姜尚中のレビュー一覧

  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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    ビジョンを創る能力がある国家にどうやったらなれるのか、独裁にならず非効率でも民主主義が保てるのか、課題は大きい

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    2025年03月13日
  • 悪の力

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    資本主義社会の歪みが "勝ち負け" といった基準をつくり敗者には自己責任といった烙印を押す。勝者は過ちがあっても認めず責任から逃避する。このシステムでは決して互いに助け合う手段が選択されず弱者は一部の有志によるボランティアや少ない援助に期待するしかない。この理不尽な現状に怒りはうまれやがて "悪の力" が作用する。これが "悪" の全てではなく不安という思考がやがて排除という行動へ向かい果てに虐殺という惨劇もあり得る。ではどこに解決策があるのか、私たちは責任追及といった答えではなく "赦す" という持続を伴う心の変

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    2024年11月20日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    知らない論者も多いのだが,なかなか良い企画だったと思う。
    個人的に自由に最高の価値を置いているつもりなのだが,そもそも自由とは何か,きちんと考える必要がある。自由でないから自由という概念が必要となるという指摘はそのとおりだし,自由と秩序の関係も深める必要がある。
    学術会議の問題は解決されないまま世間からは忘れられてその動きは目的を達しようとしている。カネは出すけど口は出さないなんて器量をこの国に望むのはもう無理なのかもしれない。

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    2024年10月14日
  • ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント

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    「不器用な日々」清水眞砂子さん(かもがわ出版)
    の中に清水さんが国際児童図書評議会、
    いわゆる「こどもの本世界大会」に出席されたときに
    世界各地から集まった作家たちの中で
    ー戦争を生きのびるのと平和を生きのびるのと、どちらが困   難か。ひょっとすると、平和を生きのびるほうがはるかに困難ではないか。それができなくなった時、私たちはまたぞろ戦争に手を伸ばすのではないか」
    と発言し、いろいろな国の作家から反論を受けた。
    と紹介されておられることを思い起こしました。

    改めて
    今のこの日本の「平和」って
    どういうことだろう
    俯瞰してみると
    どうみえるのだろう
    どうとらえたらいいのだろう

    2007年

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    2024年10月03日
  • 悩む力

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    自由に生きることが可能であるゆえの苦しさとどう向き合うべきかを、夏目漱石やウェーバーの思想をたどりながら書き記している本。100年も前に生きていた二人だけれども、戦後の発達しきった社会で生きているという点で現代の私たちと同じだからこそ、通ずる考え方や悩みがあるのがとても興味深かった。
     自由だから故の悩みを解決するためにだした作者の結論が、「悩み抜くこと」だというのが、(曖昧な感想ではあるけど)良いなあと思った。情報が溢れ、技術が進歩した社会で生きると、たくさん手段はあるけれど、結局一番自分が納得できて信用できる方法は自分で悩んで結論を出すことなのだなと思った。

    15年以上も前に書かれたとは

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    2024年08月18日
  • 新世界秩序と日本の未来 米中の狭間でどう生きるか

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    ネタバレ

    本書が安倍元首相暗殺(の一年)に前書かれたものなんだよなと言うことを思いつつ読み。内田先生はよく「これからの日本」を予測してそれがその通りになったかならなかったを検証するということをされるようです。(別の著作に書かれてました)

    2024年春現在、米国でトランプ元大統領が再選される可能性が出てきたことを踏まえて読むと、三年前に出版された本書も一段と興味深く読める気がしました。
    政治や世界情勢に疎いので果たしてちゃんとついていけるのか、と思いましたがやっぱりそれほど理解できた気はしなかった(笑)
    しかし読み通せたのは対談形式だったからでしょう。

    それにしても内田先生はすごい。専門家じゃないのに

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    2024年04月01日
  • 悩む力

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    ネタバレ

    社会経済の猛烈な変化に晒された現代人にも通じる悩みを百年前に直視した夏目漱石とマックス・ウェーバーをヒントに、最後まで悩みを手放すことなく、真の強さを掴み取る生き方を提唱する。
    本書は悩むことを肯定し、「悩んで悩んで、悩み抜け!」と読者を鼓舞する。
    こちらの方が、「悩んでいても仕方ないよ」と言われるよりどれだけ救いとなることか。
    「自我/金/知性/青春/信仰/働くこと/愛/死/老い」について、「まじめに」悩みぬくことを勧める。
    悩める者の一人として、励ましとなる言葉に満ちていました。

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    2024年03月28日
  • 【カラー版】あなたは誰? 私はここにいる

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    タイトルがいいと思う。

    あなたは誰?と問われ
    なんと応じましょう?

    ちなみに相手は肖像画。
    時代も文化も何もかも
    違う相手。

    まずは名乗ってみる?
    いえいえそういうこと
    ではなさそうです。

    そう、問われてるのは
    アイデンティティです。

    見透かされてるんです、
    ボンヤリ生きてること
    を(¯―¯٥)・・・

    さてさて、なんと応じ
    ましょうか???

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    2024年02月17日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    今、私が自由だと思っているものは本当に自由なのだろうかと考えた。秩序はたしかに大事だけれど秩序以上に大事なものを蔑ろにしていないか。
    国は私を守ってくれるが同時に傷付けも見捨てもする。安易にぬるま湯に浸かっていることの危険性。
    これから先の時間を生きる人が傷付き見捨てられないように今を大事にしようと改めて感じた。

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    2024年01月29日
  • 悪の力

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    読みやすかった。
    なぜ悪が魅力的に思えてしまうことがあるのか。
    なるほど、と思えました。
    ゴールディングの「蠅の王」など、読んだことがない本の説明も多く、教養となる一冊でした。

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    2023年12月18日
  • アジアを生きる

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    西洋一神教に基づく善悪二元論とは異なる新しい世界秩序とはどうあるべきか、それはかつてアジアにあった思想と根底で通じるものはないか、考えさせられる。少なくとも西洋文明こそが理想であり到達点であり、総ての人類はそこに向かうべき、という思想を今更信じる人は居ないのだろうが、さりとてその代わりが安易なナショナリズムである筈も無い。
    「理解は出来ないが受け入れる(梨木香歩先生)」という考え方を持ちつつ、相容れない思想を抱きつつも最後の一線だけは越えないように出来ないか。相手が攻めてきているのにそんなナイーブな事は言っていられない、というのはその通りである。防備は必要だろう。だがそれは話し合いが無くて良い

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    2023年07月16日
  • 生きる意味

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    古希を過ぎた著者が日々の暮らしの中から
    生きる意味を探る
    それにしても、熊本と長崎の仕事を引き受け
    東京と3拠点を行き来する生活だったとは
    全く知らなかった
    食のこと、運動のこと、二匹の猫のこと、犬のこと
    ありふれた日常を通して、逆境の時代の生きる意味について考える
    堅苦しくなく、さらりと読めた

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    2023年04月11日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    ネタバレ

    今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
    そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
    それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。

    気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる

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    2022年11月14日
  • 心

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    3.11の震災を経験し、ライフセービングで遺体の引き上げのボランティアをした青年の、生きるとは、死とはまた僕って何を深く問い詰めた本。
     それでも生きろと励ましている本。姜尚中氏が息子を自死で失いながら息子へのオマージュにした本。

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    2022年10月03日
  • 新世界秩序と日本の未来 米中の狭間でどう生きるか

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    内田樹と姜尚中の対談本。お二人の対談本、私は読むのは初めてであるが、これが3冊目のものらしい。
    対談の内容も面白いのだが、あとがきで、内田樹が書いていることが本当に面白かったので紹介したい。

    【引用】
    ■何よりもありがたいのは、僕がこの領域では素人だということは読者のみなさんはつとにご存じですから、「政治についてウチダの話は眉に唾つけて聴かねばならない」というルールが周知されていることです。
    ■政治に関する領域では、僕の発言の真実含有量は35%くらいです。残り50%は「思いつき」で、「思い違い」が15%くらいです。
    【引用終わり】
    内田樹は政治を含む世相に関して一家言を持っている思想家くらい

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    2022年08月10日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
    ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。

    例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。

    詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対

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    2022年08月01日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背景等を感じながら読み進められるという点で対話的な(厳密には違うが)一冊になっている。
    自由を重んじる立場の方々の考えに多く触れることができて心地良さすら覚えるが、逆に反論する立場の人の意見にも触れたい気持ちになった。

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    2022年06月01日
  • 悪の力

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    「憎悪」のエネルギーは、他人と、社会と繋がりたいという切な願いがかなえられずに生じるものである。だから、少し力を抜いて、半分だけ怒りというものを肯定してみよう。
    様々な文学作品を例に取りながら説く、怒りのについて、怒りとの付き合い方について。

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    2022年04月26日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
    から読み始めました

    「芸術」の周辺にいらっしゃる
    人たちの 肌感覚による発言が
    そのままストレートに伝わってきます

    いつの世でも
    どの国でも
    「弾圧」「排除」は
    ピンポイントで行われる

    危うい この国では
    よほど意識しておかなければ
    いつのまにやら 加害者側に取り残されている
    ことになってしまうことが多いように思う

    本書を(肯定的に)読んでいる人たちとは
    どこかで しっかり つながっておきたい

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    2022年03月08日
  • 悩む力

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    高校の現代文の授業で読まされた記憶。ただ,それから自体がなんとなく面白かったのと,文学作品を時代背景や作者などの観点からの評論?を読んだのが初めてだったので新鮮で面白かった。

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    2022年02月18日