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ

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    【読書その233】夏目漱石の「こころ」。自分の中ではこの本が漱石の中で一番好きだと思う。本書はNHKの番組「100分で名著」の「こころ」の解説本。生きるとは、死ぬとは何かを改めて考えさせられる。
    もう一度「こころ」を読み返したくなる。

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    2014年08月13日
  • 心の力

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    「心をどう捉えるかについてはさまざまな考えがあるでしょうが、心は、自分が何者であり、自分がこれまでどんな人生を歩んできたのか、「そして、それから」どう生きようとするのかという、自分なりの自己理解と密接に結びついています。その意味で、心は、人生に意味を与える「物語」においてのみ、理解可能なのです。」

    「これは、いくら意志堅固でも選択肢を持たない者は脆弱であり、軟弱なようでも選択肢を持っている者は頑強だということを象徴してあるのではないでしょうか。」

    「私は、ハンス・カストルプの洗礼盤、河出育郎の万年筆が象徴しているような、受け継ぎ、さらに語り継いでいくものを、みなさんがしっかりと自分の手で握

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    2014年05月24日
  • 心の力

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    「魔の山」と「こころ」。二つの名作の主人公が数十年の時を経て、おともだちになってしまうという実験的妄想ノベルも掲載。

    過去に向き合いすぎなのも、いかがなものかと思うけど、過去に向き合わないと、語り継ぐべきものはない。自分が自分こそが語り継ぐべきものが何なのか判ったとき、初めて生きる意味が見つかるのじゃないか。妄想ノベルのラストの場面で、そんなふうに感じたり感じなかったり。

    乾いた時代の迷える人々に。

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    2014年01月23日
  • 続・悩む力

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    読み終えて、自分の中にあったモヤモヤが成文化された気持ちになり、気分がスッとしました。最後の姜先生の力強い言葉に背中を押されました。

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    2014年01月14日
  • 続・悩む力

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    ネタバレ

    悩む力の続編である本書は、二度生まれをテーマに現代における幸せについて考えている。2011年3月におきた大震災によって宗教に代わって信仰されてきた科学への不信。
    夏目漱石の原著を元に結論として二度生まれのススメをしている。
    漱石は読んでみようと思ったが、作者の言葉自体にはなんら共感できなかった。着眼点は素晴らしいと思う。

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    2013年07月02日
  • 悩む力

    Posted by 読むコレ

    姜尚中の考え方にはある種の共感が持てます。特に漱石の考え方と今の時代が妙にマッチしているということはよくわかる気がします。

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    2012年09月06日