姜尚中のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「不器用な日々」清水眞砂子さん(かもがわ出版)
の中に清水さんが国際児童図書評議会、
いわゆる「こどもの本世界大会」に出席されたときに
世界各地から集まった作家たちの中で
ー戦争を生きのびるのと平和を生きのびるのと、どちらが困 難か。ひょっとすると、平和を生きのびるほうがはるかに困難ではないか。それができなくなった時、私たちはまたぞろ戦争に手を伸ばすのではないか」
と発言し、いろいろな国の作家から反論を受けた。
と紹介されておられることを思い起こしました。
改めて
今のこの日本の「平和」って
どういうことだろう
俯瞰してみると
どうみえるのだろう
どうとらえたらいいのだろう
2007年 -
Posted by ブクログ
自由に生きることが可能であるゆえの苦しさとどう向き合うべきかを、夏目漱石やウェーバーの思想をたどりながら書き記している本。100年も前に生きていた二人だけれども、戦後の発達しきった社会で生きているという点で現代の私たちと同じだからこそ、通ずる考え方や悩みがあるのがとても興味深かった。
自由だから故の悩みを解決するためにだした作者の結論が、「悩み抜くこと」だというのが、(曖昧な感想ではあるけど)良いなあと思った。情報が溢れ、技術が進歩した社会で生きると、たくさん手段はあるけれど、結局一番自分が納得できて信用できる方法は自分で悩んで結論を出すことなのだなと思った。
15年以上も前に書かれたとは -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書が安倍元首相暗殺(の一年)に前書かれたものなんだよなと言うことを思いつつ読み。内田先生はよく「これからの日本」を予測してそれがその通りになったかならなかったを検証するということをされるようです。(別の著作に書かれてました)
2024年春現在、米国でトランプ元大統領が再選される可能性が出てきたことを踏まえて読むと、三年前に出版された本書も一段と興味深く読める気がしました。
政治や世界情勢に疎いので果たしてちゃんとついていけるのか、と思いましたがやっぱりそれほど理解できた気はしなかった(笑)
しかし読み通せたのは対談形式だったからでしょう。
それにしても内田先生はすごい。専門家じゃないのに -
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Posted by ブクログ
西洋一神教に基づく善悪二元論とは異なる新しい世界秩序とはどうあるべきか、それはかつてアジアにあった思想と根底で通じるものはないか、考えさせられる。少なくとも西洋文明こそが理想であり到達点であり、総ての人類はそこに向かうべき、という思想を今更信じる人は居ないのだろうが、さりとてその代わりが安易なナショナリズムである筈も無い。
「理解は出来ないが受け入れる(梨木香歩先生)」という考え方を持ちつつ、相容れない思想を抱きつつも最後の一線だけは越えないように出来ないか。相手が攻めてきているのにそんなナイーブな事は言っていられない、というのはその通りである。防備は必要だろう。だがそれは話し合いが無くて良い -
Posted by ブクログ
ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
Posted by ブクログ
内田樹と姜尚中の対談本。お二人の対談本、私は読むのは初めてであるが、これが3冊目のものらしい。
対談の内容も面白いのだが、あとがきで、内田樹が書いていることが本当に面白かったので紹介したい。
【引用】
■何よりもありがたいのは、僕がこの領域では素人だということは読者のみなさんはつとにご存じですから、「政治についてウチダの話は眉に唾つけて聴かねばならない」というルールが周知されていることです。
■政治に関する領域では、僕の発言の真実含有量は35%くらいです。残り50%は「思いつき」で、「思い違い」が15%くらいです。
【引用終わり】
内田樹は政治を含む世相に関して一家言を持っている思想家くらい -
Posted by ブクログ
一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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